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2章 クリスタル族の虹色研究
26話 容疑者D【前編】
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『加工した結晶石がぜんぶ消えてるんだ!』
赤い光が点滅するグリーンの報告を受け、彼らクリスタル族が結晶石を貯めている洞窟――始祖の間の奥にあるの小部屋へ向かうと。
『……確かになくなっているな』
パープル博士の言葉を皮切りに、色とりどりのクリスタルたちは次々と落胆や驚愕を紡ぎはじめた。彼らが何日もかけて貯めた商品を持ち去られたのだから、この騒ぎも仕方がない。
「僕が元の姿で寝てた部屋……確かに今朝までは、大量の結晶石が積んであったよ」
石は出荷直前まで丁寧に加工されたものだった――ドラグは首を傾げている。やはりあの量の石を持ち去る方法が謎なのだろう。
ドラグが始祖のにいる私に気づいて出てきてくれたのが、正午前。実験が終了したのは、おそらく正午過ぎ。その間1時間もあっただろうか。
「実験終了直後に黒のクリスタル……ブラックが消えましたが。どなたかブラックの行方を存じている方はいらっしゃいませんか?」
混乱の声に負けないよう、疑問を響かせると。波を打ったように静まったクリスタルたちは、口々に彼女を庇いはじめた。
『ブラックを疑っているの? どうして採掘場の現場監督が、石を盗む必要があるのさ』
『何より彼女はクリスタル族だ! 仲間だぞ?』
クリスタルたちの主張はもっともだ。
先ほどから考え込んでいる隣の夫を見上げると、「でも」とこちらにしか聞こえないよう呟いた。
「犯人は、大量の結晶石を盗んでどうするつもりなんだろう……」
「たしかに、その通りですわね」
目的が分かれば犯人像は見えてくる。結晶石を売ってお金にするつもりなのか、はたまた自分の商売に利用するつもりなのか――もし仮に挙動の怪しかったブラックが持ち出したとしたら、何に使う気なのだろう。
頭を捻りすぎて、後ろに倒れそうなほどのけ反っていると。
「あっ、危ない……!」
突然ドラグに身体を倒され、何事かと思えば。こんな洞窟の中に、見覚えのあり過ぎる炎の矢が刺さっていた。
「これは監査官の……?」
「もうっ! 毎回毎回どこにいるのです!?」
自分の怒声が響き渡っただけで、誰の返事もない。ここまでくると、あの「チビどら」に四六時中付けられているのではないかと疑ってしまう。
「まったく、今回は何の用ですの?」
いかにも渋々といった風に、炎の消えた矢から手紙をとると。
新エネルギー実験の成功:プラス10点
結晶石盗難事件:マイナス20点
現在の評価:0点
「ゼロ……って」
唇を震わせるドラグを見上げたまま、声が出なくなった。
まさか、なけなしの10点がとうとうゼロになるとは――。
「『ひとつのことに集中し過ぎず、より広い視野で領内を視ること』……」
今回ばかりは、文句の言いようがない。領地査定の点数を上げようと躍起になって、新エネルギー実験にばかり精を出していたことは事実だ。
「……このままだとウチ、国に領地を没収されるってこと?」
あまりの衝撃に、返事ができないでいると。ふと、好意も敵意もない視線が頬に刺さるのを感じた。
「……あれは?」
岩場の影に見えるのは、ドラゴン特有のねじれた青いツノ。忍び足で近づいていくと、七色に輝く始祖を見上げる、細身の竜人が立っていた。
「ボロネロ……どうしてここに?」
ドラグの問いかけにも、ボロネロは振り向かない。ドラグの前妻であるゲルダの現夫、という複雑な立場にある彼が、なぜこんなところにいるのか――ようやく翡翠色の瞳をこちらへ向けたボロネロは、「あっ」と声を上げて洞窟から逃げ去った。
「待ちなさい!」
足の速いボロネロには、さすがのドラグも追いつかない――が。相変わらずの彼は、博士のヘンテコ実験器具に見惚れ、テントの前で足を止めていた。
「さっ、さぁ、説明していただきますわよ。どうして貴方がここに?」
息を切らしながら尋ねると、ボロネロは涼しい顔でこちらを振り向いた。
「機械、面白い。後妻、見て」
「……はぁ。どうせゲルダの命令で、私たちを見張っていたのでしょう?」
先日ノームの攻撃でロードンが傷を負ったこともあり、ただでは済まない様子だったゲルダ――きっと自分たちの動向を、ボロネロに見張らせているに違いない。
「もしかして、結晶石を盗んだのはあなたたち?」
シンシアのブナ・カフェで孫娘を人質に取り、脅迫を行っていた彼らのことだ。また集金と称して、強引な手段をとっているかもしれない。それに飛行できる竜たちならば、短時間で結晶石を持ち去ることも不可能ではないだろう。
