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12章
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マルコさん達に誘導してもらい王都の門の職員用と思われる入り口から中に入った。
そこは門番達の休憩所を通るようで一度そこで待機する。
「では皆さんこちらに…」
マルコさんは少し待つように声をかけようとすると…
「ミヅキちゃん!王都に着いたのか!?」
門番のお兄さんが駆け寄ってきた!
「わぁ!皆さんもお久しぶりです!はい!今着きました!」
「隊長達に知らせないと…俺行ってきますね!」
門番の1人が王宮に向かって走り出した。
「あっ!アラン隊長もお久しぶりですね!」
後ろについてきていたアランさんにも気がついた。
「ついでだなぁ…まぁいいけど。もう隊長って呼ばないでくれよ、それで皆元気か?」
「はい!セシル隊長ものびのびとやってます!」
「プッ!」
その答えに思わず吹き出す。
セシルさんはきっとアラン隊長のお世話がなくなって楽になったのだろう。
「ミヅキ~何、笑ってんだ!」
するとアランさんに頭をわしずかみにされた!
「い、痛い~!別に笑ってない!みんな元気でよかったって意味でー!」
離してとアランさんの手を掴むと力が緩んだ。
「俺はあいつの為に色々と世話をさせてやってたんだ!」
はいはい…
「じゃあ後でのびのびとしたセシルさんに会いに行こうね!」
「うっ…」
そう言うときまり悪そうに顔を顰めてアランさんが手を離した。
マルコさんが手早く手続きを済ませてくれるといよいよ王都に入る。
「ここが…王都かい…」
「人ばっかりだね!?」
街に入ると人の多さに隠れ里のみんなが驚いている。
「いつもはもう少し少ないんですが、今はリバーシ大会があるのでかなりの人が王都に集まっています。揉め事もあると思いますので何かありましたらすぐにうちの名前を出して店の者を呼んで下さい。後でリングス商会の関係者だと証明するコインをお渡ししますので」
「何から何まですまないな」
長老がお礼を言ってマルコさんに頭を下げると
「やめて下さい!私達のお店がここまで来れたのは皆さんとミヅキさんのおかげです!みなさんは気にせず王都を楽しんで下さい!」
「それは嬉しいが私達も世話になりっぱなしは性にあわない、王都ではうどんでも売って金を作ろうと思っているんだが…いい所はあるかな?」
里の人が聞くと
「それはいいですね!里と、しょうゆの宣伝にもってこいです!場所は好きな所を言っていただければ確保しますよ!」
私はお店と聞いてピンときた!
「なら王都の外に停めてる馬車のところに出したらどうかな?あそこだと王都に入れない人達が沢山いるし、食べ物も限られるから人気出ると思うよ!」
「ミヅキさん!!相変わらず商人の才能がありますね!凄くいい案だと思いますがどうでしょうか?」
マルコさんが長老に聞くと
「よくわからんがミヅキとマルコさんがそういうならそこで出そう、みな異論はないか?」
里の人達は笑顔で頷いた。
「うちの職員を数名付けますのでなんでも仰って下さい!外に出る時は冒険者の護衛もつけますので!」
「護衛?コジローさん達にはいらないんじゃない?」
十分一人一人が冒険者並に強いのだ。
「そうですか?まぁなんでも欲しいものがあれば仰っていただければご用意しますので」
マルコさんのもてなしに里のみんなは感謝していた。
長旅もあり王都の観光は後日にして今回は泊まるところの王都の里を目指して歩き出す。
「みんな元気かな!?」
少し久しぶりに会うみんなにドキドキしながら進んで行くと、里の入り口を抜けてギースさん達が住む建物が見えてきた。
「誰だ?」
里に入ろうとするとギースさんの声がした。
「ギースさん!」
私はギースさんにタックルしたが、ビクともせずに受け止められる。
「ミヅキ!やっと着いたのか!来るとは聞いていたがいつ来るのかわからないからみんな首を長くして待ってたんだぞ!」
「ごめんね、今回はプルシアに乗って行かなかったからいつ着けるかわからなくて…それで里はどう?みんな元気かな?」
「それは自分の目で確かめて来な」
ギースさんは意味ありげに笑うと先を促した。
後ろからギースさんは着いてくるとベイカーさんやデボットさん達とも挨拶を交わしている。
道を抜けて里に向かうと…
「えぇぇぇぇぇ!!」
そこには私が作ったリバーシ工場の横に全く同じような建物が二棟並び、みんなの住居ように作ったアパートがさらに何棟も増築されていた。
「凄っ…い事になってるね…」
「はい、どんどん人手が足りなくなりまして…ミヅキさんが作った学校に通う子供達がほとんど働きに来ておりますよ。それに…あちらも見てください」
マルコさんがニコニコと笑いながら指をさす方向を見つめると…
「ん?なんか…黄色い地面がずっと…あれってまさかお米?」
「はい、米の生産も順調で人手も増えた事で田んぼを広げています。それでも米の注文は止まりませんから」
なんとも順調そうでよかったが…完全に私の手は離れたようだ。
「これは…もう私がお金を貰うのも申し訳ないような…」
未だにお米やリバーシのお金がマルコさんから支払われているのがいたたまれない。
「それは駄目です。全てはミヅキさんのアイデアと力で作り上げたのですから…それにミヅキさんの手を離したら…それこそ一晩でここは潰れてしまいますよ…」
マルコさんが大袈裟なことを言うので笑っているが苦笑して首を横にふる。
「ほら、噂をすれば…」
マルコさんが後ろを見つめるので振り返ると…
「「「ミヅキ~!!」」」
リュカやテオ達が手を振りながら駆け寄ってきた。
そこは門番達の休憩所を通るようで一度そこで待機する。
「では皆さんこちらに…」
マルコさんは少し待つように声をかけようとすると…
「ミヅキちゃん!王都に着いたのか!?」
門番のお兄さんが駆け寄ってきた!
