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番外編【ネタバレ注意】
書籍化お礼番外編『セバスさんとお仕事編 執事とお嬢様』
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「では行きましょう、ミヅキ様」
セバスさんがスっと自然に手を差し出してきた…私はその手を緊張しながらおずおずと掴んだのだ。
「そんなに緊張しなくても大丈夫ですよ、ちょっとワガママなお嬢様ぐらいの気持ちでいてください。ミヅキさんぐらいの年の子ならまだ所作も気にすることありませんから」
セバスさんの言葉にほっと息を吐く。
「ミヅキさんは普通に楽しんでくれれば大丈夫です。それで全て解決できますから…」
「えっ?そうなんですか?」
はい、とセバスさんが楽しそうに笑う。
シルバ達はさすがに入れないので外で待機する事になった…扉の前を睨みつけるように待ちそうなので目立たないように屋根の上で待ってもらう。
【シルバ行ってくるね】
【気をつけるんだぞ、セバスのそばを離れるな】
【はーい】
セバスさんに先導され私は賭博場に足を踏み入れた。
中に入るとセバスさんが受付けに居たおじさんに何かをそっと手渡たした。
すると入れとばかりに中に通される。
「何渡したんですか?」
わたしがそっと聞くと
「お金です」
セバスさんは前を向いたままそっと答えた。
「まぁ賄賂…ですかね。揉めずに入店する為ですから」
セバスさんは私を見ると…
「ミヅキ様、来たいと言っていた場所ですよ。どれで遊びますか?お父様から好きな様にと言われておりますので気が済むまで楽しんで下さい」
セバスさんの声に従業員達がピクっと反応して私に視線を向ける。
「やった!!じゃあまずは…あれ!」
嬉しそうに反応して適当に指をさした。
すると店の責任者のような男が近づいて来た。
「いらっしゃいませ…初めて見る方のようですが…ここは誰かの紹介ですか?」
「あなたは…」
セバスさんが私を隠すように立つと警戒した顔で男を見つめた。
「これは失礼致しました。私この店の責任者をしております」
「ああ、それは失礼致しました。こちらのお嬢様はお忍びで来ておりますので名前はちょっと…ですが王都のちょっとふくよかな頭の後退が進んでいるあの方から…」
セバスさんが何やら男と話している。
「ああ、もしかしてゴルゴーン伯爵ですか?」
「そうです、あっこの事は内密にお願い致します…」
セバスさんがまた賄賂を渡した。
「もちろんです。今日はお楽しみください、よろしければ席までご案内致します」
責任者の男は笑って案内を始めた。
一体いくら渡したんだろ…男の笑顔が怖い…
私は大人しくついて行く事にした。
「ここは玉を転がしてどこの穴に入るか当てるゲームとなっております。自分が入ると思った数字の上にお金を置いて下さい。当たれば倍、外れればゼロ…単純なゲームですよ」
説明を聞いてカジノのルーレットを思い出す。
見るとテーブルに数字が描かれていたが、色は付いてない。
「一度どのような感じか見てみますか?」
微笑まれて椅子を引かれる、座れって事だよね。
私は素直に座ってゲームの流れを見たがやはりルールは同じようだ、テーブルに付いたディーラーっぽい男の人が玉を投げる備え付けられた窪みの付いたホイールの中に投げ入れた。
窪みにはランダムに数字が書いてある。
「ただ何処に入るか予想するだけですよ」
投げたボールがカランと音を立てて窪みに落ちる。
「31です」
ディーラーの言葉にかけていた客達の呻き声が聞こえる…どうやら誰もそこにはかけていなかったようだ。
「ミヅキ様どうなさいますか?」
セバスさんが椅子の後ろにピッタリと立って声をかけて来た。
「やってみたい!」
