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第二百四十一話 世界学校の話
しおりを挟む2,3日は平和にのんびり過ごしたドーラとユータにお呼びが掛かった。
ドーラとユータはドラゴニア王都の邸(王宮)に戻ってきた。
「なんだ?役人がいちゃもんつけたのか?」
と、ドーラは呼び出したダンマスに訊いたら、
「あー、うちで話つけましたから。で、総入れ替えになったようです即時、当日に。うちの魔人を明日には全ての組織に配置するから、って言ったんですけどねぇ」
いやそれだろ・・
「いやそんなことより、その後すぐにウチで作った世界連合で学校を定義しました。各国のそれは廃止。教育こそ同等にうけられるべきでしょう?」
まぁ、そうかな?
(ユータの学校が絡んできたんで、ダンマス、教育関係も知り始めたんだな?)ドーラ
(ボクはいいと思う。ダンマスなら安心だよ)ユータ
まぁ、そうかな?
「というか、凄く速くない?何その自分会議並の結果早さ!」ドーラ
「各国代表、いつも居ますからね?毎日出勤してますよ?」
まぁ、本来そうあるべきだよな?
「誰も抵抗しなかったの?」ユータ
「そうですねぇ?誰も一言も言わないし、ピクリともしないんですよね、私が喋る時は。」ダンマス
ほう、なるほど
「まぁ、ダンマスは正論言うから、反論はなんらかの悪徳があると自ら暴露するようなもんだからなぁ」ドーラ
「あ、そうですね。心読めばすぐわかりますしね」
「悪人は隠さなければならないことが多くて大変だねぇ」ユータ、のんき。
「で、旧ムータンにですね、あの全土使って国際学校をって話になったんですが、いや、出したのは私ですけども。あそこ気候が厳しいでしょ?なのでどうせなら、こっちはどうかな?って」
・・・・・・・
めんどくせい。
まず最初にドーラとユータの頭を占めたのはその一言だった。
せっかく全部丸投げしたのに・・・
「・・・国、作るのと、同じようなこと、するんだよね?」ドーラ
「まぁ、それに学校の建物を幾つか。最終的に10万人くらいになるかも?」ダンマス。
たのんますよ・・・
「・・・何歳から?」
「とりあえず、向こうの世界での中学生から行こうかな?って」
「・・・教師はどうするの?」
「机上のは向こうの教師で、・・・そうですね、ユータの学校の先生たちに面接官やってもらって選ぶのがいいでしょうかね」
「「まぁ、それなら・・・」」ユータ、ドーラ
「あと、最初は各国から男女1人づつ。203ヶ国あるので406人。」
ほっ、とするドーラとユータ。
「が、各学年」
げっ!!
「で、中学高校」
げげげっ!!
「教師は国関係なく資格とか無関係で人柄のみで選びます。誰でも応募可能にします。」
「だな。」
「うん、それのみだね。」
「面接時にはモモンガを配置します。」
((うっわー))
「まぁ、でも必要だね」ユータ
「どれだけ消えるだろう?」ドーラ
「半数くらいじゃないですかね?」
ダンマス・・・・それでもやるんかい・・・
「ちなみに、ダンマスはこっちの者を応募させるとしたら、どのくらい消えると思う?」
「うち(ドラゴニア)とゴンザールだけからだったら、ゼロじゃないですかね?」
まぁ、そんなとこだろうな。
うん。
「あのさ、もう向こうに余計なことさせないで、本当に必要なことだけ学ばさせたら?」ドーラ。
「やっぱそうですかね?」
「うん、ボクもそう思う」
科学とか化学とか工学とかいらない。
電気も無いのでいらない。あるから危険が倍増している。
数学も、算数に少し加えるだけでいい。
医学も勘違いしている部分多いし、医療もケミカルに依存し過ぎで危険。
ドーラは向こうで知ったことをダンマスに訴えた。
「それらがあるから、こっちに越させたくないんだよ」と。
「魔法を使わせない地域(旧ムータン王国以外)でも魔石でどうにかなるようにしたいですね、とは考えていました。でも、やはり電気ですか?」
「なぜこっちの世界に電気が無いと思う?開発されなかったの?電気がなければ発明されなかったこと、開発されなかったこと、が、無いと、どんな害が発生しなかった?”便利にする”は、場合によっては生き物にとって危険だよ。向こうとこっちの差を見ればすぐわかるよ。」
「少し違うかもしれないけど、監視班の山の上の監視所の子達も判ってたよね」ユータ
「そう。あれも違くないぞ?。自分の足で歩いてあの場所まで登ってみる、という経験は重要なんだ。転移や飛行しか使わなければ、経験できないことを彼らは楽しんで苦労してやっているんだ。TVやネットでわかったつもりになって現地に行かない者達が、TVやネットなどのおかげで分ったつもりになってる。」ドーラ
「言語も同じ。最初翻訳って意味わけわからなかった。俺ら魔法で意味の方を重視して概念で会話するけど、あっちの翻訳って、ほんと大雑把にか、一部だけか、なんか判るかな?程度にしかならない。」ドーラ
「まぁそれはそうですね。魔法使えない民族や国同士が戦ってしまうのは、双方の意思の疎通が低すぎることが最大要因ですね。というか、理解しようという気持ちが不足しすぎでしょうけども。」ダンマス
「そだね、相手を尊重しないから理解しようなどと思わないんだよね」
これは同じ言語の者達でも、同じ地域に住んでても、常にあった。意図的にそうしていた者達が多く居た、というか大半に見えた。問題が起きると(極少数がわがままら利益のために故意に起こす)、みなそうなった。
ユータはそれを実感していた。
「・・・まだ、あっちの者達にはこっちは早すぎますかね。」ダンマス
「一部、こっちの者達が誰もが”こいつなら”って者ならいいと思う」ドーラ
「うん。ボクもそう思う。」
「ムータンのときとは違うんだ」
ドーラはいい切った。
ムータンのときでもカスは居た。なので淘汰させた。それで泣くものも居た。が、その泣いた者達は仕方がないことだと言ってくれたし、彼らは自分達もそれを知っていたし、事実彼ら自身大きな被害も受けていた。
「あんな気持ちにさせられるなら、俺達は向こうの世界なんぞ責任を持つ必要ないんだ。何もしないで勝手にさせとけばいい。」
「うん。仕方ないと思う。心が違いすぎる。悪意が感染するような心を持っていると、いつかはこっちの皆も駄目になっていく。入れちゃいけないよ。」
「わかりました。旧ムータンでもなく、ダンマス王国でやるようにしましょう。旧ムータンには異世界転移門がありますからね。」
「うん。ダンマス王国でやるとしたら、教師にうちの人たちも行くんでしょう?」
「ええ、当然ですね。多ければ多いほど良いでしょう。」
「ならば、その人たちが”この子は是非ドラゴニアに連れていきたい”と言えば、こっちで良い方向に育てればいいと思う。心を育てるために。」ユータ。
「そうしましょう。ありがとう。よくわかりました。私もなんか少し焦ってたのですかね?。浅はかでしたね。」
「ダイジョブ。向こうを好きに成ってくれ始めたってことだから。ありがとうダンマス。」ユータ
「どういたしまして。そうですね、こっちの大切なことを、少しでも失ってはいけないところ、取り戻しがきかないところを冒すところでした。私はもっとこっちの多くを見るべきでしょう。」
ドーラは涙を堪えていた。
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