ほっといて下さい 従魔とチートライフ楽しみたい!

三園 七詩

文字の大きさ
509 / 675
14章

622.噂のあの子

しおりを挟む
「アルフノーヴァ様よりも魔力が上?」

ユリウスが信じられずに聞き返すと

「はい」

アルフノーヴァが頷く。

「師匠よりも魔力が上の者など見た事ないが?」

レオンハルトが唖然としていると

「俺は一人知ってる…」

シリウスが呟くと

「なに!一体誰だ!」

レオンハルトがシリウスに詰め寄ると

「あっ…いや…」

シリウスがしまったと言い淀む。

「レオンハルト様駄目ですよ。魔力が高い方ほどそういう情報が漏れることを嫌います。無理に詮索するのはよくありません」

「師匠は知っているのかそいつの事を!」

「ええ…知り合いですので…ですがその方がかけたのでは無いことだけはわかります」

「そうですね」

シリウスとユリウスも頷くと

「なんだ…俺以外みんな知ってる奴なのか…」

レオンハルトは一人除け者にされてムッとして腕を組むと椅子に座り込む。

「ならそいつに頼んでバイオレッドの洗脳を解いて貰うことは出来ないのか?」

ちょっとやけ気味に聞いてきた。

「それは…」

アルフノーヴァの顔が曇った。

「すぐに呼べる相手でもありませんし…とりあえずこの魔法に手を少し加えてみましょう…」

アルフノーヴァはそのままバイオレッドの頭に手を置いた…しばらくの間待っていると…

「うっ…」

待ちくたびれ、椅子に座っていたらバイオレッドから声がした!

レオンハルト達はアルフノーヴァのそばにいくと

「どうだ?出来たのか」

「ふぅ…完全に書き換えるのは無理でした…しかし本人の抗う力が凄いのでこのままやればどうにか…」

トントン!

するとバイオレッドを迎えにメイドが来てしまった。

「くっそ…続きはまた明日か…」

「いえ…もしかしたらまたかけ直されるかも知れません…」

「なら今この部屋から出るのは得策ではありませんね」

ユリウスがどうしようかと考えると

「俺がどうにかしよう」

レオンハルトが立ち上がると扉に向かった。

ユリウスが扉を開くとメイドが頭を下げて入ってきた。

「バイオレッド様をお迎えにあがりました…」

そう言ってバイオレッドが来るのを待っていると…

「それなんだが…彼女眠ってしまって、疲れているのかな、あまりに気持ち良さそうだから起こすのが忍びなくてね…」

レオンハルトはさわやかに笑ってメイドに近づくとそっと屈んでメイドの顔を覗き見る。

「どうかな?今夜はここで休ませてあげては…もちろん手を出すような卑劣な真似はしないと誓うよ…君の為にも」

そう言ってメイドさんの手を掴むとそっと誓うように手の甲に触れる。

「あ、は、はい!わかりました!」

「君の仕事が少しでも楽になるといいな…だからこの事は二人の秘密にしておこうか?」

レオンハルトがメイドに笑いかけると

「はい…そうですね…」

メイドはポーっとしながら頬を染めて頷いた。

レオンハルトはフラフラとするとメイドをそっと部屋の外に出すと

「どうだ!?」

扉が閉まると同時にドヤ顔をする!

