上 下
196 / 253

第百九十一話 旅人たち 2

しおりを挟む

** ありがとうございました! 猫、おかげさまで元気になりました! ケミカルの被害なので長期で見ていかねばなりませんが、山を超えたので一応安心だとのこと。 今日は糞尿、いつものように!食事もいつもよりよくなって!! ありがとうございました!! **


翌日。宿を引き払う。
外に出てから周辺のサーチをしてみた。
ヤニス達のグループが居た宿や、周辺には他のムータングループは見えなかった。
まさかダンジョンには入っていないだろうし。ムータン人達だけで入るのは禁止してある。

「なんか領都(南東領)の方に居る気配がする。」ドーラ
「え?領都?なんで?」ユータ
領都から狩場は遠い。

「休んでるんじゃないか?行ってみよ」
「うん。」

転位で跳ぶ。
シュン!

裏道に出たのだが、幾分人通りがあった。びっくりした者も居た。気にしないドーラとユータ。

「えーと、」
「あ。いた。あっち」
と、ユータが先導する。

・・・・・ここ?
うん。

鍛冶屋さんです。

中に入ってみた。
ムータン人が居たので話を訊いた。
自分は元鍛冶屋だった。ここの鍛冶場を見た時にやりたくなった。打たしてもらったら親父と意気投合した。
なのでそれからここで働いている。とのこと。
なんかなぁ?と少し気になったので、街をうろついて夜になったらまた行ってみた。

弟子が出てきた。
「コタラさん?親方と一緒に飲みに行きました」
店の場所を訊くと、確かではないけど多分・・ということで3軒ほど聞いた。

2軒めにいた。おねーちゃんがいっぱい居るお店。これに引っかかって鍛冶屋に入ったってのが真相??真犯人は鍛冶屋のオヤジか・・・。
「よう!このために鍛冶屋に入ったのかー」ドーラ、ムータン人のコタラの横にいるオネーちゃんとコタラの間に座る。

「おまえ、嫁さんいたろ?」
「え?いないっすよ、俺まだ独身ですよ」
チェクしても嘘付いていない。あれ?

「あ、そう、、悪かったな。んじゃいいや。あと、他の連中はどうしたんだ?」
「え?別れましたよ。俺はココに残るって。もう一ヶ月も経つんで、かなり進んでるんじゃないスカね?」


その後、面倒くさいんでドーラは北西王国上空に昇り、全国のムータン人をサーチし、大体どこらへんにいるのかをチェックした。

南東領領都付近の者達から見ていく。近いんで、
今まで会った者達のマーカーは緑にしておいた。まだのは黄色。緑は名前も入れておく。
ドーラの魔法はなぜかどんどん進化していっている。
と思っているユータだが、ユータの魔法も少しづつ進化しているのだが、自分のことだから気づかないユータ。


南東領領都から東に行くと小さな街があり、そこでムータン冒険者達はきこりをやっていた。
一人を捕まえて訊いてみる。

「え?だって俺もともと木こりだぜ。この街に入るときに木を切ってるのを見て懐かしくてみてたら、なんか違うんだよな。で、切らせてもらったら・・まぁ難しのなんのって。ここの木は特にこういう傾向強いらしいが、なんかこっちの世界のは大体似たようなもんらしいんだ。

だから、こっちのベテランに教えてもらいながら1年ほどここで仕事してみるわ。嫁と母さんと子供に伝えておいてくれないか?元気で木こりやってる、1年後くらいに帰るかも、ってさ!」

そこにいた2パーティ9人から、皆似たような伝言を受けたドーラ。

その街に入って食堂に寄って、食事しながら少々休憩。
飯は旨くなっている。
こっちではクズ領主どもと王族が一掃されたが、何よりそのクズに寄生していた多くのクズが消されたのが大きかった。

大衆が被害に遭うのは、そういいった末端のクズ達の仕業によってだ。
もし従う手下が少なければ、王だろうと領主だろうと悪さをほとんどできなくなる。

だから人々は初めて自分たちへの抑圧を逃れて自由になった。
新しい国王は抑圧をしないし規制もしない。というより領主などが規制をしたら、それが本当に必要なのかどうかを確認し、必要ない場合は撤回させている。
物価は低く抑えられ、税も最低限、10%ほど。他ではそれさえも無い領地もある。

だから、商売にもやる気がでて良いものを安く作ろうとする。高けりゃ良くてあたりまえ、安くてよいものを出せたら、それは人気になる。そういうやりがいを持つことが、初めてできるようになった。だから皆仕事も楽しくできるのだ。
農地もそう。良い魔法使いが増え始め、土地の汚れを浄化して生命力あふれる土地にしてもらったり、魔法使いは知識も多いので、より良い腐葉土などの作り方を教わったり。

