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花乙女の旅路
第三章第19話 イァンシュイの休日(前編)
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2020/05/20 ご指摘頂いた誤字・文章を修正しました。ありがとうございました
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「それじゃあ、フィーネさん。気を付けてね」
「マルコさんこそ。神のご加護がありますように」
「神の御心のままに」
こうしてマルコさんは帝都へと旅立っていった。
「じゃあ、皆さん今日はゆっくり休んでくださいね」
そう、今日は休養日だ。明日からの山越えに備えて英気を養うつもりなのだ。
「自由時間でござるな。では拙者は買い物に言ってくるでござるよ」
シズクさんはそう言うとどこかへ歩いていった。
「あたしは屋台の食べ歩きに行ってきます!」
ルーちゃんは相変わらずだね。
「じゃあ、リーチェも一緒に連れて行ってください」
私はリーチェを召喚していない状態でルーちゃんと一緒に行かせる。普段からリーチェはそのあたりを好き勝手に飛び回っているのだが、私が召喚しないと契約者である私とルーちゃんのような元から精霊を見ることができるエルフにしか見えないのだ。エルフのルーちゃんは人攫いに捕まるリスクがあるので、念のための監視だけはつけておくようにしている。
ルーちゃんはリーチェを連れて楽しそうに屋台街の方へと歩いていった。
「私は、昨日書店を見かけたので、そこで本を買って公園で読書をしています。結界をちゃんと張っておくのでクリスさんも護衛しなくて大丈夫ですよ」
私は先に釘をさしておく。こういっておかないと護衛する、といって着いてきそうだからね。
「そ、そうですか。それでは私も少々買い物と調べ物をしておきたいと思います」
そう言ってクリスさんも出掛けていった。
私も一人で書店へと向かう。よくよく考えたらこの世界に来て初めて見かけた書店だ。面白い本があれば良いけれど。
カランカラン
私は扉を開けて書店の中へと足を踏み入れる。書店特有の匂いに囲まれる。
「いらっしゃい。今日はどんな書をお探しで?」
「どのような書物があるのかを見にきました」
「ジャンルは?」
「幅広く。魔術、この地方特有の薬、職業、伝説、伝承など、あとは旅に役立つ地図なんかもあると嬉しいです」
「なるほど。しばしお待ちを」
そう言うと店主のおじさんは書物をいくつか持ってきてくれた。
「うちで扱っている魔術書は基本四属性と聖属性の入門書、薬については基本的な薬師になるための入門書、職業についてはかなり詳しい職業大全、それから神話や伝説的な話だと、四龍王伝説、レッドスカイ帝国の建国史、200 年前の勇者と聖女による魔王退治の英雄譚、それから大聖女伝説もおススメですよ。申し訳ないですが、地図は取り扱っていませんね」
「魔術の入門書は、まだ職を得ていない人が職を授かった時にレベル 1 で魔法を覚えるための勉強用ですか?」
「そうですね」
なるほど。それだと必要ないかもしれない。
「職業大全は少しだけ中身を見せてもらってもいいですか?」
「どうぞ」
私は広げられた巻物をみて驚いた。想像していたよりもかなり詳しく書かれている。
「ええと、これ買います。それと、聖属性の入門書も買います」
「おや? お嬢さんは聖属性魔法の使い手ではないのですか?」
「私が読むのではありませんよ。人にあげるためのものです」
「はあ」
胡乱気な表情で私を見つめてくる。
お前が教えればいいじゃないか、とでも言いたげな表情をしているが教えられないんだから仕方がない。私だってどうやったら魔法が使えるかなんて考えたこともないのだから。
「あと、他の伝説ものは全部買います」
「毎度。聖属性魔法の書が銀貨 1 枚、職業大全は銀貨 2 枚、伝説に関する書物は 4 部合わせて銀貨 1 枚だ」
やはりそれなりの値段はするようだ。私は金貨 1 枚を支払う。
「毎度。お、お嬢さん、ホワイトムーンの出身ですか?」
「そうです。よくわかりましたねって、ああ、ホワイトムーン王国の金貨ですものね」
「田舎に行くと通じなくなりますから、両替をしておいた方が良いですよ」
「ありがとうございます」
私はお釣りの銀貨 1 枚と書物を受け取ると店を後にした。
****
宿の最寄りの公園にやってきた私は敷き布を敷いて腰を下ろした。
冬の空気は少し冷たいけれど、柔らかな木漏れ日が私を暖かく包み込む。
そして公園内を流れる小川のせせらぎの音色が私の心に安らぎをもたらしてくれる。
私は自分の周りに小さく結界を張ると収納から先ほど買ったばかりの書物を取り出す。
四龍王伝説だ。少し前にこれに関わったような気がするので、まずはこの書から読んでみる事にしよう。
太古の昔、この世界は竜達の王が支配する世界だった。その竜が長き時を生きることで龍へと進化する生き物で、そのなかでも特に強力な力を持つ龍を人々は敬意と畏怖を込めて龍王と呼んだ。世界には炎龍王、嵐龍王、水龍王、地龍王という四体の龍王がおり、総称して四龍王と呼ばれていた。
あれ? 冥龍王は?
