16 / 35
16.選択
しおりを挟む
私は眠りから目覚めると手の感触に横を向いた。
すると私の両手の先にはお父さんとお母さんがいた。
二人はベッドに倒れ込みながら私の手をしっかりと握りしめていた。
その手は熱く、決して離れようとはしなかった。
二人共、私を心配してくれて・・・
そう思うと嬉しくてギュッと握り返す。
すると同時にガバッと顔を上げた。
「「ラーミア!」」
心配する二人の顔はそれは・・・酷かった。
お母さんはいつも綺麗で身だしなみが完璧なのに髪はボサボサで目の下は泣き腫らしたのが赤く腫れている。
お父さんもきっちりした髪は乱れて顎からは髭がうっすらと生えていた。
「あっ…」
声を出そうとしたがかすれたような声しか出ない。
「だ、誰か医者を!」
お父さんが叫ぶとすぐにお医者さんが飛んできた。
私は温い水を少しずつ飲まされるとホッと息を吐いた。
「先生、ラーミアは!」
お父さんが心配そうに後ろから覗き込んでいる。
先生は横になった私の体を優しく診察していた。
「熱が下がりだいぶ呼吸も落ち着きました。まだまだ安静にしなければいけませんが・・・命に別状はないでしょう」
そう言われるとお母さんは泣きながら私に抱きついて、お父さんは目をうるませながらお母さんと私に覆い被さるように抱きしめていた。
その後お母さんが付きっきりで私の面倒をみようとするのをメイドさんやお医者さんが慌てて止めていた。
「奥様もお休みになって下さい、このままでは倒れてしまいます」
「ラーミアが苦しんでいるのに休めません!」
「リリア、ここは私が見るから休みなさい」
お父さんがお母さんを心配して休ませようとするがそんなお父さんもみんなに止められていた。
「旦那様もお休み下さい!ラーミア様が倒れられてからまともに休んでおりませんね」
アデリーさんの言葉にキッと睨みをきかせる。
「お前は黙ってろ!」
「まー・・・」
私は小さな声でお母さんを呼んだ。
「ラーミア!どうしたの?」
お母さんとお父さんが慌てて私の元に駆けつけてくる。
「ママ・・・ねて、パーも」
かすれる声で二人も休んで欲しいとどうにか伝える。
「ラーミア、自分が苦しいのに私達の心配を・・・」
「なんて優しい子・・・」
お父さんとお母さんは泣きそうな顔でわかったと笑って頷いた。
その顔をみて私はホッと安心してまた眠りについた。
「「ラーミア!」」
「大丈夫です、疲れて眠ったのでしょう。昨日とは違い穏やかなお顔ですから心配いりません。それよりもラーミア様の言われた通りお二人も休んで下さい。また明日ラーミア様が目覚めた時に疲れた顔を見せないように」
医者の言葉に二人はこくりと頷き頷いた。
「ラーミアまた明日・・・」
「明日は元気な顔を見せてくれ」
二人はラーミアの頭にキスをするとメイド達に連れられて部屋を出ていった。
すると私の両手の先にはお父さんとお母さんがいた。
二人はベッドに倒れ込みながら私の手をしっかりと握りしめていた。
その手は熱く、決して離れようとはしなかった。
二人共、私を心配してくれて・・・
そう思うと嬉しくてギュッと握り返す。
すると同時にガバッと顔を上げた。
「「ラーミア!」」
心配する二人の顔はそれは・・・酷かった。
お母さんはいつも綺麗で身だしなみが完璧なのに髪はボサボサで目の下は泣き腫らしたのが赤く腫れている。
お父さんもきっちりした髪は乱れて顎からは髭がうっすらと生えていた。
「あっ…」
声を出そうとしたがかすれたような声しか出ない。
「だ、誰か医者を!」
お父さんが叫ぶとすぐにお医者さんが飛んできた。
私は温い水を少しずつ飲まされるとホッと息を吐いた。
「先生、ラーミアは!」
お父さんが心配そうに後ろから覗き込んでいる。
先生は横になった私の体を優しく診察していた。
「熱が下がりだいぶ呼吸も落ち着きました。まだまだ安静にしなければいけませんが・・・命に別状はないでしょう」
そう言われるとお母さんは泣きながら私に抱きついて、お父さんは目をうるませながらお母さんと私に覆い被さるように抱きしめていた。
その後お母さんが付きっきりで私の面倒をみようとするのをメイドさんやお医者さんが慌てて止めていた。
「奥様もお休みになって下さい、このままでは倒れてしまいます」
「ラーミアが苦しんでいるのに休めません!」
「リリア、ここは私が見るから休みなさい」
お父さんがお母さんを心配して休ませようとするがそんなお父さんもみんなに止められていた。
「旦那様もお休み下さい!ラーミア様が倒れられてからまともに休んでおりませんね」
アデリーさんの言葉にキッと睨みをきかせる。
「お前は黙ってろ!」
「まー・・・」
私は小さな声でお母さんを呼んだ。
「ラーミア!どうしたの?」
お母さんとお父さんが慌てて私の元に駆けつけてくる。
「ママ・・・ねて、パーも」
かすれる声で二人も休んで欲しいとどうにか伝える。
「ラーミア、自分が苦しいのに私達の心配を・・・」
「なんて優しい子・・・」
お父さんとお母さんは泣きそうな顔でわかったと笑って頷いた。
その顔をみて私はホッと安心してまた眠りについた。
「「ラーミア!」」
「大丈夫です、疲れて眠ったのでしょう。昨日とは違い穏やかなお顔ですから心配いりません。それよりもラーミア様の言われた通りお二人も休んで下さい。また明日ラーミア様が目覚めた時に疲れた顔を見せないように」
医者の言葉に二人はこくりと頷き頷いた。
「ラーミアまた明日・・・」
「明日は元気な顔を見せてくれ」
二人はラーミアの頭にキスをするとメイド達に連れられて部屋を出ていった。
159
お気に入りに追加
267
あなたにおすすめの小説

