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ニコニココラムぼちぼちやります。

C-20 「三朗のつぶやき「土曜丑」」

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C-20 「三朗のつぶやき「土曜丑」」

三朗です。
毎日暑いですねー!夏バテしていませんか?
今日は、突然、直さんから「わしが場を冷やしてしもたから、一本コラム出せ!」って言われたんで、「土曜丑のうなぎ」についてつぶやかせてもらいますねー!

向日葵寿司でも、事前予約いただいたお客さんの分は、店の前でレンタルで借りてきた焼き鳥用の炭火七輪で焼きますよー!
うちは鹿児島産のうなぎのMサイズを選びました。
「何で?」って?
まず、有名な浜松産は僕らみたいな零細業者にはまず回ってくることがないんですよ。
浜松市内でもよほどの店じゃないと「浜松産」じゃないんですよ(笑)!
見極める方法をこっそりと教えときましょうね。
「浜松産」とうたわず「国産」って書いてあるかの違いですね(笑)!

で「M」サイズを選んだのは、大きいのはやっぱり大味なんですね。
タレ付きのかば焼きならいいんですけど、あとで書きますけど、うちはタレ使わないんで、しっかりとうなぎの味を感じてもらうためにあえて「M」サイズです。
まあ、捌く手間は一緒なんで、利益としては「L」サイズを売った方が儲かるんですけど、そこは「美味しいものを食べてもらうこと優先」でやってます。

よくお客さんから「浜松産」は旨いの?って聞かれます。
もちろん美味しいです。
でも国産のうなぎであればどこのうなぎもそん色なく美味しいです。
まあ、育て方で多少変わりますけどね。
しっかりと運動させてる養殖池のうなぎは身がしまってて美味しいですよ。
ただ、普通の人がどんな養殖池で育っているのかはわかりようないですもんね。
市場では、「〇〇養殖」とか「養殖業者」がわかる札がついている商品を見かけます。
やっぱりすごく高いですけどね。
とても手が出ません…(泣)。

まあ、僕に言わせりゃ、うなぎの味は「産地」じゃなく、「焼き方」でほぼ決まりますね!
「串打ち3年、裂き8年、焼き一生!」ってうなぎ職人の修行は言われるんですよ。

今は、温調器がついてる平台コンロでむらなく焼けるようにはなったんですけどね。ただ、やっぱり電気やガスで焼いてるのと備長炭でじっくり焼いたのは「香り」と「中のほっこり感」が違いますね。

まあ、大量加工に向いている「ガス」焼きは論外で燃焼時に多量の水蒸気が出るんでどうしても水っぽくなっちゃうんですよ。
さらに焼いてから冷凍されちゃうと身がぼそぼそになっちゃいますね。
ひつまぶしならいいんですけど、高いお金とってうな重でそんなうなぎ出されたらいやですよね。

ガスと違って、今の電気コンロは凄いですねー。
遠赤外線でゆっくり焼きますし、上下グリルになってるものはひっくり返す必要も無いんで、結構有名料亭でも使われてるんですよ。
そんで、仕上げだけ、炭であぶるんですよ!
これで一応「炭火焼」ってね!

向日葵寿司は和歌山の備長炭で「遠火」の「弱火」でじっくり焼きますよー!
遠赤外線効果で身はホクホク!
皮はスモーク効果もあっていい香りでパリッとしますよ。
焼きたてを店内で肝のお吸い物と合わせて食べていただくのがお勧めですね。

で、焼き方ですがこれは関東と関西で大きく違うんですよ。
関東の専門店では、白焼きにして、蒸して、そこからかば焼きの工程が多いですね。
それに対して、関西は蒸す工程がありません。
向日葵寿司は当然、関西焼きです。
ただ、普通のうなぎ屋さんと違うのは、うちは「白焼き」で出します。

うなぎ専門店のたれは、数年、店によっては何十年も焼いた鰻を漬けては焼き、減ったらたれを追加してって繰り返すんで、凄いコクがあるんですよ。
こればっかしは、うちみたいに年に数回しか鰻を焼かない店には到底かないません。
僕の好きなマンガで「深夜食堂」って漫画があるんですけど、老舗のうなぎ屋さんが亡くなって、そこのたれを引き継いだ親父さんが、「タレご飯」を出すんですけど、そりゃもう「美味しい」に決まってますよ!
そんな話あったらひと瓶30万出しても欲しいって人ばっかりですからねぇ。

日頃、向日葵寿司で出してるうなぎ寿司やうな玉は知り合いに店で焼いてもらって、たれを分けてもらってます。
さすがに「タレだけ譲ってください」とは言えないんで、今日は、桜色したヒマラヤ岩塩を使っての塩焼きにしてます。

タレ付きはどこでも食べられるんで、向日葵寿司では大阪で珍しい「白焼き」に生しょうが(おろし金使い慣れてない人には摺りわさび)をお付けして、わさび醤油で食べてもらってます。
これはこれですごく美味しいですよ。
僕も初めて高知で食べたときには、「感動」して涙が自然と出ましたもんね(笑)!
「あー、こんなうまい食べ方があったんだ・・・」ってね。

ちなみにうなぎは僕が捌いてます。
関東は「背開き」、関西は「腹開き」って言われますね。
「調理師専門学校」ではどちらも教わりました。
最初はどっちにしてもうまくいかないんですよね。うなぎのヌルヌルで、「目打ち」すらうまくできないんですよ。
仕方ないんで滑り止めのついた軍手をして何とか捌くんですけど「裂き8年」って言われるのよくわかりました。

高い食材なんでそうそう練習できるもんじゃないですしね。
細めのアナゴにとろろをかけて捌く練習するんですよ。
そりゃ、学生が苦戦する様はこっけいですよー!
僕は、修行先が自店で砂漠店だったので、素手でさばけるようになるまで丸3年でマスターしました(笑)。
これは相当早い方なんですよ。

ちなみに諸説ありますが、関東は武家社会で「腹を切る」は縁起が悪いので、「背開き」。
関西は商人の街なので「腹を割って話す」を良しとして「腹開き」って言われてますね。

これも諸説ありですが、エレベーターの左右どっちに乗るのかって言うのと似てますね。
お侍さんは「命の刀」がぶつからないように左に立ち、商売人さんは取引記録が書かれた「命の大黒帳」を盗まれないように右に立つってね!
江戸時代に「エスカレーター」あったんかい!って突っ込みたくなりますね(笑)。

まあ、何につけても、夏バテ予防に「丑の日」を作った平賀源内はえらいと思いますね。
うなぎは栄養価も高くて理にかなってます。
皆さんもうなぎ食べて「元気出していきましょうね!」
ぱにゃにゃんだー!

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