夢で逢えたら

相沢蒼依

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逢瀬

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「待たせたね。はじめようか」

 腰にバスタオルを巻いて浴室から出た高橋を見た青年は、コップに残ったサイダーをすべて飲み干してから、大きなため息をつく。その表情はかなり強張っていて、見るからに緊張感が満ち溢れていた。

 高橋は怖気づく青年の二の腕を掴んで、さっさとベッドに連れて行く。

「その顔、すごく緊張してるでしょ?」

「はあ、そうですね……」

 俯きながら引きずられるように歩いてる横顔に、高橋は微笑みかけた。彼の緊張をほぐすために笑ったのではなく、これから告げる事実にどんな反応を示すだろうと考えただけで、笑いが抑えられなかった。

「大丈夫だよ。そのうち薬が効いて、落ち着くから」

「薬っ!?」

 素っ頓狂な声を出し、進ませていた足を止めた青年。切れ長の綺麗な瞳を大きく見開いて、高橋を見下してくる。そんな彼の顔を意味深な笑みで見つめながら強引に腕を引っ張り、ベッドの上へと押し倒した。

 ベッドのスプリングに弾んだ躰が逃げないように、すぐさま跨って両肩を押さえつける。青年は唇を戦慄かせ、跨った相手に縋るような視線を飛ばした。

 そんな青年の視線を華麗に無視し、高橋は口を開く。

「はるくんが落ち着けるように、安定剤をちょっとね。俺としてもスムーズに、いろんなコトを教えてあげたいし。それに――」

 両肩を押さえていた手を使って、バスローブの合わせを引っ張った。目に飛び込んでくる、誰の手垢もついてない青年の上半身に、瞳を細めて喜びを表す。

「君の綺麗な顔が、快感で歪んでいくのを見たかったんだ。はじめてだと恥ずかしさやいろんなものが相まって、ブレーキがかかるから。それを薬で外してあげただけだよ」

 高橋は押し倒した衝撃で乱れた髪を梳きながら顔を寄せ、固まったままでいる青年に口づけた。柔らかくてしっとりした感触を味わってから角度を変え、ふたたび唇を重ねる。

 薄目を開けて舌を差し込むと、青年は躰を小さく震わせながら眉根を寄せて、ぎゅっと瞳を閉じた。高橋の目に、青年の諦めたような顔が映った。

 されるがままでいる彼の腰に巻きついているバスローブの紐を解き、手早く脱がせて均整のとれた上半身をしげしげと眺めたら、青年のシャープな頬が恥ずかしさで赤く染まる。

「本当に、綺麗な躰をしているね。堪らないよ」

 本当は首筋からゆっくり責めていこうと考えたものの、触ってくれと言わんばかりのピンク色した乳首に引き寄せられ、舌先を使って執拗にぐりぐりした。

「石川さん、くすぐったいです」

「最初はそんな感じだろうけど、感度があがれば自然と快感を得られるから。はるくん、くすぐったいと言ってるけど、しっかり乳首が勃ってるよ」

 高橋の言葉に驚いた顔した青年は、首をもたげて胸元を見た。

「乳首だけじゃないよ。ここだってほら……」

 同じように確認させるために、目の前の顔を覗き込んでから、視線をゆっくりと下に這わせる。トランクスの中で、形をちょっとだけ変えた青年のモノをぎゅっと鷲掴みした。

「んんっ!」

 びくっと躰を震わせ、焦る表情を浮かべたのを尻目に、布地の上からやわやわと触り続ける。次第に硬度を増していくのを自分の手のひらで感じただけで、高橋のモノも同じようになっていった。

「あうっ、あっ、はあ、あ……っあ、あっ」

 青年は他人に触れられるもどかしさを感じているのか、つらそうな顔をしながら、腰を僅かに上下させる。薬がいい感じで効いているお蔭で、大胆になっている結果に高橋は笑みを零しながら、優しく語りかけた。

「素直なはるくんは可愛いね。ご褒美に、もっと気持ちのいいコトをしてあげるよ」

「もっと……、んっ、気持ちのいいコト?」

「ああ、だから腰を上げて」

 その言葉に素直に従って、青年は素直に腰を上げた。高橋は長い足からトランクスを脱がして、露なった下半身を手にする。

「下着の上からちょっと触っただけなのに、こんなに硬くして。エッチなんだな」

「それはっ!……はじめて人に触れられたせいで、感じてしまっただけで」

「そんないいわけは通じないよ。躰は正直だからね。俺の言葉だけで、汁をこんなに溢れさせてるくせに」

 舌なめずりして、先端を指先で弄ってあげる。

「っあ、だめ……や、やああっ……」

 ぬちゃぬちゃとイヤラシイ水音が部屋に響き渡ったせいで、青年が右手で自分の顔を覆い隠す。さっきまであげていた声とは違った、甲高くて甘いトーンを聞いていたくて、高橋は容赦なく青年のモノを弄り倒した。

「たくさん溢れて汚れてしまったココ、綺麗にしてあげるよ。すごく美味しそうだ」

 目の前でピクピクしている青年のモノを見ているだけで、高橋の口の中に涎が湧き出てきた。自分の手で大きく育った下半身を、すぐさま口に含む。

「あうっ、あっ、はあ、あ……っあ、あっ」

 はじめての経験に声を抑えられないのか、青年は躰をヒクつかせながら、甘い声をあげ続けた。高橋は更に青年を感じさせようと根元を手で扱いて、じゅぷじゅぷと涎を滴らせながら責めたてる。

「もぉ、はぁっ、あっ……いっイキそっ!」

(少し刺激が強すぎたか――)

 その言葉に手の動きを止め、口から青年のモノを解放した。

「はるくんのぴくぴくして、本当に可愛い。もう少し遊びたいから我慢してね」

「が、まん?」

「そうだよ。いっぱい我慢してからイクと、すごく気持ちがいいんだ。それを味わわせてあげる」

 下半身に頬擦りしてから口に含み、同じように何度も責めたてた。さきほどと違うのは、達する寸前の根元をぎゅっと指で締めあげ、絶対にイケないようにしたことだった。

「ぁっ……いやだぁっ、いっ! イキたいっ」

 高橋の手を施した射精管理に、青年はつらさを感じ、涙ながらに訴える。宣言通りに何度も絶頂を我慢させてから、四つん這いになるように指示した。

 息切れさせながら、高橋に尻を向けた青年を見て、あることを考えついた。青年はこれからされることを、予想しているだろうなと――その予想を覆してやるべく、なだらかなカーブを描いた双丘を両手で割って、後孔に舌を差し込んだ。

「はぁあ、んっ……ううっ」

「しっかりココを濡らして、指を挿れて馴らしていくからね」

 言い終わらないうちに指を1本差し込むと、青年の躰がぴくりと跳ねた。何度か出し挿れしてから指を増やしてやり、感じる部分を探るように、内壁を指先でごしごし撫で擦ってみる。
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