転生したら、6人の最強旦那様に溺愛されてます!?~6人の愛が重すぎて困ってます!~
月
恋愛
ある日、女子高生だった白川凛(しらかわりん)
は学校の帰り道、バイトに遅刻しそうになったのでスピードを上げすぎ、そのまま階段から落ちて死亡した。
しかし、目が覚めるとそこは異世界だった!?
(もしかして、私、転生してる!!?)
そして、なんと凛が転生した世界は女性が少なく、一妻多夫制だった!!!
そんな世界に転生した凛と、将来の旦那様は一体誰!?

【完結】神から貰ったスキルが強すぎなので、異世界で楽しく生活します!
桜もふ
恋愛
神の『ある行動』のせいで死んだらしい。私の人生を奪った神様に便利なスキルを貰い、転生した異世界で使えるチートの魔法が強すぎて楽しくて便利なの。でもね、ここは異世界。地球のように安全で自由な世界ではない、魔物やモンスターが襲って来る危険な世界……。
「生きたければ魔物やモンスターを倒せ!!」倒さなければ自分が死ぬ世界だからだ。
異世界で過ごす中で仲間ができ、時には可愛がられながら魔物を倒し、食料確保をし、この世界での生活を楽しく生き抜いて行こうと思います。
初めはファンタジー要素が多いが、中盤あたりから恋愛に入ります!!

【完結】番である私の旦那様
桜もふ
恋愛
異世界であるミーストの世界最強なのが黒竜族!
黒竜族の第一皇子、オパール・ブラック・オニキス(愛称:オール)の番をミースト神が異世界転移させた、それが『私』だ。
バールナ公爵の元へ養女として出向く事になるのだが、1人娘であった義妹が最後まで『自分』が黒竜族の番だと思い込み、魅了の力を使って男性を味方に付け、なにかと嫌味や嫌がらせをして来る。
オールは政務が忙しい身ではあるが、溺愛している私の送り迎えだけは必須事項みたい。
気が抜けるほど甘々なのに、義妹に邪魔されっぱなし。
でも神様からは特別なチートを貰い、世界最強の黒竜族の番に相応しい子になろうと頑張るのだが、なぜかディロ-ルの侯爵子息に学園主催の舞踏会で「お前との婚約を破棄する!」なんて訳の分からない事を言われるし、義妹は最後の最後まで頭お花畑状態で、オールを手に入れようと男の元を転々としながら、絡んで来ます!(鬱陶しいくらい来ます!)
大好きな乙女ゲームや異世界の漫画に出てくる「私がヒロインよ!」な頭の変な……じゃなかった、変わった義妹もいるし、何と言っても、この世界の料理はマズイ、不味すぎるのです!
神様から貰った、特別なスキルを使って異世界の皆と地球へ行き来したり、地球での家族と異世界へ行き来しながら、日本で得た知識や得意な家事(食事)などを、この世界でオールと一緒に自由にのんびりと生きて行こうと思います。
前半は転移する前の私生活から始まります。

美幼女に転生したら地獄のような逆ハーレム状態になりました
市森 唯
恋愛
極々普通の学生だった私は……目が覚めたら美幼女になっていました。
私は侯爵令嬢らしく多分異世界転生してるし、そして何故か婚約者が2人?!
しかも婚約者達との関係も最悪で……
まぁ転生しちゃったのでなんとか上手く生きていけるよう頑張ります!

女性の少ない異世界に生まれ変わったら
Azuki
恋愛
高校に登校している途中、道路に飛び出した子供を助ける形でトラックに轢かれてそのまま意識を失った私。
目を覚ますと、私はベッドに寝ていて、目の前にも周りにもイケメン、イケメン、イケメンだらけーーー!?
なんと私は幼女に生まれ変わっており、しかもお嬢様だった!!
ーーやった〜!勝ち組人生来た〜〜〜!!!
そう、心の中で思いっきり歓喜していた私だけど、この世界はとんでもない世界で・・・!?
これは、女性が圧倒的に少ない異世界に転生した私が、家族や周りから溺愛されながら様々な問題を解決して、更に溺愛されていく物語。

お腹の子と一緒に逃げたところ、結局お腹の子の父親に捕まりました。
下菊みこと
恋愛
逃げたけど逃げ切れなかったお話。
またはチャラ男だと思ってたらヤンデレだったお話。
あるいは今度こそ幸せ家族になるお話。
ご都合主義の多分ハッピーエンド?
小説家になろう様でも投稿しています。


異世界から来た娘が、たまらなく可愛いのだが(同感)〜こっちにきてから何故かイケメンに囲まれています〜
京
恋愛
普通の女子高生、朱璃はいつのまにか異世界に迷い込んでいた。
右も左もわからない状態で偶然出会った青年にしがみついた結果、なんとかお世話になることになる。一宿一飯の恩義を返そうと懸命に生きているうちに、国の一大事に巻き込まれたり巻き込んだり。気付くと個性豊かなイケメンたちに大切に大切にされていた。
そんな乙女ゲームのようなお話。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる