1×∞(ワンバイエイト) 経験値1でレベルアップする俺は、最速で異世界最強になりました!

マツヤマユタカ

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第二章

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「紹介状?誰からのなんだ?」

 俺の問いに、レノアが残念そうにかぶりを振った。

「誰かまではわかっていない。だがゼークルが信用を置いている人物からだと思う。でなければ、あのゼークルが手元に置いたりはしないだろう」

 俺はうなずいた。

「それに、魔法を発動させたりもしないだろうな」

「そうなんだ。あの魔法は、自分にかけるには怖い魔法だからね。よほど信用を置いていなければ、発動させられるはずがないんだ。でなければ、そこを騙されたとか」

 俺はハッとした。

「つまり、ゼークルは別の魔法だと言われてそれを信じ込んで発動させたが、実際は恐るべき沈黙魔法だったってことか。充分有り得るな」

「そっちの方が、辻褄が合いそうだと思うんだ」

 俺は納得し、うなずいた。

「俺もそれだと思う。だが問題は、何故その魔導師はゼークルを騙したのかだが……」

 レノアは苦悶の表情となり、口をへの字に曲げた。

「う~ん、そこなんだよなあ~、その魔導師の真意は何処か……」

「ゼークルを騙して沈黙させる必要があったからってことなんだろうが、その必要性ってなんだろうな?」

「ゼークルにしゃべられては困る者は、誰なのか。また、その内容とはどんなものか。今のところほとんど何もわからないけど、わかっていることがひとつだけあるよ」

 俺はいぶかしんだ。

「わかっていること……なんだ?」

「紹介状を書いた奴こそが、ゼークルを黙らせた張本人だってことは、たぶん間違いないと思う」

「なるほど。そいつが魔導師を使って、ゼークルを沈黙させたってわけだな」

「そう。だから、紹介状を書いた奴が誰なのかを調べるのが、なにより先決ってことだね」

 レノアは方針が定まったことで、少しだけ明るい表情となった。

「よし、じゃあ僕は、そいつを探すことに全力を尽くすよ」

「と言いつつ、ベルトールたちを使うんじゃないのか?」

 レノアは肩をすくめた。

「もちろん使うさ。でも僕らはチームだからね。だから実際に現地で調査したりするのはベルトールたちでも、僕だって彼らを指揮監督したりするわけだから、なにもしないってわけじゃないさ」

「まあそうか」

「そうさ。前から言っているけど、僕は頭脳労働担当だからね。基本的には前線には出ずに、後方で作戦を練ったりするのが本来の仕事なんだよ」

「わかったわかった。じゃあ後は調査待ちだな」

「そうなるね」

「ワイズマンのことはどうする?」

 俺の問いに、レノアが少し口をすぼめた。

「別にもういいよ。どっちにしたって、奴はもうどっかに逃げちゃっているだろうしね」
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