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【高校編】分岐・山ノ内瑛
【side瑛父】
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刑法第39条。
心神喪失者の行為は、罰しない。
心神耗弱者の行為は、その刑を減軽する。
俺がかつて地検の公判検事として担当したその事件は、地裁では検察の求刑通り、無期懲役の判決が下った。
ところが、即日控訴されたその事件は担当弁護士が変わってから少し様相を変える。
彼が争点としたのは「責任能力」の有無。俺の手を離れたその事件は、高裁で「刑事責任能力あり」と判断された。ところがーー最高裁で逆転判決。
「刑事責任能力が無かったとは言えないが、諸般の事情により著しく低い状態だったことは否定できない」
懲役5年。
それが、設楽さんの奥さんを殺した犯人に下った「罰」だった。
彼は「治療」のために医療刑務所に収監された。おとなしく、従順で、罪を悔いていた、らしい。
「仮出所したそうや」
朝食の席、唐突に言った言葉に、瑛はきょとんと俺を見つめた。
「誰が」
「単刀直入にいうわ。華さんの母親が亡くなってんのは知ってんな?」
「……それは知っとるけど」
瑛は牛乳の入ったグラスをテーブルに置きながら答えた。俺は頷く。
「殺されたんや」
瑛はじっと俺をみた。
「華さんの目の前で」
「……」
瑛は目を見開く。
「せやから華さんは記憶を」
「あるんや」
瑛の言葉に、顔を上げた。
「……記憶が、ある?」
首を傾げた。そんなはずは。
「ゆうかな、思い出したんや。前々から思い出しかけとって」
瑛は目を伏せた。
「俺のせいや」
「瑛」
「俺が、なんか、色々連れ出したりとかしとったから」
悔しそうに、瑛は言った。
「そんな記憶、ないほうがええやん……」
すっかり凹みまくってる瑛に、俺は「そんなんはどうでもええねん」とあえて冷たく言った。
「どうでもいいって何やねん」
「問題は、犯人が出所てきとるゆーことや。そら大勢が出所させてええと判断したから出て来るんや。けどな」
俺は思い出す。冷たい霊安室、異常とも言えるあの執拗な傷跡。
(何かが引っかかってる)
もう何年もーー。
「けど、何」
「……もし"また"何か起きるとしたら」
瑛は顔を上げて、じっと俺をみた。
「最初に気がつけんのは、お前やで、瑛」
華さんには「護衛」がいるらしいが、けれど、本人の些細な変化に気がつけるのは、多分瑛しかいないから。
「俺?」
「なんでもええ」
俺は瑛を見つめる。
「華さんになにかいつもと違う様子があったら、なんでもええ。俺に知らせろ」
瑛はじっと俺をみている。
「ほんまに些細なことでええ。いいな?」
瑛はゆっくりと頷いた。
定時で退庁して(何年ぶりだろう)華さんの病院へ向かう。
(お見舞いは20時までやったな)
個室なので、少し遅めのようだった。途中で花やらお菓子やらを買うと、なんやかんやギリギリの時間。
ノックをすると「はーい」というのんびりとした声。
ガラリと扉を開けると、果たして瑛もいた。華さんは驚いたように俺を見る。
「あ、あれ? おとうさん、え、わざわざすみません」
ニコニコと俺を見る華さんと、目を細めて俺を見てる瑛と。そんな顔せんでええやないか。
俺は苦笑して、花とお菓子を瑛に渡す。
「花瓶に水入れてきてや、瑛」
「ムカつくなぁほんま」
瑛は洗面所へ向かう。ええなぁ、この部屋なんでもついとるんや。
ざああ、という水音。俺は華さんに「記憶が戻ったそうですね」と挨拶も無しに言った。
「へ!? え、あ、ご存知で……?」
華さんは少し驚いたあと、軽く頷く。
「じゃあ俺のことも覚えてますか」
「へ? アキラくんのお父さん」
「……あなたが4歳くらいだったかな」
そう告げると、華さんは少し考えて、それから言った。
「……ああ、じゃあやっぱりあれ、アキラくんのお父さんだったんですね」
華さんはゆっくりと、笑った。
「お父さんが寒そうだったから」
苦笑いして、華さんは続けた。この「お父さん」は俺のことじゃない。設楽さんのことだ。
「ブランケットをかけようと……あの時、いてくれたの」
