上 下
349 / 687
8章

461.花火

しおりを挟む
「ではこれより学校の開校宣言をディアナ様よりお願いします」

「では今よりここ、オクシデント学校の開校を宣言します!」

ディアナは声高らかに宣言すると…

(はい…ここでポーン)

火魔法を使って花火を打ち上げる…

バーン!バーン!バーン!

いくつも花火を打ち上げると…

「綺麗…」

子供達が花火を見つめる。

「これは火魔法を使った花火です。みんなも魔法の勉強頑張ればこのくらいすぐに出来るようになるよ」

ディアナは笑って説明すると最後に大きな花火を打ち上げた!


「お疲れ様でした!」

ディアナ達は全ての挨拶を終えて戻って来るとマルコさんが笑顔で迎える。

「最後の花火は凄かったですね!あんな魔法があるなんて…」

「簡単ですよ。小さい火の玉に魔力を留めておいて上で爆発させるだけです!温度を調節して少し色を変えれば…」

「なるほど…こうでしょうか?」

アルフノーヴァさんがディアナと同じような火の玉を作ると空に飛ばす。

「そうです!あとは上に行ったら魔力を解放して…」

バーン!

と花火が打ち上がった。

「アルフノーヴァさん上手!ねっ?簡単ですよね」

「そうですね…子供達も十年くらい修行すればできるんじゃないでしょうか?」

アルフノーヴァさんがニコッと笑う。

美しい笑顔につられてニコッと笑うと…

「へっ?十年?」

「まずはこの魔力を留めることに五年、そして飛ばすのに風魔法も使いますから二重魔法に三年、そして自分の意思で解放できるようになるのに二年ってところでしょつか」

「えっ…そんなに複雑でしたか?」

ディアナが恐る恐る聞くと

「はい」

アルフノーヴァさんが楽しそうに笑う。

「あれ?もしかしてまたいけないことをしたのかな?」

チラッとベイカーさんを見ると

「いや、ディアナの姿だからいいんじゃないか?ミヅキでやっていたらまずかったがな!」

ベイカーの言葉にホッと胸を撫で下ろす。

「それにしてもあの声を届かせる魔法も面白かったな!あれはどうやるんだ?」

アランが聞くと

「風魔法で声を振動させて運んだだけだよ」

「なるほど…ってよく分からんわ!」

アラン隊長が突っ込むと

「こうでしょうか?」

あー!とアルフノーヴァさんが声を大きく響かせる。

「出た…魔法馬鹿…」

アランは軽々とやってのけるアルフノーヴァにボソッと毒を吐いた。


「皆様お疲れ様でした!」

みんなで魔法の事で話しているとマルコさんが挨拶にくる。

「ディアナ様と皆様のおかげで少しの妨害もありましたがどうにか無事開校する事が出来ました」

マルコさんが頭を下げると

「これもみんなマルコさんのおかげです!こちらこそありがとうございました!」

ディアナは立ち上がってマルコさんに深々と頭を下げた。

「後は名ばかりの会長はいなくなるのでマルコさんの好きにしてください!私はみんなが学べて偏見のない学校になれば問題ないですから」

「そうはいきません!ディアナ様があんな素晴らしい魔法を見せたおかげで学校の評価がぐんと上がってしまいましたからこれからもディアナ様が皆を引っ張っていって下さいね」

「えっ…そうなんですか?」

「ええ!先程から自分の子も入れたいと何人も問い合わせが増えています。とりあえず親のいない子や片親の子を優先に受け入れて行くつもりですが…」

「それでお願いします」

ディアナはマルコさんが言い終わらないうちにニッコリと了承した。

「やっぱりマルコさんに任せておけば大丈夫そうです!」

ディアナは満足そうに頷いた。

「それに…教師たちからも是非ともディアナ様に魔法の指導を受けたいと言う方が…」

「それって…ウェンドさん?」

ウェンドさんのあのキラキラとした瞳を思い出す。

「いえ!」

あっ違うんだ…

「ウェンドさんはもちろん他の方からも色々と話を聞きたいと言われてしまいました…忙しい方だからと誤魔化しましたが…」

マルコさんは迫られた時の事を思い出したのかブルっと震える。

「しばらくはディアナ様の噂が耐えないかと思いますので注意してくださいね」

「わかりました…しばらくは変化は絶対にしません!」

ディアナは力強く頷いた!

