ほっといて下さい 従魔とチートライフ楽しみたい!

三園 七詩

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12章

489.旅立ち

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何かが優しく頭を撫でる感触が心地よく、私は目を覚ました。

「おはようございます…」

寝ぼけまなこを擦りながら目を開けると前にご機嫌のセバスさんが笑顔全開で私を撫でていた…

「お、おはようございます…セバスさん早起きですね…」

はぁ~とあくびをすると…

「気がつくともう朝になってました」

「ん?」

なんだかおかしな発言に目が覚める。

「セバスさん…寝ましたか?」

私が聞くと

「私は三日は寝なくても大丈夫なので…」

その答えは…寝ていなかったと言うことか?

私はわけがわからず朝から頭を抱えた。

【ミヅキおはよう】

シルバが悩む私の頬を舐めると

【そいつは一晩中ずっとミヅキの事を見ていたぞ。ニヤニヤと気持ち悪かった…】

シルバが欠伸をしながら教えてくれる。

「えっ…」

ニコニコと笑うセバスさんを見ると何も言えなくなり聞かなかったことにした…

外に出るともう村の人達が起きて昨日の片付けを手伝ってくれていた。

「おはようございます!」

「おはよう、昨日は楽しかったなぁ~」

「定期的にまたやりたいもんだ!」

村の人達も楽しそうに片付けをする。

「誰かまた結婚式しないかね~この際この村で挙げられますとか宣伝して回ろうか」

村人が冗談を交えながら話していると…

「それいいわね!」

エミリーさんが乗り気になる!

「私司祭様を募集してみるわ!うちは料理も評判いいしミヅキちゃんが作ってくれたウエディングケーキの材料もあるし!」

「いいですね!私はドレス作りがしたいです」

村の娘達がキャッキャッと騒ぎ出すと…

「ミヅキちゃんうちの村でそういう事してもいいかい?」

エミリーさんが聞いてくる。

「えっ…別に誰がやったっていいんだから大丈夫だよ」

「そうかい?本当にミヅキちゃんは欲がないねぇ…」

困った様に悪うと

「ならうちの牛乳はミヅキちゃんところは特別価格でいいからね!今回もたくさん持ってておくれ!」

「うん!」

そういう方がやっぱり嬉しいや!

