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第六章
鉱山へ、そして
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真龍聖教。
エンシェントドラゴンを神とする、聖王国クロスガルドを中心に広がる宗教。最高指導者は枢機卿のリンドブルム。外見は十四歳ほどの少女だが、数千年の時を生きるドラゴンであり、エンシェントドラゴンによって生み出された偉大なる存在である。
エンシェントドラゴンによって生み出されたドラゴンは、全部で八体。
現在、その行方が分かっているのは、リンドブルムのみ。
完全に姿をくらましたドラゴンもいれば、ヒトに擬態し生活する者もいる。
そして……ヒトを率い、組織を作るドラゴンも。
現在、人が確認しているドラゴンは四体。
真龍聖教の枢機卿リンドブルム。
東方の国に安置されている石化したドラゴン。
そして、ヒトの欲望、悪意、おぞましさを好み、好き勝手暴れている双子のドラゴン。
エンシェントドラゴンが生み出し、『神話八龍』の双子ドラゴン。
『毒魔凶龍』テュポーン。『睡蓮水龍』エキドナ。
ヒトが手出しできない、最強最悪の犯罪組織のボスである。
組織の名は、『ギガントマキア』……構成員は約三百名。
数自体はそれほどでもないが、テュポーンとエキドナにより何らかの『力』を与えられた、違法スキルを所持する傭兵、そして元冒険者の集団である。
ギガントマキアの構成員は、熟練冒険者たちによる襲撃を受け、アジトの一つが壊滅。構成員の数名が逃げて行方をくらましたとの報告が入っていた。
さて、彼らはどこに逃げたのか?
◇◇◇◇◇◇
◇◇◇◇◇◇
◇◇◇◇◇◇
「準備できた? じゃ、行くわよ」
ギルドでムーン公爵家の指名依頼を受けた俺たちは、公爵家が用意した冒険者運搬用の馬車に乗り、ムーン鉱山を目指し進んでいた。
冒険者運搬用馬車。これがなかなか立派である。
「すっげーな。あの馬」
「あれ、魔獣との混合馬だよ。体力は普通の馬の数十倍、脚力もすごくて、一蹴りで岩を砕くとか」
「荷台も鉄製だし、意外と椅子は座り心地いいし、欲しくなるぜ」
レノ、サリオが話している。
確かにすごい。荷台は木製だが鉄板が貼りつけられ頑丈に補強され、座る部分には柔らかなクッションが敷いてある。このクッション、高いやつだよな。
レイは、アピアと話している。
「鉱山に現れた魔獣……どんな魔獣でしょうか?」
「そうねぇ。鉱山って鉱石取るところで、魔獣とかエサとかそんなにいないはず。そこに住む魔獣だと……ロックワームとか、ロックタイタンとか、鉱石を食べる魔獣かな?」
「そんな魔獣がいるんですね……知りませんでした」
「ま。世界は広いってことね」
俺は、『闘気精製』で作った剣を磨きつつ、投擲用の短剣を確認する。
ルイさんには悪いことしたな……俺のためにいろいろ武器を用意してくれたみたいだけど、今の俺は武器に困っていない。全部『闘気精製』で作れるから。
なので、武器のデザインだけ確認した。今ある武器は全部、新しいデザインで錬成したものだ。
すると、サリオが近づいてきた。
「ね、リュウキくん。リュウキくんって、杖とかも作れる?」
「杖……こんな感じか?」
俺は、闘気精製でサリオの持つ杖と同じのを作った。
サリオに渡すと、すごく喜んでくれる。
「いいの? もらって」
「ああ、使ってくれ」
「わぁ~……ありがとう!」
さっそく、サリオは俺の作った杖を装備……なんか照れるな。
するとレノも。
「おい、オレにもガントレット作ってくれよ」
「いいぞ。ほら」
「よっしゃ!!」
「リュウキくん、私に銃を……」
「す、すまん。銃とか構造が複雑なのは難しい……」
「あたしはパス。これ、気に入ってるし」
なんか、仲間と冒険しているって感じだ。
それから半日馬車が進み、ムーン鉱山入口に到着した。
鉄のフェンスで仕切られ、鉄製の門に守られた『ムーン鉱山』だ。鉱山前には管理人の小屋があるが、今は無人となっている。
御者が門を開き、俺たちに言う。
「気を付けてください。ここからは魔獣の巣になっています」
「了解。さ、みんな行くわよ。リュウキとレノ、先頭で」
「「了解」」
俺とレノが先頭になり、鉱山内部へ踏み込む。
鉱山内は、魔導ランプの光で通路が明るく、視界も悪くない。
だが、やはり通路が狭い。
俺は腰に差していた二本のナイフを抜いた。
「今日はナイフか?」
「ああ。狭いし、剣だとな」
「多彩だねぇ」
レノは拳をパシッと打ち付ける。すると、通路の前から何かがやってきた。
「来たわよ。二人とも」
「「了解」」
ナイフを構え、やってきた魔獣を見る……それは、ムカデだった。
「む、ムカデかよ」
「ロックワーム。鉱石や岩、土なんかを食べる魔獣ね。鉱山に現れる魔獣としては、ありきたりなモノ。でも……ありきたり故に、厄介なのよ。一匹みたら十匹はいると思いなさい」
「じゃ、俺が」
闘気を解放し、袖に仕込んでいたナイフを抜き投げる。
ナイフはムカデの頭を貫通した。あれ、けっこう脆いのかな?