私は極力無邪気に答えるとセバスさんが微笑んで懐から袋を取り出した。
「ではこれをお使い下さい」
ズシッと重い袋を渡された…嫌な予感にそっと中を覗くと金銀に光るお金が沢山入っていた。
ひっ…
一瞬顔が強ばるのを直ぐに戻しておもむろに手を突っ込み小さいてで掴めるだけ掴むと テーブルに出した。
「うーん…じゃあここ!」
「11」の数字の上に金貨を一枚置いた。
責任者達が一瞬唖然とすると急いで飲み物など用意させる。
私達を上客と判断したのだろう。
「お嬢様、よろしければこちらをどうぞ。サービスです」
高そうなコップにジュースらしき物を注いで持ってきた。
「ありがとう~」
お礼を言うがそれには手をつけないでルーレットに集中する、他の客もかけたのでディーラーが玉を投げ入れた。
どうかなぁ~最初だし本当は外れた方がいいんだよね~
そんなことを考えていると…カランッ!玉は11の隣の32の穴に入った。
「あっ…おしい~」
私が悔しがるとセバスさんが耳元に近づいて来た。
「大丈夫ですか?これにはミヅキさんの加護は効きませんか?」
少し心配そうに囁くと
「大丈夫です、今一回は外れるといいなぁ~って思ったんですよ…だからかも…次は当たれって思ってみます」
私が答えるとセバスさんはなるほどと頷いた。
「どうかなさいましたか?」
コソコソ話す私達に不審に思ったのか責任者が声をかけてきた。
「いえ、惜しかったですねと励ましていました」
セバスさんがなんでもないと笑うと
「よーし!どんどんかけるぞー!」
私は今度は金貨を三枚重ね「20」の上に置いた。
「ではいきます」
ディーラーが投げると今度は入れ~と手を合わせてお願いする。
すると…ストンッ…
「20…です」
見事的中した!私は思わずセバスさんの方を振り返るとよく出来ましたとばかりに笑っていた。
「おめでとうございます。金貨6枚になります」
ディーラーが私の前に金貨を6枚置いた、それを3枚袋に返すと…また金貨3枚を適当な数字の上に置く。
「お願いします!」
私はディーラーさんをニヤリと見上げた!
セバスさんがスっと自然に手を差し出してきた…私はその手を緊張しながらおずおずと掴んだのだ。
「そんなに緊張しなくても大丈夫ですよ、ちょっとワガママなお嬢様ぐらいの気持ちでいてください。ミヅキさんぐらいの年の子ならまだ所作も気にすることありませんから」
セバスさんの言葉にほっと息を吐く。
「ミヅキさんは普通に楽しんでくれれば大丈夫です。それで全て解決できますから…」
「えっ?そうなんですか?」
はい、とセバスさんが楽しそうに笑う。
シルバ達はさすがに入れないので外で待機する事になった…扉の前を睨みつけるように待ちそうなので目立たないように屋根の上で待ってもらう。
【シルバ行ってくるね】
【気をつけるんだぞ、セバスのそばを離れるな】
【はーい】
セバスさんに先導され私は賭博場に足を踏み入れた。
中に入るとセバスさんが受付けに居たおじさんに何かをそっと手渡たした。
すると入れとばかりに中に通される。
「何渡したんですか?」
わたしがそっと聞くと
「お金です」
セバスさんは前を向いたままそっと答えた。
「まぁ賄賂…ですかね。揉めずに入店する為ですから」
セバスさんは私を見ると…
「ミヅキ様、来たいと言っていた場所ですよ。どれで遊びますか?お父様から好きな様にと言われておりますので気が済むまで楽しんで下さい」
セバスさんの声に従業員達がピクっと反応して私に視線を向ける。
「やった!!じゃあまずは…あれ!」
嬉しそうに反応して適当に指をさした。
すると店の責任者のような男が近づいて来た。
「いらっしゃいませ…初めて見る方のようですが…ここは誰かの紹介ですか?」
「あなたは…」
セバスさんが私を隠すように立つと警戒した顔で男を見つめた。
「これは失礼致しました。私この店の責任者をしております」
「ああ、それは失礼致しました。こちらのお嬢様はお忍びで来ておりますので名前はちょっと…ですが王都のちょっとふくよかな頭の後退が進んでいるあの方から…」
セバスさんが何やら男と話している。
「ああ、もしかしてゴルゴーン伯爵ですか?」
「そうです、あっこの事は内密にお願い致します…」
セバスさんがまた賄賂を渡した。
「もちろんです。今日はお楽しみください、よろしければ席までご案内致します」
責任者の男は笑って案内を始めた。
一体いくら渡したんだろ…男の笑顔が怖い…
私は大人しくついて行く事にした。
「ここは玉を転がしてどこの穴に入るか当てるゲームとなっております。自分が入ると思った数字の上にお金を置いて下さい。当たれば倍、外れればゼロ…単純なゲームですよ」
説明を聞いてカジノのルーレットを思い出す。
見るとテーブルに数字が描かれていたが、色は付いてない。
「一度どのような感じか見てみますか?」
微笑まれて椅子を引かれる、座れって事だよね。
私は素直に座ってゲームの流れを見たがやはりルールは同じようだ、テーブルに付いたディーラーっぽい男の人が玉を投げる備え付けられた窪みの付いたホイールの中に投げ入れた。
窪みにはランダムに数字が書いてある。
「ただ何処に入るか予想するだけですよ」
投げたボールがカランと音を立てて窪みに落ちる。
「31です」
ディーラーの言葉にかけていた客達の呻き声が聞こえる…どうやら誰もそこにはかけていなかったようだ。
「ミヅキ様どうなさいますか?」
セバスさんが椅子の後ろにピッタリと立って声をかけて来た。
「やってみたい!」
私は極力無邪気に答えるとセバスさんが微笑んで懐から袋を取り出した。
「ではこれをお使い下さい」
ズシッと重い袋を渡された…嫌な予感にそっと中を覗くと金銀に光るお金が沢山入っていた。
ひっ…
一瞬顔が強ばるのを直ぐに戻しておもむろに手を突っ込み小さいてで掴めるだけ掴むと テーブルに出した。
「うーん…じゃあここ!」
「11」の数字の上に金貨を一枚置いた。
責任者達が一瞬唖然とすると急いで飲み物など用意させる。
私達を上客と判断したのだろう。
「お嬢様、よろしければこちらをどうぞ。サービスです」
高そうなコップにジュースらしき物を注いで持ってきた。
「ありがとう~」
お礼を言うがそれには手をつけないでルーレットに集中する、他の客もかけたのでディーラーが玉を投げ入れた。
どうかなぁ~最初だし本当は外れた方がいいんだよね~
そんなことを考えていると…カランッ!玉は11の隣の32の穴に入った。
「あっ…おしい~」
私が悔しがるとセバスさんが耳元に近づいて来た。
「大丈夫ですか?これにはミヅキさんの加護は効きませんか?」
少し心配そうに囁くと
「大丈夫です、今一回は外れるといいなぁ~って思ったんですよ…だからかも…次は当たれって思ってみます」
私が答えるとセバスさんはなるほどと頷いた。
「どうかなさいましたか?」
コソコソ話す私達に不審に思ったのか責任者が声をかけてきた。
「いえ、惜しかったですねと励ましていました」
セバスさんがなんでもないと笑うと
「よーし!どんどんかけるぞー!」
私は今度は金貨を三枚重ね「20」の上に置いた。
「ではいきます」
ディーラーが投げると今度は入れ~と手を合わせてお願いする。
すると…ストンッ…
「20…です」
見事的中した!私は思わずセバスさんの方を振り返るとよく出来ましたとばかりに笑っていた。
「おめでとうございます。金貨6枚になります」
ディーラーが私の前に金貨を6枚置いた、それを3枚袋に返すと…また金貨3枚を適当な数字の上に置く。
「お願いします!」
私はディーラーさんをニヤリと見上げた!
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