生まれる世界を間違えた俺は女神様に異世界召喚されました【リメイク版】

雪乃カナ

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第215話 潜入作戦2

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 ──翌日、俺は王宮に侵入した。
 そしてなるべく背丈が同じぐらいの奴を探す。

 そして見つけた。
 ドカン、と脛椎を叩き、その人物を気絶させる。

 *

「よう、お目覚めか?」

 鎧を脱がせ、一応、兵士の意識が回復するのを待ち、話しかける。ちなみに猿轡さるぐつわをしているので、この兵士は喋ることはできない。
 だが、俺の目的は伝えておこうと思った。

 理由は何となくだ。
 数日、監禁させて貰うことになるしな? 目的と現状を伝えるぐらいしてもバチは当たらないだろう。

 目を見開いて驚く少年。

「危害を加えるつもりは無い。だが、少しばかり監禁させて貰うぞ? 俺の目的は友人であるフォルタニアの奪還だ、悪いが俺の変装に協力してほしい?」

 んー、んー、と何か言いたい様子の少年。
 だが、次の行動は俺も予想外だった。

 のだ。
 地面におでこを擦り付けるようにして。

「!?」

 何だコイツは?
 どういうつもりだ?

「何か言いたいことがあるのか?」

 こくこく。少年は深く頷く。

「──、」

 まあ、いいか。
 最悪、もう一度、気を失わせればいい。

「分かったよ」

 スルスル、と猿轡さるぐつわを外す。

「ぷはっ! あ、あの! さっきの話、本当ですか!」
「どの部分だ?」

「フォルタニア様と友達なんですか!?」
「ああ、友達だ」

「なら、フォルタニア様の政略結婚の話もご存知ですか!」
「それを止めに来たんだよ」

「僕にも何か手伝わせてください!」
「なら、この鎧と名を貸してくれ。後は俺が何とかする。それとその間、あんたの身柄は軟禁させて貰う?」

「……わ、分かりました。僕の名前はと申します」

 ―ステータス―
 【名前】 エイジ
 【種族】 人間ヒューマン
 【性別】 男
 【年齢】 16
 【レベル】38

 エイジは〝ステータス画面〟を見せてくる。

「名を聞かれたら、少しの間はエイジと名乗らせて貰うがいいか?」
「でも〝ステータス画面〟の提示を求められたら終わりなんじゃ」

「俺もそれを考えていた所だ。まあ、その時は一暴れするさ?」
「一暴れって……シルフディートの国家戦力である〝星艦せいかん〟〝雷光らいこう〟〝剣鬼けんき〟が揃って王宮にはいるんですよ! 貴方一人が暴れて何になるんですか!」

「やってみねぇと分からねぇだろ?」
「分かりますよ! 貴方、バカなんですか?」

「ハハハ、かもなぁ? で、ちょっと失礼するぜ?」
「ちょ、何するんですか!?」

 所謂、お姫様抱っこだ。
 まさか男にやることになるとはな。

「お前を宿まで運ぶんだよ? 悪いが、この件が片付くまではそこにいてもらうぜ」
「はぁ、分かりましたよ。その代わりフォルタニア様の事、頼みましたよ」

「言われずともな」

 そう言うと、エイジを抱えながら、俺は誰にもバレないようにその場から走り出す。
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