銀河英雄戦艦アトランテスノヴァ

マサノブ

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王家の絆編

PART07 浜辺の会戦

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あの木星対戦から1週間

俺の名は岩表久
駆逐艦ハヤテの機関長をしている
損傷し消耗したハヤテは{秘密工場}で
緊急修復作業と軍事物資を急ぎ補給している

駆逐艦ならもうとっくに
作業が終わっている時間なのだが・・
ハヤテの修理は異常に時間が掛かっている

御存知の様にハヤテは大変{特殊}な艦である
・・だが製造時に使われたドックも当然存在する
千葉エリア某所に存在するハヤテ専用工場

王家の庇護を受けて永遠不滅だと
思われていたハヤテの修理が出来るのは
理論上そのドックだけだ

だがそのドッグでさえ王家の力を得た
今の小型艦サイズのハヤテを修理する事は
スケールが違い出来ない

そこであの天才は頭を捻り
まずは造船工場の{内部}を箱で囲い
それに王家の紋章(魔導回路)を刻み込むと

ハヤテに眠る王家の力の一つ
シルヴァニア{魔導圧縮}をチャージして
結界に封じ込める事に成功した。

外側は元の工場を張りぼて状態にし
中の施設だけを全て小さくした訳だ
「此で箱の中身は全て10分の1スケールに
縮小された」

『俺はこの不思議な現象に未だに慣れない
・・だが・・今はそんな事を言っていられない』

「資材と人の運搬等は転移ゲートで
工場内に転移搬入して修理が可能と成った」

この作業に多くの戦費と人員
それに丸々一週間の時間を要したが
ハヤテの修理には地球人類の存亡が
掛かっている、俺は修理に必要な
チェックリストを用意し

エンジニアとの打ち合わせのため
ハヤテの破損データーをモニターに映し
細かな打ち合わせを始めた

「エンジンに無理をさせ過ぎたし
此は一度オーバーホールが必要だな」

「装甲は交換出来たが・・木星の重力で
歪んだ翼の交換の手配が難航している」

「取り敢えず歪みを直すのに
装甲を一度取り外し
モノコック構造体部分を新調し直し
もう一度装甲を張るのがベストだろう」

「普通の船と違って・・壊れる前提で
設計されてないからな~」
修理箇所を総点検しハヤテが決して
無敵の艦で無いことを俺は改めて認識した
人の力で造られたモノが人の手で壊せない
筈がないのだ。

『あの天才が良い勉強をさせて貰ったと
素直に認めたのには驚いたが・・
そうだな・・ではこれだけは言っておこうか』

「人の力で壊されたモノなら人の手で
直せない通りはない」

「完全に修理してみせるよ
 この偉大な地球の守り手を」

岩表久・総機関班長
神風型宇宙駆逐艦ハヤテ修理記帳抜粋
__________________

★付箋文★

太陽系防衛艦隊
第8艦隊{旗艦}宇宙戦艦・金剛

全長219,4メートル
全幅31メートル

兵装
35,6cm45口径連装β砲4基
12,7cm連装高角θ砲6基
25mm3連装18基
同連装8基
同単装30挺

乗員 士官、兵員2,367名

______________________

太陽系防衛艦隊
第8艦隊旗艦 宇宙戦艦・金剛

太陽系防衛隊艦隊の要
宇宙戦艦・金剛
その任務は太陽系のパトロール

金剛艦長は司令部に連絡を入れる
「司令、第8艦隊は火星からの敵侵略軍の
監視を第1艦隊に引継完了し、これより地球に
帰還いたします」

そして追伸として

「尚敵の動きは見られません」と伝えた

小田司令は金剛艦長に労いの言葉を
伝えメインモニターを閉じ

「例の宇宙竜巻に敵艦隊が巻き込まれた
と言う情報があるのを君は知っているか?」

その問いかけに、まだ副官に成って
日の浅い彼は噂の奇跡の神風の話だと
ぴーんと来た

「知っております、
悪辣非道な侵略者に
下った天罰とも神罰とも言われる
神風サイクロンですね?」

その噂は地球を統治する日本の
伝承にある猛虎襲来に起きた
2度の台風を{神風が吹く}と呼ぶ事から
誰からともなく言われ出した事だった

金剛艦長はこれは好機だと、
反転攻勢に出るなら今しかないと
小田司令に進言したのだが、
それを受理されないのが気に食わない

金剛艦長は副官に
「火星奪還作戦は絶望的だな・・」

副官は「何を仰られるのですか艦長!?」

突然の艦長の言葉に驚く副官の声に
艦長は怒りに肩を震わせていた

「火星からの帰還者の話だと、火星防衛に際し
司令部が送った援軍が・・あのハヤテ1隻のみ
だったそうだ!」

副官が唖然とする
「そんな・・駆逐艦1隻だけを
援軍に送って敵から防衛出来るわけが」

「案の定・・ハヤテは何も出来ず・・
火星から逃げ帰ってきたそうだ・・」

金剛艦長の応を聞いて
副官はあまりのことに言葉を失った
「あり得ない・・余りに酷い!
司令部は何故そんな事を!?」

金剛艦長は怒りで顔を紅くして言った
「ハヤテだ・・全てはあの
{艦隊の恥曝し}のせいだ」

「司令部は火星防衛を放棄した、それを
形ばかりでもと・・新鋭艦を送り対面を
繕った・・それでハヤテの価値を示した
つもりなのだろう・・」

悔しさの余り肩が震えている
「もはや司令部は・・否・
小田司令ではもう駄目だ!」

「英雄・勝流水までもが取り込まれ
組織が腐敗しきっている・・
何とかしなければ・・この地球の真の
守り手である我ら防衛軍宇宙艦隊が
動かねばならぬ時なのだ!!」

副官は艦長の言葉に感動し
その膝元に腰を降ろして古の武者の
ように床に両の拳を着けて頭を下げる

「お見逸れ致しました!!」
突然の副官の行動に
金剛艦長は驚いてしまう「何だ突然!?」

だが副官は艦長に平伏したまま喋り出す
「貴方様こそ艦隊の鏡!
外敵を打ち倒す前にまず自軍の不正を正し
正義の将たる貴方様が指揮を執るのが
誠の道だと私は確信いたしました!」

金剛艦長は副官のその言葉に
我が意を得たりと心の中でにやりとした
『良し{いける}やはり自分は正しいのだ』と!

艦長と副官の会話をその場で聞いていた
他の乗員達も艦長の意見に賛同した
前々から司令部の黒い噂が絶えなかった
その弊害は不平不満となって現れ

その考えが瞬く間に電波し、
その日の内に
第8艦隊の乗員・士官の殆どが
金剛艦長に賛同したのだった。

「・・まだまだ味方が必要です・・
艦長の考えに賛同する同士を増やさねば
なりません」

副官は艦長に囁く
「艦長の誠の正義を知らしめる為に
不肖ながらこの私に手伝わせて下さい」
副官は恭しく金剛艦長にそう言って微笑んだ。

余談だが・・こんな事が起こっている間に
一つの流星が第8艦隊を横切って地球に
落下して行った、艦隊のレーダー観測員は
その存在を見過ごしていたのである
━━━━━━━━━━━━━━━━━━★付箋文★

