ほっといて下さい 従魔とチートライフ楽しみたい!

三園 七詩

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10章

369.夜

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みんなとまた会う約束をすると、マリアさんに一応レシピを渡して教会を名残惜しそうに出て行く…

「ミヅキ~!またね~約束だよ」

「元気でな!また来いよ!次はもう一人の保護者ってのも連れてきてよ」

「ミヅキ~気をつけてね!」

みんなが手を振って見送ると…

「ミヅキさん今度はお客様として遊びに来てくださいね…あっ!そうだ最近柄の悪い盗賊が裸で縛られ放置されてる事件があったそうです…ミヅキさんもベイカーさんもお気をつけ下さいね」

マリアさんが心配そうに手を振って教えてくれた。

「えっ…怖いね、ベイカーさん気をつけないと」

ミヅキがギュッと不安そうにベイカーの服を掴むと

「そうだなぁ~怖いな!だからしっかりと俺に掴まってろよ」

ベイカーもしっかりとミヅキを抱き直した。

みんなに手を振って別れると、ベイカーに抱っこされたまま屋敷に戻ると、セバスさん達が王宮から戻ってきていた。

さっぱりとした顔のミヅキを見る。

「挨拶はすみましたか?」

セバスが笑って聞くと

「はい!また会いに行く約束をしてきました!」

セバスはピクっと眉を上げて反応した…

「…ミヅキさん?もうサウス国にはしばらくは来る予定はありませんよ?」

セバスがにっこりと笑って教えると

「ベイカーさんに承諾を得ましたよ!」

ミヅキがねーとベイカーと顔を合わせた。

「ば、馬鹿!それはもっとセバスさんの機嫌のいい時にだなぁ…」

ベイカーが慌てていると

「ベイカーさん…その話は後でじっくりとお聞きしますからね…」

セバスがベイカーの肩をギュッと握りしめた…

「セバスさん…王宮の方はどうでしたか?コハクは上手く出来たのかな?」

ミヅキが心配そうに聞くと、シルバ達に話をしていたコハクがミヅキ達の所にきて

「ぼく、うまくできた!」

コハクがふんと胸を張る。

「そうですね…多分向こうにはバレていなかったかと…幼い子供を上手く演じてくれたかと思います」

セバスがコハクの頭をフワッと撫でると

「お疲れ様でした、罪人の罰もこの国の基準で裁いてもらいました…ミヅキさんもそれでいいんですね?」

「うん、ちゃんと国の基準ならいいと思います、その事で国同士がギクシャクするのは嫌だから…」

「ミヅキさんがそう言ってたので、私達も概ね口は出しませんでした…まぁあれよりも軽い罪になっていたらどうなるか分かりませんでしたけど…」

「えっ?なんですか?」

ミヅキがセバスの言葉を聞き返すと

「なんでもありませんよ…それより明日にはこの国を経つそうです、しっかりと準備をしておいて下さいね」

「あっ…その事なんですけど…帰るって…ウエスト国にですよね?」

ミヅキが伺うように聞くと…

「当たり前です、ミヅキさんは何処に帰るつもりなんですか?」

「いや!私もベイカーさんやセバスさん達と帰りたいけど…どうしても寄りたいところがあって…」

チラッとエヴァさんを見ると…セバス達もミヅキの目線の先のエヴァさんを見た…みんなに見られて

「ん?何かあったのか?」

エヴァさんがミヅキ達の元に来ると

「ちょっと約束があって…エヴァさんと霧の里に行きたいんです…」

ミヅキが眉毛を下げて困ったような表情を浮かべると

「そ、そんなに顔をしても…」

セバスが少し怯んだ…

「お願いします!シルバ達と絶対離れないし…用事が済んだら直ぐに帰るから…ダメ?」

ミヅキが手を合わせると…伺うようにセバスを見上げる。

「だ…駄目…ですよね、ベイカーさん!」

セバスが矛先をベイカーに向けた

「えっ?俺かよ!」

「ベイカーさん!お願い!そうだ!ベイカーさん達も一緒なら問題無いよね!」

ミヅキがベイカーとセバスを見ると

「俺は大丈夫だが…セバスさんは…」

ベイカーがセバスを見ると

「私は…さすがにもう帰らないと…いけませんねこのままギルマスと王都には帰らず町に向かいます…」

セバスの言葉に…

「えっ…」

ミヅキがショックを受けたように顔を曇らせた…

「元々取っていた休暇がもう過ぎてますし…いつまでもギルマスと一緒に休んではいられませんからね…」

セバスも寂しそうにミヅキを見ると…ポンと頭に手を乗せる。

「ですから…私はここでお別れですね、ずっとそばについていてあげたかったですが、霧の里に行くならみんなの言うことをよく聞いて決して一人になっては行けませんよ」

「セ、セバスさん…」

ミヅキがセバスを寂しそうに見つめると

「ベイカーさん、ミヅキさんを頼みますね」

「おお!任せてくれ、絶対目を離さないからな」

「セバスさん!私も気をつける!もうみんなに心配かけないようにするよ!」

ミヅキの言葉に…

「お願いしますね、まぁ…何かあれば直ぐに駆けつけますけどね…」

セバスは名残惜しそうにミヅキの頭を撫でていた…。



「あー…今日で最後だね…サウス国も…」

ミヅキはシルバに寄りかかりシンクやコハク、プルシアに囲まれてサウス国最後の夜を過ごしていた…

大人達はムサシさんの酒が飲めるのは今日までと知り、全て飲みつくすと宣言して庭に出て行ってしまった…

ミヅキ達子供達は早々に部屋に閉じ込められ、寝るように仰せつかっていた。

リュカ達はピースと最後かもしれないと三人で部屋に向かい最後の夜を過ごすようだ。

【ベイカーさん達、明日帰るのに飲みすぎないといいけどね】

【無理だろ、頭が冴える薬でも用意しておいた方がいいんじゃないか?】

【そうだね!ちょうどセンブリ茶のストックがあったはず…よし…明日みんなに飲ませよう…ヒヒヒ】

ミヅキが笑うと

【ミヅキ…邪悪な笑みになってるぞ…】

プルシアが顔を引き攣らせていた。

(それにしても…ムーは昨日から全然出てこないなぁ…)

【…ムー】

ミヅキがムーを呼ぶと、影から頭の先だけちょこんと出てきた…

がしっ!

ミヅキはサッとムーを掴むとギュッと掴み影から引っ張り出して抱きしめた。

【ムー、今夜はなんだか寒いみたい、一緒に寝てくれる?】

ミヅキが優しく囁くが

【……】

ムーからの反応がない…

【ムー寝ちゃったのかなぁ~まぁいいっか、私が抱きたいからこのまま抱いて寝よー!ムーがいないと寂しいもんなぁ~】

わざとらしくムーに言うとそのまま抱きしめて横を向く。

【みんな…おやすみ】

ミヅキがシルバ達におやすみの挨拶をするとひとりひとりミヅキに触れて挨拶を返す、最後にムーの番になると、ムーは少しだけミヅキに擦り寄った…

【ムー、おやすみ。大好きだよ…ずっとここに居て…いい…んだ…から…ね…】

ミヅキは、みんなに囲まれたまま眠りについた…

ミヅキの寝息が聞こえて来ると…ムーはモゾモゾと動きまた影に戻ろうとする…

【そこにいろ】

シルバが眼を閉じたままムーに話かけた。

ムーはピクッと停止すると

【別に居ていいんだ、お前が何を考えてるのかわからんがお前がいないとミヅキが寂しがる、だからそこにいろ…これは命令だ】

シルバがそっと眼を細めてムーを見つめると、ムーはまたミヅキの側へと戻ると…モゾモゾとミヅキの腕に潜っていった…

ミヅキの温かい温めりに抱かれて、その夜ムーは久しぶりにいい夢を見ることが出来た…



【ミヅキ…ミヅキ】

シルバがよく寝ているミヅキの頬をぺろぺろと舐めて起こすと…

【うぅ~ん…おはよぅ…】

ミヅキが伸びをして目を開くと

【そろそろ起きた方がいいんじゃないか?】

シルバの声に部屋を見ると日が登って部屋を明るく照らしていた。

【あれ?明るい…寝すぎた?にしては静かだよね、誰も起きてないのかな?】

ミヅキが立ち上がろうと足を伸び縮みさせると…よく動くようになった足をさすって

【もう松葉杖一つで大丈夫そうだよ】

笑ってシルバ達を見ると、みんなが嬉しいそうに微笑んでいた

【よかったな…戻らなかったらどうしようかと思ったぞ】

【本当に…サウス国は助かってよかったね】

シンクが笑っていると

【なんでサウス国が助かるの?】

ミヅキがわけがわからず聞くと

【だってミヅキの足が戻ろなかったら沈めようと思ってたからね!】

【えっ…そ、そうなの?】

【うん!】

シンクが屈託のない笑顔で無邪気に答えた…。
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