「よし、じゃあそうと分かれば早速解いて帰るか」

「それですが…」

マルコさんが気まずそうに後ろに目配せをする…

みんながチラッと後ろを見ると物陰に隠れて数人が様子を伺っていた。

「気にはなっていだか、別にいやな気配はしないぞ?」

ベイカーが言うと

「多分…隙あればディアナ様と話したいと思ってる人達かと…今は商人達にもディアナ様は人気ですからね」

「商人?なんで…」

「今までリバーシも泡立て器も王都で流行っている食べ物も出処はどうにか秘密にしてきましたから…それが今は全部ディアナ様だったと言われていますからね」

「それは…前から言ってたんじゃ…」

「そうですが実際見た人はいませんでしたから…」

マルコさんが苦笑する。

そりゃそうだ。今回初めて変化したんだもんね

「最近ではディアナ様の存在もデマなんじゃないかと言われていたところでの今日のディアナ様の登場ですからね!本当に存在することの証明出来ましたし、しかもディアナ様が今回披露した魔法のおかげで本当に凄い方だとみんなが認識しましたから」

「あれ?私いらん事したのか?」

「いえいえ!これでミヅキさんが狙われる事が低くなりましたから」

「低くなったの?無くなったんじゃ無くて?」

「そこは…」

マルコさんが何か言いたそうに顔を逸らした…。
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

性転換マッサージ2

廣瀬純一
ファンタジー
性転換マッサージに通う夫婦の話

夫の色のドレスを着るのをやめた結果、夫が我慢をやめてしまいました

氷雨そら
恋愛
夫の色のドレスは私には似合わない。 ある夜会、夫と一緒にいたのは夫の愛人だという噂が流れている令嬢だった。彼女は夫の瞳の色のドレスを私とは違い完璧に着こなしていた。噂が事実なのだと確信した私は、もう夫の色のドレスは着ないことに決めた。 小説家になろう様にも掲載中です

転生幼女のチートな悠々自適生活〜伝統魔法を使い続けていたら気づけば賢者になっていた〜

犬社護
ファンタジー
ユミル(4歳)は気がついたら、崖下にある森の中にいた。 馬車が崖下に落下した影響で、前世の記憶を思い出す。周囲には散乱した荷物だけでなく、さっきまで会話していた家族が横たわっており、自分だけ助かっていることにショックを受ける。 大雨の中を泣き叫んでいる時、1体の小さな精霊カーバンクルが現れる。前世もふもふ好きだったユミルは、もふもふ精霊と会話することで悲しみも和らぎ、互いに打ち解けることに成功する。 精霊カーバンクルと仲良くなったことで、彼女は日本古来の伝統に関わる魔法を習得するのだが、チート魔法のせいで色々やらかしていく。まわりの精霊や街に住む平民や貴族達もそれに振り回されるものの、愛くるしく天真爛漫な彼女を見ることで、皆がほっこり心を癒されていく。 人々や精霊に愛されていくユミルは、伝統魔法で仲間たちと悠々自適な生活を目指します。

王女の中身は元自衛官だったので、継母に追放されたけど思い通りになりません

きぬがやあきら
恋愛
「妻はお妃様一人とお約束されたそうですが、今でもまだ同じことが言えますか?」 「正直なところ、不安を感じている」 久方ぶりに招かれた故郷、セレンティア城の月光満ちる庭園で、アシュレイは信じ難い光景を目撃するーー 激闘の末、王座に就いたアルダシールと結ばれた、元セレンティア王国の王女アシュレイ。 アラウァリア国では、新政権を勝ち取ったアシュレイを国母と崇めてくれる国民も多い。だが、結婚から2年、未だ後継ぎに恵まれないアルダシールに側室を推す声も上がり始める。そんな頃、弟シュナイゼルから結婚式の招待が舞い込んだ。 第2幕、連載開始しました! お気に入り登録してくださった皆様、ありがとうございます! 心より御礼申し上げます。 以下、1章のあらすじです。 アシュレイは前世の記憶を持つ、セレンティア王国の皇女だった。後ろ盾もなく、継母である王妃に体よく追い出されてしまう。 表向きは外交の駒として、アラウァリア王国へ嫁ぐ形だが、国王は御年50歳で既に18人もの妃を持っている。 常に不遇の扱いを受けて、我慢の限界だったアシュレイは、大胆な計画を企てた。 それは輿入れの道中を、自ら雇った盗賊に襲撃させるもの。 サバイバルの知識もあるし、宝飾品を処分して生き抜けば、残りの人生を自由に謳歌できると踏んでいた。 しかし、輿入れ当日アシュレイを攫い出したのは、アラウァリアの第一王子・アルダシール。 盗賊団と共謀し、晴れて自由の身を望んでいたのに、アルダシールはアシュレイを手放してはくれず……。 アシュレイは自由と幸福を手に入れられるのか?

