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四十九話 アニキ、秘密のヒーロー基地へ
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ブルジョアレッドを名乗る変質者がボクと田宮さん前でおもむろに正座しだした。
ここに座れと言わんばかりに無言のまま指で地面を突っついている。
嫌そうな顔をしたのがバレたのか、指先の動きが激しさを増す。
当然ながら、こんな変な奴を相手にはしていられない。
向こうには用があろうと、こちらには全くない。
「行こう!」ボクは田宮さんの手を引いて走り出した。
さっきの移動速度を見る限り、直線上に逃げたら即座に捕まってしまう。
できるだけ木々の合間をすり抜けて奴の動きを鈍らせないと……。
チラリと背後を振り向くとそれは杞憂だったと判明した。
ブルジョアレッドは地面に指を突き刺したまま、アタフタしていた。
おそらく抜けなくなったのだろう、勝手に大地と融合してしまっている。
これは好機だと、ボクたちは全力ダッシュで山奥へと進んでゆく。
変身したいトコロだが、お約束通り変身バンクでは眩く発光する仕様になっている。
これでは却って居場所を教えるだけだ。
どうして、そこまで忠実に再現したんだと問いたくもなるが、そこは田所さんの魔法少女への熱意とこだわり。
そう解釈しておかないと、単なる趣味の領域になってしまう。
「困ったな、田所さんたちと完全にハグレてしまった。ドブさん、彼らの位置は分かる?」
「時報じゃないんだから分からないよ~。ウェザリングの効果もあるしやれやれだぜ」
「それならウチの者にヘリで、ここいら一帯を捜索させましょうか?」
「いやいや!! 田宮さん。遭難したわけじゃないから、大事するのはチョット……例の変体にもボクたちの存在を気づかせてしまう可能性もあるし」
「そ、そう……なら、向こうが私たちを見つけてくれることを期待した方が良さそうね」
価値観の違いに戸惑うボクらだが、反対に山道は大きく開けて舗装されたものへと変わってゆく。
「ふむ、この石畳は不自然な場所にあるね。多分、あそこに住んでいた住人が自作したんだろうね」
肩に乗るドブさんが道向こうの廃墟をムニーの手でさしていた。
「ずいぶんと痛んでいるけど別荘だったみたいね」
頬に手をあてがい道の脇に設置された郵便受けを眺める田宮さん。
言われてみれば民家という感じではなさそうだし、年代的にもそこまで古くはなさそうだ。
ただ、建屋の様子はだいぶ悲惨なことになっている。
過去、何があったのかは知るところではないけど、窓ガラスは全て砕け散っている。
屋根も半壊して完全に吹き抜けの状態になっていた。
「ここが変体の隠れ家なの……?」
そう、問いかけるとドブさんは「だろうね、誰かが住んでいる痕跡が見られるよ」と怪しく瞳を発光させていた。
「ああ、これ? 赤外線カメラさ」
おかしいな、ムニーのプラモにそんな機能はなかったはずだ。
さては、ボクのあずかり知らないところで改造したな。
睨みつけてもドブさんは歯牙にもかけない。
AIだから当たり前といえばそれまでだけど、少しだけ寂しく感じる。
「キュイちゃん、どうしたの? さっさと中へと入ろう。探ったけど中には誰もいないよ。メルナも早く」
「いえ、私はもう少し外を知らべるわ。どうして、こんな場所に別荘があるのか腑に落ちないし」
「そんなに変なの?」
「別荘って普通は避暑地だったり休暇を満喫するためにあるものよ。ここには、この別荘以外の建物も無いし、交通の便だって悪いのに郵便受けが置かれている。どう見ても不自然、極まりないのよ」
「そっか、じゃあ~メルナには外の調査を任せるよ。キュイちゃん、吾輩たちは中を調べることにしよう」
考えていても、それは憶測や推測でしかない。
ドブさんに指示に従い、ボクは別荘の正面ドアをゆっくりと開いた。
今にも外れそうな扉は触れただけでもグラグラしている。
予想通り、中は木片やらガラス片、土砂などが堆積している。
本当にこんな場所で怪人が暮らしているのか、はなはだ疑問だ。
「何もないようだけど……」
「そうでもないないよ。トイレだ! トイレのドアを開けて中へと入るんだ」
「えええっ……トイレなんかに何が、のわぁ!?」
渋々とトイレに入ると、それまで開いたままのドアが自動で閉まった。
閉ざされた空間にさすがに焦りドアノブを回そうとするも、あるはずのノブがドアについていない。
『ピッ! 地下に参りますか?』
「参りますよ~」
「ちょっ! ドブさん、何がどうなっているのか説明してよ!」
「百聞は一見にしかず、真実はすぐそこにある。謎を紐解くのは君の使命だったはずだよ? それとも心までドカグイイエローになってしまったのかな?」
「それってどういう――――」
ボクが言い切る前にトイレ型のエレベーターが降下し地下へと到着した。
今度は自動で開かれるドアの先は、巨大な格納庫となっていた。
「まるで、例のヒーロー本部の施設みたいだ。何も置かれていないけど、これって巨大メカを収納するための設備だよね?」
「君がそう思うならそうなのだろう。吾輩よりそこにいる変態に聞いてみたらどうだい?」
「ウエルカァ――――ム!! マイホームセンター! お嬢さん、また遭えて嬉しいよぉぉぉ」
