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第13話 旅立ち
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「……」
ソアラが無言で俺を見つめる。
今日の訓練が、彼女と行う最後の訓練だ。
明日――ソアラは王都に旅立つ。
当然俺は、それには付いて行かない。
王都へ少女一人行かせるのは確かに心苦しい物はあるが、俺には俺の人生設計があるのだ。
足かけ10年近くも彼女の訓練に付き合ってきたのだから、それで勘弁して貰う。
今の俺のレベルは42。
レベルアップで習得したスキルは、ソングマスタリーとブレイブオーラだ。
ソングマスタリーは特殊クラスであるシンガーのスキルで、全ステータスに50%のボーナスが付く優秀なスキルとなっている。
オマケで歌が上手くなるという効果もあるが、まあそれはどうでもいいだろう。
もう一つのブレイブオーラは、勇者のスキルである。
発動すると短時間能力が2倍になる、ソアラが以前使って大惨事を引き起こしそうになったアレだ。
効果は3分で、ディレイは10分。
この手のスキルにしては効果時間が長く、ディレイは相当短い。
更に勇者の取得できるスキルには、ディレイを半減させるパッシブスキルがある。
それを取得すると、ディレイは実質5分になるので、相当な回転率になる事だろう。
因みにこのスキルは、ソアラが使って暴れたいとかいう滅茶苦茶な理由で強制的に取らされている。
要は俺に超パワーを受け止めろという事だ。
ステータスは――
【Lv:42】
【クラス:スキルマスター】
【生命力】 103 (+370%)= 484
【気 力】 94 (+390%)= 460
【マ ナ】 73 (+320%)= 306
【筋 力】 95 (+690%)= 750
【体 力】 95 (+390%)= 465
【敏捷性】 92 (+490%)= 542
【器用さ】 89 (+590%)= 614
【魔 力】 73 (+370%)= 343
【知 力】 80 (+370%)= 376
【耐久力】 91 (+420%)= 473
【抵抗力】 74 (+370%)= 347
【精神力】 103 (+370%)= 453
【S P】 9
――こんな感じだ。
ソアラの方はレベルが46。
ステータスは830程。
俺の筋力は今750あるので、かなり追いついて来たと言えるだろう。
とは言え、それ以外のステータスは大幅な差が開いたままだ。
訓練の量も基本的に俺よりソアラの方が多いので、複数取ったマスタリーによる補正の差もないに等しい。
まあ要は、まだまだソアラの方が強いって事だ。
「全力で行くよ!」
ソアラの言う全力は、ブレイブオーラを使うって意味である。
スキルを使った全開のぶつかり合い。
それがお望みの様だ。
「こい!」
俺はスキルを発動させ、ミスリルの剣を強く握りしめる。
ブレイブオーラを使った打ち合いは、並の武器では耐えられない。
そのため訓練用に俺の分のミスリルの剣も、騎士さん達によって用意されていた。
「えいやぁ!」
ソアラの一撃が、迷いなく俺に打ち込まれる。
普段ならいなしていただろう。
だが今回だけは、俺はそれを真正面から受け止めた。
「くっ!」
強烈な打ち込みのパワーに、ぶつかり合った剣がかん高い悲鳴を上げる。
腕が痺れ、思わず膝を着きたくなるが、俺は必死に堪えた。
ステータスが2倍になった際の筋力差は160程度だが、技量やそれ以外の差で打ち込みの破壊力は大きく変わる。
訓練量の差があるため、マスタリーを複数種取っていてなおソアラの方が技量は上。
更に速度差も合わさり、俺はソアラの攻撃を辛うじて受け止めるのが限界だった。
「もういっちょ!」
