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17.目覚め
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うーん・・・
私は顔にあたる陽の光にフッと目を覚ました。
「ラーミア様、おはようございます」
いつものメイドさんが笑顔で挨拶をした。
「はよ~」
挨拶をするとまだ声が少しかすれている。
「何かお飲みになりますか?」
こくりと頷くとメイドさんが白湯を持ってきてくれた。
それをコクコクと飲ませてもらうとお医者さんがきてまた診察をされる。
真剣な顔で体をチェックされると質問された。
「まだお声が出しずらいでしょうから頷いたり首を振りだけで大丈夫ですからね。何処か痛いところはありますか?」
私は首を横に振る。
まだだるさは残っているが痛みなどはなかった。
「何日も寝てらしたので体力が落ちてるでしょう、しばらくは動かないで寝ていてくださいね。ではお薬を飲みましょう」
そう言って甘いシロップのような物を出されて口にする。
お医者さんが出ていくとしばらくしてお母さんとお父さんが慌てた様子で顔を見せた。
「ラーミア!」
二人は昨日のやつれた姿ではなくていつも通りきっちりとした格好でやってきた。
しかしそばに来るとやはりいつもよりは疲れた顔をしていたが、私の顔を見るなり笑顔を見せた。
「良かった」
二人は昨日のように私を抱きしめる。
その温もりに私は目頭が熱くなった。
「ラ、ラーミア!どうしたの何処か痛いの?」
ううん、私は違うと首を横にふる。
「あのね、まー、ぱー・・・しゅき」
恐る恐る今言える自分の気持ちを口にしてみた。
しかし二人から反応がない。
私は怖くなって顔をあげられずにいた、やはり私の一方通行な思いだったのかと・・・
しかし次の瞬間ガバッとお父さんが目の前で倒れ込んだ。
「ラーミアに・・・ラーミアに好きと・・・」
口に手を当てて信じられないと顔を赤くして喜んでいる。
「ラーミア、ママとパパもあなたの事が大好きよ、愛してる」
お母さんは泣きながら私を抱きしめてくれた。
「うぅぅ・・・」
私は二人に抱きしめられながら嬉し涙を流した。
その日から私はお父さんとお母さんの部屋で一緒に寝ることになった。
大きなベッドに二人の間に挟まれて寝るのだ。
「えへへ」
なんか恥ずかしくて二人の顔を見てはニコニコと笑ってしまう。
「リリア、どうしよう。ラーミアが可愛すぎるんだが」
お父さんが真剣な顔で悩んでいる。
「いっぱい可愛がってあげればいいのではないですか?」
お母さんはクスクスと笑って私の髪を撫でた。
「ラーミア体は大丈夫?辛いところがあったら言うのよ」
「あい」
私はこくりと頷き二人の温もりを感じながら眠りについた。
次の日私の体調は良くなったのだが、二人は私がベッドから出るのを許してくれなかった。
そんな中アデリーさんとステファンさんが部屋を訪れるなり頭を下げた。
「ラーミア様、この様な事になり大変申し訳ございませんでした」
「ラーミア様を守れずにすみません」
二人の様子に私は頭に?の字が浮かんで首を傾げた。
この人達は何を謝ってるんだろう?
するとお父さんが私が聞いた事無いような低い声で話し出した。
「二人の処分だが今後ラーミアのそばに寄ることを禁止する。二ヶ月の減給に一週間の無料奉仕と・・・」
待って!待って!
私は慌ててお父さんの手を掴んだ。
「パパ、まってー」
お父さんは私の顔をみてハッとすると口を押さえる。
「す、すまないラーミア。お前を怖がらせないようにしてたのに・・・話は向こうの部屋でしてくるよ」
そう言って立ち上がろうとする。
「ちあうー、あでりとすてふぁわるくない!」
私は必死に二人に罪は無いのだと声をあげた。
「ラーミア、気にする事はない。お前を守れなかった二人が悪いのだから」
お父さんはいい子だと私の頭を撫でると二人に顔を向けた。
「ラーミアは優しい子だからこう言ってるがお前達は許されない事をしたんだ」
「「はい」」
二人は強く頷く。
違う~!
私はブンブンと首を振るとお父さんの腕を掴んでキッと睨みつけた。
「か、かわいい・・・」
お父さんはそんな私の顔にデレッと破顔する。
「あでりとすてふぁいじめるパパ・・・き、きらい!」
「き、嫌い!?」
私の言葉にお父さんは真っ青になった。
「あでり、すてふぁちあうのー」
私は倒れたのに二人は関係ないのだと必死に説明した。
「ラーミア、今回倒れたのはアデリー達のせいじゃないっていいたいの?」
お母さんはそんな私の気持ちに気がついてくれた。
「うん!」
私はコクコクと何度も頷く。
「ふたりーすきー、ママとパパのつぎにー」
「ラーミア!それは私が一番って事だな!」
お父さんはさっきまで死にそうな顔をしていたが私の言葉に復活する。
「うん、ふたり、いじめない?」
私はお父さんに聞きながら首を傾げた。
「ああ、ラーミアがそう言うなら二人の処分は無しだ!」
良かったー
私はホッと肩を落とした。
「あいとー」
私の気持ちをくんでくれたお父さんに笑顔でお礼を言うと・・・
バタン!
