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第二章

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 レノアはそう言うと、俺と別れてベルトールたちのところへ向かった。

 どうやら、ゼークルを沈黙させた犯人の割り出しを早速始めるようだ。

 さて、俺はどうするか……。

 犯人捜しを手伝おうにも、俺はそういうことに不向きだ。

 となると、他にやることもないな。

 俺は仕方なく、自室へと戻った。

「部屋に戻ったところで、やることもなし……か」

 俺はとりあえずベッドの上に、身体を放り出すようにして寝転んだ。

「暇だな……」

 俺はこの手持無沙汰を解消すべく、天井の模様を眺めながら考えた。

「なにかやることはないか……」

 だが何も思いつかない。

 いずれやろうと思っていたことがあったような気がするんだが……

 俺はふと首を横に倒し、窓の外を眺めようとした。

 そのとき、間接視野で壁に掛けられた地図が目に入った。

 それはオルダナ王国を中心とした、この世界の地図だった。

 オルダナの東には、アルデバラン王国がある。

 いや、あった。

 現在はオルダナとアルデバランの北に位置する強国、ベルガン帝国によって支配されている。

 だが完全に支配されているわけではなかった。

 各地でレジスタンスが蜂起していると聞いている。

 アルデバラン王国の残兵たちが国にとどまり、必死に抵抗しているのだ。

 だが、すべての兵たちがレジスタンスと化しているわけではない。

 実は多くの兵たちが、続々とオルダナ王国に参集していた。

 アルデバラン東部の港町、デガローにいるアルフレッド・バーンたちが、秘密裏に船を仕立ててオルダナ王国へと送ってくれているのだ。

 アルフレッド・バーン……そうだ!

 俺は、あることを思い出した。

「アルフレッドが以前、自分の祖父にあたるバーン商会の創始者が、かつて転移者にあったことがあるって言っていたな!」

 俺はすかさずベッドから身体を起こすと、素早く降りた。

 そして壁に掛けより、地図を見る。

「いずれ会いに行こうと思ってはいたが、忙しさにかまけて後回しにしてしまっていた。よし!会いに行こう。確かオルダナ西部の避暑地にいると言っていたな。何処だ?」

 俺は地図を見るも、そこに書いてあるどの地名がその避暑地なのかわからなかった。

 そのため、俺は取る者も取らずに慌てて部屋を出ると、レノアがいるであろうところに向かった。

 たぶんレノアは作戦室にいる。

 そこは、ギャレットやベルトールたちと様々な検討したりするために設けられた、とても広い部屋だった。

 俺は全速力で建物内を駆け、瞬く間に作戦室にたどり着いた。

 俺は部屋のドアを少々乱暴に開け、中に入ると、やはりそこにはベルトールたちと相談しているレノアの姿があった。
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