ムカデは倒れ───……なんと、ムカデの仲間が現れ、共食いを始めた。
「ひっ……」
「なんだあれ、共食いかよ」
「仲間意識はないみたい。というか……あれ、全て退治するの大変だよ」
アピアが俺の背に隠れ、レノが嫌そうな目で見て、サリオが首を傾げる。
すると、レイが言う。
「……親がいるわ」
「「「「親?」」」」
「そう。ロックワームの親。そいつを倒せば、残りの子は死ぬわ。鉱山の奥に進んで、親を倒すわよ」
「親か。強いのか?」
「ええ。マザーロックワーム。討伐レートはB+の魔獣。ったく、ムーン公爵家だっけ? ずいぶんと嫌らしい魔獣を当ててくるわね」
そう言い、レイは鉱山の奥へ歩き始めた。
俺はアピアを安心させるように笑うと、アピアは小さく頷く。レノとサリオも並んで歩きだした。
歩きだし、俺はほんの少し違和感を感じた。
「……ん?」
「ん、どうしたリュウキ」
「あ、いや……気のせいか」
なんだか、見られてたような……でも、封鎖されてる鉱山に、誰かいるなんてこと、ないよな。
◇◇◇◇◇
「…………」
◇◇◇◇◇
エンシェントドラゴンを神とする、聖王国クロスガルドを中心に広がる宗教。最高指導者は枢機卿のリンドブルム。外見は十四歳ほどの少女だが、数千年の時を生きるドラゴンであり、エンシェントドラゴンによって生み出された偉大なる存在である。
エンシェントドラゴンによって生み出されたドラゴンは、全部で八体。
現在、その行方が分かっているのは、リンドブルムのみ。
完全に姿をくらましたドラゴンもいれば、ヒトに擬態し生活する者もいる。
そして……ヒトを率い、組織を作るドラゴンも。
現在、人が確認しているドラゴンは四体。
真龍聖教の枢機卿リンドブルム。
東方の国に安置されている石化したドラゴン。
そして、ヒトの欲望、悪意、おぞましさを好み、好き勝手暴れている双子のドラゴン。
エンシェントドラゴンが生み出し、『神話八龍』の双子ドラゴン。
『毒魔凶龍』テュポーン。『睡蓮水龍』エキドナ。
ヒトが手出しできない、最強最悪の犯罪組織のボスである。
組織の名は、『ギガントマキア』……構成員は約三百名。
数自体はそれほどでもないが、テュポーンとエキドナにより何らかの『力』を与えられた、違法スキルを所持する傭兵、そして元冒険者の集団である。
ギガントマキアの構成員は、熟練冒険者たちによる襲撃を受け、アジトの一つが壊滅。構成員の数名が逃げて行方をくらましたとの報告が入っていた。
さて、彼らはどこに逃げたのか?
