96 / 251
恋は盲目
しおりを挟む
※リオ目線。
成り行きではありますが、今日から私もバイトデビューする事になりました。
人間界でバイトするなんて初めてなのでちょっと楽しみだったりします。
悠太さんも一緒だし……。
いや、それはただ知り合いと一緒だからですからね……。
別に他意はありませんよ。
って誰に言い訳してるんでしょうか……私は。
兎に角きっと楽しくなるはず!……そう思っていたのですが……。
志麻さんは相変わらずだし……なんと悠太さんから聞かされたトラウマエピソードの二人がアルバイト先で働いていたのです。
「リオちゃん、宜しく。
うちの職場忙しい時はほんと忙しいから覚悟しなよ?」
嫌悪感があるからか、悠太さんには凄く厳しかった神田さんも私にはとても優しかった。
「はい!頑張ります!」
「うん、分からない事は気軽に聞いてくれていいから。」
「ありがとうございます。」
優しい先輩バイトさんがいて良かったです……。
なんて安心していられたのも束の間。
「リオちゃん!そっち宜しく!」
「あ、はい!」
そこから慌ただしく動き回りながらも、神田さんにはその合間に接客のやり方からレジの使い方とかを本当に分かりやすく教えてもらった。
「三澄!遅い!」
「はひ!?」
ほんと、、悠太さんには厳しいけど……。
でもこうして関わってみて神田さんが本当は優しい人だと言うのが分かりました。
それは多分悠太さんも気付いてると思います。
だからあんなに厳しくされても言われた通りに仕事をしている。
対して……。
「悠君、頑張ってね!」
「あ、あの。」
もう一人の先輩アルバイトの豊原先輩はと言うと……正直苦手です。
「……何?」
神田さんにも色々教えてもらったのですが、当然神田さんでも教えられない場面や分野はある。
だからこうして豊原先輩にも聞かなきゃいけない事がある訳なのですが……。
「えっと...。」
「用があるなら早くしてくれないかな。」
不機嫌を隠さないような態度と言葉遣い。
「ご、ごめんなさい。
これはどこに片付けたら……。」
「あぁ、その辺に置いとけば?
あ、悠君!」
悠太さんの顔を見ると、少し前まで私に向けていた無愛想な表情が見るからに変わる。
確かに、転生前の世界で、悠太さんは彼女に告白されたと言っていました。
悠太さん以外有り得ないと言う程だったらしいですが、最終的に彼女は別の人と結婚したと聞いています。
それがどうしてそうなったのかは聞いてないし、そうなるまでにどんな心境の変化があったのかは分かりません。
でもそんな状態で転生したなら、悠太さんへのあの態度はどういう事なのでしょう。
その辺りの話も含めて悠太さんと話さないと……。
そして昼休憩。
早速悠太さんに相談しようと思っていたのですが……。
「そうだ!悠君良かったら私のお弁当少し食べない?ちょっと多めに作ったの!」
なんて、近くに私が居るのにもお構い無しで持って来た弁当を広げて悠太さんに差し出す豊原先輩。
なんと言うかあれですね……。
好きな人と自分しか世界に居ない、見えてないとでも言いたいような……。
まるでこの状況をあえて見せつける事によって邪魔をするなと牽制しているかのような……。
兎に角、状況的にとても気まずいのは確かです。
持ってきていたお弁当も正直全然味がしませんでした……。
「私、先に戻りますね。」
いつもなら絶対食べ切れる筈のお弁当を、今日は食べる気になれず半分以上残してしまいました……。
正直気まずさもあります。
でも何故か目の前で築かれている二人だけの世界が見ていられず、その場を離れずにはいられませんでした。
悠太さんも何か話があるようだし、仕事帰りには一緒に帰って話せますかね……。
そして結局、それも叶わずに終わる。
「悠君!途中まで一緒に帰ろ!」