「……あのブランケットは、一緒に焼いたんでしたか」
「あれ、そうでしたっけ」
華さんは笑った。
「あのあと、ブランケットがないないって大騒ぎしたんですけど、私」
自分で入れてたのになぁ、と首を傾げた。
ふと背後で、瑛が花瓶を持ったままじっと佇んでいる。それを分かってて、あえて突っ込んだ質問を続ける。
「では、事件のことも覚えてますね」
「事件?」
俺は頷いた。
「あなたのお母さんが殺された事件の」
がしゃん! と花瓶が床に落ちる音がして、それと同時に俺は苦しくなるーー襟首を掴み上げられて、至近距離に瑛のやたらと整った顔。
「クソオヤジ、何の話に来てんねん」
低い声、……おお、こいつ、こんな顔するんやな。
「華を傷つけに来たんか」
「あ、アキラくん」
華さんがワタワタと起き上がろうとしている。俺は笑って華さんを止めた。
「大丈夫ですよ」
「いま大丈夫やなくしたろか」
「瑛」
俺は瑛の手を握る。
「今から俺は大事な話をするんや。そこに華さんを傷付けようとか、そんな意思は一切ない」
瑛はじっと俺を睨んだまま。
「記憶が戻った今やからこそ、聞けるーー華さんを守るためなんや」
「華を?」
訝しげな顔をしつつ、瑛は俺から手を離す。
「華さん」
「は、はい!?」
「辛い記憶かもしれませんが」
「はい」
「あの事件の時、犯人は何か言っていませんでしたか」
あの事件では、華さんの証言は得られなかった。記憶が無かったのだから、当然だ。
(だけれど)
今、今ならーーなにが起きたのかを、華さんから聞けたのなら、この違和感の正体が掴めるかもしれない。
「ええと」
「華、しんどいんやったらええんやで」
瑛は華さんの手をにぎる。華さんは少し安心したようにその手を握り返して、それから「あ」と小さく言った。
「お前は邪魔だって、言ってました」
「……誰に」
「おかあさん、に」
少し辛そうな華さんを、瑛が抱きしめた。そして俺は確信する。長年の違和感の正体。
少し目を伏せて、瑛に身を任せる少女を見つめる。
母親を殺して、華さんに何をするつもりだったのかは定かではない。けれど、ひとつ確信したことがある。
(あの男の狙いは、最初から華さんだーー)
心神喪失者の行為は、罰しない。
心神耗弱者の行為は、その刑を減軽する。
俺がかつて地検の公判検事として担当したその事件は、地裁では検察の求刑通り、無期懲役の判決が下った。
ところが、即日控訴されたその事件は担当弁護士が変わってから少し様相を変える。
彼が争点としたのは「責任能力」の有無。俺の手を離れたその事件は、高裁で「刑事責任能力あり」と判断された。ところがーー最高裁で逆転判決。
「刑事責任能力が無かったとは言えないが、諸般の事情により著しく低い状態だったことは否定できない」
懲役5年。
それが、設楽さんの奥さんを殺した犯人に下った「罰」だった。
彼は「治療」のために医療刑務所に収監された。おとなしく、従順で、罪を悔いていた、らしい。
「仮出所したそうや」
朝食の席、唐突に言った言葉に、瑛はきょとんと俺を見つめた。
「誰が」
「単刀直入にいうわ。華さんの母親が亡くなってんのは知ってんな?」
「……それは知っとるけど」
瑛は牛乳の入ったグラスをテーブルに置きながら答えた。俺は頷く。
「殺されたんや」
瑛はじっと俺をみた。
「華さんの目の前で」
「……」
瑛は目を見開く。
「せやから華さんは記憶を」
「あるんや」
瑛の言葉に、顔を上げた。
「……記憶が、ある?」
首を傾げた。そんなはずは。
「ゆうかな、思い出したんや。前々から思い出しかけとって」
瑛は目を伏せた。
「俺のせいや」
「瑛」
「俺が、なんか、色々連れ出したりとかしとったから」
悔しそうに、瑛は言った。
「そんな記憶、ないほうがええやん……」
すっかり凹みまくってる瑛に、俺は「そんなんはどうでもええねん」とあえて冷たく言った。
「どうでもいいって何やねん」
「問題は、犯人が出所てきとるゆーことや。そら大勢が出所させてええと判断したから出て来るんや。けどな」
俺は思い出す。冷たい霊安室、異常とも言えるあの執拗な傷跡。
(何かが引っかかってる)
もう何年もーー。