「させるか!」
相手の斬撃に受けるのではなく、此方も渾身の一撃を叩き込む。
ただ受けるよりは、まだこちらの方がましだ。
俺は歯を食い縛ってソアラと打ち合う。
「楽しいね!」
「ああ!」
我ながら、本当に強くなったもんだと思う。
最初はボコられっぱなしだったってのに、今ではこうして打ち合あいが出来るまでになったんだからな。
馬鹿みたいな速度で成長する勇者様と。
日々の訓練は辛くはあったが、達成感がなかったと言えば嘘になる。
「アドル!」
「ソアラ!」
お互いの渾身の一撃が交差する。
「!?」
その瞬間、俺の剣に罅が走りそのまま砕け散った。
そしてソアラの剣が、俺の額に触れるか触れないかの所で止まる。
「完敗だ」
ミスリルの金属は魔法処理されているので、とんでもない硬さを誇る。
ブレイブオーラを使った俺とソアラのパワーのぶつかり合いでも、そう簡単に壊れる様な物じゃない。
――だが、同じ場所に強い負荷が連続してかかれば話は別だ。
俺は打ち合うのに必死だったが、ソアラは的確に此方の武器にダメージを蓄積させる様に立ち回っていた。
その結果だ。
昔は完全な脳筋寄りだった彼女も、この10年で細かい芸当を覚えたもんだと感慨深くなる。
「アドル……本当に行かないの?」
ソアラが寂しそうに聞いてきた。
何度聞かれても答えはノーだ。
俺は首を横に振って答える。
「勇者としての夢を追うんだろ?だったら、人を巻き込まず自分の夢に向かってしっかり一人で歩け。俺がいなきゃ何もできないってんなら、そんな奴に勇者の資格なんてないぞ」
「……うん」
「けど……もしソアラが勇者としての生き方をもう望んでないって言うんなら、付いて行ってやる」
「え?」
勇者として生きるために王都に行く。
そう望んでいるのなら、それは単なるソアラのエゴだ。
それに付き合うつもりは毛頭なかった。
だが勇者としての生き方をもう求めていないと言うのなら、彼女は特殊なクラスのせいで王都での教育を強制される普通の女の子でしかなくなる――まあ超強くはあるけど。
幼馴染みがただ理不尽に連れていかれるってんなら、それを支えてやるために付いて行ってやってもいい。
そう俺は思っている。
「アドル……私の夢は昔っから変わらないよ。強くなって、勇者として悪い魔王をやっつけて見せる」
ソアラは俺の言葉に少し驚いた様な顔をしたが、真っすぐに此方を見つめてハッキリりと自分の目標を宣言する。
「流石ソアラだ。ソアラはそうでなくっちゃな」
まあ問う前から、答えは分かっていた事だ。
何せ、俺はずっと傍で彼女の事を見て来た訳だからな。
「へへ」
3分未満の短い時間だったが、その日の訓練はそこで終了した。
出発前の最期の時間を、ソアラが家族とゆっくり過ごす為だ。
――翌日早朝。
俺は家族と一緒に見送りに行き、そこで彼女と一つの約束を交わす。
「この先もしどうしようもなくなって、猫の手でも借りたくなったら俺を訪ねてきていいぜ。役に立てるかは分からないけど、その時は友人として力を貸してやるよ」
「ほんと!?だったらちゃんと頼れる様に、訓練は続けておいてね!」
「分かったよ」
余計な事を口にしてしまったなと、内心苦笑いしながら俺は笑顔で約束する。
これからだらだらできると思っていたんだが、訓練の方も続ける必要が出来てしまった。
勿論、サボっても誰も俺を咎めはしないだろう。
だが、旅立つ幼馴染に嘘はつきたくない。
真面目に頑張るとしよう。
「じゃあ……行くね」
「おう!立派な勇者になれよ!」
10年という時間を共にした幼馴染が旅立っていく。
馬車から身を乗り出して力いっぱい手を振るソアラに、俺も手を振り返した。
きっと彼女は立派な勇者になるだろう。
約束はしたが、俺を頼る様な事もないはずだ。
「……またな。頑張れよ」
この時、俺は考えもしなかった。
