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184.誤解

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エマ嬢とのデートを終えて部屋に戻ってくると…

ドサッ!

ロイはソファーに倒れ込んだ。

「ロ、ロイ!大丈夫か!?」

カイルが慌てて抱き起こすと…

「つ、疲れた…これがあと何日あるんだ…」

「そうだな…1、2…あと4日だ」

「4日…」

ロイがガックリと項垂れると

「なんだ?今日の令嬢と楽しそうに話していたじゃないか?」

カイルが図書館での様子を思い出すと

「いや…最初は物静かで知識もあり良かったんだが…途中からなんか様子がおかしくてな…」

「様子?」

カイルが聞き返すと

「何やら俺とカイルの事をやたら聞いてきて…いつも一緒なのかとかどっちが上なのかとか…」

「そんなのロイに決まってるだろ」

カイルが真面目に答えると

「いや…多分そういう意味じゃないと思う」

ロイが苦笑すると

「カイルには想像もつかないか…」

「なんだ?どういう意味だよ」

カイルがイラッとして聞き返すと

「エマ嬢はどうやら俺とカイルが好きあっていると思っているようだ」

「好きあう?まぁロイの事は好きだが…」

何を言っているのかわからずに眉間にシワわ寄せる。

「俺もお前が好きだよ、でもそれは親友としてな」

「当たり前だろ」

カイルが呆れると

「エマ嬢は俺とお前が恋人のように愛し合ってると思っているようだ」

「はっ!?」

カイルは思わず鳥肌が立つ!

「何をもってそう思うんだ!」

つい声が大きくなると

「お前が原因だよ!カイルがずっと女を遠ざけて俺のそばにばかりいたからな…どうもそんな噂が立っているようだ」

「側近なんだ、そばにいるのは当たり前だろ?」

「俺に言うなよ」

ロイが文句を言う。

「まぁ最近はお前も女性と話せるようになってきたからなそのうちにそんなの噂も無くなるだろ」

「最悪だな…」

カイルが嫌そうな顔をしていたが、気を取り直して真剣に聞く。

「それでエマ嬢はどうだった?」

「過ごした感じシロっぽいな…別にどうしても俺と婚約したいって感じじゃ無さそうだ。どちらかと言うと間近で俺とカイルの絡みを見たいってところかな」

「なんだそりゃ…」

「で?そっちはどうだ?」

「エマ嬢の周りで不審な動きをする者はいないな、家族も何かしてそうな噂も影もない…若干怪しい取り引きがあったが何やらいかがわしい書物の取り引きだけだったと聞いている」

「あー…」

ロイが何かを察すると

「じゃあエマ嬢はシロでいいな」

「一応スチュアートさんに報告をしておくが問題ないだろう」

カイルが頷くと

「明日はエイミー・ダニエルズだな」

「ああ…」

ロイがはぁとため息をつくと

「頑張れ、王子!」

カイルがサッと手を出してロイを立たせると

「そういう行為をサラッとやるから疑われるんだろうが…」

「えっ?なんだ?」

カイルのキョトンとした表情に

「なんでもないよ」

ロイは苦笑するしかなかった。
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