しかしボロネロはいつもの調子のまま、「分からない」と即答した。
「やっぱり、後妻小さい」
本当に彼の脳内はどうなっているのか――私の頭が自分の胸あたりに来ることを手で測って確かめ、深青の瞳をかすかに細めた。
「ぐっ……!」
ボロネロが推しではなくて助かった。
もし彼のファンがこの稀に見る笑顔を至近距離で目撃していたら、心肺停止は免れなかっただろう。
「あっ、あんまり近寄らないで……」
こちらを隠すように前へ進み出たドラグの表情は、ゲルダやロードンを前にした時と違う。明らかな敵意を向けてくるわけでもないボロネロに対しては、恐怖心がないのだろうか――2人は真っ直ぐに視線を交わしている。
「ゲルダの考えてること、確かめたいなら来る?」
ボロネロに案内され、たどり着いたのは竜人族が本来暮らしていた灰色の崖地――竜の巣だ。途中まで「危険すぎる」とかなり渋っていたドラグも、ここまで来て諦めたらしい。
「し、シオンには大きく分けて4つのエリアがある……って話したっけ?」
各地の名前から地形的特徴まで当然把握している――とはいえない。「いえ、まだです」と微笑めば、ドラグは気を紛らわすかのように解説してくれた。ここは竜族だけが住む崖地帯だと。
まだこんなにも竜が残っているのか――ドラグが竜の姿になった時ほどの大きさはないが、数多くの竜が切り立つ崖の周りを飛び交っている。
「はぐれたら、人間はうっかり捕食されそうですわね」
「はっ、はは……まさか」
黙々と進むボロネロに続いていなければ、この恐ろしくも壮大な光景に足を止めていたところだ。
金色の瞳を鋭く光らせる竜たちを眺めていると、こちらへ何体かの小さな竜が飛来した。
『見ろよお前ら、「坊ちゃん」だ』
『引きこもりの臆病竜か。小さな番も一緒だよ』
ドラグは必死に顔を隠しているが、彼らは次から次へと集まってくる。
「何ですの? この失礼な方たちは」
「親父殿の代でグロウサリア家に仕えてた竜たち……僕の代になった途端、見捨てられたんだ」
ドラグの尻尾が震えている。そんな辛い過去を自ら話すのに、どれほどの勇気を振り絞ってくれたことか――本当はこの地へ足を踏み入れるのだって、相当な覚悟をしてくれたはずだ。
「行きましょう。『力がすべて』のシオン領は過去のお話ですから」
家を出た竜たちが、どれほどドラグを罵ろうと関係ない。さっさとボロネロの後へ続こうとすると。
『無用な文明により衰退した地が、お前のような脆弱な血族を生み出したのだ!』
それはドラグのことを言っているのか――これ以上は無視できない。
赤い光が点滅するグリーンの報告を受け、彼らクリスタル族が結晶石を貯めている洞窟――始祖の間の奥にあるの小部屋へ向かうと。
『……確かになくなっているな』
パープル博士の言葉を皮切りに、色とりどりのクリスタルたちは次々と落胆や驚愕を紡ぎはじめた。彼らが何日もかけて貯めた商品を持ち去られたのだから、この騒ぎも仕方がない。
「僕が元の姿で寝てた部屋……確かに今朝までは、大量の結晶石が積んであったよ」
石は出荷直前まで丁寧に加工されたものだった――ドラグは首を傾げている。やはりあの量の石を持ち去る方法が謎なのだろう。
ドラグが始祖のにいる私に気づいて出てきてくれたのが、正午前。実験が終了したのは、おそらく正午過ぎ。その間1時間もあっただろうか。
「実験終了直後に黒のクリスタル……ブラックが消えましたが。どなたかブラックの行方を存じている方はいらっしゃいませんか?」
混乱の声に負けないよう、疑問を響かせると。波を打ったように静まったクリスタルたちは、口々に彼女を庇いはじめた。
『ブラックを疑っているの? どうして採掘場の現場監督が、石を盗む必要があるのさ』
『何より彼女はクリスタル族だ! 仲間だぞ?』
クリスタルたちの主張はもっともだ。
先ほどから考え込んでいる隣の夫を見上げると、「でも」とこちらにしか聞こえないよう呟いた。
「犯人は、大量の結晶石を盗んでどうするつもりなんだろう……」
「たしかに、その通りですわね」
目的が分かれば犯人像は見えてくる。結晶石を売ってお金にするつもりなのか、はたまた自分の商売に利用するつもりなのか――もし仮に挙動の怪しかったブラックが持ち出したとしたら、何に使う気なのだろう。
頭を捻りすぎて、後ろに倒れそうなほどのけ反っていると。
「あっ、危ない……!」
突然ドラグに身体を倒され、何事かと思えば。こんな洞窟の中に、見覚えのあり過ぎる炎の矢が刺さっていた。
「これは監査官の……?」
「もうっ! 毎回毎回どこにいるのです!?」
自分の怒声が響き渡っただけで、誰の返事もない。ここまでくると、あの「チビどら」に四六時中付けられているのではないかと疑ってしまう。