あぁ、まただ……。
私が入り込む余地なんてないし、入り込ませる気も無いような。
「私、先に帰りますね。」
そう言って背を向けた後、一度だけチラリと振り返ると、自然な感じで悠太さんの腕を引く豊原先輩が見えてモヤっとします。
なんでだろう、すごく寂しい。
朝一緒にバイト先に向かうまでは、いつでも話せていたのに。
なんだか悠太さんがとても遠くに行ってしまったような。
「疲れてるんでしょうか……。」
一人トボトボと駅に向けて歩く。
自然と足取りも重くなる。
本当にどうしてしまったんでしょうか。
今まで一人でいる時間の方が長かった。
家に帰っても一人だし。
それで別に寂しいと思った事は無かったし、いや最初は感じていたかもしれない。
でもいつからかそれが当たり前になって気にならなくなっていて。
なのに……。
今は一人で居る事がこんなにも寂しくて、胸が痛い。
早く帰ろう……。
駅に向かっていた足を止め、人目につかない場所に移動してから行きたい場所ドアを使って部屋に戻る。
引き出しから顔を出しても悠太さんはまだ居ません。
ドアを使ってすぐに帰ったから当然ですが……。
今頃豊原先輩と何をしているんでしょうか……。
不安と一緒にモヤモヤとした感情が渦巻く。
色々考えたところで何も変わらないし、きっと悪いようにしかならないだろう。
何もする気にならず、そのままベッドに倒れる。
「明日からもやっていけるんでしょうか……。」
まだ初日なのに……。
仕事自体は忙しいながらにやりがいがあって良いなと思った。
でもあんなのを毎日目の前で見せつけられる事を考えると、どうにも気が滅入ってしまう。
「もうこのまま寝てしまおう……。」
そうして私は目を閉じる。
成り行きではありますが、今日から私もバイトデビューする事になりました。
人間界でバイトするなんて初めてなのでちょっと楽しみだったりします。
悠太さんも一緒だし……。
いや、それはただ知り合いと一緒だからですからね……。
別に他意はありませんよ。
って誰に言い訳してるんでしょうか……私は。
兎に角きっと楽しくなるはず!……そう思っていたのですが……。
志麻さんは相変わらずだし……なんと悠太さんから聞かされたトラウマエピソードの二人がアルバイト先で働いていたのです。
「リオちゃん、宜しく。
うちの職場忙しい時はほんと忙しいから覚悟しなよ?」
嫌悪感があるからか、悠太さんには凄く厳しかった神田さんも私にはとても優しかった。
「はい!頑張ります!」
「うん、分からない事は気軽に聞いてくれていいから。」
「ありがとうございます。」
優しい先輩バイトさんがいて良かったです……。
なんて安心していられたのも束の間。
「リオちゃん!そっち宜しく!」
「あ、はい!」
そこから慌ただしく動き回りながらも、神田さんにはその合間に接客のやり方からレジの使い方とかを本当に分かりやすく教えてもらった。
「三澄!遅い!」
「はひ!?」
ほんと、、悠太さんには厳しいけど……。
でもこうして関わってみて神田さんが本当は優しい人だと言うのが分かりました。
それは多分悠太さんも気付いてると思います。
だからあんなに厳しくされても言われた通りに仕事をしている。
対して……。
「悠君、頑張ってね!」
「あ、あの。」
もう一人の先輩アルバイトの豊原先輩はと言うと……正直苦手です。
「……何?」
神田さんにも色々教えてもらったのですが、当然神田さんでも教えられない場面や分野はある。
だからこうして豊原先輩にも聞かなきゃいけない事がある訳なのですが……。
「えっと...。」
「用があるなら早くしてくれないかな。」
不機嫌を隠さないような態度と言葉遣い。
「ご、ごめんなさい。
これはどこに片付けたら……。」
「あぁ、その辺に置いとけば?