ホクホク顔でミヅキは牛乳をしまっていった。

ミヅキがせこせこと牛乳をしまっている間に…

「昨日は大変お騒がせしました」

セバスさんがエミリーさんに挨拶をしている。

「大丈夫だよ。心配になる気持ちはわかるからね。あんたみたいに強い人がそばにいるなら安心だよ」

エミリーさんがトンとセバスさんの肩を叩いた。

「セバスさん…知らせないで悪かったな」

「本当にごめんなさい」

ルンバさんとリリアンさんが申し訳なさそうに声をかけると

「いいえ!私の勘違いからこのような事になってしまい…謝るのは私の方です。ポルクスさんの結婚式をぶち壊さないで本当によかったです」

「ぶち壊す気だったんだ…」

「いえ!それはイチカさんを捨ててミヅキさんを取ったとしたらですよ」

セバスさんが笑うと

「そんな事は絶対ありませんよ…」

ポルクスさんが怖々声をかける。

「おはようございます」

イチカと並んで現れる、ポルクスはイチカを気遣うように横に寄り添っていた。

「お二人とも…改めておめでとうございます。二人が末永くお幸せにいることを願ってますよ」

セバスさんが笑ってイチカの頭に手を置く。

「ありがとうございます…セバスさん…私はポルクスさんと幸せになりたいと思います!ですからミヅキ様の事よろしくお願いします」

イチカは深々と頭を下げた。

「ええ、大丈夫です。きちんと見ておきますからあなたは自分の幸せを優先しなさい。それがミヅキさんも一番喜ばれますよ」

「はい!」

「ポルクスさんもイチカさんを大切にしなさいね、約束を違えば…」

ニコッと笑うと

「大丈夫です」

ポルクスはセバスの微笑みに怯むことなく言い返した。

「大丈夫そうですね。イチカさんもとても幸せそうですから」

「本当だよな~二人が来るとむず痒くて仕方ないわ」

セバスの後ろからアランが声をかける。

「嫌だね~妻子持ちは幸せな空気をプンプンと醸し出してて!」

ベイカーも便乗すると

「ベイカーさんもアランさんも頑張ってください」

ポルクスが余裕の笑みで返すと

「なんで俺達だけなんだよ!セバスさんだって同じだろ!」

「いや、セバスさんは本気になれば今すぐでも相手が見つかりそうだし…」

ポルクスの言葉にイチカがうんうんと納得する。

「確かにセバスさんのファンは多いよね、しかもみんな本気な子が多いからねぇ…」

覚えのあるリリアンさんが苦笑すると

「いえ、そんな事ありませんよ。それに私は今は他の事に感心がありますからね」

笑って楽しそうに片付けをしているミヅキを見つめた。

「まぁ俺も今はいいや、頑張るのはアランさんだけだな」

「俺は…美味い飯を作ってくれて俺の世話を甲斐甲斐しくしてくれていつも寄り添ってくれる人がいいな!」

アランさんの理想に…

「それって…」

話を聞いていたデボットやレアルが顔を合わせると…

「なんだ?いるのか!」

アランさんが期待を込めた目で見ると

「いや…それってセシルさんじゃないですか?」

「はっ?」

アランさんが顔を顰めると

「だって料理も出来るし、アランさんの世話してたし常に寄り添ってましたよね?」

「まじか…」

アランが愕然とすると

「セシルさんが女性だったら理想そのものだな!」

ベイカーさんがからかうように笑うと

「なるほど…あいつを女にすればいいのか…」

アランさんが真剣に考え込んでいる。

「アランさん?じょ、冗談だよな」

ベイカーが引き笑いをすると

「あ、ああ…」

アランは曖昧に返事を返した…


村の片付けも終えてミヅキ達はセバスさんと町に帰ることにした。

「皆さんお世話になりました!牛乳もたくさんありがとうございます」

楽しかった結婚式も終えて牛乳も無事たくさんもらい大満足のミヅキだった。

「イチカとポルクスさんはここでしばらくお別れだね」

寂しそうに二人を見ると

「ミヅキ様…お体に気をつけて無理しないで下さいね」

イチカが寂しそうに手をとる。

「うん、イチカもポルクスさん達と仲良くね!王都に帰ったらみんなにもよろしく言っておいてね」

「はい!」

「ミヅキ、色々とありがとうな。イチカも別に一生の別れじゃないんだから笑顔で見送ってやろう」

ポルクスがイチカの肩に優しく手を置く。

「おお、ポルクスさんすっかり旦那さんだね!」

二人の距離がなんだか縮まった感じに思わずニヤニヤしてしまう。

「二人は村で少し過ごしてまた王都に戻るんでしょ?」

「はい、エミリーさんのお手伝いをしながら料理を習いたいと思ってます」

「頑張ってね!あと帰る時は気をつけてね!大変ならプルシアと送るから言って!あとは…寂しくなったら…」

心配になって思わず言うと

「大丈夫ですよ。こう見えても戦えますからね」

イチカはチラッと足の鞭を見せると…

「それにこの指輪があればいつでもミヅキ様と繋がっているのを感じられますから」

イチカは大事そうに私からの指輪とポルクスさんからの指輪を触った。

いつもいつも近くにいてくれたイチカの旅立ちにミヅキの方が寂しくなる…

「また…一緒にご飯食べようね…」

伺うようにイチカに言うと…イチカは顔をみるみると顔を赤くして…

「もちろんです!ポルクスさんのものになった今でもミヅキ様への感謝の気持ちは変わりませんから!」

イチカがギュッとミヅキを抱きしめた。

「そっか…ポルクスさんのものになったのか…」

なんだか前よりも大きくなったイチカの胸に埋もれてミヅキは別の事を考えてしまった…
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