90 / 625
花乙女の旅路
第三章第3話 聖騎士と侍
しおりを挟む
2020/09/11 誤字を修正しました
================
「ありがとうございました。助かりました」
ユルギュの町の衛兵に盗賊たちを突き出すと、感謝されるとともに銀貨 23 枚の報奨金を貰った。この町には自前の通貨が存在していないそうなので、レッドスカイ帝国の銀貨で受け取っておいた。ちなみに借りた馬車も証拠品として衛兵に提出しておいた。
このままもらっちゃえばいいじゃない、というのが三人の一致した意見だったが、それ普通に泥棒だと思うんだよね。
「ミエシロさん。ありがとうございました」
「シズク、でよいでござるよ。これほどまでに拙者の国を知ってくれているフィーネ殿は他人の気がしないでござる」
「では、シズクさん、と」
私がそう言うとシズクさんが笑顔になる。
「ところで、フィーネ殿の聖女というのは、わが国でいうところの巫女のようなものでござるか?」
「いえ、神様の言葉を聞けたり未来を占えるわけではありません。【回復魔法】と【聖属性魔法】が得意なくらいでしょうかねぇ?」
と、ノリで日本での巫女の認識で話してみたけど合っているのだろうか? 魔王云々はよくわからないので置いておくことにする。
「なるほど。治癒師と退魔士を合わせたようなものでござるな。しかし剣によって選ばれるというのは不思議でござるな。クリス殿のその剣がそうでござるか?」
「そうだ。これが私の聖剣セスルームニルだ。この剣が私をフィーネ様の元に導いてくれたのだ」
「導く? ということはその剣は喋るのでござるか?」
「いや、そういうわけではない。自然とそのようになるのだそうだ。それに、セスルームニルに認められていないものは持つことすらままならないのだ」
「なるほど。ということは拙者のキリナギも似たようなものでござるな。クリス殿の剣のように仕えるべき主が見つかるといった伝承はござらんが、キリナギも気に入らない持ち主は呪い殺してしまうと言われているでござるよ」
「えっ? シズクさん、それって妖刀っていうんじゃ? 村正とか?」
「おお、フィーネ殿はやはり博識でござるな。だが妖刀とは違うでござるよ。妖刀は装備した者を呪い、その行動を捻じ曲げてしまうでござる。しかしキリナギにはそのようなことはないでござるよ。単に拒絶されるだけでござる」
「そうなんですね。知りませんでした」
「遠い我が祖国のことをこれほどまでに知っていてくれること自体、有り難いことでござるよ」
そんな会話を交わしながら歩いていると、私たちは宿の前に到着し、チェックインした。
「さて、拙者はしばらくこの町に留まるつもりでござるが、フィーネ殿たちはどうするでござるか?」
「私たちはレッドスカイ帝国へと向かう予定です」
「左様でござるか。何日かはこの町に留まるでござるか?」
「そのつもりです」
「であれば、クリス殿に手合わせを願いたいでござるよ。拙者の腕が聖騎士殿にどれほど通用するか、試してみたいでござるよ」
シズクさんの雰囲気ががらりと変わる。ピンと張り詰めた空気があたりを包む。
「良いでしょう。シズク殿。お手合わせ願いましょうか」
クリスさんもやる気だ。怪我でもしたら、と思ったけどよく考えたら私が治せばいいのか。
「ええと、お二人とも周りに迷惑にならない場所で、あと私の見ているところでやってください」
「もちろんです、フィーネ様。あの程度の賊、私一人でも十分だったということを証明して見せましょう」
え? クリスさん、そこ気にしてたの?
