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二章:大学生アリスと社会人兎の擦れ違い
アリスの学生ライフ 13
しおりを挟むぞくん、と背筋を走った快感は、翔に束縛されることを望んでいる証拠なのかもしれない。
「されたい、って言ったら、どうすんだよ?」
どうせ逃げる癖に、と口にはしなかった不満は行き場をなくし、架の唇が尖っていく。
両目を瞬かせた翔の手がシャツの釦に掛かる。
「カケルは本当にズルイね。僕には出来ないこと解っていて誘惑するんだもん。お仕置き、しちゃうよ?」
一つづつ釦が外されていき、男にしては小さな掌に素肌を弄(まさぐ)られる。
ゆっくりと胸部から腹部を撫で、臍を擽り、また胸部にと上がってくる。
薬を塗るのに必要のない動きで、普段ならば怒っているだろう。
だが、今日はもっと触って欲しかった。
自分から胸を突き出し強請るように視線を投げる。
「なんでそんな蕩けた顔してるの? お仕置き、期待しちゃった? 悪い子だね、カケルは。お薬塗るだけなのに、エッチな顔して僕のこと誘って。……さっき、イかせてあげられなかったから、うんと気持ち良くしてあげる」
可愛らしい顔に淫靡な表情を浮かべ自身の口端を舌で舐める翔に下半身が疼いた。
「エッチな顔してんの、お前だろ」
期待してしまう己の肉体が恥ずかしくて誤魔化すみたいに睨んだ。
「だって。カケルとエッチなことしたい、って思ってるもん。まずは可愛い乳首をイジメようか?」
一瞬、目を見張った翔が含み笑いを浮かべ、指先を乳頭に添わせる。
くにゅ、と柔い突起を押され、架の身体は身動ぐ。
「んぁ、っ、ぁ、っ、しょ、う」
齎された刺激に、ぴん、と尖る乳首を抓まれ痛い程に引っ張られた。
乳頭は痛みに疼いているのに、ずくん、と下半身に走るのは快感だ。
「足、開いててね」
乳首に意識がいっている中、腰に負担が掛からないようにか持ち上げることなく足を左右に開かされる。
翔の指が双丘を割って探るように狭間を撫でていく。
その間も片手は胸の突起を、くにくに、と潰しては捏ね、痛みと快楽を架に与える。
甘い声が出てしまいそうで、唇を噛み締め声を抑える架の肛門を細い指が探り出し指の腹で、とんとん、と叩かれた。
切れているのだろう其処は、ぴりり、と痛み、架の眉が歪んでいく。
「腫れてるね。ちょっと冷たいかもしれないけど、すぐに馴染むから」
胸から離れた翔の手がチューブを握っている。
指の上に出した塗り薬が、ひたり、と穴を覆い撫で付けられていく。
ひくついて指を呑み込もうとする動きをみせる菊門は、痛くて仕方ないのにキュンキュンと疼いて肉を欲していた。
「ふっ、っ、ぁ、っぅ、ぅ、ん」
枕で顔を隠し、声を押し殺す。
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