波崎海水浴場
千葉エリア・神栖市波崎豊ケ浜

「ハヤテの修理には時間が掛かる・・
そこで親睦会を兼ねて君達
隊長クラスには保養時間を共に
過ごして貰う事が決まった」

勝艦長の訓辞かと思えば親睦会の
強制参加だった
「尚これは艦長命令だ拒否権はない」
━━━━━━━━━━━━━━━━━━海水浴場

こんな時に休みか・・海パンを着た
大城誠矢は砂浜で横たわり海風を受けながら
ぼんやりと青い空に浮かぶ白い雲を眺めていた

近場の波崎海水浴場に連れだって来たのは
引率の勝流水艦長、それと春吉進一郎
大城誠矢を筆頭に

大城真耶
坂巻進吾
崎景子
響竜一
滝川鏡子

それに真耶が行くなら
スミスも参加すると言いだし

今や大城{親衛隊会長の小原正二}
それと響の部下であり航行班補佐を務める
{岩川光太郎←も大城親衛隊}が押し掛け
とうとう11人に数が膨れ上がった

この波崎海水浴場が選ばれたのは
なにも{適当}という訳ではない
古い廃工場が遠くに見える、あれが
{擬装}されたハヤテの修理工場なのだ

魔導転移ゲートによりハヤテサイズでさえ
出入りを自由に出来る秘密の
地下トンネル{ルート}から搬入した資材も
トラックごと転移して工場内に持ち込めば
完全に敵の目を眩ますことも可能だ

※(ルート)は複数有り地下で繋がっている

ハヤテに関わる全てを秘密にしたい
司令部の望みを完璧に叶える秘密工場
それが(シークレット)ドッグだ。

「灯台元暮らしとはこの事だな・・
まさか敵さんも、こんな近場に
ハヤテの基地と修理工場が近接してる
とは思わない」

それより誠矢は・・折角一般に混じって
鋭気を養う時間を作ったのに・・よりによって
厄介な奴が来ている事に隣の坂巻に愚痴を言う

「確かに{サイバドック}が紛れ込むとはな」

「それに響とスミスだ・・まあ艦長が
来てるから問題は起こさないと思うが」
そう言って海を見ると響き達が戯け合っている

引率の勝艦長がサングラスにアロハと言う
(顔面傷だらけのその風体はまるっきり
任侠の親分・・ゴホ)風体で・・・  

ビーチパラソルの下
折り畳みベッド・コンバータコット3つ折り
コンパクト収納4段階リクライニング・
2段階足元調節に座りビールを飲んで
リラックスされている・・

その横では春吉さんがビニールシートで
横になりバスタオルで顔を覆って寝てた
アロハ姿の勝艦長が
「大城 坂巻 お前達は泳がないのか?」
と質問する

「それが・・何だか嫌な予感がするんですよ」
誠矢の言葉を聞いた滝川鏡子が腕を引っ張り
「大城隊長そんなこと言わず皆で
楽しく遊びましょうよ」

ファッション雑誌の中から
飛び出した様な水着姿の美女に
一瞬ドキリとした誠矢だったが、
それが滝川だと解ると

「滝川か・・一瞬どこのモデルかと思った」

そんな事を言われるとは夢にも
思っていなかった鏡子は顔を真っ赤にして

「た・・隊長・・本当に?」
滝川鏡子もまた大城誠矢に憧れる
女子隊員の一人だった、初めて話した時から
{優しそうで格好良い人だな}とは思ったが

あの放送の演説を聞いてからは
本気で尊敬し仄かに恋心を抱いていた

「隊長ーぅう何やってんですかーっ
そんな所で滝川ちゃんを口説いてんですか?」

小原が誠矢を馬鹿みたいな大声で呼ぶから
他の海水浴客に誠矢の腕を掴む鏡子は
注目を浴びる羽目に成る

「うわ!もの凄い美人!見ろよあの胸
Dカップ所じゃないぜ!」

「彼氏の方も凄い格好いい
あの二人モデルか何かかしら?」

鏡子は野次馬が誠矢を自分の彼氏と言われて
本当に嬉しかったが、余りの恥ずかしさに
海に向かってその場から逃げ出してしまう

「きゃああああイヤーッモー!」

置いてけぼりにされた誠矢は頭を
掻きながら坂巻を見たが、婚約者の景子に捕まり
何処かに連行されていく所だった

「坂巻・・お前もか・・」

一人になった誠矢を遠巻きに
見ていた海水浴客の若い女性達が
声を掛けようとして近づくが・・・

後ろから誠矢に近寄る顔の恐い任侠艦長を見て
悲鳴を上げて遠ざかる

「ヤバい人が来てるよ!」

「あのお兄さん知り合いなの?」

「まさかその筋の人?」

誠矢は勝艦長が何処かの組の親分だと
誤解されるのも仕方ないと思った
そりゃ恐いよなこんな強面の親父

「大城!青春は一度切りだ
楽しめる時は精一杯遊べ」

「艦長・・」誠矢はその言葉に背中を押され
仲間達のいる海に向かった

『そうだよな・・
どんなに気が急いでも
現状が良くなる訳じゃない
遊べる時に遊んでおくか・・』

と思っていると誠矢は海の中から
足を引っ張られて転ばされてしまう
波飛沫が上がり、驚く滝川と小原
だが誠矢は直ぐにその犯人を捕らえ
襟首を掴み海中より引きずり出した

「ヤッパリお前か!サイバドック7号!」
サイバドック隊の問題児サイバドック7号

イヤ~「総隊長さんにも
海水浴を楽しんで頂きたくて」テヘペロ

そう言い笑う馬鹿犬を塩漬犬(ソルティードック)
にすべく誠矢は力一杯海に放り投げた。

その夜の事である
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宿泊するバンガロー前で
焚き火を囲んで雑談をかわす
ハヤテメンバー達

