【完結】俺様御曹司の隠された溺愛野望 〜花嫁は蜜愛から逃れられない〜

椿かもめ

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エピローグ

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 明るい照明の下、ドレスアップまでした私は赤い絨毯の上を歩く。
 周囲には大勢の人間がこちらに視線を送っているが、昔とは違って緊張することはなかった。ただ、自然と背筋が伸びるのは昔からからわからない。

「花宮こはるさん、第五十九回日本アカデミズム賞、主演女優賞の受賞おめでとうございます。今のお気持ちはいかがですか」

「光栄です。応援してくださった皆様、いつもお世話になっている周りの方々に感謝したいです」

 私の言葉に記者は「ありがとうございます」とお辞儀をする。
 その場から立ち去り、袖の方に視線を送れば玲二が立っていた。周囲の人に断りを入れ、彼の元へと移動する。

 高級スーツに身を纏う玲二の美丈夫さは俳優陣にも劣ることなく、むしろこの場では目立つほどだ。苦笑しながら近づいてきた私を見て、どこか意地悪そうに口端を持ち上げた。

「……俺の目に狂いはなかったな」

「第一声にそれ?」

「ふっ………………主演女優承知おめでとう。これでようやく花宮いつきと並んだな」

 私はその言葉に頷く。
 ずっと目指していた終着点。その折り返しにようやく辿り着いたのだ。玲二の顔を見ていると抑えていた感情が溢れ出す。

「…………ねぇ、玲二さん。私、あなたと結婚できて本当によかったです。……今まで本当にありがとう」

「俺もこはると結婚できて幸せだ。ーーいつまでも愛してるよ」

「私もーー」

 私たちは微笑みあい、熱く抱擁したのだった。
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