悪役令嬢の義弟となるはずだった子は断罪の場でとんでもないことを言い出した

荷居人(にいと)

文字の大きさ
上 下
24 / 35
天使?のショタ編ー完結ー

9

しおりを挟む
「ニヤーリカ、ぢがうよなああああっ?」

なーんて思ってたら一人では限界を迎えてしまったのだろう。不貞相手にまで頼り始めた。さっき庇うのに失敗して、より結果をひどくした女を頼るなんて自滅好きかな?変わった趣味だよね~。

「いや、鼻水つくから近寄らないでよ」

うーん、気持ちはわかるけど仮にもヒロイン気取るならそれはどうかと思うよ?少し兄なんかに同情しちゃったじゃないか。

「そういえば……そこの娼婦もリバース殿下で性欲を満たそうとしたとも言われてましたね」

「ちょ………!」

その罰が当たったんだろうね。急な告げ口。いい感じにヒロインも巻き込まれるのだから、天も僕の味方に違いない。アマリアの敵は決して兄だけじゃないしね?

「どうやら似た者同士のようだな………?リバーがトラウマになり、不能にでもなったらどうする気だ?」

そんな告げ口に、僕の父は即座に反応してくれた。中々いい仕事である。今度お礼に、ひげじょりじょりを甘んじて受け入れてあげることにしよう。

「へ、陛下、恐れながら何か誤解があるようで………リバース殿下は何か伝え間違いか、もしくは相手を間違えてるのかと……ほ、ほら、あの悪役………こほん、アマリア嬢と仲が良いようですし、命令されて言っているとか………」

今、アマリアを悪役令嬢と言いかけたこと……僕は見逃さなかった。しかも僕を嘘つき呼ばわりだなんて……!僕ほど正直な子供はいないよ!?

これはもっと懲らしめなきゃいけないな。売られた喧嘩は買う主義だもの。

「ぼく、うそいってないもん!おとうしゃま……ぼくのことしんじてくれりゅ………?」

「もちろん信じるとも!真実を偽ろうとしたばかりかリバーを嘘吐き呼ばわりとは!」

うんうん、さすがお父様。僕は嘘吐いてないよ!なーんか二人がしそうなことを言ってみたら、みんなが真実だと思ってるんだもの。それは真実だよね!じゃなきゃ4歳の子供の言葉なんて戯れ言でしかないしね!

え?さっきから言ってたことと違う?気のせいじゃないかな?僕、4歳だから気分もころころ変わっちゃうんだ。遊ぶおもちゃを変えるようにね?

「い、いえ、そんな……そうではなく、アマリア嬢が………」

なんて思ってたら、僕に喧嘩売ったのが間違いだって気づいたのかな?でも、次はアマリアを攻撃しようとするなんて………変態の称号だけじゃ足りないみたいだね!

「おねえしゃまをいじめるわるものめ!ぼくしってるもん!あのひとがおねえしゃまいじめてたこと!」

これは、嘘じゃない。アマリアはアマリアがしてないいじめをしたなんて、冤罪をかけられていじめられていたのだから。

「ん?リバー何か見たのか?」

見たかどうかに返事はしない。ここからは僕の想像である。

「おねえしゃまのほんやぶったりね」

しそうでしょ?

「おねえしゃまにおみずかけたりね」

あのヒロインならするよね。

「おねえしゃまをしゅうだんでわるくいったりね」

想像だけでも許せないなぁ。

「おねえしゃまをかいだんからおとしたりしたんだよ!」

もう殺人未遂だよね!想像だけど!

「ちょ……それこそそれを私にしたのがアマリア嬢です!」

僕の想像したことがなんでアマリアがしたことになるのだろう?

見たなんて一言も言ってないのにね?
しおりを挟む
感想 167

あなたにおすすめの小説

気がついたら乙女ゲームの悪役令嬢でした、急いで逃げだしました。

克全
恋愛
「カクヨム」と「小説家になろう」にも投稿しています。 もっと早く記憶を取り戻させてくれてもいいじゃない!

乙女ゲームの世界だと、いつから思い込んでいた?

