１×∞（ワンバイエイト） 経験値１でレベルアップする俺は、最速で異世界最強になりました！

第二章

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　すると、俺の叫びが聞こえたのか、手前の小太りの男が反応した。

「うん？なんだ新入りかい？」

　男は両手に持ったダンベルを上下運動させながら、近づいてきた。

「いや、違う。人探しじゃ」

　翁は一歩俺の前に出ると、言った。

「人探し？ここには何百と人がいるが、何て名前の奴だい？」

「アルフレッド・バーンという」

「聞いたことがないな。でも一応皆に聞いてみよう」

　小太りの男はそう言うと振り返り、大声で呼ばわった。

「おおい！アルフレッド・バーンって人、いるかい!?」

　男の大音声に、大量の半裸の男たちが動きを止めてざわざわしだした。

　その中で、不審げな表情をした細身の男が、恐る恐る近づいてきた。

「今なんと？」

　細身の男の問いに、小太りの男が俺たちを指さしながら答えた。

「彼らが、アルフレッド・バーンという人を探しているんだ」

　細身の男は、首を亀のように前にだし、ギョッとした顔つきをした。

「アルフレッド・バーンを探しているって……どういう理由で？」

　細身の男の問いに、バーン翁は笑顔で答えた。

「アルフレッドはわしの孫でな」

　細身の男は途端に後ずさった。

　それを見て、小太りの男が怪訝な表情をする。

「うん？どうした？あんたアルフレッド・バーンを知っているのか？」

　細身の男は驚愕の表情を浮かべ、言った。

「知っているもなにも……アルフレッド・バーンは、憲兵隊が逮捕拘禁している奴の名だぞ！」

「えっ!?」

　小太りの男は驚き、次いで残念そうな表情に変わった。

「そうだったのか……しかし、それは困ったな。さすがに逮捕したのが憲兵隊じゃ、面会することも出来ないだろう。ここまで足を運んでもらってなんだけど、あきらめてもらうしかないと思うよ」

　小太りの男はどうやらいい人らしいと、俺は思った。

　翁も同じらしく、少し困った顔をしていた。

　だがその後ろで、細身の男が周囲の男たちに次々と耳打ちをしている。

　俺たちがしばらく様子を見ていると、細身の男が屈強な男たちを十人ばかり引き連れ、小太りの男を脇に追いやり前に出てきた。

　中でも、もっとも筋骨隆々で、身長が二メートルを超すほどの大男が、最前列に陣取った。

「おい、お前。アルフレッド・バーンのじいさんってことは……」

　大男がそこまで言った瞬間、目の前のバーン翁が消えた。

　いや、あまりにも速く翁が前に突出したため、消えたように見えただけだった。

　翁は瞬時に右手を前に突き出し、大男の腹部に掌底を当てた。

　その刹那、大男は吹き飛んだ。

　後ろに控えていた男たちを弾き飛ばし、十メートルほども後方に吹き飛んでいった。