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第二百四十話 ドラゴニア分校?
しおりを挟む前話続き
流石に小さいと言え、一国まるまる学校にはできない。それほど生徒が居ない。
が、そういう話しが出た、とガンダから聞いた時ドーラは、
「んじゃ世界から生徒を集めりゃいんじゃね?現地に住めばいいだけだし。んで、ついでに自分たちの生活に必要な店屋とか、生産とかも全部やらしちゃえばいい。先生達は、生徒たちが明後日の方向に行かない様、見ててやるだけでいいから、楽ちんだろ?」
と平然と述べた。
確かに、ドラゴニアでは子どもたちがそれらをすべて行っている。なのでユータの元の世界でもできないわけない。
指導者がいればいい。
そして、指導者はいる。ムータンの子どもたち。高校生くらいだと皆もうリーダークラスだ。知識も経験も十分にあるのだ。
そして、ドラゴニアの子どもたちも、あの学校の生徒になるのだ。
「そう言われるとそうだな。うちの子たちが入るのを考えりゃ、出来ないことはない。あとは向こうの子どもたちがどこまでついていけるのか?だけだな」
とガンダ。向こうのこっちの差を、ユータとドーラがよく向こうの話をしていたので、それなりには把握しているのだ。
差が大きいとびっくりして覚えているものだ。
ドラゴニアの邸で朝食のあとのお茶の時にその話が出て、各部のリーダーたちも興味を持った様子だった。
俺らが主役じゃね?
おう、行きたいな!
向こうの連中って、ひ弱だっていうぞ?
まぁ、でもえらく違いすぎるってのは無いんじゃねーの?
最初は身体強化かけてやってりゃいいだろ?
それだなっ!!
しかも、学校なんだから授業に魔法あるだろ?
ああ、そのうち強くなるよな?
・・・多分、な?
大丈夫だって!向こうのムータン人があれだけ強くなってるんだぜ?
まぁ、そうだな。実例あるんだから行けるかもなー。
とか、もうやる気モードに入ってしまっていた。
それを、耳にしていたガンダも苦笑。とっととやらなければなぁ、と。
そう、まずこっち側、ドラゴニアに学校を作ることを始めなければならないのだ。
そーすっと、あとのことを考えたら、こっちの学校では魔法以外に狩りとか農業とかも入れなければなぁ、あと実技で店や宿で働かせてみるとかな、などいろいろ考えることは多くなった。
ダンマスは口を挟まなかったが、内心ほくそ笑んでいた。
もしそうなれば、世界の次の世代は確実にまともになっていくだろう。ダンマスやユータ、ドーラがその世代のバックアップをすれば、その子達はユータの世界での中枢なる。
ドラゴニアの子たちと同じ感性、同様な思考ができるようになれば、確実に良い社会を作るようになるだろう。
そして社会がクズを駆逐し、生み出さない方向になる。
ダンマスは楽しみにし始めた。
そういうことを先生たちが面白そうに話していると、いくら生徒たちの前で話さないでいてもいつの間にか噂は広がるものだ。
しかも、工科系なので中には論理的に噂話をまとめる者が少なくない。
彼らがまとめた話は
外国に姉妹校が出来る。希望すれば行けるように寄宿舎を作るとか言っているようだ。
多分、建築だけでも1年はかかるので、全体で早くて2年後ではないか?
