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(謙一視点)

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 俺の我儘に付き合ってくれている麻衣が、ほんわり笑って「私、わがままですよ」なんていうから──可愛すぎて匂いをかいだ。変質的すぎるかもしれない。でも可愛すぎた。本当に。

 唐突に「墓参りにいきたい」なんて言い出した俺に、麻衣は文句も言わずについてきてくれた。
 少しひんやりとした指先を包み込むように手を繋いで、町屋の合間の石畳を進む。
 生まれ育ったこの街に、麻衣がいる。どこか現実感がなくて、ふわふわした。
 そうして、風花に包まれて両親に──冷たい雪の下にある、軽くなってしまった骨を思い出す──麻衣を紹介した。
 婚約者とは、いえなかった。
 両親に、嘘をつくような気がして。

 けれど。

「好きですよ」

 麻衣の唇が、信じられない言葉を紡ぐ。
 きらきらと散る風花。金色に染まりつつある世界。麻衣の虹彩が黄金きんに染まっている。瞳が潤む。
 綺麗だと、素直に思った。
 その色彩は網膜に灼き付きついて──きっと死ぬまで、忘れることはないだろう。

「っ、ぁ、……んっ」

 宿泊する旅館の部屋についてすぐ、麻衣を抱き寄せて腕の中に閉じ込める。そうして唇をこじ開けて舌をねじ込んで──、麻衣が欲しくて仕方なかった。
 寝室にさっさと連れ込む。和風の部屋だけれど、低めのベッドがふたつ設置してある。
 ベッドの上であぐらをかいて、膝の上に麻衣を乗せて。
 後ろ向きに抱きしめて、服をたくし上げて可愛らしく主張している乳首を摘む。中央を爪先で弄ると、麻衣の身体がびくんと跳ねた。

「は、ぁ……っ」
「麻衣」

 少し痛いように弄るほうが感じるらしい麻衣が可愛くて、その耳殻を軽く食んだ。

「んっ」

 耳殻はひどく熱かった。手のひらで乳房を包み込んで揺らすように強く揉みあげる。

「ぁ、あぁっ、やっ、そんなふうに、しないで……っ」

 トロトロの声でそんなことを言われても、と心の中で苦笑する。耳殻をちゅっ、と吸ったあと、耳元で聞いてみる。

「どんなふうに? こんなふうに?」

 両手で左右の乳房を、同じように揉む。

「ひゃ、ぁ……んっ、やっ、だめっ、だめ……」

 両膝を擦り付けて、快感に耐えながら麻衣はゆるゆると首を振る。

「あ、ぁあっ、あっ、やっ、ん──!」

 びくん、と麻衣の背がそった。かくりと力が抜ける身体を抱き寄せて、うなじに唇を落とす。

「イった? 胸だけで?」
「……ん、っ、謙一さんが、いじわる、だから……っ」

 恥ずかしいのか、麻衣は俯いて──頬が真っ赤だ。可愛くて、でも同時にもっと苛めたくて──スカートをたくし上げて下着の上からソコに手を伸ばす。

「麻衣、足開いて」

 少し低めの声でそう告げれば、麻衣はゆるゆると膝を開く。

「ぐちゃぐちゃじゃないか」

 クロッチの上から、くちゅくちゅと軽く擦った。麻衣は「ん」と鼻から甘い息を漏らす。下着をずらして、直接に触れた。

「は、……あ」

 おとがいを上げて、麻衣が息を吐く。ぬぷぷ、と指をナカに一本、埋め込んだ。

(……熱い)

 蕩けるように熱く、ぬるついて俺の指に絡みつく。きゅ、きゅ、と締まって──奥に導くように。自分が挿入るところを想像して、熱と血が自身にさらに集まっていく。おそらく先走りで俺もドロドロになっているだろう。

(……はやく、入れたい)

 トロトロに蕩けた麻衣の顔をみながら、思うままに腰を打ちつけてナカに放ってしまいたい──そんな欲求にかられる。
 ぐっと抑え込んで、指を動かす。同時にぷくりと赤く尖った肉芽を親指で弄った。

「は……! っ、謙一、さんっ」

 麻衣の足先がぴんと跳ねる。

「やめ、やめっ、一緒にしちゃ、……っ、はっ、んっ、んんっ」

 麻衣はゆるゆると首を振る。くちゅくちゅと水音が増す。

「だめ、なのっ、……っ、ソコ、ぐりぐり、しないでぇっ」

 きゅ、とナカが締まった。ぴくぴくと痙攣している。肉芽を弄られて軽くイったらしい麻衣のナカを、指を増やして掻き混ぜる。

「は、……っ……!?」

 麻衣は吸い込むような声を上げて、そうして両手で戸惑うように俺の腕を掴む。

「ぁ、謙一さ、イって、んんっ、イってるのでっ、やめ、やめっ」

 甘く高い声で俺に懇願する麻衣──のお願いは無視して、ぐちゅんぐちゅんと掻き回した。感じて欲しかった。俺の腕の中で、俺のものだと思い知って欲しかった。

「ぁ、ぁあ──……!」

 俺の腕を掴む手に、強く力が篭る。麻衣の爪先が跳ねて、俺は彼女の薄い腹を抑えて支えた。
 指をそっと引き抜く。ぐちゅぐちゅになったソコから、とろりとろりと液体が溢れてきた。
 は、は、と麻衣は浅く息を繰り返す。
 身体を離すと、麻衣はぽすんとベッドに身体を横たえる。
 半分眠ってしまいそうな麻衣のこめかみにキスを落として、さっさと服を脱いだ。

「……あ」

 麻衣もゆるゆると自分の服に手を伸ばす。その手を取って、止めた。
 きょとんとする麻衣に向かって、小さく唇を上げてみせる。

「脱がせたいから」
「……そ、です?」

 少し照れて、麻衣は目を瞬いた。可愛くて死にそうになる。愛おしさで、心臓が潰れそう。
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