悪役令嬢の義弟となるはずだった子は断罪の場でとんでもないことを言い出した

荷居人(にいと)

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天使?のショタ編ー完結ー

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「全く変態どころか不貞までやらかしとるとはな………」

「いや、あの……」

否定したくてもアマリアの言うことには真実が多く含まれているからしどろもどろな兄。それが余計に偽りを真実としていく。

「陛下!発言よろしいでしょうか?」

そんな中前へ出てきた人がひとり。ん?この声さっき変態殿下と言ってた人かな?なのに兄は何故救世主が来たのか?とばかりに縋るような目を?え、まさか気づいてない?あれだけ怒鳴って?

「よい、申せ」

「変態殿下…………失礼、変態殿下はどうやらそこの変態令嬢との営みを」

「それは言うなぁあああ!」

どうやら僕がどこかで改めて伝えなきゃなぁと思っていたことをこの人が父に伝えてくれようとしているらしいことがわかる。それを兄も察したのか必死で止めた。父はそんな兄の様子をより怪しんでいることに兄は気づいていないようだ。

それにね、一回止めたら大丈夫なんて頭からっぽすぎないかな?

「リバース殿下に見せていたとの話もありました。陛下はまだいらっしゃらなかったので知っておくべき事実かと思いまして」

内心ぱちぱちぱちと拍手を送りたいぐらいには、いい仕事をしてくれた。

「な……あ………ちが…………」

なんで、止めたのに………とばかりに動揺してるけど、一回止めたら人が止まるとでも?スイッチオンオフする機械じゃないんだから。

やっぱりおばかさんだなぁなんて思いながら兄をじっと見る。

「リバーになんてものを……!穢らわしい!」

案の定、父も僕に確認をとらずとも兄がしたと決めつけ、それを真実として受け取ったようだ。まあ、これだけ挙動不審なら怪しまれて当然。自ら自滅していっているようにすら見える兄の態度は滑稽だ。

「違う……違うのにぃぃ………っ」

あはっ不細工顔だなぁ。仮にも王太子なら泣き顔を晒すなと言いたい。なんでも顔に出るわ、涙も鼻水も出すわで情けない。今日でこの世界じゃ成人なのにね?

4歳に泣かされる王太子かぁ………傑作だね! 

「おとうしゃま………おにいしゃまじぶんのもね、しゃわれっていってきたんだよ………きもちわるかったの」

追撃って僕、嫌いじゃないよ?

「この変態がぁああああっ!」

「ちがうのにぃいいいっ!」

あらら、前世でいうシャワー程度の涙が滝になっちゃったや。でも、どうでもいいや。

しっかり泣いてしっかり反省したらいいんだよ、ろくでもない兄はね!

でも許すか許さないかは別だよ?どうするのって?もちろん、許す気確率は0%だけど何か変かなぁ?当然だよね!
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