「まったく、今回は何の用ですの?」
いかにも渋々といった風に、炎の消えた矢から手紙をとると。
新エネルギー実験の成功:プラス10点
結晶石盗難事件:マイナス20点
現在の評価:0点
「ゼロ……って」
唇を震わせるドラグを見上げたまま、声が出なくなった。
まさか、なけなしの10点がとうとうゼロになるとは――。
「『ひとつのことに集中し過ぎず、より広い視野で領内を視ること』……」
今回ばかりは、文句の言いようがない。領地査定の点数を上げようと躍起になって、新エネルギー実験にばかり精を出していたことは事実だ。
「……このままだとウチ、国に領地を没収されるってこと?」
あまりの衝撃に、返事ができないでいると。ふと、好意も敵意もない視線が頬に刺さるのを感じた。
「……あれは?」
岩場の影に見えるのは、ドラゴン特有のねじれた青いツノ。忍び足で近づいていくと、七色に輝く始祖を見上げる、細身の竜人が立っていた。
「ボロネロ……どうしてここに?」
ドラグの問いかけにも、ボロネロは振り向かない。ドラグの前妻であるゲルダの現夫、という複雑な立場にある彼が、なぜこんなところにいるのか――ようやく翡翠色の瞳をこちらへ向けたボロネロは、「あっ」と声を上げて洞窟から逃げ去った。
「待ちなさい!」
足の速いボロネロには、さすがのドラグも追いつかない――が。相変わらずの彼は、博士のヘンテコ実験器具に見惚れ、テントの前で足を止めていた。
「さっ、さぁ、説明していただきますわよ。どうして貴方がここに?」
息を切らしながら尋ねると、ボロネロは涼しい顔でこちらを振り向いた。
「機械、面白い。後妻、見て」
「……はぁ。どうせゲルダの命令で、私たちを見張っていたのでしょう?」
先日ノームの攻撃でロードンが傷を負ったこともあり、ただでは済まない様子だったゲルダ――きっと自分たちの動向を、ボロネロに見張らせているに違いない。
「もしかして、結晶石を盗んだのはあなたたち?」
シンシアのブナ・カフェで孫娘を人質に取り、脅迫を行っていた彼らのことだ。また集金と称して、強引な手段をとっているかもしれない。それに飛行できる竜たちならば、短時間で結晶石を持ち去ることも不可能ではないだろう。
しかしボロネロはいつもの調子のまま、「分からない」と即答した。
「やっぱり、後妻小さい」
本当に彼の脳内はどうなっているのか――私の頭が自分の胸あたりに来ることを手で測って確かめ、深青の瞳をかすかに細めた。
「ぐっ……!」
ボロネロが推しではなくて助かった。
もし彼のファンがこの稀に見る笑顔を至近距離で目撃していたら、心肺停止は免れなかっただろう。
「あっ、あんまり近寄らないで……」
こちらを隠すように前へ進み出たドラグの表情は、ゲルダやロードンを前にした時と違う。明らかな敵意を向けてくるわけでもないボロネロに対しては、恐怖心がないのだろうか――2人は真っ直ぐに視線を交わしている。
「ゲルダの考えてること、確かめたいなら来る?」
ボロネロに案内され、たどり着いたのは竜人族が本来暮らしていた灰色の崖地――竜の巣だ。途中まで「危険すぎる」とかなり渋っていたドラグも、ここまで来て諦めたらしい。
「し、シオンには大きく分けて4つのエリアがある……って話したっけ?」
各地の名前から地形的特徴まで当然把握している――とはいえない。「いえ、まだです」と微笑めば、ドラグは気を紛らわすかのように解説してくれた。ここは竜族だけが住む崖地帯だと。
まだこんなにも竜が残っているのか――ドラグが竜の姿になった時ほどの大きさはないが、数多くの竜が切り立つ崖の周りを飛び交っている。
「はぐれたら、人間はうっかり捕食されそうですわね」
「はっ、はは……まさか」
黙々と進むボロネロに続いていなければ、この恐ろしくも壮大な光景に足を止めていたところだ。
金色の瞳を鋭く光らせる竜たちを眺めていると、こちらへ何体かの小さな竜が飛来した。
『見ろよお前ら、「坊ちゃん」だ』
『引きこもりの臆病竜か。小さな番も一緒だよ』
ドラグは必死に顔を隠しているが、彼らは次から次へと集まってくる。
「何ですの? この失礼な方たちは」
「親父殿の代でグロウサリア家に仕えてた竜たち……僕の代になった途端、見捨てられたんだ」
ドラグの尻尾が震えている。そんな辛い過去を自ら話すのに、どれほどの勇気を振り絞ってくれたことか――本当はこの地へ足を踏み入れるのだって、相当な覚悟をしてくれたはずだ。
「行きましょう。『力がすべて』のシオン領は過去のお話ですから」
家を出た竜たちが、どれほどドラグを罵ろうと関係ない。さっさとボロネロの後へ続こうとすると。
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