異世界貴族は家柄と共に! 〜悪役貴族に転生したので、成り上がり共を潰します〜

スクールH

文字の大きさ
121 / 188
学園編 4章

第121話 帝立学園祭②

しおりを挟む
午後の担当者に引き継ぎを終わらせた僕とレーナは、校内を見て回ることにした。

と言っても僕が興味持つものなどあまり無い。

出し物は基本的に飲食系。

次に多いのが景品付きのミニゲーム系だ。

前世のように文化祭と言えば、ド定番のお化け屋敷は見かけない。

まず最初に僕たちが向かったのは、少し興味があったプルポ焼きだ。

プルポとは海に生息するタコ型の魔物。

食べることができる魔物の代表例の一つで、前世のタコと味も食感もよく似ている。

そしてプルポ焼きとは、まさしく、前世のたこ焼きとほぼ同じ食べ物だった。

実は、たこ焼きそのものは前世でもあまり食べた経験がない。B級グルメすぎて、親から家柄的に食べるなと禁止されていた。

でも、初めて食べた時のあの味は今も忘れられない。

レーナはプルポを気持ち悪がって興味を示さなかったが、僕は一箱買って早速食べてみる。

少し柔らかくて崩れやすかったが、まあまあ美味しかった。

プルポも固くなく適度に柔らかいので、すぐに飲み込める。

僕は満足して次の所へ向かった。


次に向かったのはマカロンを出している勝ち組の教室。

そこは、第二皇子のクラスだ。

僕らが訪れた時には第二皇子は不在で、顔を合わせずに済んだ。

この国が発祥のスイーツなだけあって、文句なしの美味しさだった。

出されたハーブティーともよく合い、食後の休憩にはうってつけだ。


しばらく堪能していると、

「ルイ様、次は何処に行かれます?」

前に座っていたレーナが聞いてきた。

僕はプログラムを見返しながらしばらく考えたが、

「特に何も決めていない。というか、あまり興味ない」

時間を長く潰せそうな演劇や音楽の発表会は明日、二日目である。

すると、僕の答えを聞いてレーナが言う。

「あの~、よろしければ行きたい所があるのですが。ルイ様、一緒に行きませんか?」

他に行く所もないし時間が潰せるならと思い、レーナについていくことにした。


レーナが向かったのは第一体育館。

この広い学園にある三つの体育館のうち最も大きな施設だ。

「ここで何をしているんだ?」

レーナは僕の質問に答えず中へ入っていく。

僕も後について入っていくと、そこには異様な・・・というか不思議な光景が広がっていた。

受付のすぐ傍で、横一列に並ぶ生徒たち。

彼らが両手で構えているモノをよく見てみると、銃であった。

その銃が向いている方向の先には、丸い的がある。

近くに説明が書かれた紙が貼ってあったので読んでみた。

説明曰く、これは最近開発された道具を使った遊び体験らしい。

筒状のモノ(銃のことだろう)に魔力を流し込むことでそこから玉が発射される。

それで狙いを定めて的に当てるというゲームらしい。

ん?射的ゲーム?!

何なんだ、この前世感溢れるゲームは!

まあ、ツッコんでも仕方がない。

僕たちもお金を払い、早速位置に付く。

持ち上げた銃、のようなものは意外に軽かった。

持ち手兼魔力流し口に左手を置き、トリガーに右手を入れる。

しばらくすると魔力が吸い取られていくのを感じる。

何とも言えない感覚に襲われた。

そしてある程度溜まったところで狙いを定めてトリガーを引く。

ドーーーン

そこまで大きな音は出なかった。

銃口から放たれた玉は的を逸れ、防御結界の張られている壇上に転がる。

なるほど、少しムズいな。

だが、苦戦するほどではない。

チャンスは三回。

僕はもう一度狙いを定めて打つ。

すると今度は的の端の方に当たった。

「なるほど、面白い」

やってみると思ってた以上の楽しさが。

僕は最後の一発を打ってから、もう少しやろうとお金を追加して払い再び列に並んだ。

それから四回ほどやった僕は満足してその場を後にした。


「ルイ様、少しやりすぎですよ!」
「うるさいな、お前から誘ったんだろ」
「そうですが・・・」

確かに、レーナの言う通り少しやり過ぎたのは反省している。

「で、次は何処へ行くんだ?」
「そのことなんですが、実はこの後、ナーレとしての予定がありまして」

ああ、リリスから情報を盗み出すための変装友人キャラのことだな。

「分かった、行ってこい」

・・・・さて、一人になってしまった。帰るか。


その後、無断で家に帰った僕はクラス担任の先生とアルスに叱られるのであった。
しおりを挟む
感想 13

あなたにおすすめの小説

転生したら名家の次男になりましたが、俺は汚点らしいです

NEXTブレイブ
ファンタジー
ただの人間、野上良は名家であるグリモワール家の次男に転生したが、その次男には名家の人間でありながら、汚点であるが、兄、姉、母からは愛されていたが、父親からは嫌われていた