****
荷物を置いた私たちは町外れの空き地にやってきた。観客は私とルーちゃん、それと何故か着いてきた宿屋のオヤジさんだ。
「拙者は金色なりし日出巫の国の出、フウザンがミエシロ家長女シズク、剣の道を極めんとここに参った。いざ尋常に、勝負!」
「我が名はクリスティーナ、ホワイトムーン王国聖騎士にして聖女フィーネ・アルジェンタータ様の盾なり。いざ、参られよ」
おお、すごい。こういう名乗りは初めて聞いた。なんだかかっこいいぞ。
クリスさんは正眼の構えでシズクさんに相対している。それに対してシズクさんは刀を鞘に納めたままだ。
お互いに間合いを図っているようで、ピリピリとした緊張感が伝わってくる。
「おお、やはり実力者同士の一騎打ちは間合いの取り合いになるのですね。素晴らしい!」
オヤジさんが感動している。
「姉さま、どっちが勝つと思いますか?」
「うーん、私としてはクリスさんを応援したいところですけどね。でも今まで見た感じだとシズクさんのほうが速い気がします」
「えー、じゃあクリスさん負けちゃうんですか?」
「どうでしょう」
だって、私もよくわからないもの。白銀の里でのレベルアップ以降、クリスさんの動きも目で追えるようにはなってきたが、剣術はわからないからね。
静寂を破りシズクさんが一気に間合いを詰める。そして抜刀と同時に切り付ける。それをクリスさんは剣で受け止めるが、シズクさんがさらに一撃、二撃と打ち込んでいく。
その連撃を防ぎ切ったクリスさんは横蹴りを入れてシズクさんを吹き飛ばす。だが、蹴り飛ばされたシズクさんにダメージが入った様子はなく、ひらりと着地した。
速すぎてきちんと目で追いきることはできなかったが、おそらく最後の横蹴りにシズクさんはしっかり反応して後ろに飛んだのだと思う。
「す、すごい……」
ルーちゃんが唖然とした表情で呟く。
「クリス殿、さすがでござるな。拙者の剣を受けられる剣士が西方にもいたことに驚いたでござる」
「シズク殿、馬鹿にするな。ホワイトムーン王国には私よりも強い者が何人もいるぞ」
「それを聞いて安心したでござるよ。この程度が最強では拍子抜けしていたでござるからな」
「何だと?」
あ、クリスさんが挑発に乗った。こりゃ負けだね。
クリスさんが攻撃を仕掛ける。シズクさんは抜刀からの流れで見事にその一撃を受け流すとクリスさんの首筋に刀を当てた。
「くっ……」
「勝負ありー!」
私は大きな声で叫んで止めた。これ以上やって流血沙汰になるのは勘弁してほしい。
「クリス殿、いい勝負でござったよ。また機会があれば手合わせをお願いするでござるよ」
「……ああ」
クリスさんはかなりショックを受けているのか、がっくりとうなだれている。
「いやあ、素晴らしい試合でしたね! 実は、そんな皆さんを見込んで頼みがあるのです」
そう口を開いたのは宿のオヤジさんだった。
================
「ありがとうございました。助かりました」
ユルギュの町の衛兵に盗賊たちを突き出すと、感謝されるとともに銀貨 23 枚の報奨金を貰った。この町には自前の通貨が存在していないそうなので、レッドスカイ帝国の銀貨で受け取っておいた。ちなみに借りた馬車も証拠品として衛兵に提出しておいた。
このままもらっちゃえばいいじゃない、というのが三人の一致した意見だったが、それ普通に泥棒だと思うんだよね。
「ミエシロさん。ありがとうございました」
「シズク、でよいでござるよ。これほどまでに拙者の国を知ってくれているフィーネ殿は他人の気がしないでござる」
「では、シズクさん、と」
私がそう言うとシズクさんが笑顔になる。
「ところで、フィーネ殿の聖女というのは、わが国でいうところの巫女のようなものでござるか?」
「いえ、神様の言葉を聞けたり未来を占えるわけではありません。【回復魔法】と【聖属性魔法】が得意なくらいでしょうかねぇ?」
と、ノリで日本での巫女の認識で話してみたけど合っているのだろうか? 魔王云々はよくわからないので置いておくことにする。
