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一章:好きです、先輩
先輩の危険と後輩の噂 11*
しおりを挟む「恨むなら三田村先輩を恨んでよ」
何で此処で安月の名が出てくるのか、と冷静に考えられたのは其処までだった。
スーツを乱される感覚に熱く滾る体躯が思考すらも奪っていく。
「ゃ、っ、やめ、っ、ろ! いや、だっ、っっ、ぁ、ぁ、ぁ」
上着を脱がされ、シャツの上から胸を揉まれる。
普段は意識すらしない尖りが掌に押されては甘く疼き、びくん、びくん、と全身が痙攣した。
「ひぁ、っ、つま、むなっ、……っ、バカ、ヤロ、ッ!」
ぎゅむ、と両方の乳首をシャツ越しに指先で挟まれ涙が滲む。
くそっ、と悪態を放ったところで敏感過ぎる感覚はおさまるどころか、どんどんと鋭敏になっていく。
捻りながら引っ張られ、じんじん、と痛みを伝えてくる乳頭は熱を帯び、痛みを感じた分だけ快感になって彰治を襲う。
「んんん、っ、ん、っ、っっ」
摘まれて硬くなる尖りはシャツの上からでもわかる程にくっきりと立ち上がり存在を主張していた。
つん、と尖る突起を爪に弾かれた途端、脊髄に電撃が走り抜ける。
声を上げるのは嫌で強く唇を噛み締め、強過ぎる快楽をやり過ごそうとした。
「あれ、乳首だけでイッちゃった? どんだけ敏感になってんすか。それとも、三田村先輩に調教されちゃいました? 開発済ですか?」
堪えようとしても身体が追い付かなかったのか、気付けばパンツの中が、べっとり、と濡れていた。
不快を感じ漸く自分が吐精してしまったことを自覚し、信じられない事態に震えが止まらなくなる。
気を遣ったことを勘付かれ、嘲笑を浮かべる毅に見下ろされていた。
屈辱を感じるよりも、他人の口から事実を告げられたショックに打ちひしがれ、後に続いた台詞に何の反応も返せずに瞳を閉じる。
「う、そだ。……こ、こんな、の、っ、おかし、い」
嘘だ、と何度呟いても下半身の不快感は無くならず、それよりも消えていかない熱を持て余すように腰が揺れてしまう。
力の入らない腕を何とか上げ、顔を覆い隠す。
漏れ出る嗚咽を噛み殺し、ベルトを外されていくのを大人しく受け入れる。
もう何も考えたくなかった。
「結構強いの使ったし、効きやすい体質なら仕方ないっすよ。愉しんだ者勝ちです。気持ち良くなりましょうね、府末先輩」
熱に浮かされた頭が、唆すかの如く優しく囁かれる言葉を享受する。
仕方ないことだ、と思うと気持ちが楽になった。
一度放っても熱の引いていかない体をどうにかして欲しい、とそれだけを考える。
ベルトが外れスラックスを脱がせようとする毅の動きに同調し、自ずから腰を上げていた。
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