で、
2,3年生はがっかり。
1年生は英語などに力を入れ始めた。
もちろんドラゴニアに作るので、そう時間はかからない。場所を選定するのに時間がかかったくらいだった。
広い校庭、デカイ講堂、体育館、プール、演習場、そして狩場が隣接してある所が便利だと、ドラゴニア側から教師になる皆が言うので。
ドーラ、ユータの2人がメインで、あとは手が空いた時にテイナやニヤ、リーダークラスの者達が手伝いに来てくれ、細かいものまで出来上がるまで3日ほどで済んだ。
王都での作業は、皆が手伝ってくれるのでとても楽だったドーラとユータ。
「こっちは終わった。あとは、向こうの学校側の引っ越し。学校側は電気製品持ってきたがるだろうけど、無理だから。サンプルで1台づつ持ってこさせて。魔石を使ってどうにかできないか皆で考えてみよう。」
と、ドーラは学校をガンダに引き渡した。
校長には工事の進捗を毎日伝えてある。なので、地球側のそれと全く違うということはわかっているようだ。
「そのうち、何か建築しているところも見せてください」と言っていたのは、実感できないからだろう。
大まかな所が済んで、ガンダに引き渡した後も、リーダーたちは学校にやってきて、あーだのこーだのと言い合い、追加でいろいろ作っていた。
何ができたのかというと、
鍛冶場
木工所
種苗場
小さめの養殖池
を、校舎の並びで校庭の端になるように、適度な間隔を開けて作った。
ドーラとユータは、校舎の中に教室一つずつを、鉄工用、木工用と用意していた。
しかし、リーダーたちの建てたものを見たら、
「確かに教室のみじゃ実用性ゼロに近いな」
と思ってリーダーたちを感心した。
で、引っ越しはそう大掛かりではない。先生たちのモノが大半で、日本側の学校もまだ仕様を続けるので全部持って来ていいわけではない。
荷物はドラゴニアの者達が手伝って、ストレージに入れて運んだ。先生たちは転移ができないので、一緒に先生をムータンに転移させ、門をくぐって島にでて、そこからまたドラゴニア王都まで転移していた。
ユータはダンマスとドーラと相談して、防衛的に問題ないだろうして、門のある島とドラゴニア王都の防衛軍詰め所に転移扉を通した。また、日本の学校とムータン王宮の端の近衛部隊詰め所に転移門を通した。
ムータン近衛部隊はみな新ムータンに行ってしまったので、ダンジョンから生まれた魔人5人ほどを近衛兵として、そして先の1日戦争で実績のあるモモンガを1人隊長として配置した。モモンガは悪意ある者を見分けられるから。
ドラゴニアの世界の側の門の警備はいらないだろうとなった。誰も居ないとなんか会った時困るので、モモンガ2人を門の島の管理人として配置した。異世界転移門とドラゴニアへの転移扉は歩いてすぐの場所に設置した。
近衛兵っても、実質先生たちを誘導したり荷物持ってやったりと、手伝いみたいなことが主な仕事になるだろう。
両方の世界、2組の転移扉は1日で設置完了。あとはモモンガ達に任せた。
それから先生たちは一人でも行き来できるようになった。
「もう全然不安感じない!モモンガいるしっ!!」と言っている。
開校日は近いうちになるとガンダ。
日本側の生徒がいないから、大雑把でいいからね!
ーー
学校の方も落ち着いたので、街をぶらつくドーラとユータ。
開校日には一応挨拶しなければならないらしく、転移ですぐに戻ってこられるとしてもだ、他国に行くことは避けておいてね、とガンダに言われた2人。なんかに巻き込まれて、そこを離れられなくなったらこまるので。と。
街は至って・・いつものとおり平穏。
「・・・・つまらんね?海行こうか?」ドーラ
「そうだね、暇なら寝ててもいいし!」
シュン!
ざざざーーーん!!ざっぷーーーん!
あ、秋の海?少し波があるかな?
季節らしい季節は日本みたいにはっきりしていないこっち。
微妙なところで季節を判断するようになっている。
マッハの宿の売店で飲み物貰って、奥の方のビーチベットに寝転がる。
心なしか客が少ないような?
「学校に結構来ていたからねー、5-60人はいたんじゃない?」ユータ
「あー、普段なら休み貰う連中が、学校の設備作ってくれてるのかー」ドーラ
「おもしろいからねー」
うん、ドラゴニアの基準は、面白いかどうか?だなっつ!相変わらずっ!!
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