あ、悠君!」
悠太さんの顔を見ると、少し前まで私に向けていた無愛想な表情が見るからに変わる。
確かに、転生前の世界で、悠太さんは彼女に告白されたと言っていました。
悠太さん以外有り得ないと言う程だったらしいですが、最終的に彼女は別の人と結婚したと聞いています。
それがどうしてそうなったのかは聞いてないし、そうなるまでにどんな心境の変化があったのかは分かりません。
でもそんな状態で転生したなら、悠太さんへのあの態度はどういう事なのでしょう。
その辺りの話も含めて悠太さんと話さないと……。
そして昼休憩。
早速悠太さんに相談しようと思っていたのですが……。
「そうだ!悠君良かったら私のお弁当少し食べない?ちょっと多めに作ったの!」
なんて、近くに私が居るのにもお構い無しで持って来た弁当を広げて悠太さんに差し出す豊原先輩。
なんと言うかあれですね……。
好きな人と自分しか世界に居ない、見えてないとでも言いたいような……。
まるでこの状況をあえて見せつける事によって邪魔をするなと牽制しているかのような……。
兎に角、状況的にとても気まずいのは確かです。
持ってきていたお弁当も正直全然味がしませんでした……。
「私、先に戻りますね。」
いつもなら絶対食べ切れる筈のお弁当を、今日は食べる気になれず半分以上残してしまいました……。
正直気まずさもあります。
でも何故か目の前で築かれている二人だけの世界が見ていられず、その場を離れずにはいられませんでした。
悠太さんも何か話があるようだし、仕事帰りには一緒に帰って話せますかね……。
そして結局、それも叶わずに終わる。
「悠君!途中まで一緒に帰ろ!」
あぁ、まただ……。
私が入り込む余地なんてないし、入り込ませる気も無いような。
「私、先に帰りますね。」
そう言って背を向けた後、一度だけチラリと振り返ると、自然な感じで悠太さんの腕を引く豊原先輩が見えてモヤっとします。
なんでだろう、すごく寂しい。
朝一緒にバイト先に向かうまでは、いつでも話せていたのに。
なんだか悠太さんがとても遠くに行ってしまったような。
「疲れてるんでしょうか……。」
一人トボトボと駅に向けて歩く。
自然と足取りも重くなる。
本当にどうしてしまったんでしょうか。
今まで一人でいる時間の方が長かった。
家に帰っても一人だし。
それで別に寂しいと思った事は無かったし、いや最初は感じていたかもしれない。
でもいつからかそれが当たり前になって気にならなくなっていて。
なのに……。
今は一人で居る事がこんなにも寂しくて、胸が痛い。
早く帰ろう……。
駅に向かっていた足を止め、人目につかない場所に移動してから行きたい場所ドアを使って部屋に戻る。
引き出しから顔を出しても悠太さんはまだ居ません。
ドアを使ってすぐに帰ったから当然ですが……。
今頃豊原先輩と何をしているんでしょうか……。
不安と一緒にモヤモヤとした感情が渦巻く。
色々考えたところで何も変わらないし、きっと悪いようにしかならないだろう。
何もする気にならず、そのままベッドに倒れる。
「明日からもやっていけるんでしょうか……。」
まだ初日なのに……。
仕事自体は忙しいながらにやりがいがあって良いなと思った。
でもあんなのを毎日目の前で見せつけられる事を考えると、どうにも気が滅入ってしまう。
「もうこのまま寝てしまおう……。」
そうして私は目を閉じる。
10
あなたにおすすめの小説
至れり尽くせり!僕専用メイドの全員が溺愛してくる件
こうたろ
青春
普通の大学生・佐藤健太は目覚めると、自宅が豪華な洋館に変わり10人の美人メイドたちに「お目覚めですか、ご主人様?」と一斉に迎えられる。いつの間にか彼らの“専属主人”になっていた健太は戸惑う間もなく、朝から晩までメイドたちの超至れり尽くせりな奉仕を受け始める。
友達の妹が、入浴してる。
つきのはい
恋愛
「交換してみない?」
冴えない高校生の藤堂夏弥は、親友のオシャレでモテまくり同級生、鈴川洋平にバカげた話を持ちかけられる。
それは、お互い現在同居中の妹達、藤堂秋乃と鈴川美咲を交換して生活しようというものだった。
鈴川美咲は、美男子の洋平に勝るとも劣らない美少女なのだけれど、男子に嫌悪感を示し、夏弥とも形式的な会話しかしなかった。
冴えない男子と冷めがちな女子の距離感が、二人暮らしのなかで徐々に変わっていく。
そんなラブコメディです。
昔義妹だった女の子が通い妻になって矯正してくる件
マサタカ
青春
俺には昔、義妹がいた。仲が良くて、目に入れても痛くないくらいのかわいい女の子だった。
あれから数年経って大学生になった俺は友人・先輩と楽しく過ごし、それなりに充実した日々を送ってる。
そんなある日、偶然元義妹と再会してしまう。
「久しぶりですね、兄さん」
義妹は見た目や性格、何より俺への態度。全てが変わってしまっていた。そして、俺の生活が爛れてるって言って押しかけて来るようになってしまい・・・・・・。
ただでさえ再会したことと変わってしまったこと、そして過去にあったことで接し方に困っているのに成長した元義妹にドギマギさせられてるのに。
「矯正します」
「それがなにか関係あります? 今のあなたと」
冷たい視線は俺の過去を思い出させて、罪悪感を募らせていく。それでも、義妹とまた会えて嬉しくて。
今の俺たちの関係って義兄弟? それとも元家族? 赤の他人?