「わぁ!皆さんもお久しぶりです!はい!今着きました!」
「隊長達に知らせないと…俺行ってきますね!」
門番の1人が王宮に向かって走り出した。
「あっ!アラン隊長もお久しぶりですね!」
後ろについてきていたアランさんにも気がついた。
「ついでだなぁ…まぁいいけど。もう隊長って呼ばないでくれよ、それで皆元気か?」
「はい!セシル隊長ものびのびとやってます!」
「プッ!」
その答えに思わず吹き出す。
セシルさんはきっとアラン隊長のお世話がなくなって楽になったのだろう。
「ミヅキ~何、笑ってんだ!」
するとアランさんに頭をわしずかみにされた!
「い、痛い~!別に笑ってない!みんな元気でよかったって意味でー!」
離してとアランさんの手を掴むと力が緩んだ。
「俺はあいつの為に色々と世話をさせてやってたんだ!」
はいはい…
「じゃあ後でのびのびとしたセシルさんに会いに行こうね!」
「うっ…」
そう言うときまり悪そうに顔を顰めてアランさんが手を離した。
マルコさんが手早く手続きを済ませてくれるといよいよ王都に入る。
「ここが…王都かい…」
「人ばっかりだね!?」
街に入ると人の多さに隠れ里のみんなが驚いている。
「いつもはもう少し少ないんですが、今はリバーシ大会があるのでかなりの人が王都に集まっています。揉め事もあると思いますので何かありましたらすぐにうちの名前を出して店の者を呼んで下さい。後でリングス商会の関係者だと証明するコインをお渡ししますので」
「何から何まですまないな」
長老がお礼を言ってマルコさんに頭を下げると
「やめて下さい!私達のお店がここまで来れたのは皆さんとミヅキさんのおかげです!みなさんは気にせず王都を楽しんで下さい!」
「それは嬉しいが私達も世話になりっぱなしは性にあわない、王都ではうどんでも売って金を作ろうと思っているんだが…いい所はあるかな?」
里の人が聞くと
「それはいいですね!里と、しょうゆの宣伝にもってこいです!場所は好きな所を言っていただければ確保しますよ!」
私はお店と聞いてピンときた!
「なら王都の外に停めてる馬車のところに出したらどうかな?あそこだと王都に入れない人達が沢山いるし、食べ物も限られるから人気出ると思うよ!」
「ミヅキさん!!相変わらず商人の才能がありますね!凄くいい案だと思いますがどうでしょうか?」
マルコさんが長老に聞くと
「よくわからんがミヅキとマルコさんがそういうならそこで出そう、みな異論はないか?」
里の人達は笑顔で頷いた。
「うちの職員を数名付けますのでなんでも仰って下さい!外に出る時は冒険者の護衛もつけますので!」
「護衛?コジローさん達にはいらないんじゃない?」
十分一人一人が冒険者並に強いのだ。
「そうですか?まぁなんでも欲しいものがあれば仰っていただければご用意しますので」
マルコさんのもてなしに里のみんなは感謝していた。
長旅もあり王都の観光は後日にして今回は泊まるところの王都の里を目指して歩き出す。
「みんな元気かな!?」
少し久しぶりに会うみんなにドキドキしながら進んで行くと、里の入り口を抜けてギースさん達が住む建物が見えてきた。
「誰だ?」
里に入ろうとするとギースさんの声がした。
「ギースさん!」
私はギースさんにタックルしたが、ビクともせずに受け止められる。
「ミヅキ!やっと着いたのか!来るとは聞いていたがいつ来るのかわからないからみんな首を長くして待ってたんだぞ!」
「ごめんね、今回はプルシアに乗って行かなかったからいつ着けるかわからなくて…それで里はどう?みんな元気かな?」
「それは自分の目で確かめて来な」
ギースさんは意味ありげに笑うと先を促した。
後ろからギースさんは着いてくるとベイカーさんやデボットさん達とも挨拶を交わしている。
道を抜けて里に向かうと…
「えぇぇぇぇぇ!!」
そこには私が作ったリバーシ工場の横に全く同じような建物が二棟並び、みんなの住居ように作ったアパートがさらに何棟も増築されていた。
「凄っ…い事になってるね…」
「はい、どんどん人手が足りなくなりまして…ミヅキさんが作った学校に通う子供達がほとんど働きに来ておりますよ。それに…あちらも見てください」
マルコさんがニコニコと笑いながら指をさす方向を見つめると…
「ん?なんか…黄色い地面がずっと…あれってまさかお米?」
「はい、米の生産も順調で人手も増えた事で田んぼを広げています。それでも米の注文は止まりませんから」
なんとも順調そうでよかったが…完全に私の手は離れたようだ。
「これは…もう私がお金を貰うのも申し訳ないような…」
未だにお米やリバーシのお金がマルコさんから支払われているのがいたたまれない。
「それは駄目です。全てはミヅキさんのアイデアと力で作り上げたのですから…それにミヅキさんの手を離したら…それこそ一晩でここは潰れてしまいますよ…」
マルコさんが大袈裟なことを言うので笑っているが苦笑して首を横にふる。
「ほら、噂をすれば…」
マルコさんが後ろを見つめるので振り返ると…
「「「ミヅキ~!!」」」
リュカやテオ達が手を振りながら駆け寄ってきた。
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