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一章:不良アリスとみなしご兎
不良アリスとみなしご兎の幸せ 14*
しおりを挟む緩慢な動作で翔の腰が引かれ、内壁を引き摺るようにして翔が出ていく。
ギリギリまで抜かれると、またゆっくりと内壁を擦り中に入ってきた。
圧迫感に息を詰めていた俺だったが、切っ先で前立腺のしこりを捉えられ、其処を重点的に攻められてしまえば、快感に体を震わせるしかなかった。
「ひっ、あ、あっ、しょっう! 好き、だ」
「……っ……! 僕も、好きだよ。愛してる」
翔を抱く腕に力を入れて、譫言(うわごと)のように、好きだと繰り返し囁く。
その言葉に翔の腰も速くなる。
ズンズン、と打ち付けられる度に快感が身体中を巡り、俺は普段からでは考えられない程によがり狂っていた。
気付けば、自分からも腰を押し付けていた。
「そ、そろそろ、イコッか。一緒に、イこう」
翔はそう呟くと、恥ずかしいぐらいに勃起し、俺と翔の間で存在を主張している屹立を握り、扱き始めた。
「やっ、しょお、何? ゃっああ、あっあぁぁあ」
後孔からの快感と、性器からのダイレクトな快感に、俺は首を左右に振りたくり果てていた。
「……んっ……カケル」
ほぼ同時に翔も果てたようで、内壁に熱いものが放たれるのが解った。
俺の上で、翔の体がびくんびくんと痙攣しているようだった。
******
肉体的にも、精神的にも、繋がったという事実は、俺達の関係を充足させていた。
学校では色々な噂が流れていたが、俺が怖いからか表だって問題になるようなことはなかった。
それだから、このまま幸せに日々は過ぎていくものだとばかり思っていた。
如何に自分が浅はかであるか、思い知ることになるとは思いもよらなかった。
事の発端は、進路相談だ。
紙に書いて学校に提出するソレである。
出来れば翔と同じ大学に行きたい、と。
行けると信じて疑っていなかったのだ。
しかしながら、現実はそう甘くはなかった。
夜の食卓で、両親と俺と翔が集まり、進路の話になったのだ。
俺が希望を告げた後で、翔はおもむろに口を開いた。
表情は冴えない。
「ごめん、カケル。僕は、大学には行けないよ。就職しようと思うんだ」
俺は耳を疑った。
俯いている翔を凝視する。
何か言いたかったが、言葉は喉から出てはいかなかった。
「どうしてだい? 学費のことなら」
「違うんです。これ以上頼ったら、ダメな人間になりそうで。其れに、僕のような子達に、少しでも援助したい。そのためには、働くのが一番だと」
代わりに父親が問い掛けるが、翔の決意は固いようだった。
真剣な眼差しを向けている。
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