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「準備できた? じゃ、行くわよ」
ギルドでムーン公爵家の指名依頼を受けた俺たちは、公爵家が用意した冒険者運搬用の馬車に乗り、ムーン鉱山を目指し進んでいた。
冒険者運搬用馬車。これがなかなか立派である。
「すっげーな。あの馬」
「あれ、魔獣との混合馬だよ。体力は普通の馬の数十倍、脚力もすごくて、一蹴りで岩を砕くとか」
「荷台も鉄製だし、意外と椅子は座り心地いいし、欲しくなるぜ」
レノ、サリオが話している。
確かにすごい。荷台は木製だが鉄板が貼りつけられ頑丈に補強され、座る部分には柔らかなクッションが敷いてある。このクッション、高いやつだよな。
レイは、アピアと話している。
「鉱山に現れた魔獣……どんな魔獣でしょうか?」
「そうねぇ。鉱山って鉱石取るところで、魔獣とかエサとかそんなにいないはず。そこに住む魔獣だと……ロックワームとか、ロックタイタンとか、鉱石を食べる魔獣かな?」
「そんな魔獣がいるんですね……知りませんでした」
「ま。世界は広いってことね」
俺は、『闘気精製』で作った剣を磨きつつ、投擲用の短剣を確認する。
ルイさんには悪いことしたな……俺のためにいろいろ武器を用意してくれたみたいだけど、今の俺は武器に困っていない。全部『闘気精製』で作れるから。
なので、武器のデザインだけ確認した。今ある武器は全部、新しいデザインで錬成したものだ。
すると、サリオが近づいてきた。
「ね、リュウキくん。リュウキくんって、杖とかも作れる?」
「杖……こんな感じか?」
俺は、闘気精製でサリオの持つ杖と同じのを作った。
サリオに渡すと、すごく喜んでくれる。
「いいの? もらって」
「ああ、使ってくれ」
「わぁ~……ありがとう!」
さっそく、サリオは俺の作った杖を装備……なんか照れるな。
するとレノも。
「おい、オレにもガントレット作ってくれよ」
「いいぞ。ほら」
「よっしゃ!!」
「リュウキくん、私に銃を……」
「す、すまん。銃とか構造が複雑なのは難しい……」
「あたしはパス。これ、気に入ってるし」
なんか、仲間と冒険しているって感じだ。
それから半日馬車が進み、ムーン鉱山入口に到着した。
鉄のフェンスで仕切られ、鉄製の門に守られた『ムーン鉱山』だ。鉱山前には管理人の小屋があるが、今は無人となっている。
御者が門を開き、俺たちに言う。
「気を付けてください。ここからは魔獣の巣になっています」
「了解。さ、みんな行くわよ。リュウキとレノ、先頭で」
「「了解」」
俺とレノが先頭になり、鉱山内部へ踏み込む。
鉱山内は、魔導ランプの光で通路が明るく、視界も悪くない。
だが、やはり通路が狭い。
俺は腰に差していた二本のナイフを抜いた。
「今日はナイフか?」
「ああ。狭いし、剣だとな」
「多彩だねぇ」
レノは拳をパシッと打ち付ける。すると、通路の前から何かがやってきた。
「来たわよ。二人とも」
「「了解」」
ナイフを構え、やってきた魔獣を見る……それは、ムカデだった。
「む、ムカデかよ」
「ロックワーム。鉱石や岩、土なんかを食べる魔獣ね。鉱山に現れる魔獣としては、ありきたりなモノ。でも……ありきたり故に、厄介なのよ。一匹みたら十匹はいると思いなさい」
「じゃ、俺が」
闘気を解放し、袖に仕込んでいたナイフを抜き投げる。
ナイフはムカデの頭を貫通した。あれ、けっこう脆いのかな?
ムカデは倒れ───……なんと、ムカデの仲間が現れ、共食いを始めた。
「ひっ……」
「なんだあれ、共食いかよ」
「仲間意識はないみたい。というか……あれ、全て退治するの大変だよ」
アピアが俺の背に隠れ、レノが嫌そうな目で見て、サリオが首を傾げる。
すると、レイが言う。
「……親がいるわ」
「「「「親?」」」」
「そう。ロックワームの親。そいつを倒せば、残りの子は死ぬわ。鉱山の奥に進んで、親を倒すわよ」
「親か。強いのか?」
「ええ。マザーロックワーム。討伐レートはB+の魔獣。ったく、ムーン公爵家だっけ? ずいぶんと嫌らしい魔獣を当ててくるわね」
そう言い、レイは鉱山の奥へ歩き始めた。
俺はアピアを安心させるように笑うと、アピアは小さく頷く。レノとサリオも並んで歩きだした。
歩きだし、俺はほんの少し違和感を感じた。
「……ん?」
「ん、どうしたリュウキ」
「あ、いや……気のせいか」
なんだか、見られてたような……でも、封鎖されてる鉱山に、誰かいるなんてこと、ないよな。
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