シナココ
ファンタジー
母親違いの妹をいじめたというふわふわした冤罪で婚約破棄された上に、最北の辺境地に流された公爵令嬢ハイデマリー。勝ち誇る妹・ゲルダは転生者。この世界のヒロインだと豪語し、王太子妃に成り上がる。乙女ゲームのハッピーエンドの確定だ。 ……乙女ゲームが終わったら、戦争ストラテジーゲームが始まるのだ。

前世の記憶がある伯爵令嬢は、妹に籠絡される王太子からの婚約破棄追放を覚悟して体を鍛える。

克全
恋愛
「カクヨム」と「小説家になろう」にも投稿しています。

悪役令嬢を陥れようとして失敗したヒロインのその後

柚木崎 史乃
ファンタジー
女伯グリゼルダはもう不惑の歳だが、過去に起こしたスキャンダルが原因で異性から敬遠され未だに独身だった。 二十二年前、グリゼルダは恋仲になった王太子と結託して彼の婚約者である公爵令嬢を陥れようとした。 けれど、返り討ちに遭ってしまい、結局恋人である王太子とも破局してしまったのだ。 ある時、グリゼルダは王都で開かれた仮面舞踏会に参加する。そこで、トラヴィスという年下の青年と知り合ったグリゼルダは彼と恋仲になった。そして、どんどん彼に夢中になっていく。 だが、ある日。トラヴィスは、突然グリゼルダの前から姿を消してしまう。グリゼルダはショックのあまり倒れてしまい、気づいた時には病院のベッドの上にいた。 グリゼルダは、心配そうに自分の顔を覗き込む執事にトラヴィスと連絡が取れなくなってしまったことを伝える。すると、執事は首を傾げた。 そして、困惑した様子でグリゼルダに尋ねたのだ。「トラヴィスって、一体誰ですか? そんな方、この世に存在しませんよね?」と──。

敵対勢力の私は、悪役令嬢を全力で応援している。

マイネ
恋愛
 最近、第一皇子殿下が婚約者の公爵令嬢を蔑ろにして、男爵令嬢と大変親しい仲だとの噂が流れている。  どうやら第一皇子殿下は、婚約者の公爵令嬢を断罪し、男爵令嬢を断罪した令嬢の公爵家に、養子縁組させた上で、男爵令嬢と婚姻しようとしている様だ。  しかし、断罪される公爵令嬢は事態を静観しておりました。  この状況は、1人のご令嬢にとっては、大変望ましくない状況でした。そんなご令嬢のお話です。

従姉と結婚するとおっしゃるけれど、彼女にも婚約者はいるんですよ? まあ、いいですけど。

チカフジ ユキ
恋愛
ヴィオレッタはとある理由で、侯爵令息のフランツと婚約した。 しかし、そのフランツは従姉である子爵令嬢アメリアの事ばかり優遇し優先する。 アメリアもまたフランツがまるで自分の婚約者のように振る舞っていた。 目的のために婚約だったので、特別ヴィオレッタは気にしていなかったが、アメリアにも婚約者がいるので、そちらに睨まれないために窘めると、それから関係が悪化。 フランツは、アメリアとの関係について口をだすヴィオレッタを疎ましく思い、アメリアは気に食わない婚約者の事を口に出すヴィオレッタを嫌い、ことあるごとにフランツとの関係にマウントをとって来る。 そんな二人に辟易としながら過ごした一年後、そこで二人は盛大にやらかしてくれた。

リリィ=ブランシュはスローライフを満喫したい!~追放された悪役令嬢ですが、なぜか皇太子の胃袋をつかんでしまったようです~

汐埼ゆたか
恋愛
伯爵令嬢に転生したリリィ=ブランシュは第四王子の許嫁だったが、悪女の汚名を着せられて辺境へ追放された。 ――というのは表向きの話。 婚約破棄大成功! 追放万歳!!  辺境の地で、前世からの夢だったスローライフに胸躍らせるリリィに、新たな出会いが待っていた。 ▹◃┄▸◂┄▹◃┄▸◂┄▹◃┄▸◂┄▹◃ リリィ=ブランシュ・ル・ベルナール(19) 第四王子の元許嫁で転生者。 悪女のうわさを流されて、王都から去る   × アル(24) 街でリリィを助けてくれたなぞの剣士 三食おやつ付きで臨時護衛を引き受ける ▹◃┄▸◂┄▹◃┄▸◂┄▹◃┄▸◂┄▹◃ 「さすが稀代の悪女様だな」 「手玉に取ってもらおうか」 「お手並み拝見だな」 「あのうわさが本物だとしたら、アルはどうしますか?」 ********** ※他サイトからの転載。 ※表紙はイラストAC様からお借りした画像を加工しております。

モブ公爵令嬢は婚約破棄を抗えない

家紋武範
恋愛
公爵令嬢であるモブ・ギャラリーは、王太子クロード・フォーンより婚約破棄をされてしまった。 夜会の注目は一斉にモブ嬢へと向かうがモブ嬢には心当たりがない。 王太子の後ろに控えるのは美貌麗しいピンクブロンドの男爵令嬢。 モブ嬢は自分が陥れられたことに気づいた──。

処理中です...