戦場の英雄、上官の陰謀により死亡扱いにされ、故郷に帰ると許嫁は結婚していた。絶望の中、偶然助けた許嫁の娘に何故か求婚されることに

千石
ファンタジー
「絶対生きて帰ってくる。その時は結婚しよう」 「はい。あなたの帰りをいつまでも待ってます」 許嫁と涙ながらに約束をした20年後、英雄と呼ばれるまでになったルークだったが生還してみると死亡扱いにされていた。 許嫁は既に結婚しており、ルークは絶望の只中に。 上官の陰謀だと知ったルークは激怒し、殴ってしまう。 言い訳をする気もなかったため、全ての功績を抹消され、貰えるはずだった年金もパー。 絶望の中、偶然助けた子が許嫁の娘で、 「ルーク、あなたに惚れたわ。今すぐあたしと結婚しなさい!」 何故か求婚されることに。 困りながらも巻き込まれる騒動を通じて ルークは失っていた日常を段々と取り戻していく。 こちらは他のウェブ小説にも投稿しております。

地味な薬草師だった俺が、実は村の生命線でした

有賀冬馬
ファンタジー
恋人に裏切られ、村を追い出された青年エド。彼の地味な仕事は誰にも評価されず、ただの「役立たず」として切り捨てられた。だが、それは間違いだった。旅の魔術師エリーゼと出会った彼は、自分の能力が秘めていた真の価値を知る。魔術と薬草を組み合わせた彼の秘薬は、やがて王国を救うほどの力となり、エドは英雄として名を馳せていく。そして、彼が去った村は、彼がいた頃には気づかなかった「地味な薬」の恩恵を失い、静かに破滅へと向かっていくのだった。

【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。

三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎ 長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!? しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。 ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。 といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。 とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない! フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!

幼馴染が家出したので、僕と同居生活することになったのだが。

四乃森ゆいな
青春
とある事情で一人暮らしをしている僕──和泉湊はある日、幼馴染でクラスメイト、更には『女神様』と崇められている美少女、真城美桜を拾うことに……? どうやら何か事情があるらしく、頑なに喋ろうとしない美桜。普段は無愛想で、人との距離感が異常に遠い彼女だが、何故か僕にだけは世話焼きになり……挙句には、 「私と同棲してください!」 「要求が増えてますよ!」 意味のわからない同棲宣言をされてしまう。 とりあえず同居するという形で、居候することになった美桜は、家事から僕の宿題を見たりと、高校生らしい生活をしていくこととなる。 中学生の頃から疎遠気味だったために、空いていた互いの時間が徐々に埋まっていき、お互いに知らない自分を曝け出していく中──女神様は何でもない『日常』を、僕の隣で歩んでいく。 無愛想だけど僕にだけ本性をみせる女神様 × ワケあり陰キャぼっちの幼馴染が送る、半同棲な同居生活ラブコメ。

高校生の俺、異世界転移していきなり追放されるが、じつは最強魔法使い。可愛い看板娘がいる宿屋に拾われたのでもう戻りません

下昴しん
ファンタジー
高校生のタクトは部活帰りに突然異世界へ転移してしまう。 横柄な態度の王から、魔法使いはいらんわ、城から出ていけと言われ、いきなり無職になったタクト。 偶然会った宿屋の店長トロに仕事をもらい、看板娘のマロンと一緒に宿と食堂を手伝うことに。 すると突然、客の兵士が暴れだし宿はメチャクチャになる。 兵士に殴り飛ばされるトロとマロン。 この世界の魔法は、生活で利用する程度の威力しかなく、とても弱い。 しかし──タクトの魔法は人並み外れて、無法者も脳筋男もひれ伏すほど強かった。

最遅で最強のレベルアップ~経験値1000分の1の大器晩成型探索者は勤続10年目10度目のレベルアップで覚醒しました!~

ある中管理職
ファンタジー
 勤続10年目10度目のレベルアップ。  人よりも貰える経験値が極端に少なく、年に1回程度しかレベルアップしない32歳の主人公宮下要は10年掛かりようやくレベル10に到達した。  すると、ハズレスキル【大器晩成】が覚醒。  なんと1回のレベルアップのステータス上昇が通常の1000倍に。  チートスキル【ステータス上昇1000】を得た宮下はこれをきっかけに、今まで出会う事すら想像してこなかったモンスターを討伐。  探索者としての知名度や地位を一気に上げ、勤めていた店は討伐したレアモンスターの肉と素材の販売で大繁盛。  万年Fランクの【永遠の新米おじさん】と言われた宮下の成り上がり劇が今幕を開ける。

最強無敗の少年は影を従え全てを制す

ユースケ
ファンタジー
不慮の事故により死んでしまった大学生のカズトは、異世界に転生した。 産まれ落ちた家は田舎に位置する辺境伯。 カズトもといリュートはその家系の長男として、日々貴族としての教養と常識を身に付けていく。 しかし彼の力は生まれながらにして最強。 そんな彼が巻き起こす騒動は、常識を越えたものばかりで……。

処理中です...