更に冒険者の人間としての質の向上、技力の向上による街の周辺域の安全性の向上。同時にその討伐の肉が街に出回る。

このように、クズが一掃されたおかげで、くすぶっていた者達が開花できたのが現在だ。

あの樵達も、森の木を伐採する権利を大金出して買わずに済んでいる。以前は赤字寸前の大金をぼったくられていた。しかも納入先は領主の配下の業者のみに限定されていた。

そして、今の者達は貧乏を嫌と言うほど経験していた。だからいくら余裕が出来たと言えども無駄は出さない。
物価を低く抑える為に、これは重要なことであった。


ユータとドーラは食事しながらそのようなことを話し合っていた。
半分はダンマスの受け売りだが、実際に現地でその様子を見ると、納得できる2人だった。

「もしかしたら、他の多くのムータン人旅行者達も・・」ユータ
「かもなー。」
「全部寄ってたら1年位かかりそうだね。」
数万人はいるはずだ。10万人いたとして5人パーティだとして2万組み。今日これまで見たのは1組みと1人。昨日は1組み。

あれ?このペースだと2万日くらいかかるか?=7年w

「仕方がない、上空から遠目と聞き耳を使って、問題なさそうなのはそれだけでOKとしよう」
「うん、そうだよね!」


その日は上空5千メートルに上がり、遠目に入る範囲内で2千近くを確認。
殆どは今までの2組み同様、冒険者や現地に混じって仕事をしている様子だったり。
「何やっているのかな?」というのが数組いたので、そのパーティにマークを付けた。

日も落ちてきたので、マークした1組みがいる街に降りて宿屋を取った。

「まず、風呂だ。そして、食事だ!」
「おー!!」

初めての街や村ではそれが楽しみだった。
ユータやドーラにも、これは仕事であるけど旅でもあった。
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

エラーから始まる異世界生活

KeyBow
ファンタジー
45歳リーマンの志郎は本来異世界転移されないはずだったが、何が原因か高校生の異世界勇者召喚に巻き込まれる。 本来の人数より1名増の影響か転移処理でエラーが発生する。 高校生は正常?に転移されたようだが、志郎はエラー召喚されてしまった。 冤罪で多くの魔物うようよするような所に放逐がされ、死にそうになりながら一人の少女と出会う。 その後冒険者として生きて行かざるを得ず奴隷を買い成り上がっていく物語。 某刑事のように”あの女(王女)絶対いずれしょんべんぶっ掛けてやる”事を当面の目標の一つとして。 実は所有するギフトはかなりレアなぶっ飛びな内容で、召喚された中では最強だったはずである。 勇者として活躍するのかしないのか? 能力を鍛え、復讐と色々エラーがあり屈折してしまった心を、召還時のエラーで壊れた記憶を抱えてもがきながら奴隷の少女達に救われるて変わっていく第二の人生を歩む志郎の物語が始まる。 多分チーレムになったり残酷表現があります。苦手な方はお気をつけ下さい。 初めての作品にお付き合い下さい。

平凡すぎる、と追放された俺。実は大量スキル獲得可のチート能力『無限変化』の使い手でした。俺が抜けてパーティが瓦解したから今更戻れ?お断りです

たかたちひろ【令嬢節約ごはん23日発売】
ファンタジー
★ファンタジーカップ参加作品です。  応援していただけたら執筆の励みになります。 《俺、貸します!》 これはパーティーを追放された男が、その実力で上り詰め、唯一無二の『レンタル冒険者』として無双を極める話である。(新形式のざまぁもあるよ) ここから、直接ざまぁに入ります。スカッとしたい方は是非! 「君みたいな平均的な冒険者は不要だ」 この一言で、パーティーリーダーに追放を言い渡されたヨシュア。 しかしその実、彼は平均を装っていただけだった。 レベル35と見せかけているが、本当は350。 水属性魔法しか使えないと見せかけ、全属性魔法使い。 あまりに圧倒的な実力があったため、パーティーの中での力量バランスを考え、あえて影からのサポートに徹していたのだ。 それどころか攻撃力・防御力、メンバー関係の調整まで全て、彼が一手に担っていた。 リーダーのあまりに不足している実力を、ヨシュアのサポートにより埋めてきたのである。 その事実を伝えるも、リーダーには取り合ってもらえず。 あえなく、追放されてしまう。 しかし、それにより制限の消えたヨシュア。 一人で無双をしていたところ、その実力を美少女魔導士に見抜かれ、『レンタル冒険者』としてスカウトされる。 その内容は、パーティーや個人などに借りられていき、場面に応じた役割を果たすというものだった。 まさに、ヨシュアにとっての天職であった。 自分を正当に認めてくれ、力を発揮できる環境だ。 生まれつき与えられていたギフト【無限変化】による全武器、全スキルへの適性を活かして、様々な場所や状況に完璧な適応を見せるヨシュア。 目立ちたくないという思いとは裏腹に、引っ張りだこ。 元パーティーメンバーも彼のもとに帰ってきたいと言うなど、美少女たちに溺愛される。 そうしつつ、かつて前例のない、『レンタル』無双を開始するのであった。 一方、ヨシュアを追放したパーティーリーダーはと言えば、クエストの失敗、メンバーの離脱など、どんどん破滅へと追い込まれていく。 ヨシュアのスーパーサポートに頼りきっていたこと、その真の強さに気づき、戻ってこいと声をかけるが……。 そのときには、もう遅いのであった。

