悠久幼女の女王陛下は、今日も暇を持て余す

見た目は幼女だが、スフィーダは二千年以上も生きている特別な存在である。人々からは魔女と呼ばれたり、神と崇められたりしている。そんな彼女の現状の立場はプサルムという国の女王陛下。人類を超越した存在である自らが政治や戦争に参加すべきではないとの方針に基づき、国の運営はヒトに任せている。

よって、スフィーダにはこれといってやることがない。
まったくと言っていいほど、やることがない。

だが、相手をしてくれる側近くらいはいて、その男の名はヨシュア・ヴィノーという。年齢は二十三歳。融通の利かないところはあるが、間違いなく有能だ。他愛のない話に紳士的に付き合ってくれる忠臣でもある。

それでも、おしゃべりをしているだけでは、どうしたって退屈だ。
ゆえに、彼女は今日も暇を持て余すのである。

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