「車の中にビールがまだありますよ」

春吉が勝流水にそう言い残し
サイバドッグ7号を護衛にして
林の中に入っていく

そしてそれを勝は黙って行かせた
『頼むぞ春好君・・』

林の中を歩いているとサイバドッグ7号が
足を止め器用に耳を動かし人の話し声を聞いた

「博士・居ました」どうやら間違いない様だ
春吉は腰を落としてから辺りを警戒する
サイバドック7号がいつもと違い
精悍な顔つきをして春吉の隣に並び立った

「それで内容は?」

「どうやら敵は誠矢{王子}様の暗殺を
今夜実行するそうです」

『フム・・ガルスグレーサーのスパイか
ムーの末裔か何か知らないが随分と大胆だな』

「どうします捕まえますか?」

サイバドック7号の能力ならそれも
可能だろうが、春吉は上着のポケットに
隠し持っていた折り畳み式の
スペースサーベルを取り出すと

7号が見つけた
スパイの後ろに音もなく近寄り
「そこまでだよスパイ君」

そう言ってスパイの首にサーベルを
突きつけた
「しまった!」

「彼の武器を取り上げるんだ」

サイバドッグとは脳改造により人間並みの
知能に犬の身体能力を持つ戦闘に特化した
サイボーグ犬である

命令されて次のアクションを起こした時には
反撃を試みたスパイの腰から銃を取り上げていた

「うがっ!」
スパイはサイバドッグ7号に伸される

「それじゃあ洗いざらい計画の中味を
話して貰おうか」
だが次の瞬間銃声が轟きスパイが
心臓から血を吹きだし倒れ伏す

銃声が聞こえた時には既に
サイバドッグ7号が春吉を庇うように
覆い被さり彼を守った

「博士大丈夫ですか!?」

「サイバ・7号・敵の狙撃者を探れ!」

サイバドッグ7号が聞き耳を立てて
スナイパーの気配を探る
が 「どうやら逃げた様です」

春吉は起きあがるとズボンに着いた土を
祓い落としながら死んだスパイを見下ろし

「折角の情報源だったのに勿体ない事をした」
そう言って残念がる

「そうでもないですよ」
その時死んだはずのスパイの声が聞こえた

もう一度死んだスパイを確認する春吉だったが
直ぐにその声の主が誰なのかを察する
     
『さすが元{忍犬}は伊達じゃないな』

それから春吉はスパイの死骸を
漁って通信装置をゲットしてから
サイバドッグに告げる

「それでは浜辺の会戦と洒落込もうか」
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★付箋文★

誠矢達はそのまま火の周りを囲み
会話を楽しんでいたが
サイバドッグ7号が帰ってくると
少しして滝川鏡子が来て

「それじゃあそろそろ・・」

「じゃあ私達も」

鏡子が席を立つと景子と真耶も鏡子に続いた
後に残ったのは男衆ばかりとなる

小原は嬉しげに誠矢の隣で隊の此からを
どうするべきかとか、政治の話とか
誠矢に女性にモテる秘訣など聞いてくる

「お前もモテてるじゃないか」
其れを聞き
小原は自分を好きな女子が知らない内に
居たのかと希望に胸を膨らませるが

「横浜の一件でお前にも隊員のファンが
出来てるだろ?」

小原は心底ガッカリした表情になり
あの時自分と一緒にいた隊員達から
小原副隊長殿とモテハヤされている
事だと悟る

「あいつ等は~俺の後輩ってだけで
モテるってそう言うんじゃなくてですね~」

坂巻はそんな小原に
「この大城誠矢って男は全く参考に
ならないぞ~天然だからな」

小原はそれを聞いて
「そんな坂巻先輩
生まれ付きだなんてズルくないですか~
それじゃ真似しようにも真似の仕様が~」

坂巻はそれを聞きハハーンと思った
「なんだ小原は滝川ちゃんにモテたいのか?」

道理でやたらと誠矢を挟んで
滝川ちゃんに積極的に話掛けてると
思った(笑い)

それを聞いて真っ赤になって照れる小原
「わわわ何言ってるんですか坂巻先輩!
止めて下さいよ~」

そう言ってサイダーの瓶に
口を付け一気飲みするのを
見ながら坂巻は腕を組んで見つつ

『響といいコイツといい・・
誠矢が恋敵とは気の毒過ぎる』

『その意味ではジョンのやってる
真耶ちゃんへの迫り方が一番ベストって
事になるな』

『攻め以外の方法はない、待っていても全く
無駄だからだ、血も涙もない言い方だが
ジョンを見習えが一番のアドバイスになるか・・』

そんな風に物思いに耽っていても
坂巻は今は戦闘待機状態をキープしている
勝艦長が金時計を見て時間を確かめると
誠矢達もまた自分の時計の時間を確認する

勝艦長は「そろそろだな・・」と呟くと
誠矢が腰にさしているスペースサーベルを
手に取り「そうですね艦長」と返事を返した

その様子を林の中から監視する計16の目
そしてその中の6つが人間とは思えない素早い
動きで、鏡子と真耶それに景子が泊まる
バンガローに忍び寄る

そして3つの影が突然人の姿を崩し銀色の
液体状になってバンガロー内に進入した
その液体金属がドロドロに溶けた様な状態で
生物のように這いずりながら寝ている
彼女達の側に近づくと

突起のある触手が伸び
寝ている彼女達に襲いかかった
次の瞬間その攻撃が空中で何者かの力で
弾き返される

「敵襲だよ!」
彼女達を守るために警護していた
サイバドッグ7号が襲撃者である液体金属に
飛びかかり体当たりするも
液体状に飛び散るだけでダメージが通らない

寝ているフリをしていた彼女達は
急いで跳ね起きた、その手にはしっかりと
スペースサーベルが握られている

ギギギキキーーッと甲高い金属音を鳴らし
液体金属の襲撃者は互いに合体し
さらに殺傷力の高い剣型の自在に曲がる触手で
彼女達を襲った

「危ない!」

崎景子が信じられない身体能力で
自分に向かって斬り掛かってきた
触手サーベルを弾き返し

その返す刀で真耶と景子に襲いかかる
触手サーベルを打ち祓う
それを見て滝川鏡子は凄いと言う
一言しかなかった

真耶は「流石です!」と景子の凄さを
知る者の一人として発言した

「気を抜かないで!」

サイバドッグは敵からの攻撃を
自分に向かせるために体内に収納してある
仕込みのジャックナイフをせり出しジャンプを
繰り返して触手サーベルを弾き続ける

業を煮やした敵は全ての液体金属を
サーベルにしてのたうち回りながら
嵐のように複数のサーベルを振り回した

「危ない!」そう言って真耶が手を伸ばすと
危うく敵の触手サーベルにバラバラにされそうに
なったサイバドッグの体の手前で磁石に
捉えたみたいに敵の攻撃を空中に固定する
真耶の{サイコキネッシス}だ

このチャンスに鏡子はランプを握り
それを敵に向け投げつけた、液体金属に
ランプの油がかかりそれに火が燃え移る

液体金属は火に包まれると触手サーベルが
形状を維持できずに、只のトゲになり
そのままトゲを出したり引っ込めたりしながら
苦しそうにもがき苦しんだ

「こいつ火に弱いですよ!」

サイバドッグはそれを知ると口の中に
仕込んだ火炎放射を敵に向けて吐きかける
ワオオオオオン

サイバドッグの火炎放射を恐れた
液体金属は窓を突き破り逃走を計った

「逃がすかーっ!」
サイバドッグも敵を追って壊れた窓から
飛び出して行き敵を追う

必死で逃げようとしている液体金属を
サイバドッグは火炎放射の追い打ちをかけ
敵に向かって炎を吐きかけると
液体金属が断末魔の甲高い悲鳴をあげ
其れを最期に襲撃者は焼死した

「以外だな・・見た目じゃ火とか
効かなそうだったのに」

燃える炎の残り火に照らされるサイバドッグに
後ろから来た景子が、「ありがとう
貴方がいなければ危なかったわ」と感謝した

するとサイバドッグはいつもの軽率な
しゃべり方に戻り
「どう致しまして私は世界一の
サイバドッグですから」

そう言う7号に滝川鏡子が
あらアナタ・スペインじゃ後ろから
数えた方が早いじゃない

「それを言わないで下さいよチーフ」
危機を脱した安心感からか彼女達の顔に
笑顔がこぼれる。

______________________
★付箋文★

滝川鏡子は防衛隊スペイン支部で
サイバドッグを訓練していた
そこで※{落ち零れ}の7号と出会う

まあ※{其れが7号の演技}だったとは流石に
気が付かなかったが・・7号は(元)忍犬で
王家を守るムーの末裔との死闘の末重傷を負い
死の淵をさまよう彼を春吉が改造手術し
スペインに訓練で参加させ{隊に潜り込んだ}
その任務は王家の護衛である。

防衛軍に入り込んでいるムーの末裔対策
とは言え随分回りくどい方法を取った
春吉は林の中で今も敵の動向を探っている

ムーの末裔が誠矢達の暗殺に失敗し
ガルスグレーサーに腕利きの殺し屋を
派遣する様に依頼した事は
軍警{特捜班}の掴んだ情報により把握していた

その殺し屋を炙り出す目的で
今回の{休養}を計画したのだ

「そうか・・その刺客はもしかしたら
液体金属では無かったのかも知れないね」

サイバドッグ7号の報告を聞き
春吉は科学者としての見地から
火に弱い敵の正体は液体金属などではなく
金属に見せる擬態の一つだと推測する

「つまり液体ではなく金属色に見える色素を
備えた軟体生物であり一見刃物に見える
部分も金属ではなくカルシウムで硬質化
していたと考えられる」

春吉は理論的に金属生命体は存在しないと
思っている。

最初から敵が液体金属じゃないと解ってたら
遅れは取らなかったとサイバドッグ7号は
負け惜しみを言うが
「敵を騙すのも戦略の内だよ」と春吉に言われ
返す言葉がない

「それにしても真耶{姫}様の
力添えが無かったら危なかった・・
あれが超能力ですか?」

7号は更に話を進め
「その能力をハヤテに転用してるんでしょ?
詰まるところ超能力戦艦として・・」

サイバドッグ7号は春吉の大傑作なので
ある意味彼の思考パターンを読んでいる
「敵さんもまさかハヤテ最大の弱点が
そんな所に有るとは想像もしない」

「少し口が軽いな君は」
春吉としてはサイバドッグ7号の頭脳を
もう少し鈍くした方が良かったとは思うが

之程でなければ王家の護衛役として
力不足とも言える、
その存在はまさに諸刃の刃だった。


『だが・・偶然とはいえ・・ハヤテ最大の
ウイークポイントの二人をムーの末裔は
狙ったのだ・・』

ガルスグレーサーからしてみれば
王家根絶は地球に残った{同胞}の悲願
無視は出来ないから今回手を貸したに
過ぎない・・であるからこそ小田指令は敢えて

ガルスグレーサーが本気でない今回に限り
{王子と姫}を囮に使う実に見事な心理作戦だ

「兎に角・・王家の命を狙う
暗殺者共は此処で完全に根絶やしに
しておかねばならない!!」
其れが春吉からの7号に対する命令である

「了解です博士」7号は最強の
サイバドックとして与えられた使命に
全力で応える覚悟だ。

______________________
★付箋文★

ガルスグレーサーの刺客に襲われはしたが
それを返り討ちにし危機を脱した女性陣が
急いで誠矢達の居るバンガローに駆けつけると
何故か・・焚き火の前で響とスミスが
正座させられている
{小原と岩川は念の為辺りの見回りに出ていた}

「無事だったのね兄さん良かった」
聖矢の無事に安堵する真耶に

「何かあったのか?」と問いかける誠矢
それに真耶の隣にいた景子が答えた

「私達のバンガローに刺客が現れて・・
まあそれはサイバドッグと協力して
私達で倒したんだけれど・・こっちには?」

誠矢はさらっと、コッチにも液体生命体が
5体来たが全部返り討ちにしてやったと返事を返す

流石と肩を竦める景子だが・・
正座させられた二人を奇異の目で
見ながらアレはなに?と仕草で問いかける

「お前達・・本当によく戦士が務まるな
 感心するぞ本当に!!」
勝流水が両腕を組んで二人に説教している

「すいません本当に」

「以後気をつけます」

誠矢の説明ではこの二人・・すっかり
休暇のつもりになって武器を持ってきて
なかったのだという 
(アチャーとなる景子と鏡子)

「いくら休暇でも、いつこんな事態が起きるか
解らんのだから気を抜くな!」
流水の説教は任侠映画の親分役ができる程の
大迫力だ!

響とスミスは小さくなっている
それを見て女性陣は
「何だか可哀想ね」と同情的な滝川鏡子

「可哀想と言うより可愛いと言った方が
良いんじゃない?」と二人をからかう景子

真耶は知らない振りをしている

「ううううーーっ」
まさか真耶ちゃんにこんな醜態を
見られるなんて
響は真耶を情けない目で見ているが

スミスは真耶にウインクしてみせる
コイツ図太い・・

それにしても女は怖い、キャシーは
あんな事は言わないだろうな
そう呟いて星空に今は亡きキャサリンの
面影を見る誠矢だった

___________________
★付箋文★

さて・・地球にガルスグレーサーから
送って貰った生物兵器8体全てを失った
{ムーの末裔}は、最後の手段として

ガルスグレーサーから送られて来た
生物兵器輸送船を爆弾にして
辺り周辺を巻き込み吹き飛ばす
乱暴な作戦に踏み切った

「こうなってしまっては仕方ない
ギルザート星帝の御厚意に甘えるのも
今回限りの約束・・」

「王家の血を根絶やしにする我等の悲願も
長年に渡る遺恨に過ぎず今は滅びた王国の話など
ガルスグレーサー帝国にとってどうでも良い」

「地球征服の大儀の前に、そのような小事に
関わるのもこの1度限りと念を押されている」

ムーの末裔はガルスグレーサーにとって
余りに小さな弱小サークルに過ぎず
今の所、めぼしい成果も上げられていない
そのせいで相当軽んじられていた。

新鋭艦ハヤテの情報なども{駆逐艦}の
いらない情報として処理される始末・・
ムーの末裔にとって其れは悲運だった。

_____________________
★付箋文★

春吉はムーの末裔が
誠矢の暗殺失敗に業を煮やし
最終手段に打って出るのではないかと
危惧している

「やはり・・その手で来たか・・
誠矢君の両親と婚約者を殺した方法と同じ・・
他を巻き込んでの大量虐殺」

{犯罪者は一度成功した方法を
何度でも繰り返す}ものだ

サイバドッグ7号の変声器の力で敵の
拠点を絞る事は成功した・・
だが完全に場所を特定させないと
思い切った手は打てない

何と言っても敵には宇宙船の
エンジンを臨界にし
起爆させるという最終手段がある

「これも防衛軍に潜入するムーの末裔の工作で
{敵宇宙艦}の発見を妨害された弊害か・・・」

外宇宙エンジン暴走による
臨界爆発は水爆と同規模と言われ
その威力は小型宇宙船でも千葉エリアは
壊滅的な被害を被るだろう。

「つまり敵の拠点に潜入し宇宙船の所在を
明らかにしない限り、下手にムーの末裔を
刺激出来ないと言う訳ですか?」

バンガローで誠矢は横に坂巻{正面}に響
そして長い足を組んだスミスを{前に}
通信機で春吉と連絡を取っていた

「まあ案ずる事はない・・私に考えがある」

翌日の早朝になると
坂巻と崎景子は二人だけで砂浜デートに出掛けた

<来たぞ!工作員7号の情報通りだ・・>
二人の様子を伺う怪しい人影達

<情報だとあの二人は大城誠矢の大切な友人
人質として利用すれば奴をおびき寄せる餌に使える>

<二人が全く武器を所持してないのも
情報通り・・これは絶好のカモだ!>

朝日の中 坂巻進吾と景子が浜辺を一緒に
歩いている、一見すると只の幸せそうな
カップルにしか見えない

「なあ景子・・俺達は婚約してから二人で
旅行に行ってないな」
景子は長いお姫様カットの黒髪を潮風に
靡かせ艶のある表情で進吾を見つめる

「そう言えばそうね・・婚約してから
お互い変に意識しているせいかしら?」

「二人きりの時間が短すぎるせいだろう・・
今だってそうだ」
坂巻はその鷹のように鋭い眼孔を
遠巻きに自分達を取り囲んだ襲撃者達に向けた

襲撃者の数は6人それぞれが手に
携帯武器を持っている
ショックソードにショックガン
どれも{非}殺傷武器だ

「我々と来て貰おう・・痛い目に
遭いたくなければ大人しくするんだな!」

坂巻は相手を睨みながら
相手はこちらを殺す気はないみたいだが
ムーの末裔に掛ける情けはないと判断した
「こいつ等は殺す!
景子情けを掛けるな!」

景子は坂巻の指示に「はい」と一言答える

「貴様反抗する気か!?」
襲撃者は獲物の突然の行動に慌てたが
そこは訓練された兵士として直ぐに
武器で攻撃をした

次の瞬間襲撃者の5人は坂巻の人間を超えた動きを
目で捉えきれずに脳天やこめかみに1発ずつ
指弾を撃ち込まれて脳漿をぶちまけ即死した

「坂巻流(真魔導拳)銃殺15㎜指殺弾」

坂巻の指が蒼く光り
その根本までが真っ赤な血に染まり
汚れている・・目にも止まらぬ
電光石火の早技とはこの事だった

そして6人目は既に首から血を吹き出し
それを手で押さえている・・だがその首は
もう半分まで切断されまともに繋がって
いなかった

「坂巻流(真魔導拳)斬殺首刈」

6人目の襲撃者は気が付いた時には
女が蒼い魔導気を帯びた手刀で
自分の首の頸動脈を切断した後だった

「バカな・・この二人は・・王家の剣!?
7号の情報では大城誠矢の同僚だとしか・・
は・・計られたか・・む・・無念」

そこで6人目の襲撃者は絶命した

坂巻は春吉の指示通り襲撃者を皆殺しにして
敵が是が非でも、もう一組の囮を手に入れようと
するように仕向た

ムーの末裔の襲撃班は2手に分かれ
それぞれ別のカップルを同時に狙っていたのだ。

「7号からの情報だ向こうは失敗してしまった!
敵は手練れだ・・麻痺ガス弾を使え!」

工作員7号の指示に従い襲撃部隊は
今度はガスを使って2人を拘束する
手段を取る事にした

ガルスグレーサー本部から直接暗殺兵器を
届けてくれた上に、そのままムーの末裔に加わり
多くの価値ある情報を与えてくれるスーパー
アドバイザー{セブン}

だが・・その正体は
サイバドックが{死んだスパイ}に成り澄ました
架空の人物だった

ガルスグレーサー本部から送られてきた
もう一人の潜入スパイもサイバドッグ7号の
牙によって既に始末され、

ムーの末裔の目論見は最期の時を
迎えようとしていた
「岩場にいるあの若い男女二人がターゲットだ」

その二人とは・・一人がモデルのように
容姿の美しい美女でもう一人は
その美女に気圧されて見える並の男

それはサイバドッグ隊チーフ
滝川鏡子と、その鏡子に憧れる
戦闘班副隊長の小原正二だった

『任務とはいえ滝川チーフと
こうして恋人役で一緒に行動出来るなんて
最高のラッキーチャンスだよな』

「あー良い天気スッねー」
小原はドキドキしながら横にいる
グラビアから抜け出てきたかと
見間違う美女に語りかけた

「ええ良い天気ですね」
そう返す滝川チーフは
蒼い水着の上にセンスの良い薄手の白い
カーデを羽織り
すらりと伸びた素足にビーチサンダルを
履いている・・

『ヤバイ!ヤバイ!ヤバイ!滅茶緊張する!』
小原にとって生まれて初めて経験する
本気の恋心だった

そしてこの美しい女性は自分が今
一番尊敬し憧れる英雄の大城総隊長を
好きな事は昨日の夜ずっと隣で見て明白に
知っている・・

「滝川チーフってやっぱり
大城隊長が好きなんですか?」
小原にいきなり確信をつかれた鏡子は

「突然何を言い出すの、そんな訳無いでしょ!」
と真っ赤になって否定する
だがその様子はとても小原の言うことが
的外れだとは思えない挙動だった

『やっぱり・・滝川チーフは
大城総隊長の事を・・』

その時だった・・小原は急に目眩を感じ
次の瞬間には滝川鏡子の豊かな胸の谷間に
顔から倒れ込んでいた
ヤバイと思っても止まらなかった

鏡子は突然自分の胸に小原が飛び込んできたので
悲鳴を上げそうになったが小原が完全に
気を失っていたので異変に気が付いた

小原の肩を掴んで起こそうとしたが
鏡子自身も意識が遠のく・・無臭の催眠ガス?
そう思っても抵抗できない眠気に襲われ
暗闇の中に意識が落ちていった。

暗い闇が続きもう何も感じず
自分の状況が解らない
━━━━━━━━━━━━━━━━━━★付箋文★

そして次に鏡子が目を覚ましたとき
人工的な明かりに照らし出された
岩肌とその明かりを背にした男の影があった

「此処はどこなの?」

どうやら其処は洞窟内部の様だった
冷えた空気と湿気そして周りが岩肌が
そう思わせる根拠になる

鏡子の隣では小原が既に目を覚ましていた

「チーフここは敵のアジトです・・
どうやら俺達はまんまと敵に捕まった
みたいですよ」

手を後ろでに拘束されている・・
鏡子は自分達が予定通りに捕まった事を聞いて
逆に落ち着いた、いきなり殺される可能性も
0ではなかった・・

「どうやら目が覚めたようだな
美しいお嬢さん」
敵のリーダーらしき男はそう切り出した

「俺達をどうするつもりだ?」
鏡子を庇うように
小原の質問にシルエットの男は

「君達が大城誠矢の関係者であることは
既に掴んでいる、友人か仕事の同僚か・・
いずれにせよ捕らえられたと知れば
必ず助けに現れるだろう」

やはり狙いは大城総隊長か・・
小原と鏡子は理由は知らないが彼等が
大城誠矢の命を狙う敵だと理解した

「どうして大城総隊長を狙うの?
訳を説明なさい!」
鏡子は誠矢がハヤテ戦闘部隊の総隊長だから
命を狙われるにしてはおかしいと思った

シルエットの男は憎しみの籠もった声で
誠矢の事を語り出す

「お嬢さんには信じられない話だろうが
奴は我等ムーの末裔の不倶戴天の敵・・
アトランテス王国の王族なのだ」

鏡子はこの男が何を言っているか直ぐには
理解できない
『・・大城隊長が・・王族?』

小原などは最初から相手にしてない有様だ
「何言ってるのか解らないけど大城総隊長は
そんなんじゃないぜ!」

影の男はこの反応に笑いながら
「確かに・・2万年も前に滅びた国の
王子だと言われても信じられんだろうな」

『王子・・大城さんが?』
鏡子にとってそれは突拍子のない話に
思えなくなった

『誠矢王子・・何て似合う
呼び方なのかしら・・』(ポッ)

小原はまだ誠矢が王子だと言われても
現実味を感じてない
だがこの影の男が続けて話し始めた
話を聞いて初めて真剣になった

「我々ムーの末裔は大城誠矢以外の王家の血に
連なる家族や親戚を何度も襲撃し殺害してきた
呪われた王家の血を根絶やしにする事が
我等ムーの末裔の悲願なのだ」

『こいつ・・何て言いやがった?
大城総隊長の家族を・・親戚を殺しただと?』

常軌を逸した言葉に鏡子はこの男と
ムーの末裔と名乗る組織に{狂気}を感じた
この男達は既に滅びた王族の血を理由に
大城の家族や親戚を殺したと自供してのだ
そして今も総隊長の命を狙っているという

「そんなの正気じゃない狂ってるわ!」

小原は頭に血が昇り今の状況を忘れ
男に向かって怒声を浴びせる
「お前等!よくも隊長のご家族を手に掛けたな!
総隊長に代わってこの俺が貴様等を
一人残らずぶっ殺してやるぞ!」

男は不気味に笑いながらこう言った
「所詮・・凡人には我等高貴な血の確執や
恩讐など解るまい!」
男はそう言いライトを消すと今度は
宇宙艦らしい乗り物をライティングで照らし
二人に見せた

「仕方ない・・我々の本気を見せてやろう」
その宇宙船からは何やら不気味な音が聞こえてくる

「な・・何をしているのこれは?」
科学の事など良く解らない鏡子でさえ
この宇宙艦が出している異音が
尋常ではない事が解る。

小原は鏡子より、その音の正体を推測できた
『まさか・・この音は』

「どうやら男の方は気づいた様だな」
その男の表情は狂信者の顔そのものであり
恐怖と痛みを和らげる薬を投薬した
麻薬患者の末期にも見える程醜く歪んでいた

「そうだ・・この艦のエンジンは今・・
臨海状態にある・・・このボタンを押せば
その瞬間に大爆発を起こすと言う寸法だ」

宇宙船のエンジンを臨界爆発させれば
核爆弾相当の爆発が起こる
この狂信者達は大城誠矢たった一人を
殺すために核爆発を起こすというのだ。

「やめなさい!そんな事をすれば
あなた達も死ぬのよ!!」

鏡子の言葉も無駄だった
その男の目は明後日の方を向いていて
口から涎を垂らし甘美な表情を浮かべている

「我が命でアトランテス王家の血を
根絶やしに出来るのなら本望だ!」

殉教に身を投じ陶酔しきった狂信者に
何を言っても全くの所無駄だった

その時突然ブラスターの発射音が轟き
狂信者の手首から先が
起爆装置ごと一瞬で消し飛んだ
そして他の狂信者達も次々に
大口径ブラスターの餌食となっていく

最初に撃たれた男は
手首から先の傷口がブラスターの熱で
焼かれたのが幸いし出血せず
ショック状態を逃れた、悪運が強い奴である

人質の二人が注視すると
何もない空間が歪んで奇妙に揺れ動き
大口径ブラスターを抱えた大城誠矢が
遮蔽装置を解除して姿を現した

「待たせたな二人とも」

「大城総隊長!」

遮蔽マント装備のキリングスーツを身に纏う
その凛々しい姿に思わず
鏡子は本物の王子様みたいだと言おうとするが

「超格好いい~」と声を上げる小原正二に
先を越される

鏡子は自分の言いたい台詞を
先に取られた気がして
思わず小原をキツい目で睨んでしまった
ビクッと鏡子の迫力に怖じ気付く小原

そして手首を吹き飛ばされた
敵狂信者の男は残った方の手で
鏡子と小原に向かって銃を
撃ちながら宇宙艦の中に逃げ込んだ

誠矢は目眩撃ちの弾が二人に当たらないように
身を挺して庇うと案の定何発か被弾するが
キリングスーツの防弾性能が防いでくれる
だがその間に敵には逃げられてしまった

「すいません大城総隊長!俺達のせいで」

「すいません・・でもありがとう御座います」

鏡子も申し訳ないと思いながらも
誠矢に救って貰った感謝の言葉を贈るが

「気にするな二人とも無事で良かった」
敵の宇宙艦が稼働音を出して移動を始める
洞窟から脱出するようだ

鏡子はあのスパイが宇宙艦に逃げた目的を察した
「大変です・・敵は宇宙艦のエンジンを
臨界状態で爆発させる気です!!」

起爆スイッチを破壊された敵は
宇宙艦を一端上空に飛ばし
そのまま反転してこの洞窟に体当たりを
する気のようだ

「何て執念深い奴なの!?」
何が何でも大城誠矢を殺そうと言うのか

「奴等が執念深いのは先刻承知だ!」
そして誠矢はレシーバーで誰かと通信する

「だからこっちも頼りになる助っ人を
用意しておいた」
ムーの末裔がガルスグレーサーに助っ人を
頼むなら、こっちは{あの男}に
出動を要請する。

{魔導}転移ゲートより砂浜に突然、
超火力のライガー重戦車が走り出てきた

その重戦車には屈強な戦いの鬼が乗っている
そこに登場したのは
ジャックゴルドーVYライガー戦車隊隊長だ

「サテト・・ココハ地獄ノ一丁目ダゾ
ロックオン・ファイヤー!!」

重戦車が轟音を立てて戦車砲を発砲した
それは見事に空中の宇宙艦に命中すると
臨海に達していたエンジンが突然
飽和状態となり停止する

「な!何故だ!何故止まる!?」

7号からの情報で春吉科学長は事前に
戦車砲の砲弾に{臨界制御剤入り}の
弾頭を用意していた
これは暴走したエンジンを強制停止させる
安全装置と同じ原理だ

「次弾装填!」そして2発目の砲弾は
情け容赦のない実弾砲撃である

「アイムアンド・ファイヤー!」
力を失い失速していた宇宙艦の
コクピットを強力な殺傷力を誇る
152mm砲弾の直撃が直撃し

中にいた狂信者の男が全身を衝撃で
無惨に吹き飛ばされ内蔵を散乱し
血飛沫を捲き散らしながら
バラバラの残骸と化し空中に散華した

宇宙艦はそのまま落下して海面にぶつかると
波飛沫と泡を立てながら水没していく

誠矢達は洞窟から表に出て
遙か先の水平線に白い煙の筋が
昇っていくのを見つめる

「これで総隊長を付け狙うヤバイ連中は
全滅したんでしょうか?」

「そうなら有り難いんだが・・」

小原がそう言うのを聞いた誠矢は
ムーの末裔が自分の正体をバラした事を知った
まあ仕方ない事だ

「大城総隊長は・・本当に王子様なんですか?」
滝川鏡子が頬を赤らめながら真顔でそう聞くので
誠矢も真面目に答える事に

「2万年も前に滅びた国のな・・
まあ俺には厄介ごとでしかない
そのせいで命を狙われる羽目になった」

鏡子はこの凛々しい青年が
亡国の王子だと聞いて益々惹かれていく
自分の気持ちを押さえようとした

それを隣で見ている小原は
鏡子の気持ちが手に取るように解る
『大城総隊長は滝川チーフの
想いに全然気付いてないな』

小原庄司は此から、若いリビドーが
疼く複雑な気持ちを抱えた悩ましく
悶々とした日々が始まる。

___________________

★付箋文★

夜の訪れと共に・・一人の男が
誠矢達が宿泊する男組のバンガローに
訪ねてきた

「今晩は、御免下さい・・大城総戦闘隊長は
いらっしゃるでしょうか?」
野太く無骨な声とこの喋べり方は軍人か?

小原はその声に聞き覚えがある様な気がした
誠矢が出迎えようと腰を上げるのを止めて
「あっ!俺が見てきます、隊長は待ってて下さい」

そう言って席に座って貰う、狂信者に
命を狙われている人だ用心に越したことは
無いだろう、いざとなれば
今度は自分が身を挺して庇うつもりだ

小原は訪ねてきた声の主の顔を
まずは確かめようと
慎重に玄関の戸を開いた

そして相手の顔を見た小原はその人物の顔に
見覚えがある事に気が付く

「あっオマエは!」

顔に目立つ傷のある強面の大男
{横浜で揉めた際に小原を殴った}
あの宇宙戦艦金剛の将校に間違いなかった

その強面は罰の悪そうな感じで
被っていた帽子を脱ぎ小原正二に
まずは詫びた

「自分は戦艦金剛の乗員で鬼瓦と言います
そ・・その節は大変申し訳有りませんでした
知らない事とはいえ・・小原さんに
あんな失礼な態度と・・」

そこで強面の目に涙が湧き出る
「ぼ・・暴力などを振るい・・謝って済むなど
到底思えませんが・・どうかお許し頂たい」
そう言って深々とお辞儀をする

この前とはまるで別人の様なその態度に
小原は戸惑い逆に頭を上げるように鬼瓦に
頼むほどだった、いったいこの男に
何があったのか?

そしてそこに大城誠矢がやってきた
「お前等玄関先で何をやっている
近所迷惑だ、鬼瓦さっさと上がれ!」

「畏まりました大城師範代!」

誠矢にそう言われると鬼瓦は満面の笑みになり
いそいそと靴を脱いで玄関を上がる

『師範代?何があったんだ?』
事情を知らない小原は怪訝な表情になる

その小原の肩をポンと叩き誠矢は
「お前にも事情を話す・・・こいつはもう
事情を知らない赤の他人じゃ無くなったんだ」

鬼瓦は誠矢にそう言われたのを
心の底から喜び誇らしげに肯定した

「そうなんです小原さん自分も
ハヤテ組の末席に加えさせて頂ました」

「はあ?」

ヤクザじゃ有るまいし・・ハヤテ組って何じゃ!?
小原にしてみれば寝耳に水だが・・

この鬼瓦は誠矢の推挙で防衛軍警察の地獄訓練に
参加しそこで(心身)を鍛え直され、遂には
大城総隊長に認められるまでに育ったのだ

「それでハヤテの秘密を教えられたと?」
鬼瓦は顔を赤くして嘆いた

「知らなかったっンス・・
まさかお荷物だと思っていた
ハヤテに地球が救われていたなんて・・」

「それを防衛軍関係者の殆どが知らずに
自分達こそが地球の護り手だと嘘吐いて、
道化そのもの・・自分はそれを知る事が
出来て幸せっす」鬼瓦はそう言って涙を流す

「だが・・そのせいでお前も
危険な目に合うかも知れないぞ」

鬼瓦は「望む所っす」と誠矢に言った
小原は思う、この男も別に悪い人間じゃない
ただ誤解があり衝突したに過ぎないと・・
何も知らない事も不幸だと感じるのだった。

そして鬼瓦は勝艦長に
大至急伝えたい情報があると誠矢に言うと
「勝艦長は別棟のバンガローにおられる
一緒に来い鬼瓦!」

「はい師範代!」と威勢良く応えた。

____________________

★付箋文★

東京湾沖合に10隻の宇宙戦艦が停泊する
表向きは乗員の休養が理由であるが
本当の目的は全く違い
宇宙戦艦金剛の会議室で秘密裏に
10名の艦長達が緊急の決起集会を開いていた。

「諸君!」
宇宙戦艦金剛の金剛艦長が声を張り上げる
その傍らには今や彼の参謀役でもある副長が
控えていた

「今や誉れ高き地球防衛軍は
小田司令長官一派の私物と化した
此を放置しておく事は宇宙よりの
侵略者共に対抗する上で余りに不利」

「まず組織内部の巨悪を処断せねば
我等防衛軍に勝利はないのだ!」

「そうだ!そうだ!」
宇宙戦艦金剛の乗員達は金剛艦長の言葉を
艦内放送で聞きながら艦長の言葉を
傾聴している、その中の特に過激な若者達が
艦長の言葉に同調していた

金剛の会議室ではこの会議のことを
知らずに参加した艦長達も集っていた

「このような集まりとは聞いていないぞ」

「金剛艦長はどうしてしまったんだ?」

事情を知らされず偽りの会議に出席させられた
艦長達は困惑の色を隠せない
その艦長達の様子に金剛艦長は咳を一つして
今回の事をまずは詫びた

「失礼・・いきなりこんな話を聞かされ
艦長諸君には寝耳に水だったな・・だがだ」

金剛艦長はこうするしか他に方法が
無かったと胸を張った
「諸君等はあの最新鋭鑑の事をどう思う?」

他の艦長は何を当たり前のことを聞くのかと
訝しんだ「・・何ってそれは」

「神風型宇宙駆逐艦ハヤテですな」

「最新鋭と言っても戦力としては期待できない」

「あと・・あの勝さんが艦長を務めている」

「まあ・・かの大英雄には相応しくない
待遇ではあるがな・・」

その答えこそはまさしく
金剛艦長の求めていた回答である

「その通りだ、だから私も彼に
勝流水の能力を惜しみ小田指令に直訴も
辞さない覚悟だと示した!」

それを聞いて他の艦長達も興味を持つ

「それはそうだな・・
異星人の侵略を受けている
この緊急時に彼を駆逐艦の艦長などで
遊ばせて置くなど愚の骨頂だ」
そういって彼は口を慎んだ

「ああ・・此は別に駆逐艦の艦長職を
決して軽んじている訳ではなく」
金剛艦長もそこはフォーローを入れる

「むろん私も其処の所は誤解されたくない
あくまで適材適所の話をしたいだけだ」
だが結局は言っている意味は同じである

元駆逐艦の艦長だった人物も
この場には居るのだ

「それよりも重大な話がある・・それを勝流水
本人に話しても全く相手にされないと言う
不可解な事実を」

此を聞いた艦長達は俄にザワツいた
確かに不自然に感じたからだ
「それは可笑しい・・この人事は
明らかに不適切なものだ・・
抗議くらい申し出ても罰は当たらなく思うが」

金剛艦長はさらに畳み掛ける
「これは有る筋から聞いた話なのだが・・
勝流水と小田司令は幼なじみであり
旧知の仲として今も交流があるらしいのだ」

艦長達は互いの顔を見やり
「・・知っていたか?」

「まあ・・噂程度には」

「だがそれなら益々・・
不当人事の説明が付かなくなるな」

何かの懲罰かとも思われていたが
等と意見を交わした

そこで頃合いを見計らった所で金剛艦長は
副長に指示を出し後ろの電子ボードに
ハヤテから提示された軍事物資の資料を写し出す

「見ての通りハヤテの補給物資や
武器弾薬の補充量も常軌を逸している」

「その量は実に金剛の3倍強であるのだ!」

艦長連はさすがに動揺した
「此は確かに・・駆逐艦の物量ではないな・・
一度監査に報告するべきだろう」

「監査には既に報告を入れました」
金剛艦長参謀役の副長が話に割り込んで来た

このような出娑ばりは艦長連には好まれない
其れが解っている金剛は副長の失礼を詫び
「確かに監査には報告を入れた・・だが・・
問題なしと言う調査結果を聞かされただけだった」

艦長連の一人は
「監査が調査して問題が出なかったと言うことは
ハヤテに問題はないと言う事では?」

「確かに・・だがそれだと物資が何処に
消えたかが問題になる!」

「此は何処かに保管するだけでも相当な
場所が必要になる筈だ」

「それを発見出来ないのだから監査も
問題無しという結論に成ったんだろう」

艦長達の意見は概ね監査が問題なしと
言うならそれを尊重すると言う流れだ・・

金剛艦長は予想の流れに此処で一石を投じる
「それはそうと・・私は諸君等にどうしても
聞いて貰いたい事があるのだ・・」

勿体ぶった言い様に少々じれて
言いたい事があるなら早く言えと催促されて
「それではと・・」おもむろに火星の件を
金剛艦長は持ち出した

「火星か・・」

艦長達も火星が陥落したのは知っていた
だが・・その時・・司令本部が
自分達に火星の援軍に向かうように
指示を出さなかった事も知っている

金剛艦長は拳を握りしめ声を震わせた
「多くの人々が住む火星コロニー
彼等民間人の多大な労力と100年の
時間を有して・・やっと叶えた人類第二の故郷」

金剛の艦長は力説する

「それを異星人などに侵略されて
どれほど彼等が無念であった事か
その屈辱と悲しみは筆舌に尽くし難い!」

この言葉に目を閉じ悔しさに
涙ぐむ艦長も居た・・侵略者に対する
怒りが沸々と沸いてくる

それと同時に・・司令部に対する
焦れったさも感じていた

「火星市民が無事に避難できたことが
大きく報道され過ぎ・・問題に成らなかった
事実がある」金剛艦長の言葉に熱が籠もる

「敵の襲来時に火星に送った援軍が
たった一隻の艦艇であった事が
火星市民の証言で明らかになった」

「確か我々への司令部の説明は
地球の防備を固める為に防衛艦隊は
全艦地球防衛任務に当たるように
と言う指示だった筈だな・・」

「なのに一隻だけを火星に?」

「其れに一体何の意味がある?」

「その一隻とはどの戦艦が?」

最後の質問に答えるように
金剛艦長はおもむろにその名を出す

「その艦とは・・神風型宇宙駆逐艦ハヤテだ」

それを聞いた艦長達の最初の第一声が
 
「馬鹿な!」 だった

「駆逐艦一隻だけ送って何に成るというのだ!?」

「意味がない!敵は大艦隊なんだぞ!」

それが戦艦乗りなら当たり前の意見だろう
例えどれほどの強い戦艦でも
只の一隻で艦隊を相手に勝てる可能性は
限りなく0に近い

まして新鋭艦とはいえハヤテは駆逐艦
・・話にもならないのだ!

「司令部はどうかしている、ハヤテ一隻を
送って何に成るというのか!?」

金剛艦長はここぞとばかりに攻勢に出た
だがそれを聞いて違う疑問を抱いた艦長もいる
宇宙巡洋艦雷光の陣代艦長である

『いや・・待てよ・・敵ガルスグレーサーは
どうしてハヤテを見逃したのだ?
駆逐艦一隻など艦隊ならそれこそ一捻りだろうに』

『第一・・火星市民の脱出を
許した訳が分からない・・』

『此は何かあるな・・』

そのように雷光の陣代艦長が思考していると
{総司令部}より緊急の召集命令が掛かる

<太陽系防衛隊艦隊全艦に告ぐ!
明後日{火星奪還作戦}を発令>

<繰り返す!明日明後日
火星奪還作戦を発令!>

「!?」 艦長連は無論のこと
金剛艦長も、この放送に絶句した

「火星奪還作戦!?」

「地球の防備を捨てて火星を?
それを総司令部が決定したというのか!?」

「おい!どう言うことだ副長!絶対に
それはないと言っていたではないか!?」
金剛艦長は今や参謀でもある副長を問いただす

「いえ・・こんな筈は・・
確かに根回しは・・出来て・・」

金剛艦長は怒り心頭である
弱腰の司令部が頼りにならないのを理由に
小田司令の失脚と言う目論見が・・・
此では話が違う!

腹心の部下であり知恵袋となった
参謀役の副長を苛立ちに満ちた目で睨む金剛艦長
副長は顔を黒い影で半分覆われながら

「情報と違う・・何かの手違いか?」
等とブツブツと呟いている

「何はともあれこうしてはいられなくなった
本日の話は此処までとしていただこう」

艦長達は慌ただしい様子で引き上げ始める
そっれを見て慌てて止めに入る金剛艦長

「待って下くれ!まだ話は・・・」

その言葉に耳を貸す者は居ない
ゾロゾロと会議室を後にして出ていく

宇宙巡洋艦雷光の陣代艦長が
壁に背を預け腕を組みながら
なにやら呟いている副長と
うなだれる金剛艦長を一瞥し
二人を残して最後に出て行った。

_____________________

この作戦は火星が敵に襲われた日から
綿密に立てられた作戦だった
火星コロニーは人類の夢・・第二の故郷

あの時は
敵にとっては手に入らなくても惜しくはない
場所であり火星市民の命も戦闘になれば
どうなっていたか解らない
地球側が圧倒的に不利な状況だった

火星コロニーを破壊されず市民の命も
救う事・・それが最重要だったのである
そう小田司令は太陽系防衛宇宙艦隊の
艦長達に布告した

「成る程な得心がいった
・・全ては火星市民の生命財産を
守るために取った行動だったわけだ」

常識的に考えて特査が入って問題なしと言う
結果が出ればもうそれで疑う余地はない
小田司令はやはり潔白だ、それでも火星の件
に関しては疑問が多かった

宇宙巡洋艦雷光の陣代艦長は
小田司令の慧眼に感服した、それで
ハヤテを火星に送ったのか・・
駆逐艦一隻ならメッセンジャーとして
敵を刺激しないだろうし・・

敵も出来れば無傷でコロニー施設を
手にしたかったと考えれば辻褄が合う
陣代艦長はこれで火星コロニーを
無傷で取り戻せば結果的には
防衛の積任は果たせると考える

市民が帰れる故郷を無傷で取り戻す・・
それが一番重要な防衛目標なのだ。

__________________



次回
火星奪還作戦に続く

to be continued.
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現在の日本、ある地方大学の大学院生のPCが化けた! あらゆる質問に出してくるとんでもなくスマートで完璧な答え。この化けたPC“マドンナ”を使って、彼、誠司は核融合発電、超バッテリーとモーターによるあらゆるエンジンの電動化への変換、重力エンジン・レールガンの開発・実用化などを通じて日本の経済・政治状況及び国際的な立場を変革していく。 さらに、こうしたさまざまな変革を通じて、日本が主導する地球防衛軍は、巨大な星間帝国の侵略を跳ね返すことに成功する。その結果、地球人類はその星間帝国の圧政にあえいでいた多数の歴史ある星間国家の指導的立場になっていくことになる。 この中で、自らの進化の必要性を悟った人類は、地球連邦を成立させ、知能の向上、他星系への植民を含む地球人類全体の経済の底上げと格差の是正を進める。 さらには、マドンナと誠司を擁する地球連邦は、銀河全体の生物に迫る危機の解明、撃退法の構築、撃退を主導し、銀河のなかに確固たる地位を築いていくことになる。

百合ランジェリーカフェにようこそ!

楠富 つかさ
青春
 主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?  ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!! ※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。 表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。

リボーン&リライフ

廣瀬純七
SF
性別を変えて過去に戻って人生をやり直す男の話

ビキニに恋した男

廣瀬純七
SF
ビキニを着たい男がビキニが似合う女性の体になる話

性別交換ノート

廣瀬純七
ファンタジー
性別を交換できるノートを手に入れた高校生の山本渚の物語

あるフィギュアスケーターの性事情

蔵屋
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この小説はフィクションです。 しかし、そのようなことが現実にあったかもしれません。 何故ならどんな人間も、悪魔や邪神や悪神に憑依された偽善者なのですから。 この物語は浅岡結衣(16才)とそのコーチ(25才)の恋の物語。 そのコーチの名前は高木文哉(25才)という。 この物語はフィクションです。 実在の人物、団体等とは、一切関係がありません。

まなの秘密日記

到冠
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胸の大きな〇学生の一日を描いた物語です。

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