「あまり感心はしませんが彼女を引き止められたので良しとしましょう」

「レオンハルト様の魅了にかかっていましたね」

「レオンハルト様…ああいうのはミヅキは嫌いだと思いますよ」

三人が真顔で答える。

「なんだよ!まともに褒められないのか!」

「いえ、相変わらずレオンハルト様はおモテになりますね」

ユリウスが笑顔で手を叩いている。

「俺って……モテるよな?」

レオンハルトが自信なさげに聞くと

「ええ、そう思います。城のパーティーなどいつも女の子達に囲まれていますからね」

「だよな…ならなんでミヅキは駄目なんだ…」

レオンハルトがため息をつく。

そういう所だろうな…

ユリウスとシリウスが苦笑する。

「あの子は変わっているからね、普通の女の子の枠にはめない方がいいよ」

アルフノーヴァがバイオレッドに魔法をかけながら話に入ってきた。

「ならどうすればいいんだ!」

レオンハルトがアルフノーヴァに詰め寄ると

「そうですね…シリウスとユリウスの真似でもしてみればいいのでは?」

「二人の?どういう事だ、この二人のようにでかくなれって言うならあと少しだと思う」

「身長ではなくて内面と外見ですよ」

アルフノーヴァが苦笑すると

「内面…そんなに変わらんと思うが…」

アルフノーヴァが二人を見ると

「「えっ!!」」

レオンハルトの言葉に二人が驚く。

「優しいくて気が利いて強くて頭がいい…同じだろ?」

「レオンハルト様…」

ユリウスは褒められ嬉しくなりながらも…それを自分も同じだと断言するレオンハルトになんと声をかけてやればよいのかわからなかった…

「後は謙虚って言葉を覚えなさい」

アルフノーヴァが苦笑する。

「謙虚…ってなんだ?習ったか?」

レオンハルトはユリウスを見つめた。

「うっ…うう…お、とうさま…」

魔法を解除されていたバイオレッドの意識がうっすらと戻って来た。

みんなはベッドに集まり囲むと

「どうだ!?洗脳は解けたのか!」

「いえ…やはり完全に解除は難しいそうです。少し弱める事は出来ましたが…」

アルフノーヴァが額にうっすらと汗を流してバイオレッドから手を離した。

「おい、大丈夫か?」

レオンハルトはバイオレッドに話しかけると

「ここ…どこ…あれ…お父様?お母様…」

バイオレッドは目をキョロキョロと動かしていると

「大丈夫ですか?自分が誰か分かりますか?」

「あなた達…誰?」

バイオレッドはポーっとしながらレオンハルト達を見つめる。

「あっ…レオンハルト様…どうぞよろしくお願いします」

そう言ってモゾモゾと動き出すと

「しっかりしろ!君は王族の娘だろ!」

レオンハルトが肩を揺らす!

「王族…そうだ…私…グッ!」

バイオレッドはぐっと歯を食いしばると…口から血が流れる…

「大変だ!」

ユリウスが慌てて布を当てようとすると

「大丈夫だ!それよりも聞いてくれ、私の正気がいつまで持つか分からない。お父様が!お母様が!弟が大変なんだ!」

バイオレッドがレオンハルトを見つめる。

「話せ!」

「ありがとう…お父様はあなたが来るのを心待ちにしていた、やっと人と獣人が歩み寄れると、だがそれを快く思っていなかった大臣達が一度みんなで話し合うと…お父様もみんなの意見を聞きたいと了承して話し合いをしていたら大臣が連れてきた子供が…グッ…」

バイオレッドが辛そうな顔をする。

「大丈夫か!」

「大丈夫…その子供は黒い魔石を取り出して大臣に渡した…するとあの男…今までまともに魔法も使えなかったのに…急に高度な魔法を使いだして…私はすぐにその子供が怪しいと飛び出したが…頭を掴まれてから記憶が…」