「なるほど。治癒師と退魔士を合わせたようなものでござるな。しかし剣によって選ばれるというのは不思議でござるな。クリス殿のその剣がそうでござるか?」
「そうだ。これが私の聖剣セスルームニルだ。この剣が私をフィーネ様の元に導いてくれたのだ」
「導く? ということはその剣は喋るのでござるか?」
「いや、そういうわけではない。自然とそのようになるのだそうだ。それに、セスルームニルに認められていないものは持つことすらままならないのだ」
「なるほど。ということは拙者のキリナギも似たようなものでござるな。クリス殿の剣のように仕えるべき主が見つかるといった伝承はござらんが、キリナギも気に入らない持ち主は呪い殺してしまうと言われているでござるよ」
「えっ? シズクさん、それって妖刀っていうんじゃ? 村正とか?」
「おお、フィーネ殿はやはり博識でござるな。だが妖刀とは違うでござるよ。妖刀は装備した者を呪い、その行動を捻じ曲げてしまうでござる。しかしキリナギにはそのようなことはないでござるよ。単に拒絶されるだけでござる」
「そうなんですね。知りませんでした」
「遠い我が祖国のことをこれほどまでに知っていてくれること自体、有り難いことでござるよ」
そんな会話を交わしながら歩いていると、私たちは宿の前に到着し、チェックインした。
「さて、拙者はしばらくこの町に留まるつもりでござるが、フィーネ殿たちはどうするでござるか?」
「私たちはレッドスカイ帝国へと向かう予定です」
「左様でござるか。何日かはこの町に留まるでござるか?」
「そのつもりです」
「であれば、クリス殿に手合わせを願いたいでござるよ。拙者の腕が聖騎士殿にどれほど通用するか、試してみたいでござるよ」
シズクさんの雰囲気ががらりと変わる。ピンと張り詰めた空気があたりを包む。
「良いでしょう。シズク殿。お手合わせ願いましょうか」
クリスさんもやる気だ。怪我でもしたら、と思ったけどよく考えたら私が治せばいいのか。
「ええと、お二人とも周りに迷惑にならない場所で、あと私の見ているところでやってください」
「もちろんです、フィーネ様。あの程度の賊、私一人でも十分だったということを証明して見せましょう」
え? クリスさん、そこ気にしてたの?
****
荷物を置いた私たちは町外れの空き地にやってきた。観客は私とルーちゃん、それと何故か着いてきた宿屋のオヤジさんだ。
「拙者は金色なりし日出巫の国の出、フウザンがミエシロ家長女シズク、剣の道を極めんとここに参った。いざ尋常に、勝負!」
「我が名はクリスティーナ、ホワイトムーン王国聖騎士にして聖女フィーネ・アルジェンタータ様の盾なり。いざ、参られよ」
おお、すごい。こういう名乗りは初めて聞いた。なんだかかっこいいぞ。
クリスさんは正眼の構えでシズクさんに相対している。それに対してシズクさんは刀を鞘に納めたままだ。
お互いに間合いを図っているようで、ピリピリとした緊張感が伝わってくる。
「おお、やはり実力者同士の一騎打ちは間合いの取り合いになるのですね。素晴らしい!」
オヤジさんが感動している。
「姉さま、どっちが勝つと思いますか?」
「うーん、私としてはクリスさんを応援したいところですけどね。でも今まで見た感じだとシズクさんのほうが速い気がします」
「えー、じゃあクリスさん負けちゃうんですか?」
「どうでしょう」
だって、私もよくわからないもの。白銀の里でのレベルアップ以降、クリスさんの動きも目で追えるようにはなってきたが、剣術はわからないからね。
静寂を破りシズクさんが一気に間合いを詰める。そして抜刀と同時に切り付ける。それをクリスさんは剣で受け止めるが、シズクさんがさらに一撃、二撃と打ち込んでいく。
その連撃を防ぎ切ったクリスさんは横蹴りを入れてシズクさんを吹き飛ばす。だが、蹴り飛ばされたシズクさんにダメージが入った様子はなく、ひらりと着地した。