角瓶片手に格納庫の奥からやってきたのは、ことあろうかブルジョアレッドだった。
ここに座れと言わんばかりに無言のまま指で地面を突っついている。
嫌そうな顔をしたのがバレたのか、指先の動きが激しさを増す。
当然ながら、こんな変な奴を相手にはしていられない。
向こうには用があろうと、こちらには全くない。
「行こう!」ボクは田宮さんの手を引いて走り出した。
さっきの移動速度を見る限り、直線上に逃げたら即座に捕まってしまう。
できるだけ木々の合間をすり抜けて奴の動きを鈍らせないと……。
チラリと背後を振り向くとそれは杞憂だったと判明した。
ブルジョアレッドは地面に指を突き刺したまま、アタフタしていた。
おそらく抜けなくなったのだろう、勝手に大地と融合してしまっている。
これは好機だと、ボクたちは全力ダッシュで山奥へと進んでゆく。
変身したいトコロだが、お約束通り変身バンクでは眩く発光する仕様になっている。
これでは却って居場所を教えるだけだ。
どうして、そこまで忠実に再現したんだと問いたくもなるが、そこは田所さんの魔法少女への熱意とこだわり。
そう解釈しておかないと、単なる趣味の領域になってしまう。
「困ったな、田所さんたちと完全にハグレてしまった。ドブさん、彼らの位置は分かる?」
「時報じゃないんだから分からないよ~。ウェザリングの効果もあるしやれやれだぜ」
「それならウチの者にヘリで、ここいら一帯を捜索させましょうか?」
「いやいや!! 田宮さん。遭難したわけじゃないから、大事するのはチョット……例の変体にもボクたちの存在を気づかせてしまう可能性もあるし」
「そ、そう……なら、向こうが私たちを見つけてくれることを期待した方が良さそうね」
価値観の違いに戸惑うボクらだが、反対に山道は大きく開けて舗装されたものへと変わってゆく。
「ふむ、この石畳は不自然な場所にあるね。多分、あそこに住んでいた住人が自作したんだろうね」
肩に乗るドブさんが道向こうの廃墟をムニーの手でさしていた。
「ずいぶんと痛んでいるけど別荘だったみたいね」
頬に手をあてがい道の脇に設置された郵便受けを眺める田宮さん。
言われてみれば民家という感じではなさそうだし、年代的にもそこまで古くはなさそうだ。
ただ、建屋の様子はだいぶ悲惨なことになっている。
過去、何があったのかは知るところではないけど、窓ガラスは全て砕け散っている。
屋根も半壊して完全に吹き抜けの状態になっていた。
「ここが変体の隠れ家なの……?」
そう、問いかけるとドブさんは「だろうね、誰かが住んでいる痕跡が見られるよ」と怪しく瞳を発光させていた。
「ああ、これ? 赤外線カメラさ」
おかしいな、ムニーのプラモにそんな機能はなかったはずだ。
さては、ボクのあずかり知らないところで改造したな。
睨みつけてもドブさんは歯牙にもかけない。
AIだから当たり前といえばそれまでだけど、少しだけ寂しく感じる。
「キュイちゃん、どうしたの? さっさと中へと入ろう。探ったけど中には誰もいないよ。メルナも早く」
「いえ、私はもう少し外を知らべるわ。どうして、こんな場所に別荘があるのか腑に落ちないし」
「そんなに変なの?」
「別荘って普通は避暑地だったり休暇を満喫するためにあるものよ。ここには、この別荘以外の建物も無いし、交通の便だって悪いのに郵便受けが置かれている。どう見ても不自然、極まりないのよ」
「そっか、じゃあ~メルナには外の調査を任せるよ。キュイちゃん、吾輩たちは中を調べることにしよう」
考えていても、それは憶測や推測でしかない。
ドブさんに指示に従い、ボクは別荘の正面ドアをゆっくりと開いた。
今にも外れそうな扉は触れただけでもグラグラしている。
予想通り、中は木片やらガラス片、土砂などが堆積している。
本当にこんな場所で怪人が暮らしているのか、はなはだ疑問だ。
「何もないようだけど……」
「そうでもないないよ。トイレだ! トイレのドアを開けて中へと入るんだ」
「えええっ……トイレなんかに何が、のわぁ!?」
渋々とトイレに入ると、それまで開いたままのドアが自動で閉まった。
閉ざされた空間にさすがに焦りドアノブを回そうとするも、あるはずのノブがドアについていない。
『ピッ! 地下に参りますか?』
「参りますよ~」
「ちょっ! ドブさん、何がどうなっているのか説明してよ!」
「百聞は一見にしかず、真実はすぐそこにある。謎を紐解くのは君の使命だったはずだよ? それとも心までドカグイイエローになってしまったのかな?」
「それってどういう――――」
ボクが言い切る前にトイレ型のエレベーターが降下し地下へと到着した。
今度は自動で開かれるドアの先は、巨大な格納庫となっていた。
「まるで、例のヒーロー本部の施設みたいだ。何も置かれていないけど、これって巨大メカを収納するための設備だよね?」
「君がそう思うならそうなのだろう。吾輩よりそこにいる変態に聞いてみたらどうだい?」
「ウエルカァ――――ム!! マイホームセンター! お嬢さん、また遭えて嬉しいよぉぉぉ」
角瓶片手に格納庫の奥からやってきたのは、ことあろうかブルジョアレッドだった。
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