30年待たされた異世界転移

明之 想
ファンタジー
 気づけば異世界にいた10歳のぼく。 「こちらの手違いかぁ。申し訳ないけど、さっさと帰ってもらわないといけないね」  こうして、ぼくの最初の異世界転移はあっけなく終わってしまった。  右も左も分からず、何かを成し遂げるわけでもなく……。  でも、2度目があると確信していたぼくは、日本でひたすら努力を続けた。  あの日見た夢の続きを信じて。  ただ、ただ、異世界での冒険を夢見て!!  くじけそうになっても努力を続け。  そうして、30年が経過。  ついに2度目の異世界冒険の機会がやってきた。  しかも、20歳も若返った姿で。  異世界と日本の2つの世界で、  20年前に戻った俺の新たな冒険が始まる。

異世界のんびり冒険日記

リリィ903
ファンタジー
牧野伸晃(マキノ ノブアキ)は30歳童貞のサラリーマン。 精神を病んでしまい、会社を休職して病院に通いながら日々を過ごしていた。 とある晴れた日、気分転換にと外に出て自宅近くのコンビニに寄った帰りに雷に撃たれて… ================================ 初投稿です! 最近、異世界転生モノにはまってるので自分で書いてみようと思いました。 皆さん、どうか暖かく見守ってくださいm(._.)m 感想もお待ちしております!

女神様から同情された結果こうなった

回復師
ファンタジー
 どうやら女神の大ミスで学園ごと異世界に召喚されたらしい。本来は勇者になる人物を一人召喚するはずだったのを女神がミスったのだ。しかも召喚した場所がオークの巣の近く、年頃の少女が目の前にいきなり大量に現れ色めき立つオーク達。俺は妹を守る為に、女神様から貰ったスキルで生き残るべく思考した。

レベルを上げて通販で殴る~囮にされて落とし穴に落とされたが大幅レベルアップしてざまぁする。危険な封印ダンジョンも俺にかかればちょろいもんさ~

喰寝丸太
ファンタジー
異世界に転移した山田(やまだ) 無二(むに)はポーターの仕事をして早6年。 おっさんになってからも、冒険者になれずくすぶっていた。 ある日、モンスター無限増殖装置を誤って作動させたパーティは無二を囮にして逃げ出す。 落とし穴にも落とされ絶体絶命の無二。 機転を利かせ助かるも、そこはダンジョンボスの扉の前。 覚悟を決めてボスに挑む無二。 通販能力でからくも勝利する。 そして、ダンジョンコアの魔力を吸出し大幅レベルアップ。 アンデッドには聖水代わりに殺菌剤、光魔法代わりに紫外線ライト。 霧のモンスターには掃除機が大活躍。 異世界モンスターを現代製品の通販で殴る快進撃が始まった。 カクヨム、小説家になろう、アルファポリスに掲載しております。

異世界でぺったんこさん!〜無限収納5段階活用で無双する〜

KeyBow
ファンタジー
 間もなく50歳になる銀行マンのおっさんは、高校生達の異世界召喚に巻き込まれた。  何故か若返り、他の召喚者と同じ高校生位の年齢になっていた。  召喚したのは、魔王を討ち滅ぼす為だと伝えられる。自分で2つのスキルを選ぶ事が出来ると言われ、おっさんが選んだのは無限収納と飛翔!  しかし召喚した者達はスキルを制御する為の装飾品と偽り、隷属の首輪を装着しようとしていた・・・  いち早くその嘘に気が付いたおっさんが1人の少女を連れて逃亡を図る。  その後おっさんは無限収納の5段階活用で無双する!・・・はずだ。  上空に飛び、そこから大きな岩を落として押しつぶす。やがて救った少女は口癖のように言う。  またぺったんこですか?・・・

何者でもない僕は異世界で冒険者をはじめる

月風レイ
ファンタジー
 あらゆることを人より器用にこなす事ができても、何の長所にもなくただ日々を過ごす自分。  周りの友人は世界を羽ばたくスターになるのにも関わらず、自分はただのサラリーマン。  そんな平凡で退屈な日々に、革命が起こる。  それは突如現れた一枚の手紙だった。  その手紙の内容には、『異世界に行きますか?』と書かれていた。  どうせ、誰かの悪ふざけだろうと思い、適当に異世界にでもいけたら良いもんだよと、考えたところ。  突如、異世界の大草原に召喚される。  元の世界にも戻れ、無限の魔力と絶対不死身な体を手に入れた冒険が今始まる。

処理中です...