速すぎてきちんと目で追いきることはできなかったが、おそらく最後の横蹴りにシズクさんはしっかり反応して後ろに飛んだのだと思う。
「す、すごい……」
ルーちゃんが唖然とした表情で呟く。
「クリス殿、さすがでござるな。拙者の剣を受けられる剣士が西方にもいたことに驚いたでござる」
「シズク殿、馬鹿にするな。ホワイトムーン王国には私よりも強い者が何人もいるぞ」
「それを聞いて安心したでござるよ。この程度が最強では拍子抜けしていたでござるからな」
「何だと?」
あ、クリスさんが挑発に乗った。こりゃ負けだね。
クリスさんが攻撃を仕掛ける。シズクさんは抜刀からの流れで見事にその一撃を受け流すとクリスさんの首筋に刀を当てた。
「くっ……」
「勝負ありー!」
私は大きな声で叫んで止めた。これ以上やって流血沙汰になるのは勘弁してほしい。
「クリス殿、いい勝負でござったよ。また機会があれば手合わせをお願いするでござるよ」
「……ああ」
クリスさんはかなりショックを受けているのか、がっくりとうなだれている。
「いやあ、素晴らしい試合でしたね! 実は、そんな皆さんを見込んで頼みがあるのです」
そう口を開いたのは宿のオヤジさんだった。
10
あなたにおすすめの小説
存在感のない聖女が姿を消した後 [完]
風龍佳乃
恋愛
聖女であるディアターナは
永く仕えた国を捨てた。
何故って?
それは新たに現れた聖女が
ヒロインだったから。
ディアターナは
いつの日からか新聖女と比べられ
人々の心が離れていった事を悟った。
もう私の役目は終わったわ…
神託を受けたディアターナは
手紙を残して消えた。
残された国は天災に見舞われ
てしまった。
しかし聖女は戻る事はなかった。
ディアターナは西帝国にて
初代聖女のコリーアンナに出会い
運命を切り開いて
自分自身の幸せをみつけるのだった。
敵に貞操を奪われて癒しの力を失うはずだった聖女ですが、なぜか前より漲っています
藤谷 要
恋愛
サルサン国の聖女たちは、隣国に征服される際に自国の王の命で殺されそうになった。ところが、侵略軍将帥のマトルヘル侯爵に助けられた。それから聖女たちは侵略国に仕えるようになったが、一か月後に筆頭聖女だったルミネラは命の恩人の侯爵へ嫁ぐように国王から命じられる。
結婚披露宴では、陛下に側妃として嫁いだ旧サルサン国王女が出席していたが、彼女は侯爵に腕を絡めて「陛下の手がつかなかったら一年後に妻にしてほしい」と頼んでいた。しかも、侯爵はその手を振り払いもしない。
聖女は愛のない交わりで神の加護を失うとされているので、当然白い結婚だと思っていたが、初夜に侯爵のメイアスから体の関係を迫られる。彼は命の恩人だったので、ルミネラはそのまま彼を受け入れた。
侯爵がかつての恋人に似ていたとはいえ、侯爵と孤児だった彼は全く別人。愛のない交わりだったので、当然力を失うと思っていたが、なぜか以前よりも力が漲っていた。
※全11話 2万字程度の話です。
少し冷めた村人少年の冒険記
mizuno sei
ファンタジー
辺境の村に生まれた少年トーマ。実は日本でシステムエンジニアとして働き、過労死した三十前の男の生まれ変わりだった。
トーマの家は貧しい農家で、神から授かった能力も、村の人たちからは「はずれギフト」とさげすまれるわけの分からないものだった。
優しい家族のために、自分の食い扶持を減らそうと家を出る決心をしたトーマは、唯一無二の相棒、「心の声」である〈ナビ〉とともに、未知の世界へと旅立つのであった。
つまらなかった乙女ゲームに転生しちゃったので、サクッと終わらすことにしました
蒼羽咲
ファンタジー
つまらなかった乙女ゲームに転生⁈
絵に惚れ込み、一目惚れキャラのためにハードまで買ったが内容が超つまらなかった残念な乙女ゲームに転生してしまった。
絵は超好みだ。内容はご都合主義の聖女なお花畑主人公。攻略イケメンも顔は良いがちょろい対象ばかり。てこたぁ逆にめちゃくちゃ住み心地のいい場所になるのでは⁈と気づき、テンションが一気に上がる!!