一気に話してはぁはぁと荒く息をすると

「お父様は?みんなは無事か?」

バイオレッドが心配そうに聞くと

「無事…とは言えないが何とかしよう。このままにしておけない!じゃないとお前と俺は結婚させられるしな…」

レオンハルトがバイオレッドを見ると

「けっ、結婚…」

バイオレッドは驚くと…そのまま意識を失ってしまった。

「お、おい!」

レオンハルトが慌てるが

「洗脳に抗っていたのが今の言葉で気が緩んでしまったのでしょう。何度も魔法をかけるのは危険です。彼女の体力も持たないし…しばらく眠って貰いましょう」

アルフノーヴァはそっとバイオレッドの瞼の上に優しく手を置くと苦しそうだった顔がスっと穏やかになる。

バイオレッドに布団をかけてやり寝かせてやると…

「それにしても…またあの子供ですか…」

アルフノーヴァが顔を顰めた。

「誰だ?そいつも知っているやつなのか!」

「前にプルシアさんがウエスト国を襲いましたよね…あの時にプルシアさんを操っていた者と同一人物だと思われます」

「何者なんだ」

「私もまだ直接お会いしたことはありません…」

アルフノーヴァが言葉を止めると…

しかもまた黒い魔石…あれを浄化できるのはミヅキさんだけ…やはり呼ぶべきか…

アルフノーヴァが葛藤するかのように何か考えていると

ユリウスとシリウスがビクッと何かに反応した。

「どうしました?」

二人はむず痒そうに耳と尻尾が微かに動いている。

「なんだ?なんか嬉しそうだな…」

レオンハルトが怪しむように二人を睨むと

「い、いえ…今…ミヅキの匂いを感じて…」

シリウスが答えると

「やはりお前もか」

ユリウスが頷く。

「えっ…ミヅキここに来てるのか?」

レオンハルトが聞くと

「あー…」

アルフノーヴァがプルシア達が飛び立った方向を思い出す…

確か…町に戻るより少し方向が違ったか…すると迂回して…もしやあの途中の魔物の逃げるような群れ…

心当たりに苦笑する…

「その可能性ありそうですね」

「しかしほんの一瞬だった…勘違いかもしれない…ミヅキの話ばかりしていたから」

シリウスが自信なさげに言うと

「いえ…黒い魔石があってトラブル…きっと彼女はここに来ています」

アルフノーヴァが自信満々に頷いた。
しおりを挟む
感想 6,829

あなたにおすすめの小説

転生したら幼女でした!? 神様~、聞いてないよ~!

饕餮
ファンタジー
  書籍化決定!   2024/08/中旬ごろの出荷となります!   Web版と書籍版では一部の設定を追加しました! 今井 優希(いまい ゆき)、享年三十五歳。暴走車から母子をかばって轢かれ、あえなく死亡。 救った母親は数年後に人類にとってとても役立つ発明をし、その子がさらにそれを発展させる、人類にとって宝になる人物たちだった。彼らを助けた功績で生き返らせるか異世界に転生させてくれるという女神。 一旦このまま成仏したいと願うものの女神から誘いを受け、その女神が管理する異世界へ転生することに。 そして女神からその世界で生き残るための魔法をもらい、その世界に降り立つ。 だが。 「ようじらなんて、きいてにゃいでしゅよーーー!」 森の中に虚しく響く優希の声に、誰も答える者はいない。 ステラと名前を変え、女神から遣わされた魔物であるティーガー(虎)に気に入られて護られ、冒険者に気に入られ、辿り着いた村の人々に見守られながらもいろいろとやらかす話である。 ★主人公は口が悪いです。 ★不定期更新です。 ★ツギクル、カクヨムでも投稿を始めました。

転生幼女はお願いしたい~100万年に1人と言われた力で自由気ままな異世界ライフ~

土偶の友
ファンタジー
 サクヤは目が覚めると森の中にいた。  しかも隣にはもふもふで真っ白な小さい虎。  虎……? と思ってなでていると、懐かれて一緒に行動をすることに。  歩いていると、新しいもふもふのフェンリルが現れ、フェンリルも助けることになった。  それからは困っている人を助けたり、もふもふしたりのんびりと生きる。 9/28~10/6 までHOTランキング1位! 5/22に2巻が発売します! それに伴い、24章まで取り下げになるので、よろしく願いします。

私の家族はハイスペックです! 落ちこぼれ転生末姫ですが溺愛されつつ世界救っちゃいます!

りーさん
ファンタジー
 ある日、突然生まれ変わっていた。理由はわからないけど、私は末っ子のお姫さまになったらしい。 でも、このお姫さま、なんか放置気味!?と思っていたら、お兄さんやお姉さん、お父さんやお母さんのスペックが高すぎるのが原因みたい。 こうなったら、こうなったでがんばる!放置されてるんなら、なにしてもいいよね! のんびりマイペースをモットーに、私は好きに生きようと思ったんだけど、実は私は、重要な使命で転生していて、それを遂行するために神器までもらってしまいました!でも、私は私で楽しく暮らしたいと思います!

収容所生まれの転生幼女は、囚人達と楽しく暮らしたい

三園 七詩
ファンタジー
旧題:収容所生まれの転生幼女は囚人達に溺愛されてますので幸せです 無実の罪で幽閉されたメアリーから生まれた子供は不幸な生い立ちにも関わらず囚人達に溺愛されて幸せに過ごしていた…そんなある時ふとした拍子に前世の記憶を思い出す! 無実の罪で不幸な最後を迎えた母の為!優しくしてくれた囚人達の為に自分頑張ります!