疑問はあるもののとりあえずは読み進める。
龍王たちは各地に根を下ろし、その地に住まう全ての生き物達を魔物たちから守護してきた。そのような龍王による平和は数千年の長きに渡り続き、人々もその恩恵に与《あずか》ることで平和な暮らしを続けてきた。
なるほど。どうやらその土地の守り神のような存在だったようだ。
しかし、永遠に続くかと思われた平和な暮らしは魔物たちの数が増えるとともに脅かされていった。年月を重ねるごとに魔物の数は増え続け、やがて龍王たちは常に魔物との戦いに身を置くこととなった。そして長く続いた戦いの果てに、魔物たちにもそれを統べし王、すなわち魔王が現れるようになった。
龍王たちは協力して魔王を何度となく打ち倒し続けた。しかし、ある時ひときわ強力な魔王、すなわち大魔王が出現した。龍王たちと大魔王の戦いは熾烈を極め、大地の形が変わるほどの激しい戦いが三日三晩に渡り続いた。
そしてその戦いの果てに生き残ったのはなんと大魔王であった。
大魔王に敗れた龍王たちはそれまでの気高き心を失い、大魔王の意のままに動く魔物となり果てた。こうして守護者を失った世界は絶望に包まれた。
このまま世界は魔物たちの手によって滅亡するかに思われたが、天は世界を見放さなかった。
一人の若者が勇者として天命を授けられて立ち上がり、そして聖剣に導かれし聖女と出会い共に力を合わせて魔物と化した龍王たちを打ち倒した。続いて勇者たちは大魔王へ戦いを挑んだ。その戦いの中で勇者たちは多大な犠牲を払い、そしてついには勇者が刺し違えることで大魔王を打ち倒すことに成功した。
こうして世界に平和が訪れた。
龍王達はかつて守護していた土地で弔われ、その墓には在りし日の守護者を想う人々により祈りが捧げられている。
うーん、結局最後は勇者と聖女なのか。そんなに強い大魔王をぽっと出の勇者が倒すということは、やはり勇者には主人公補正的な何かがあるのだろうか?
ふと気配に気づいて顔をあげると、そこには食べ物を抱えたルーちゃんとリーチェの姿があった。
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「それじゃあ、フィーネさん。気を付けてね」
「マルコさんこそ。神のご加護がありますように」
「神の御心のままに」
こうしてマルコさんは帝都へと旅立っていった。
「じゃあ、皆さん今日はゆっくり休んでくださいね」
そう、今日は休養日だ。明日からの山越えに備えて英気を養うつもりなのだ。
「自由時間でござるな。では拙者は買い物に言ってくるでござるよ」
シズクさんはそう言うとどこかへ歩いていった。
「あたしは屋台の食べ歩きに行ってきます!」
ルーちゃんは相変わらずだね。
「じゃあ、リーチェも一緒に連れて行ってください」
私はリーチェを召喚していない状態でルーちゃんと一緒に行かせる。普段からリーチェはそのあたりを好き勝手に飛び回っているのだが、私が召喚しないと契約者である私とルーちゃんのような元から精霊を見ることができるエルフにしか見えないのだ。エルフのルーちゃんは人攫いに捕まるリスクがあるので、念のための監視だけはつけておくようにしている。
ルーちゃんはリーチェを連れて楽しそうに屋台街の方へと歩いていった。
「私は、昨日書店を見かけたので、そこで本を買って公園で読書をしています。結界をちゃんと張っておくのでクリスさんも護衛しなくて大丈夫ですよ」
私は先に釘をさしておく。こういっておかないと護衛する、といって着いてきそうだからね。
「そ、そうですか。それでは私も少々買い物と調べ物をしておきたいと思います」
そう言ってクリスさんも出掛けていった。
私も一人で書店へと向かう。よくよく考えたらこの世界に来て初めて見かけた書店だ。面白い本があれば良いけれど。
カランカラン
私は扉を開けて書店の中へと足を踏み入れる。書店特有の匂いに囲まれる。
「いらっしゃい。今日はどんな書をお探しで?」
「どのような書物があるのかを見にきました」
「ジャンルは?」
「幅広く。魔術、この地方特有の薬、職業、伝説、伝承など、あとは旅に役立つ地図なんかもあると嬉しいです」
「なるほど。しばしお待ちを」
そう言うと店主のおじさんは書物をいくつか持ってきてくれた。
「うちで扱っている魔術書は基本四属性と聖属性の入門書、薬については基本的な薬師になるための入門書、職業についてはかなり詳しい職業大全、それから神話や伝説的な話だと、四龍王伝説、レッドスカイ帝国の建国史、200 年前の勇者と聖女による魔王退治の英雄譚、それから大聖女伝説もおススメですよ。申し訳ないですが、地図は取り扱っていませんね」