「けど、何」
「……もし"また"何か起きるとしたら」
瑛は顔を上げて、じっと俺をみた。
「最初に気がつけんのは、お前やで、瑛」
華さんには「護衛」がいるらしいが、けれど、本人の些細な変化に気がつけるのは、多分瑛しかいないから。
「俺?」
「なんでもええ」
俺は瑛を見つめる。
「華さんになにかいつもと違う様子があったら、なんでもええ。俺に知らせろ」
瑛はじっと俺をみている。
「ほんまに些細なことでええ。いいな?」
瑛はゆっくりと頷いた。
定時で退庁して(何年ぶりだろう)華さんの病院へ向かう。
(お見舞いは20時までやったな)
個室なので、少し遅めのようだった。途中で花やらお菓子やらを買うと、なんやかんやギリギリの時間。
ノックをすると「はーい」というのんびりとした声。
ガラリと扉を開けると、果たして瑛もいた。華さんは驚いたように俺を見る。
「あ、あれ? おとうさん、え、わざわざすみません」
ニコニコと俺を見る華さんと、目を細めて俺を見てる瑛と。そんな顔せんでええやないか。
俺は苦笑して、花とお菓子を瑛に渡す。
「花瓶に水入れてきてや、瑛」
「ムカつくなぁほんま」
瑛は洗面所へ向かう。ええなぁ、この部屋なんでもついとるんや。
ざああ、という水音。俺は華さんに「記憶が戻ったそうですね」と挨拶も無しに言った。
「へ!? え、あ、ご存知で……?」
華さんは少し驚いたあと、軽く頷く。
「じゃあ俺のことも覚えてますか」
「へ? アキラくんのお父さん」
「……あなたが4歳くらいだったかな」
そう告げると、華さんは少し考えて、それから言った。
「……ああ、じゃあやっぱりあれ、アキラくんのお父さんだったんですね」
華さんはゆっくりと、笑った。
「お父さんが寒そうだったから」
苦笑いして、華さんは続けた。この「お父さん」は俺のことじゃない。設楽さんのことだ。
「ブランケットをかけようと……あの時、いてくれたの」
「……あのブランケットは、一緒に焼いたんでしたか」
「あれ、そうでしたっけ」
華さんは笑った。
「あのあと、ブランケットがないないって大騒ぎしたんですけど、私」
自分で入れてたのになぁ、と首を傾げた。
ふと背後で、瑛が花瓶を持ったままじっと佇んでいる。それを分かってて、あえて突っ込んだ質問を続ける。
「では、事件のことも覚えてますね」
「事件?」
俺は頷いた。
「あなたのお母さんが殺された事件の」
がしゃん! と花瓶が床に落ちる音がして、それと同時に俺は苦しくなるーー襟首を掴み上げられて、至近距離に瑛のやたらと整った顔。
「クソオヤジ、何の話に来てんねん」
低い声、……おお、こいつ、こんな顔するんやな。
「華を傷つけに来たんか」
「あ、アキラくん」
華さんがワタワタと起き上がろうとしている。俺は笑って華さんを止めた。
「大丈夫ですよ」
「いま大丈夫やなくしたろか」
「瑛」
俺は瑛の手を握る。
「今から俺は大事な話をするんや。そこに華さんを傷付けようとか、そんな意思は一切ない」
瑛はじっと俺を睨んだまま。
「記憶が戻った今やからこそ、聞けるーー華さんを守るためなんや」
「華を?」
訝しげな顔をしつつ、瑛は俺から手を離す。
「華さん」
「は、はい!?」
「辛い記憶かもしれませんが」
「はい」
「あの事件の時、犯人は何か言っていませんでしたか」
あの事件では、華さんの証言は得られなかった。記憶が無かったのだから、当然だ。
(だけれど)
今、今ならーーなにが起きたのかを、華さんから聞けたのなら、この違和感の正体が掴めるかもしれない。
「ええと」
「華、しんどいんやったらええんやで」
瑛は華さんの手をにぎる。華さんは少し安心したようにその手を握り返して、それから「あ」と小さく言った。
「お前は邪魔だって、言ってました」
「……誰に」
「おかあさん、に」
少し辛そうな華さんを、瑛が抱きしめた。そして俺は確信する。長年の違和感の正体。
少し目を伏せて、瑛に身を任せる少女を見つめる。
母親を殺して、華さんに何をするつもりだったのかは定かではない。けれど、ひとつ確信したことがある。
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