聖女など面倒な事はする気はない!サクッと攻略終わらせてぐーたら生活をGETするぞ!
ご都合主義ならチョロい!と、野望を胸に動き出す!!
+++++
・重複投稿・土曜配信 (たま~に水曜…不定期更新)
家族転生 ~父、勇者 母、大魔導師 兄、宰相 姉、公爵夫人 弟、S級暗殺者 妹、宮廷薬師 ……俺、門番~
北条新九郎
ファンタジー
三好家は一家揃って全滅し、そして一家揃って異世界転生を果たしていた。
父は勇者として、母は大魔導師として異世界で名声を博し、現地人の期待に応えて魔王討伐に旅立つ。またその子供たちも兄は宰相、姉は公爵夫人、弟はS級暗殺者、妹は宮廷薬師として異世界を謳歌していた。
ただ、三好家第三子の神太郎だけは異世界において冴えない立場だった。
彼の職業は………………ただの門番である。
そして、そんな彼の目的はスローライフを送りつつ、異世界ハーレムを作ることだった。
ブックマーク・評価、宜しくお願いします。
~クラス召喚~ 経験豊富な俺は1人で歩みます
無味無臭
ファンタジー
久しぶりに異世界転生を体験した。だけど周りはビギナーばかり。これでは俺が巻き込まれて死んでしまう。自称プロフェッショナルな俺はそれがイヤで他の奴と離れて生活を送る事にした。天使には魔王を討伐しろ言われたけど、それは面倒なので止めておきます。私はゆっくりのんびり異世界生活を送りたいのです。たまには自分の好きな人生をお願いします。
神々の愛し子って何したらいいの?とりあえずのんびり過ごします
夜明シスカ
ファンタジー
アリュールという世界の中にある一国。
アール国で国の端っこの海に面した田舎領地に神々の寵愛を受けし者として生を受けた子。
いわゆる"神々の愛し子"というもの。
神々の寵愛を受けているというからには、大事にしましょうね。
そういうことだ。
そう、大事にしていれば国も繁栄するだけ。
簡単でしょう?
えぇ、なんなら周りも巻き込んでみーんな幸せになりませんか??
−−−−−−
新連載始まりました。
私としては初の挑戦になる内容のため、至らぬところもあると思いますが、温めで見守って下さいませ。
会話の「」前に人物の名称入れてみることにしました。
余計読みにくいかなぁ?と思いつつ。
会話がわからない!となるよりは・・
試みですね。
誤字・脱字・文章修正 随時行います。
短編タグが長編に変更になることがございます。
*タイトルの「神々の寵愛者」→「神々の愛し子」に変更しました。
出来損ない貴族の三男は、謎スキル【サブスク】で世界最強へと成り上がる〜今日も僕は、無能を演じながら能力を徴収する〜
シマセイ
ファンタジー
実力至上主義の貴族家に転生したものの、何の才能も持たない三男のルキウスは、「出来損ない」として優秀な兄たちから虐げられる日々を送っていた。
起死回生を願った五歳の「スキルの儀」で彼が授かったのは、【サブスクリプション】という誰も聞いたことのない謎のスキル。
その結果、彼の立場はさらに悪化。完全な「クズ」の烙印を押され、家族から存在しない者として扱われるようになってしまう。
絶望の淵で彼に寄り添うのは、心優しき専属メイドただ一人。
役立たずと蔑まれたこの謎のスキルが、やがて少年の運命を、そして世界を静かに揺るがしていくことを、まだ誰も知らない。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる