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第四章「賢者と生娘の別れ」
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「童貞万歳!」
老人は、天を仰いで叫んだ。
「かくなるうえは、死してなお童貞のまま生きることを望まぬ!」
不気味な暗雲が垂れ込める中、乳飲み子を抱いた女神像を見上げながら、みずからの股間に剣を突き立てて今まさに自刃せんとしている。
心ならずも時の権力者である暴君ダリオンに仕え、その治世を風刺する一編の詩を奏上した賢者グリフィムは、褒美として先帝の剣をたまわり、自害を命じられた。
「童貞に免じて、貴様には一晩の猶予を与えよう。罪人として処刑されたくなければ、みずから名誉ある死を選ぶがいい」
いわく、妻を寝取って娘を犯すは父にあらざる行いなり。童貞たるもの母のために尽くし、息子を斬ってでも処女を守るべし。
老人は、天を仰いで叫んだ。
「かくなるうえは、死してなお童貞のまま生きることを望まぬ!」
不気味な暗雲が垂れ込める中、乳飲み子を抱いた女神像を見上げながら、みずからの股間に剣を突き立てて今まさに自刃せんとしている。
心ならずも時の権力者である暴君ダリオンに仕え、その治世を風刺する一編の詩を奏上した賢者グリフィムは、褒美として先帝の剣をたまわり、自害を命じられた。
「童貞に免じて、貴様には一晩の猶予を与えよう。罪人として処刑されたくなければ、みずから名誉ある死を選ぶがいい」
いわく、妻を寝取って娘を犯すは父にあらざる行いなり。童貞たるもの母のために尽くし、息子を斬ってでも処女を守るべし。
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