ほっといて下さい 従魔とチートライフ楽しみたい!

三園 七詩

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14章

637.地下十六階

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ベイカーさん達がダンジョンの中を少し確認すると戻ってきた。

「特に罠などは無さそうだ、先に進もう」

ベイカーさんからの許可が出てシルバが後に続く。

「今度は森?しかもなんか暗いね…」

まるで夜の様な暗さだった…まぁ本来は地下なんだから明るい方がおかしいのだが…

木が生い茂った中を進むと建物が見えてきた…

「ベイカーさん!お家があるよ!」

森を抜けると薄暗い不気味な洋館があらわれた。

「なんか…お化けが出そう」

ゾクッとして私はムーをぎゅっと抱きしめた。

「どうやらここの中に次の階段がありそうだな…」

ロブさんが扉に手を伸ばす…そして引くとギィギィィー…不快な音と共に扉が開いた。

「一人ずつ行くぞ、先ずはわしが行く」

ロブさんが中に入ると真っ暗だったのかその姿が見えなくなる…

「ロブさん!」

声をかけると

「大丈夫だ!みんな続いてこい」

声だけが返ってきた。

「ライト!」

続いてベイカーさんが魔法で明かりを灯しながら入るとアランさんと続く

「次はミヅキとシルバさん達でどうぞ、俺はその後に続きます」

コジローさんが手を差し出すとシルバが洋館に足を踏み入れた。

ベイカーさんの明かりが先を照らすがなんだがまだ薄暗い…

「ライト!」

私も明かりを付けたが…シュン…

明かりが弱くなって少し先しか照らせない。

「なんで?明かりが付かないよ」

「そういう仕様なのかもな…みんなくっ付いて離れないように進もう」

【僕が照らそうか?】

シルクが燃えながら飛び立つと炎の光に影がユラユラと揺れる。

前からベイカーさんの声だけがした…返事をしてつい不安で横にいたアランさんの服を掴んだ。

「うわっ!」

いきなり服を掴まれたアランさんが声をあげる!

「きゃあー!」

アランさんの驚く様子に逆に私が驚いて悲鳴をあげた!

「な、なんだ!?」

「どうした!」

「ミヅキの声だ!大丈夫か!」

私の悲鳴と共に周りが焦り軽くパニックになると明かりが消えて真っ暗になる!

私は目の前にいたアランさんの服をぎゅっと掴んで反対の手でシルバに抱きついた!

【ミヅキ!大丈夫か!】

【シルバ…うん、居るよね?これシルバだよね!】

触りなれた毛皮を撫でると…

【ああ、俺だ。その手を離すなよ】

【うん】

シルバの頼もしい答えに私は安心した。

「アランさん…」

私は反対の手を引くとアランさんを呼んだ。

「おお、ミヅキ大丈夫か?明かりが消えたけど」

「うん、大丈夫。びっくりして消えちゃったよ、今つけるね!」

私はもう一度ライトをつけると…

「あれ?」

そこには一緒に建物に入ったはずのロブさんやベイカーさんがいなかった。

「えっ!?」

後ろを振り返ると後を付いていたコジローさんやロバートさんディムロスじいちゃんもいなかった。

「なんで!?みんなは!?」

シンクの姿も見えなかった。

【シンク!シルバ…シンクが…】

【シンクなら大丈夫だ。それよりも俺達は離れないようにな】

こくこくと頷くとシルバを掴む手に力を入れた。

「どうやら分散させられたみたいだな…ミヅキシルバと俺から手を離すなよ!」

アランさんもぎゅっと手を掴んだ。

「どうしよう…みんな大丈夫かな?」

私は不安になってアランさんを見つめると

「あいつらなら心配いらねぇよ。まぁミヅキのことを心配しているだろうから早めに合流はしたいな…」

さてどっちに進むかな…とアランさんはキョロキョロと周りを確認する。

「こりゃミヅキに任せるか」

アランさんはニヤッと笑って私。を見つめた。

「えー!」

「俺が選ぶより絶対ミヅキが選んだ方が早く着くよ」

私は建物の前と後ろを振り返る。

「どっちもどっちな気がする…とりあえず前に進もうか?」

「そうだな」

しかし進んで行くと道が狭くなる…三人並ぶと進みにくい…頑張っても横に並ぶのは二人が精一杯だった。

「しょうがない…手を離すぞ」

アランさんが手を離そうとして力を緩めると…

「やだ!」

私は離すまいと力を込める!

「また離れ離れになっちゃうかも!」

「でも進めないだろ?ミヅキはしっかりとシルバから離れるな。俺はまぁ離れても何とかなるから」

アランさんは笑って頭を撫でるとその手を離した。

「ちゃんとついてきてね!」

私はチラチラと後ろを確認すると

「はいはい、いますよー」

アランさんの声にほっとして先へと進む。

ガタッガタッ!!

急に建物が軋む音をたてた…

「ひっ!」

すると建物が揺れ出す!

「じ、地震!?」

【ミヅキ!掴まっていろ!】

【えっ!わ、わかった】

私がシルバの首にギュッと抱きつくとシルバが壁目掛けて体当たりした!

【シルバ!】

頭から突っ込むシルバを心配する。

【問題ない!】

シルバはそのまま真っ直ぐに壁を突き破っていくと…

ドンッ!

「ギャーっ」

ドンッ!

「ギャーっ!」

シルバが壁を突き破るたびに悲鳴があがる!

「アランさん!ついてきてる!?」

私が大声で叫ぶと…

「後にいるぞ!それよりもこの建物なんか変じゃないか!?」

「やっぱりそう思った?シルバが壁を突き破ると悲鳴があがるんだけど…」

「もしかして…」

アランさんは剣を取り出すと壁に向かって振り下ろす!

「ア゙ア゙ア゙ア゙!!」

やはり建物を傷つけると雄叫びがあがる…

「この建物自体が魔物なんだ…」

「お化け屋敷じゃん!」

「不味いすぐに出るぞ!ここは魔物の腹の中って事だ!」

アランの言葉にシルバが足を止めた…

【シルバ!どうしたの?】

【ここが腹の中…だと…】

シルバの毛が逆立つ…なんでか凄く怒ってるみたいだ…

【こいつ…ミヅキを食べてるって事だろ…】

【へ?私?いや!みんな食べられちゃってるからね!私だけじゃないよ】

私は慌ててシルバに声をかけるがシルバの怒りはおさまりそうに無かった。

するとまた魔物から悲鳴が上がる!

「ギャア゙ア゙ア゙ア゙ア゙!!」

すると床がうねりだし前へ前へと押し出される。

シルバは足場を上手く飛んで外に飛び出した!

【外だ!】

魔物は腹からの攻撃に耐えられずに私達を吐き出した!

【ミヅキー】

「ミヅキ!無事か!?」

シンクとベイカーさんの声がすると同じように違う出口から吐き出されていた。

シンクが真っ直ぐこちらに飛んで来ると

【よかったー】

胸に飛び込んでほっとしている。

【ミヅキが消えてびっくりしたよ!手当り次第燃やして前に進んだんだ!】

シンクの言葉に魔物の悲鳴の理由が分かり苦笑してしまった。
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