転生したら幼女でした!? 神様~、聞いてないよ~!

饕餮
ファンタジー
  書籍化決定!   2024/08/中旬ごろの出荷となります!   Web版と書籍版では一部の設定を追加しました! 今井 優希(いまい ゆき)、享年三十五歳。暴走車から母子をかばって轢かれ、あえなく死亡。 救った母親は数年後に人類にとってとても役立つ発明をし、その子がさらにそれを発展させる、人類にとって宝になる人物たちだった。彼らを助けた功績で生き返らせるか異世界に転生させてくれるという女神。 一旦このまま成仏したいと願うものの女神から誘いを受け、その女神が管理する異世界へ転生することに。 そして女神からその世界で生き残るための魔法をもらい、その世界に降り立つ。 だが。 「ようじらなんて、きいてにゃいでしゅよーーー!」 森の中に虚しく響く優希の声に、誰も答える者はいない。 ステラと名前を変え、女神から遣わされた魔物であるティーガー(虎)に気に入られて護られ、冒険者に気に入られ、辿り着いた村の人々に見守られながらもいろいろとやらかす話である。 ★主人公は口が悪いです。 ★不定期更新です。 ★ツギクル、カクヨムでも投稿を始めました。

収容所生まれの転生幼女は、囚人達と楽しく暮らしたい

三園 七詩
ファンタジー
旧題:収容所生まれの転生幼女は囚人達に溺愛されてますので幸せです 無実の罪で幽閉されたメアリーから生まれた子供は不幸な生い立ちにも関わらず囚人達に溺愛されて幸せに過ごしていた…そんなある時ふとした拍子に前世の記憶を思い出す! 無実の罪で不幸な最後を迎えた母の為!優しくしてくれた囚人達の為に自分頑張ります!

一宿一飯の恩義で竜伯爵様に抱かれたら、なぜか監禁されちゃいました!

当麻月菜
恋愛
宮坂 朱音(みやさか あかね)は、電車に跳ねられる寸前に異世界転移した。そして異世界人を保護する役目を担う竜伯爵の元でお世話になることになった。 しかしある日の晩、竜伯爵当主であり、朱音の保護者であり、ひそかに恋心を抱いているデュアロスが瀕死の状態で屋敷に戻ってきた。 彼は強い媚薬を盛られて苦しんでいたのだ。 このまま一晩ナニをしなければ、死んでしまうと知って、朱音は一宿一飯の恩義と、淡い恋心からデュアロスにその身を捧げた。 しかしそこから、なぜだかわからないけれど監禁生活が始まってしまい……。 好きだからこそ身を捧げた異世界女性と、強い覚悟を持って異世界女性を抱いた男が異世界婚をするまでの、しょーもないアレコレですれ違う二人の恋のおはなし。 ※いつもコメントありがとうございます!現在、返信が遅れて申し訳ありません(o*。_。)oペコッ 甘口も辛口もどれもありがたく読ませていただいてます(*´ω`*) ※他のサイトにも重複投稿しています。

生贄にされた先は、エロエロ神世界

雑煮
恋愛
村の習慣で50年に一度の生贄にされた少女。だが、少女を待っていたのはしではなくどエロい使命だった。

処理中です...
本作については削除予定があるため、新規のレンタルはできません。
番外編を閲覧することが出来ません。
過去1ヶ月以内にレジーナの小説・漫画を1話以上レンタルしている と、レジーナのすべての番外編を読むことができます。

このユーザをミュートしますか?

※ミュートすると該当ユーザの「小説・投稿漫画・感想・コメント」が非表示になります。ミュートしたことは相手にはわかりません。またいつでもミュート解除できます。
※一部ミュート対象外の箇所がございます。ミュートの対象範囲についての詳細はヘルプにてご確認ください。
※ミュートしてもお気に入りやしおりは解除されません。既にお気に入りやしおりを使用している場合はすべて解除してからミュートを行うようにしてください。