主人の僕を悪役にはさせません?何を言っているかわからないけどうちの従者は有能でやばい人~スラムの子を拾った結果~

荷居人(にいと)

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素晴らしい~ナイト視点~

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ブーデの件は躊躇われているようだったが、いざ罰すると吹っ切れたかのように周囲を翻弄するエンド様はもはや神に等しい。いや、俺にとっては神以上の存在。

元はあの家庭環境の中でゲームのメインの悪役になれたほどなのだからそれが正義の立場になればどれほど尊い存在となりうるか。ゲームでは悪役になることでしか生き方を見つけられなかったかもしれないが、今は違う。

エンド様は悪役で苦しんできた分、逆の立場でエンド様の道を築けばいい。邪魔になる者は俺が始末するから。

悪役が必要なら。それが死に繋がろうが、エンド様を死の未来へ導いてしまう方が俺は許せない。汚い仕事は俺がやろう。エンド様はただ綺麗な手を保つために俺に命令すればいい。

そうすれば全てを何が何でも叶えてあげるから。

「ナイト、自分の利益のために子を簡単に捨てるような貴族はいらないんだけどどうしよう?」

俺に訪ねることで追い討ちをかけるような言葉に笑みが深まる。なんなら、俺に訪ねてくれるエンド様は俺を頼りにしてくれているようでそれが何よりも嬉しくてたまらない。

「て、訂正します!す、捨てません!捨てませんから!」

そんな俺の答えを恐れたのだろう。エンド様にいらないと言われた愚か者が、最後の抵抗とばかりに先程のことをなかったことにしようとする。訂正ねぇ?

エンド様が面倒そうにそれを見ている。エンド様を煩わせるとは本当に罪深い。ここは俺が相手をすべきだろう。

「訂正とはよく言ったものだな。それはつまりエンド様に嘘を吐いたと?」

エンド様に意識を向けていたバカが冷や汗を流しながらこちらを向く。

「そそそんなことは……っ」

動揺が丸わかりにもほどがある。

「ああ、怒ってはない。誰にしろ間違いはあるからな」

「そ……そうですよね!」

あえて救いを与えるような道を示せば顔色が戻り始めるのだから単純だ。俺はエンド様の許可なしに罰をなくすなどする気もないというのに。何よりもいらないとされた者に生きる価値すらないだろうと思う俺にそんな優しさはひとかけらもない。

「だが、それは時と場合による。あんな愚かな考えを平然とこの場で言うようなを犯すバカが国のために必要とは思えない。何よりも貴様が俺を悪く言っていたのが聞こえてなかったとでも?謝罪もなしに、子だけが悪いとは都合のいい考えだ。捨てられるべきは貴様ではないか?」

「あ……う…」

顔色がよくなったのは一瞬だけ。またもや絶望を浮かべる様子に単純思考しかできないバカな貴族というの再認識する。こんなのが貴族になれるならいくらでも代わりがいるだろう。

「だが、エンド様は慈悲深い。せめて平民になって国のために働いてくれれば許してくださる。ですね?エンド様」

「ナイトがそう言うなら」

「ありがとうございます」

考えを委ねてくれるエンド様に感動をせずにはいられない。こういったバカは無駄にプライドが高い分、平民落ちで十分屈辱を感じると言えるだろう。

「衛兵!貴族でないものの親子がこの場にいるが不正を行っていないか再度テストを致せ!」

「「「はっ」」」

「で、殿下?何を……」

「もうひとつの慈悲だ。お前が捨てようとした子の再度の入学テスト次第では子の優秀さに免じて平民が紛れ込んでいたのはことにしようと思ってな」

所詮親が親なら子も子。ただ合格点をとればいい訳ではないテストに優秀と言えるほどの成績を修めるとは思えない。どちらにしろ平民が貴族と同じ学園に入るとなるとテストの難易度も、合格点もかなりあがる。

それでも俺の期待、バカには無理を裏切るような結果ならば子を繰り上げての当主にして様子見もいいという考えはあった。腐った大人は無理でも幼い内の子なら条件を与えて教育させることで修正はきくというもの。

「貴様が捨てようとした子に期待するんだな?」

「ぁ……」

「連れてけ」

希望はないとばかりに失神したバカは兵士によってその場を退場。子は呆然としたまま大人しくついていった。

静かになったその場でどう行動すべきかと見守る周囲に気づいていない訳じゃないが、さすがに数が多い。そんな中エンド様からため息が静かな空間の中だからこそ耳に冴え渡るように聞こえた。

「ナイト、疲れちゃった。他の処分はまた考えるよ」

「はい、わかりました」

今日はこれ以上はもういいという判断だろう。確かに色々ありすぎて疲れさせてしまったかもしれない。しかし、その言葉自体がどうなるかわからない未来を考えて眠れなくさせるといった作戦の可能性もある。どちらにしろモブとも言えるバカな貴族たちを相手にしていては時間ももったいない。

それにあまり小さなことで罰し続けては面倒も起こると言うもの。片付ける人物はいくらでもいるのだから陰口くらいはいつ罰さられるか未来への恐怖だけでもいいかもしれない。忘れてバカをするようならまたその時考えればいいのだから。

エンド様のその言葉でパーティーは早くもお開きになった。
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