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

【㊗️受賞!】神のミスで転生したけど、幼児化しちゃった!〜もふもふと一緒に、異世界ライフを楽しもう!〜

一ノ蔵(いちのくら)
ファンタジー
※第18回ファンタジー小説大賞にて、奨励賞を受賞しました!投票して頂いた皆様には、感謝申し上げますm(_ _)m ✩物語は、ゆっくり進みます。冒険より、日常に重きありの異世界ライフです。 【あらすじ】 神のミスにより、異世界転生が決まったミオ。調子に乗って、スキルを欲張り過ぎた結果、幼児化してしまった!   そんなハプニングがありつつも、ミオは、大好きな異世界で送る第二の人生に、希望いっぱい!  事故のお詫びに遣わされた、守護獣神のジョウとともに、ミオは異世界ライフを楽しみます! カクヨム(吉野 ひな)にて、先行投稿しています。

没落した貴族家に拾われたので恩返しで復興させます

六山葵
ファンタジー
生まれて間も無く、山の中に捨てられていた赤子レオン・ハートフィリア。 彼を拾ったのは没落して平民になった貴族達だった。 優しい両親に育てられ、可愛い弟と共にすくすくと成長したレオンは不思議な夢を見るようになる。 それは過去の記憶なのか、あるいは前世の記憶か。 その夢のおかげで魔法を学んだレオンは愛する両親を再び貴族にするために魔法学院で魔法を学ぶことを決意した。 しかし、学院でレオンを待っていたのは酷い平民差別。そしてそこにレオンの夢の謎も交わって、彼の運命は大きく変わっていくことになるのだった。 ※2025/12/31に書籍五巻以降の話を非公開に変更する予定です。 詳細は近況ボードをご覧ください。

無名の三流テイマーは王都のはずれでのんびり暮らす~でも、国家の要職に就く弟子たちがなぜか頼ってきます~

鈴木竜一
ファンタジー
※本作の書籍化が決定いたしました!  詳細は近況ボードに載せていきます! 「もうおまえたちに教えることは何もない――いや、マジで!」 特にこれといった功績を挙げず、ダラダラと冒険者生活を続けてきた無名冒険者兼テイマーのバーツ。今日も危険とは無縁の安全な採集クエストをこなして飯代を稼げたことを喜ぶ彼の前に、自分を「師匠」と呼ぶ若い女性・ノエリ―が現れる。弟子をとった記憶のないバーツだったが、十年ほど前に当時惚れていた女性にいいところを見せようと、彼女が運営する施設の子どもたちにテイマーとしての心得を説いたことを思い出す。ノエリ―はその時にいた子どものひとりだったのだ。彼女曰く、師匠であるバーツの教えを守って修行を続けた結果、あの時の弟子たちはみんな国にとって欠かせない重要な役職に就いて繁栄に貢献しているという。すべては師匠であるバーツのおかげだと信じるノエリ―は、彼に王都へと移り住んでもらい、その教えを広めてほしいとお願いに来たのだ。 しかし、自身をただのしがない無名の三流冒険者だと思っているバーツは、そんな指導力はないと語る――が、そう思っているのは本人のみで、実はバーツはテイマーとしてだけでなく、【育成者】としてもとんでもない資質を持っていた。 バーツはノエリ―に押し切られる形で王都へと出向くことになるのだが、そこで立派に成長した弟子たちと再会。さらに、かつてテイムしていたが、諸事情で契約を解除した魔獣たちも、いつかバーツに再会することを夢見て自主的に鍛錬を続けており、気がつけばSランクを越える神獣へと進化していて―― こうして、無名のテイマー・バーツは慕ってくれる可愛い弟子や懐いている神獣たちとともにさまざまな国家絡みのトラブルを解決していき、気づけば国家の重要ポストの候補にまで名を連ねるが、当人は「勘弁してくれ」と困惑気味。そんなバーツは今日も王都のはずれにある運河のほとりに建てられた小屋を拠点に畑をしたり釣りをしたり、今日ものんびり暮らしつつ、弟子たちからの依頼をこなすのだった。

処理中です...
本作については削除予定があるため、新規のレンタルはできません。
番外編を閲覧することが出来ません。
過去1ヶ月以内にレジーナの小説・漫画を1話以上レンタルしている と、レジーナのすべての番外編を読むことができます。

このユーザをミュートしますか?

※ミュートすると該当ユーザの「小説・投稿漫画・感想・コメント」が非表示になります。ミュートしたことは相手にはわかりません。またいつでもミュート解除できます。
※一部ミュート対象外の箇所がございます。ミュートの対象範囲についての詳細はヘルプにてご確認ください。
※ミュートしてもお気に入りやしおりは解除されません。既にお気に入りやしおりを使用している場合はすべて解除してからミュートを行うようにしてください。