これが勇者ソアラの姿を見る、最期の瞬間になるなんて事を。
ソアラが無言で俺を見つめる。
今日の訓練が、彼女と行う最後の訓練だ。
明日――ソアラは王都に旅立つ。
当然俺は、それには付いて行かない。
王都へ少女一人行かせるのは確かに心苦しい物はあるが、俺には俺の人生設計があるのだ。
足かけ10年近くも彼女の訓練に付き合ってきたのだから、それで勘弁して貰う。
今の俺のレベルは42。
レベルアップで習得したスキルは、ソングマスタリーとブレイブオーラだ。
ソングマスタリーは特殊クラスであるシンガーのスキルで、全ステータスに50%のボーナスが付く優秀なスキルとなっている。
オマケで歌が上手くなるという効果もあるが、まあそれはどうでもいいだろう。
もう一つのブレイブオーラは、勇者のスキルである。
発動すると短時間能力が2倍になる、ソアラが以前使って大惨事を引き起こしそうになったアレだ。
効果は3分で、ディレイは10分。
この手のスキルにしては効果時間が長く、ディレイは相当短い。
更に勇者の取得できるスキルには、ディレイを半減させるパッシブスキルがある。
それを取得すると、ディレイは実質5分になるので、相当な回転率になる事だろう。
因みにこのスキルは、ソアラが使って暴れたいとかいう滅茶苦茶な理由で強制的に取らされている。
要は俺に超パワーを受け止めろという事だ。
ステータスは――
【Lv:42】
【クラス:スキルマスター】
【生命力】 103 (+370%)= 484
【気 力】 94 (+390%)= 460
【マ ナ】 73 (+320%)= 306
【筋 力】 95 (+690%)= 750
【体 力】 95 (+390%)= 465
【敏捷性】 92 (+490%)= 542
【器用さ】 89 (+590%)= 614
【魔 力】 73 (+370%)= 343
【知 力】 80 (+370%)= 376
【耐久力】 91 (+420%)= 473
【抵抗力】 74 (+370%)= 347
【精神力】 103 (+370%)= 453
【S P】 9
――こんな感じだ。
ソアラの方はレベルが46。
ステータスは830程。
俺の筋力は今750あるので、かなり追いついて来たと言えるだろう。
とは言え、それ以外のステータスは大幅な差が開いたままだ。
訓練の量も基本的に俺よりソアラの方が多いので、複数取ったマスタリーによる補正の差もないに等しい。
まあ要は、まだまだソアラの方が強いって事だ。
「全力で行くよ!」
ソアラの言う全力は、ブレイブオーラを使うって意味である。
スキルを使った全開のぶつかり合い。
それがお望みの様だ。
「こい!」
俺はスキルを発動させ、ミスリルの剣を強く握りしめる。
ブレイブオーラを使った打ち合いは、並の武器では耐えられない。
そのため訓練用に俺の分のミスリルの剣も、騎士さん達によって用意されていた。
「えいやぁ!」
ソアラの一撃が、迷いなく俺に打ち込まれる。
普段ならいなしていただろう。
だが今回だけは、俺はそれを真正面から受け止めた。
「くっ!」
強烈な打ち込みのパワーに、ぶつかり合った剣がかん高い悲鳴を上げる。
腕が痺れ、思わず膝を着きたくなるが、俺は必死に堪えた。
ステータスが2倍になった際の筋力差は160程度だが、技量やそれ以外の差で打ち込みの破壊力は大きく変わる。
訓練量の差があるため、マスタリーを複数種取っていてなおソアラの方が技量は上。
更に速度差も合わさり、俺はソアラの攻撃を辛うじて受け止めるのが限界だった。
「もういっちょ!」
「させるか!」
相手の斬撃に受けるのではなく、此方も渾身の一撃を叩き込む。
ただ受けるよりは、まだこちらの方がましだ。
俺は歯を食い縛ってソアラと打ち合う。
「楽しいね!」