ノベルアッププラスでも公開。
『お兄ちゃんのオタクを卒業させてみせるんだからね❤ ~ブラコン妹と幼馴染オタク姫の果てしなき戦い~』
本能寺から始める常陸之介寛浩
青春
「大好きなはずなのに……! 兄の『推し活』が止まらない!?」
かつて、私は信じていた。
優しくて、頼もしくて、ちょっと恥ずかしがり屋な──
そんな普通のお兄ちゃんを。
でも──
中学卒業の春、
帰ってきた幼馴染みの“オタク姫”に染められて、
私のお兄ちゃんは**「推し活命」**な存在になってしまった!
家では「戦利品だー!」と絶叫し、
年末には「聖戦(コミケ)」に旅立ち、
さらには幼馴染みと「同人誌合宿」まで!?
……ちがう。
こんなの、私の知ってるお兄ちゃんじゃない!
たとえ、世界中がオタクを称えたって、
私は、絶対に──
お兄ちゃんを“元に戻して”みせる!
これは、
ブラコン妹と
中二病オタク姫が、
一人の「兄」をめぐって
全力でぶつかり合う、果てしなき戦いの物語──!
そしていつしか、
誰も予想できなかった
本当の「大好き」のカタチを探す、
壮大な青春ストーリーへと変わっていく──。
隣に住んでいる後輩の『彼女』面がガチすぎて、オレの知ってるラブコメとはかなり違う気がする
夕姫
青春
【『白石夏帆』こいつには何を言っても無駄なようだ……】
主人公の神原秋人は、高校二年生。特別なことなど何もない、静かな一人暮らしを愛する少年だった。東京の私立高校に通い、誰とも深く関わらずただ平凡に過ごす日々。
そんな彼の日常は、ある春の日、突如現れた隣人によって塗り替えられる。後輩の白石夏帆。そしてとんでもないことを言い出したのだ。
「え?私たち、付き合ってますよね?」
なぜ?どうして?全く身に覚えのない主張に秋人は混乱し激しく否定する。だが、夏帆はまるで聞いていないかのように、秋人に猛烈に迫ってくる。何を言っても、どんな態度をとっても、その鋼のような意思は揺るがない。
「付き合っている」という謎の確信を持つ夏帆と、彼女に振り回されながらも憎めない(?)と思ってしまう秋人。これは、一人の後輩による一方的な「好き」が、平凡な先輩の日常を侵略する、予測不能な押しかけラブコメディ。
むっつり金持ち高校生、巨乳美少女たちに囲まれて学園ハーレム
ピコサイクス
青春
顔は普通、性格も地味。
けれど実は金持ちな高校一年生――俺、朝倉健斗。
学校では埋もれキャラのはずなのに、なぜか周りは巨乳美女ばかり!?
大学生の家庭教師、年上メイド、同級生ギャルに清楚系美少女……。
真面目な御曹司を演じつつ、内心はむっつりスケベ。
静かに過ごしたい冬馬君が学園のマドンナに好かれてしまった件について
おとら@ 書籍発売中
青春
この物語は、とある理由から目立ちたくないぼっちの少年の成長物語である
そんなある日、少年は不良に絡まれている女子を助けてしまったが……。
なんと、彼女は学園のマドンナだった……!
こうして平穏に過ごしたい少年の生活は一変することになる。
彼女を避けていたが、度々遭遇してしまう。
そんな中、少年は次第に彼女に惹かれていく……。
そして助けられた少女もまた……。
二人の青春、そして成長物語をご覧ください。
※中盤から甘々にご注意を。
※性描写ありは保険です。
他サイトにも掲載しております。
同じアパートに住む年上未亡人美女は甘すぎる。
ピコサイクス
青春
大学生の翔太は、一人暮らしを始めたばかり。
真下の階に住むのは、落ち着いた色気と優しさを併せ持つ大人の女性・水無瀬紗夜。
引っ越しの挨拶で出会った瞬間、翔太は心を奪われてしまう。
偶然にもアルバイト先のスーパーで再会した彼女は、翔太をすぐに採用し、温かく仕事を教えてくれる存在だった。
ある日の仕事帰り、ふたりで過ごす時間が増えていき――そして気づけば紗夜の部屋でご飯をご馳走になるほど親密に。
優しくて穏やかで――その色気に触れるたび、翔太の心は揺れていく。
大人の女性と大学生、甘くちょっぴり刺激的な同居生活(?)がはじまる。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる