少年少女剣客隊

渋谷かな

文字の大きさ
上 下
31 / 53

15の災い。その15

しおりを挟む
「ねえねえ、ペリー。」
「なに? ちいちゃん。」
「惜しいわね。少年少女剣客隊でなく、現代ドラマの災い高校の文芸部とかで、実写化のドラマや映画化を狙えるレベルね。」
「そうなれば、ウケるなら女子高、男子高。狙うなら驚愕の恋愛モノ。別々から合同が鉄板ね。」
「全ての原因が、意外に掛け合い漫才が書けてしまった、ということね。」
「フッフッフ。怖い、自分の才能が怖い!」
「ペリー、キャラ違いすぎ。」
「おにぎりはあげないよ!?」
「いらんわ!」
「それにしても楓は、毎回、登場する時はおにぎりを食べながら登場するけど、そのお米はどこで手に入れるのよ?」
「闇市!」
「じゃあ!? そのおにぎりはヤミ米!?」
「バレたからには生かしては置けない。ヒッヒッヒ。」
「やめい。梅干しやるから。」
「はい。梅干し頂戴。」
「認めよう。私たちは災いだ。」
「潔いな。」
「おまえとは違うのだ。」
「キャン~。」
「ということで、ポイントは、少年少女剣客隊は災いとして、自分たちが悪い事をするのか、私たちが災いを倒すのか、のどちらかだ!」
「私たちが、ヤンキー、ギャル、この世の落ちこぼれになるか、既定路線通り、正義のヒーローで逃げ切るかだな。」
「よくそんな穿った見方ができるな。」
「生まれつきだ。気にするな。」
「近づかないよ。」
「現在11話投稿で約2万字。今が31話。最低1話が1500字以上に設定しているから、最悪5万字は超えているだろう。」
「それで何字か分からないから、急遽、投稿数を増やしているのか。」
「その通り。10万字でいいなら、もう大きなストーリーは無理だ。」
「それなら、徳川15将軍の額にお札を貼って、クライマックスにするか?」
「僕のご先祖様は、キョンシーか!?」
「違うのか?」
「違うわい!」
「それは知らなかった。」
「謝らんのかい!?」
「え? どうして私が謝る必要があるの?」
「とぼけるな!」
「エヘッ。」
「かわい子ぶるな!」
「まあまあ、ちいも家々も抑えて抑えて。そうしないと話が進まないよ。」
「仕方がないな。抑えてやろう。」
「おまえが原因だろうが! 大砲をぶち込むわよ!」
「ペリーも抑えて!? 怒りを鎮めるんだ!? 楓! おまえもペリーを抑えろ!」
「食事中です。」
「私も食べています。」
「まだ食ってたのか。」
 楓と実朝がおにぎりを食べて続けているのを見て、呆れて怒りが静まる家々、ちい、ペリー。
「何を騒いでるの? 席に着きなさい。」
「桜先生だ!?」
 子供たちが騒いでいると、桜先生が教室にやって来た。
「最近、最初にやることを打ち上げて、中身は脱線、でも終わる頃には、やることが終わっているというのが世の中のパターンね。」
「桜先生はどこで世の中の情報をゲットしてくるのだろう?」
「幽霊ネットワークよ。」
「私も幽霊なので、幽霊ネットワークは知ってますよ。今月のインタビューはは、甦った徳川15将軍! 代表の徳川家康さん! なんてね。」
「ご先祖様だ!? いつの間に瓦版の取材を!?」
「決めた! やっぱり徳川15将軍を一人残らず封印して、少年少女剣客隊は有終の美を飾るわ!」
「そうよ! 私たちが、こんなに苦労しているのに、調子に乗って楽しそうにしてるのが許せない!」
「ご先祖様! お命覚悟! 封印させてもらいます!」
「あ、ご先祖様に逆らった。」
「言ってやろう。あなたたちの末裔がご先祖様に不届きな発言をしましたよって。」
「チクらないで!? 今の発言は無しにして!?」
「いいぞ。いくら払う?」
「金を取るのか!?」
「当然だ。友達プライスにしておいてやるぜ。」
「ほう、良かった、友達で・・・ってなるか!?」
「なら米俵なら何俵出せる?」
「今度は米を取るのか!?」
「楓!? あなたはおにぎりを食べてたんでしょ?」
「もらえる米はもらっとかないとね。キラ~ン。」
「ちゃっかりしてるわね。」
「僕にとって、おまえたちは災いだ!」
「ありがとう。誉め言葉と受け取っておくよ。」
「誰も褒めてない!?」
「大変だ!」
 そこに一人の男が大声で叫びながらやって来る。
「どうしたの?」
「寺子屋の倉庫の備蓄米が、全部無くなっているだ!?」
「なんですって!? ギロ。」
「みんな、どうして私を見るの?」
「楓、おまえがずっと何話も何話もおにぎりを食べ続けていたお米は、どこのお米だ?」
「ギク!?」
「おまえ、寺子屋のお米に手を出したな! 許さんぞ!」
「違うもん!? 楓は、実朝くんからおにぎりをもらっただけだもの!?」
「なに!? ギロ。」
「いけない。そろそろお家に帰らなくっちゃ。お母様が心配しちゃう。さよなら!」
「待て! 逃げるな!」
「待てと言われて、待つ幽霊はいない!?」
「捕まえたら殺してやる!」
「大砲をぶち込む! ドカーン!」
「お腹空いた。」
「これでいいのだろうか?」
「これでいいのよ。これで楓の食べているお米は、寺子屋の倉庫から実朝くんがパクっていたって分かったんだから。これが最初に打ち上げ、中、脱線。最後に解決して、ちゃんと物語も進み、今日という素敵な一日が終わるのよ。」
「桜先生、寺子屋の米が盗まれたんですよ? 放置していていいんですか?」
「いいのよ。食べたのは、妹の楓。盗んだのが未来の旦那の実朝くん。実朝くんのお父さんは警察の隊長の源頼朝さん。頼朝さんの部下が私の旦那の蛍。警察に訴えることはできないの。カッカッカ!」
 勝ち誇る桜先生であった。
「コネ社会かよ!? オエーッ。」
 今日も窃盗事件はゼロの、平和な世の中だった。
 つづく。
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

GAME CHANGER 日本帝国1945からの逆襲

俊也
歴史・時代
時は1945年3月、敗色濃厚の日本軍。 今まさに沖縄に侵攻せんとする圧倒的戦力のアメリカ陸海軍を前に、日本の指導者達は若者達による航空機の自爆攻撃…特攻 で事態を打開しようとしていた。 「バカかお前ら、本当に戦争に勝つ気があるのか!?」 その男はただの学徒兵にも関わらず、平然とそう言い放ち特攻出撃を拒否した。 当初は困惑し怒り狂う日本海軍上層部であったが…!? 姉妹作「新訳 零戦戦記」共々宜しくお願い致します。 共に 第8回歴史時代小説参加しました!

寝室から喘ぎ声が聞こえてきて震える私・・・ベッドの上で激しく絡む浮気女に復讐したい

白崎アイド
大衆娯楽
カチャッ。 私は静かに玄関のドアを開けて、足音を立てずに夫が寝ている寝室に向かって入っていく。 「あの人、私が

父(とと)さん 母(かか)さん 求めたし

佐倉 蘭
歴史・時代
★第10回歴史・時代小説大賞 奨励賞受賞★ ある日、丑丸(うしまる)の父親が流行病でこの世を去った。 貧乏裏店(長屋)暮らしゆえ、家守(大家)のツケでなんとか弔いを終えたと思いきや…… 脱藩浪人だった父親が江戸に出てきてから知り合い夫婦(めおと)となった母親が、裏店の連中がなけなしの金を叩いて出し合った線香代(香典)をすべて持って夜逃げした。 齢八つにして丑丸はたった一人、無一文で残された—— ※「今宵は遣らずの雨」 「大江戸ロミオ&ジュリエット」「大江戸シンデレラ」にうっすらと関連したお話ですが単独でお読みいただけます。

勝負に勝ったので委員長におっぱいを見せてもらった

矢木羽研
青春
優等生の委員長と「勝ったほうが言うことを聞く」という賭けをしたので、「おっぱい見せて」と頼んでみたら……青春寸止めストーリー。

椿散る時

和之
歴史・時代
長州の女と新撰組隊士の恋に沖田の剣が決着をつける。

妻がヌードモデルになる日

矢木羽研
大衆娯楽
男性画家のヌードモデルになりたい。妻にそう切り出された夫の動揺と受容を書いてみました。

エロ・ファンタジー

フルーツパフェ
大衆娯楽
 物事は上手くいかない。  それは異世界でも同じこと。  夢と好奇心に溢れる異世界の少女達は、恥辱に塗れた現実を味わうことになる。

江戸の検屍ばか

崎田毅駿
歴史・時代
江戸時代半ばに、中国から日本に一冊の法医学書が入って来た。『無冤録述』と訳題の付いたその書物の知識・知見に、奉行所同心の堀馬佐鹿は魅了され、瞬く間に身に付けた。今や江戸で一、二を争う検屍の名手として、その名前から検屍馬鹿と言われるほど。そんな堀馬は人の死が絡む事件をいかにして解き明かしていくのか。

処理中です...