お父さんは笑顔のまま後ろに倒れてしまった・・・
「旦那様!」
「えー!?」
その様子にアデリーさんとステファンさんは慌てて駆け寄っていた。
私は顔にあたる陽の光にフッと目を覚ました。
「ラーミア様、おはようございます」
いつものメイドさんが笑顔で挨拶をした。
「はよ~」
挨拶をするとまだ声が少しかすれている。
「何かお飲みになりますか?」
こくりと頷くとメイドさんが白湯を持ってきてくれた。
それをコクコクと飲ませてもらうとお医者さんがきてまた診察をされる。
真剣な顔で体をチェックされると質問された。
「まだお声が出しずらいでしょうから頷いたり首を振りだけで大丈夫ですからね。何処か痛いところはありますか?」
私は首を横に振る。
まだだるさは残っているが痛みなどはなかった。
「何日も寝てらしたので体力が落ちてるでしょう、しばらくは動かないで寝ていてくださいね。ではお薬を飲みましょう」
そう言って甘いシロップのような物を出されて口にする。
お医者さんが出ていくとしばらくしてお母さんとお父さんが慌てた様子で顔を見せた。
「ラーミア!」
二人は昨日のやつれた姿ではなくていつも通りきっちりとした格好でやってきた。
しかしそばに来るとやはりいつもよりは疲れた顔をしていたが、私の顔を見るなり笑顔を見せた。
「良かった」
二人は昨日のように私を抱きしめる。
その温もりに私は目頭が熱くなった。
「ラ、ラーミア!どうしたの何処か痛いの?」
ううん、私は違うと首を横にふる。
「あのね、まー、ぱー・・・しゅき」
恐る恐る今言える自分の気持ちを口にしてみた。
しかし二人から反応がない。
私は怖くなって顔をあげられずにいた、やはり私の一方通行な思いだったのかと・・・
しかし次の瞬間ガバッとお父さんが目の前で倒れ込んだ。
「ラーミアに・・・ラーミアに好きと・・・」
口に手を当てて信じられないと顔を赤くして喜んでいる。
「ラーミア、ママとパパもあなたの事が大好きよ、愛してる」
お母さんは泣きながら私を抱きしめてくれた。
「うぅぅ・・・」
私は二人に抱きしめられながら嬉し涙を流した。
その日から私はお父さんとお母さんの部屋で一緒に寝ることになった。
大きなベッドに二人の間に挟まれて寝るのだ。
「えへへ」
なんか恥ずかしくて二人の顔を見てはニコニコと笑ってしまう。
「リリア、どうしよう。ラーミアが可愛すぎるんだが」
お父さんが真剣な顔で悩んでいる。
「いっぱい可愛がってあげればいいのではないですか?」
お母さんはクスクスと笑って私の髪を撫でた。
「ラーミア体は大丈夫?辛いところがあったら言うのよ」
「あい」
私はこくりと頷き二人の温もりを感じながら眠りについた。
次の日私の体調は良くなったのだが、二人は私がベッドから出るのを許してくれなかった。
そんな中アデリーさんとステファンさんが部屋を訪れるなり頭を下げた。
「ラーミア様、この様な事になり大変申し訳ございませんでした」
「ラーミア様を守れずにすみません」
二人の様子に私は頭に?の字が浮かんで首を傾げた。
この人達は何を謝ってるんだろう?
するとお父さんが私が聞いた事無いような低い声で話し出した。
「二人の処分だが今後ラーミアのそばに寄ることを禁止する。二ヶ月の減給に一週間の無料奉仕と・・・」
待って!待って!
私は慌ててお父さんの手を掴んだ。
「パパ、まってー」
お父さんは私の顔をみてハッとすると口を押さえる。
「す、すまないラーミア。お前を怖がらせないようにしてたのに・・・話は向こうの部屋でしてくるよ」
そう言って立ち上がろうとする。
「ちあうー、あでりとすてふぁわるくない!」
私は必死に二人に罪は無いのだと声をあげた。
「ラーミア、気にする事はない。お前を守れなかった二人が悪いのだから」
お父さんはいい子だと私の頭を撫でると二人に顔を向けた。
「ラーミアは優しい子だからこう言ってるがお前達は許されない事をしたんだ」
「「はい」」
二人は強く頷く。
違う~!
私はブンブンと首を振るとお父さんの腕を掴んでキッと睨みつけた。
「か、かわいい・・・」
お父さんはそんな私の顔にデレッと破顔する。
「あでりとすてふぁいじめるパパ・・・き、きらい!」
「き、嫌い!?」
私の言葉にお父さんは真っ青になった。
「あでり、すてふぁちあうのー」
私は倒れたのに二人は関係ないのだと必死に説明した。
「ラーミア、今回倒れたのはアデリー達のせいじゃないっていいたいの?」
お母さんはそんな私の気持ちに気がついてくれた。
「うん!」
私はコクコクと何度も頷く。
「ふたりーすきー、ママとパパのつぎにー」
「ラーミア!それは私が一番って事だな!」
お父さんはさっきまで死にそうな顔をしていたが私の言葉に復活する。
「うん、ふたり、いじめない?」
私はお父さんに聞きながら首を傾げた。
「ああ、ラーミアがそう言うなら二人の処分は無しだ!」
良かったー
私はホッと肩を落とした。
「あいとー」
私の気持ちをくんでくれたお父さんに笑顔でお礼を言うと・・・
バタン!
お父さんは笑顔のまま後ろに倒れてしまった・・・
「旦那様!」
「えー!?」
その様子にアデリーさんとステファンさんは慌てて駆け寄っていた。
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