ほっといて下さい 従魔とチートライフ楽しみたい!

三園 七詩

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14章

569.執事風ベイカー

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「あの…」

とうとうベイカーさんに女性の二人組が話しかけて来た。

「何か?」

ベイカーさんが執事らしく微笑んで二人を見ると…

「あ、あの…ドラゴン亭ってお店知りませんか?私達そこに行きたくて…」

頬を染めながら聞いてくる二人に

「ああ、この道をまっすぐ行けばありますよ」

ベイカーさんがあっさりと答えると

「もしよかったら…案内して貰えませんか?お礼に何かご馳走しますので…」

「いや、大丈夫だ。本当にここを行けば着くから、わからなくなったらまた誰かに聞くといいですよ。じゃ」

ベイカーは二人に軽く頭を下げて横を通り過ぎ先に行こうとすると…

「ま、待って下さい!私達…あなたと…もう少し話がしたくて…あのお店でいいんでちょっと入りませんか?」

パシッ!と服を掴んで、すぐ近くに見えるお店を指さしてお願いと上目遣いに見られている。

「凄い…ベイカーさんがモテてる…」

コジローさんとミヅキはすこし離れた場所でそのやり取りを唖然と見ていた。

「コジローさんみて、あのお姉さん達の後ろに違う組が控えてるよ!」

ミヅキがコソッと後ろを指さすと確かに遠巻きに何組か様子を伺っている様な女の子達が見えた。

「ベイカーさん…どうするんだろ。ご飯ご馳走してくれるなんて言われたらすぐについて行っちゃいそうだよ…」

ちょっと心配になりながらやり取りを見つめていると…

「悪いが連れがいるんだ、また今度にでもしてくれるか…」

ベイカーさんがこちらをチラッとみて断ると

「ならお名前教えて貰えませんか?また今度必ず伺いますから!」

なかなか諦めない二人にベイカーさんは顔をしかめると…

「わりぃ…はっきり言うわ。俺は大事な連れがいるからあんたらと飯食う予定はないんだわ。その子と食べるのが一番好きなんでな…分かったらそこ退いてくれるか?」

面倒になったのか口調を戻してはっきりと断ると

「なんだ!相手がいるならはっきり言ってくれればいいのに!もういいよ行こ!」

「それが本性なわけ…騙されたわ!…ふん!」

二人はベイカーの態度に気分を悪くするとさっさとその場を去っていった…

遠巻きに見ていたい女の子達もいつの間にか消えている。

「なんなんだよ…」

ベイカーさんはわけがわからずに困惑していると…

「ベイカーさん大丈夫?」

ミヅキとコジローがベイカーに近づいて行った。

「なんか知らんが絡まれた。今どきは女も絡んでくるんだな…ミヅキ気をつけろよ」

ベイカーさんが心配そうにミヅキに声をかける。

「女の子が絡むのはベイカーさんかコジローさんだけだよ。私は心配いらないよ」

苦笑すると

「そうか?なんで俺達だけ…まさか!この格好だから金持ちそうに見えてるとか?」

「それだけじゃないと思うけどね…」

思考がモテそうもないベイカーさんにミヅキはほっとすると

「早いとこ学校に行こう!またゆっくり歩いてたら捕まちゃいそうだからね」

「はっ?誰に捕まるんだ?」

首を傾げるベイカーさんを無視して三人はとりあえず早足で学校へと向かった…

学校に着くと…

「で?なんて言って学校に入るんだよ」

「それは、今度家事見習いの子達が学校に入るかもしれないので見学に来たとか何とかってのはどうかな?」

「まぁ妥当かな…よし行くか!バレたらそこで終わりだぞ」

「おっけー!なるべく顔見知りには会わないように行こう!」

ミヅキ達は気合いを入れて学校へと入っていった…


「すみません、少しここを見学したいのですが…」

ベイカーは始めて見る先生らしき人に声をかけると…

「はい、見学ですね。ご自由にどうぞ…その代わり何があっても責任は持ちませんのでご了承くださいね」

何故が意味深な言葉でにっこりと笑われる。

「あの…何があっても…とは?それに自由に見て回っていいんですか?警備とかは大丈夫なのですか?」

コジローがたまらずに聞くと

「あれ?うちの学校の噂を聞いて入りたいと思ったんじゃないんですか?」

先生が怪訝な顔をする。

「すみません、私達王都には来たばかりで…ここを勧められたので来てみたのですが…」

口からでまかせで話すと

「なるほど、ここはディアナ様が建てた子供達の為の学校です。心·技·体を無料で学べる場となってまして…子供達はそこら辺のゴロツキなら数人がかりなら軽く倒せるようになるんですよ」

「へー!」

ミヅキが驚くと

「ですからこの学校で悪さを働こうものなら…子供達の手によって痛めつけられます」

「こ、怖いな…」

ベイカーが思わずつぶやくと

「子供達も不審者を捕まえればそれが報酬になりますので容赦しません…まだ魔法や体術がまだ上手くない子でも上の子達がしっかりと面倒を見るようになってますから」

「すごい!誰が考えたんですか?」

ミヅキが聞くと

「自然とそうなっていった…と言う感じですかね。創立者のディアナ様の関係者の子供達が生徒会を作って色々と学校の決まりなどを話し合い規律を作ったんです」

「関係者の子供…?」

「リュカくんやテオくん、ハルさんやサラさん達です」

「リュカ!」

ミヅキは思わず大声で名前を呼んでしまい口を塞ぐ…

「おや?リュカくんをご存知ですか?まぁこの学校で知らない子はいませんが…」

「ゆ、有名なので聞いた事がありました…」

ミヅキが誤魔化すと…

「そうですね、リュカくん達はギルドに登録しており、冒険者としても働いていますから。ここの子供達の憧れの存在ですからね」

先生が誇らしそうに微笑むと…

「今日はリュカ…くんはいますか?」

「いえ、今日は生徒会の子達はリバーシのお店とギルドの依頼だと言っていたような…」

なら居ないかな…ミヅキはほっとする。

さすがにリュカ達に会ったらこの変装ではすぐにバレてしまいそうだ…

「わかりました…色々とお聞きしてすみませんでした。少し見学したら検討してみますね」

ミヅキは先生に頭を下げると

「…君も学校に入る予定なのかな?」

じっとミヅキを見つめる。

「あっ…いえ…どうですかね」

頭をかいた誤魔化すと

「あなたなら生徒会にも入れそうな気がします…頑張って下さいね」

「あ、ありがとうございます…」

にっこりと微笑む先生にミヅキは複雑な思いでお礼を言った…
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