魔具師になったら何をつくろう?

アマクニノタスク

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町おこし編

第4話 エロチック知識チート発動

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コンコンコン ガチャ

俺は入り口の扉をノックして開ける。


「ジャックさん、こんにちはー。」

声をかけて中に入るが返事がない。


「ジャックさーん、いませんかー?」

今度は大きめの声で呼びかけてみた。


「はーい。ちょっと待って下さーい。」

奥から若い女性の声が返ってきた。

あっ、この声はメアリーだな!
すぐに奥からパタパタと足音が聞こえてくる。


「はーい。お待たせしました。ってガルドさんじゃないですか。もしかして、具合が悪くなりましたか?」

現れたのはジャックさんの助手をしているメアリーだ。
彼女は肩で切り揃えたストレートの茶髪に、この世界ではまだ珍しい眼鏡をかけた小柄な女性だ。


「いやいや、お陰様で体調は大丈夫そうだよ。先生は・・・居ないのかな?」

俺は周りを見渡したが、ジャックさんがいる気配はない。


「先生なら往診に行かれましたから、しばらく戻らないと思いますよ?」

メアリーが小首を傾げると、眼鏡が少しズレた。


「そうかぁ、治療費を払いに来たんだけど、メアリーは分かるかい?」

俺はまた来るのも面倒なのでメアリーに質問してみる。


「あっ!先生から聞いてますよ。清算されて行かれますか?」

メアリーは眼鏡をクイッと上げて答える。


「うん、じゃあお願いするよ。先生にはヨロシク言っておいて。」

俺はそう答えながら、ある事が気になった。


「わかりました。では清算しますので、そちらの椅子に座って待っていてください。」

メアリーはそのまま近くの机に移動して帳簿をつけ始めた。


俺は椅子に座り、さっき気になった事を試してみる事にする。

生き物でも解析スキルは有効なのだろうか?


俺はメアリーに聞こえないように唱える。

「・・・解・・析・・・」


メアリー
サイモンの町に住む16歳の女性
ジャック医師の助手
身長148センチ
体重40キログラム
B76 W56 H80 Aカップ


「ぶはっ!・・ゴホッゴホ・・・むご・・」

俺は驚きのあまり、むせてしまった・・・


「だ、大丈夫ですか!?ガルドさん。」

メアリーはビックリして目を見開いている。


「ごめん。大丈夫、ちょっとむせただけだから。」

俺は、必死に平然を装った。


「具合が悪いと思ったら、すぐに言ってくださいね。」

メアリーの優しい笑顔を直視出来ない・・・


興味本位で解析スキルを使ってみたら、トンデモナイ結果が出てしまったよ・・・

一人で取り乱したら俺の頭は急速に重くなった。

さっきテーブルを解析した時よりもずっと重くダルい感じがする。

おそらくだが、直接見えていない体のサイズを割り出したりするのに、俺の中の知識や経験をフル活用して解析スキルさんは頑張ってくれたのだろう。なので魔力の消費や頭脳への負荷が増えたのだと思う。

余談だが、俺は前世でしばしばグラビア鑑賞を嗜んでいた。
グラビアを見ながらスリーサイズやカップ当てクイズなんてのはお手の物だったのだ!
これは男子たるもの、一度は通る道だ!!
俺はその道の猛者である自負がある。

あの辛かった修行の成果が、まさかこのような形で実を結ぼうとは・・・これぞ僥倖だ。

異世界転生と言えば、知識チートがお約束だと思うが、こんなエロチックな知識チートが俺を待っていてくれようとは・・・

俺はこのエロチートを門外不出の秘術とすることを心に誓った。

まぁ、この世界にスリーサイズやカップの概念は無いから俺にしか理解できないんだけどね。


「・・・ドさん・・・ガルドさーん!」

突如、目の前にメアリーが現れた。
いや、違うな。
重い頭なのに妄想トリップしていたようだ。
俺はさっきの情報を心のノートにしっかりと記録した。


「あっ。ごめん、メアリー。何だったっけ?」

俺の頭と心もようやく落ち着きを取り戻した。


「ガルドさん、本当に大丈夫ですか?ぼーっとしてたし、顔も赤いから、熱でも出てきましたか?」

メアリーが心配そうに俺を見てくる。


「だ、大丈夫だと思うよ。だけど用心して家で休むようにするよ。」

俺はメアリーに清算を済ませると、足早に退散した。

だって、なんだか恥ずかしいんだもん!
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