「ああ!」
我ながら、本当に強くなったもんだと思う。
最初はボコられっぱなしだったってのに、今ではこうして打ち合あいが出来るまでになったんだからな。
馬鹿みたいな速度で成長する勇者様と。
日々の訓練は辛くはあったが、達成感がなかったと言えば嘘になる。
「アドル!」
「ソアラ!」
お互いの渾身の一撃が交差する。
「!?」
その瞬間、俺の剣に罅が走りそのまま砕け散った。
そしてソアラの剣が、俺の額に触れるか触れないかの所で止まる。
「完敗だ」
ミスリルの金属は魔法処理されているので、とんでもない硬さを誇る。
ブレイブオーラを使った俺とソアラのパワーのぶつかり合いでも、そう簡単に壊れる様な物じゃない。
――だが、同じ場所に強い負荷が連続してかかれば話は別だ。
俺は打ち合うのに必死だったが、ソアラは的確に此方の武器にダメージを蓄積させる様に立ち回っていた。
その結果だ。
昔は完全な脳筋寄りだった彼女も、この10年で細かい芸当を覚えたもんだと感慨深くなる。
「アドル……本当に行かないの?」
ソアラが寂しそうに聞いてきた。
何度聞かれても答えはノーだ。
俺は首を横に振って答える。
「勇者としての夢を追うんだろ?だったら、人を巻き込まず自分の夢に向かってしっかり一人で歩け。俺がいなきゃ何もできないってんなら、そんな奴に勇者の資格なんてないぞ」
「……うん」
「けど……もしソアラが勇者としての生き方をもう望んでないって言うんなら、付いて行ってやる」
「え?」
勇者として生きるために王都に行く。
そう望んでいるのなら、それは単なるソアラのエゴだ。
それに付き合うつもりは毛頭なかった。
だが勇者としての生き方をもう求めていないと言うのなら、彼女は特殊なクラスのせいで王都での教育を強制される普通の女の子でしかなくなる――まあ超強くはあるけど。
幼馴染みがただ理不尽に連れていかれるってんなら、それを支えてやるために付いて行ってやってもいい。
そう俺は思っている。
「アドル……私の夢は昔っから変わらないよ。強くなって、勇者として悪い魔王をやっつけて見せる」
ソアラは俺の言葉に少し驚いた様な顔をしたが、真っすぐに此方を見つめてハッキリりと自分の目標を宣言する。
「流石ソアラだ。ソアラはそうでなくっちゃな」
まあ問う前から、答えは分かっていた事だ。
何せ、俺はずっと傍で彼女の事を見て来た訳だからな。
「へへ」
3分未満の短い時間だったが、その日の訓練はそこで終了した。
出発前の最期の時間を、ソアラが家族とゆっくり過ごす為だ。
――翌日早朝。
俺は家族と一緒に見送りに行き、そこで彼女と一つの約束を交わす。
「この先もしどうしようもなくなって、猫の手でも借りたくなったら俺を訪ねてきていいぜ。役に立てるかは分からないけど、その時は友人として力を貸してやるよ」
「ほんと!?だったらちゃんと頼れる様に、訓練は続けておいてね!」
「分かったよ」
余計な事を口にしてしまったなと、内心苦笑いしながら俺は笑顔で約束する。
これからだらだらできると思っていたんだが、訓練の方も続ける必要が出来てしまった。
勿論、サボっても誰も俺を咎めはしないだろう。
だが、旅立つ幼馴染に嘘はつきたくない。
真面目に頑張るとしよう。
「じゃあ……行くね」
「おう!立派な勇者になれよ!」
10年という時間を共にした幼馴染が旅立っていく。
馬車から身を乗り出して力いっぱい手を振るソアラに、俺も手を振り返した。
きっと彼女は立派な勇者になるだろう。
約束はしたが、俺を頼る様な事もないはずだ。
「……またな。頑張れよ」
この時、俺は考えもしなかった。
これが勇者ソアラの姿を見る、最期の瞬間になるなんて事を。
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