「魔術の入門書は、まだ職を得ていない人が職を授かった時にレベル 1 で魔法を覚えるための勉強用ですか?」
「そうですね」
なるほど。それだと必要ないかもしれない。
「職業大全は少しだけ中身を見せてもらってもいいですか?」
「どうぞ」
私は広げられた巻物をみて驚いた。想像していたよりもかなり詳しく書かれている。
「ええと、これ買います。それと、聖属性の入門書も買います」
「おや? お嬢さんは聖属性魔法の使い手ではないのですか?」
「私が読むのではありませんよ。人にあげるためのものです」
「はあ」
胡乱気な表情で私を見つめてくる。
お前が教えればいいじゃないか、とでも言いたげな表情をしているが教えられないんだから仕方がない。私だってどうやったら魔法が使えるかなんて考えたこともないのだから。
「あと、他の伝説ものは全部買います」
「毎度。聖属性魔法の書が銀貨 1 枚、職業大全は銀貨 2 枚、伝説に関する書物は 4 部合わせて銀貨 1 枚だ」
やはりそれなりの値段はするようだ。私は金貨 1 枚を支払う。
「毎度。お、お嬢さん、ホワイトムーンの出身ですか?」
「そうです。よくわかりましたねって、ああ、ホワイトムーン王国の金貨ですものね」
「田舎に行くと通じなくなりますから、両替をしておいた方が良いですよ」
「ありがとうございます」
私はお釣りの銀貨 1 枚と書物を受け取ると店を後にした。
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宿の最寄りの公園にやってきた私は敷き布を敷いて腰を下ろした。
冬の空気は少し冷たいけれど、柔らかな木漏れ日が私を暖かく包み込む。
そして公園内を流れる小川のせせらぎの音色が私の心に安らぎをもたらしてくれる。
私は自分の周りに小さく結界を張ると収納から先ほど買ったばかりの書物を取り出す。
四龍王伝説だ。少し前にこれに関わったような気がするので、まずはこの書から読んでみる事にしよう。
太古の昔、この世界は竜達の王が支配する世界だった。その竜が長き時を生きることで龍へと進化する生き物で、そのなかでも特に強力な力を持つ龍を人々は敬意と畏怖を込めて龍王と呼んだ。世界には炎龍王、嵐龍王、水龍王、地龍王という四体の龍王がおり、総称して四龍王と呼ばれていた。
あれ? 冥龍王は?
疑問はあるもののとりあえずは読み進める。
龍王たちは各地に根を下ろし、その地に住まう全ての生き物達を魔物たちから守護してきた。そのような龍王による平和は数千年の長きに渡り続き、人々もその恩恵に与《あずか》ることで平和な暮らしを続けてきた。
なるほど。どうやらその土地の守り神のような存在だったようだ。
しかし、永遠に続くかと思われた平和な暮らしは魔物たちの数が増えるとともに脅かされていった。年月を重ねるごとに魔物の数は増え続け、やがて龍王たちは常に魔物との戦いに身を置くこととなった。そして長く続いた戦いの果てに、魔物たちにもそれを統べし王、すなわち魔王が現れるようになった。
龍王たちは協力して魔王を何度となく打ち倒し続けた。しかし、ある時ひときわ強力な魔王、すなわち大魔王が出現した。龍王たちと大魔王の戦いは熾烈を極め、大地の形が変わるほどの激しい戦いが三日三晩に渡り続いた。
そしてその戦いの果てに生き残ったのはなんと大魔王であった。
大魔王に敗れた龍王たちはそれまでの気高き心を失い、大魔王の意のままに動く魔物となり果てた。こうして守護者を失った世界は絶望に包まれた。
このまま世界は魔物たちの手によって滅亡するかに思われたが、天は世界を見放さなかった。
一人の若者が勇者として天命を授けられて立ち上がり、そして聖剣に導かれし聖女と出会い共に力を合わせて魔物と化した龍王たちを打ち倒した。続いて勇者たちは大魔王へ戦いを挑んだ。その戦いの中で勇者たちは多大な犠牲を払い、そしてついには勇者が刺し違えることで大魔王を打ち倒すことに成功した。
こうして世界に平和が訪れた。
龍王達はかつて守護していた土地で弔われ、その墓には在りし日の守護者を想う人々により祈りが捧げられている。
うーん、結局最後は勇者と聖女なのか。そんなに強い大魔王をぽっと出の勇者が倒すということは、やはり勇者には主人公補正的な何かがあるのだろうか?
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