継母の心得 〜 番外編 〜

トール

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番外編 〜 ノア3〜4歳 〜

番外編 〜 我が家の重役会議 〜 ノア4歳、イザベル妊娠初期

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「みんな、あちゅまって、くださーい!」
『ミンナ、アツマルノ~』
『なーに、ノア、チロ!』
『なに、なにー!!』
『ノア、何かあった?』
「どうしたのだ? ノア」

リビングでアス殿下と遊んでいたノアとチロが、突然みんなに集合をかけていたので、面白そうなことをしているわ、と眺めていたら、

「これかりゃ、じゅーやく、かいぎ、ちます!」
『カイギ、スルノ』

まぁっ、もしかして先日やった、ベル商会の重役会議を真似しておりますの!?

『カイギー?』
『カイギって、なに??』
『どういう遊び?』
「うむ! かいぎかっ、たのしそうだ!」

妖精たちは戸惑っているけれど、アス殿下は嬉しそうですわ。

「かいぎの、ぎだい? はぁ……、みんなの、だいすきなおもちゃと、おかちについて、なのよ!」
『ニンキノオカシ、オモチャ、ベルニ、オシエテアゲルノ~』
「なるほど、にんきのおもちゃと、おかしか……」
『はいはーい! アカ、プリン!』
『はいはーい!! アオ、スフレパンケーキ!!』
『ボクは、全部好きだけど、人気のやつだから……あっ、ドーナツ!』

あらあら、可愛い我が家の重役会議ですわね。ほっこりしますわ。

「にんきの……あ、おおきなすべりだい! とってもにんきなのだ!」
「わたちも、しゅ、すべりだい、だいすき!!」
『アイスクリームも、すき!』
『チョコレートも、すき!!』
『パフェも人気だよねっ』
『チロ、マシュマロ、ヤイタノ、スキナノ~』
「あっ、メモ、とりゅのよ!」

ノアがみんなの意見を紙に書いているのだけど、まったく読めませんわ。あら、アス殿下も書いてくださるのね。まぁ、アス殿下が文字で、ノアは絵を描きますの? わかりやすいですわね。二人ともお上手ですわよ。

「ノア、おかしのいちばんを、きめよう!」
「はい! おかしの、いちばん……すふれ、パンケーキ!」
『ノア、ちがう! プリン!』
『ノア、あってる!!』
『ボクはアイスクリームが良いと思うよ』
『チロ、マシュマロ、スキナノ』

これは……なかなか一番が決まらないようだわ。

「あっ、じゃあ、ぜーんぶ、いちばんなのよ!」
「うむっ、ぜんぶ、いちばんなのだ!」
『ノア、スゴイノ~! チロモ、ソーオモウノ』
『ぜんぶ、いちばーん!』
『さすが、アオのノア!!』
『全部一番かぁ。確かに全部人気だもんね』

ノアったら、みんなのいけんを汲み取って、全部一番人気という事にしましたのね。
あら、それをメモにして、今度はおもちゃも? おもちゃも全部一番? フフッ、そのメモをどうするのかしら?

「これ、ほーこくちょ、よ。おとぅさまと、おかぁさまに、おわたちすりゅの!」
『ベル、キットヨロコブノ~』
「では、いっしょに、わたしにいこう!」
「はい!」
『アカも、いっしょいくー!』
『アオも、ほーこくするー!!』
『ボクも行くからねっ』

あらあら、みんなで会議の報告をしてくれますのね。わたくしもお部屋で待っていたほうが良いみたいですわ。

「奥様、先ほどから中を覗いて入室されないようですが、何かございましたでしょうか?」
「フフッ、ミランダ、ノアが報告書を持ってきてくれるようですから、部屋に戻っていましょうか」
「報告書、ですか?」

戸惑うミランダを連れ部屋に戻ると、すぐに可愛い子供たちがやって来ましたの。

「おかぁさま、わたちたち、かいぎ、ちたのよ!」
「まぁっ、会議をしましたの!?」
「そうなのだ! それで、ノアとわたしで、ほうこくしょを、つくったのだ!」
『アカ、いけんだしたー!』
『アオも、たくさん、いけんだしたー!!』
『もちろんボクも協力したよっ』
『ベル、ウレシー?』

子供たちがわれもわれもと喋り出す。

「あらあら、みんなが意見を出して、それをイーニアス殿下とノアでまとめて、報告書を作りましたのね!」
「はい!」
「みんなすごいですわ!」
「しょうよ。みーんな、すごいのよ」

か、可愛いですわ!

「みんなが人気のおかしとおもちゃを調べてくれたから、お母様、とっても助かりましたわ!」
「さんこうに、なるだろうか?」
「もちろんですわ! みんな、ありがとうっ」

みんなを抱きしめると、嬉しそうに笑顔を見せてくれたのだ。



ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー



~ おまけ ~


「おとぅさま、ほーこくちょ、つくったのよ」
「報告書だと?」
「しょう!」
「こうしゃく、ノアと、わたしでつくったのだ!」
『アカも、きょーりょくした!』
『アオも、いっぱい、いけん、だした!!』
『ボクだって、たくさん意見だしたんだよ!』
『チロ、マシュマロ、スキッテ、イッタノ~』
「そ、そうか。イーニアス殿下とノアが、報告書……? 一体何の報告をしようというのか……、好きな菓子と玩具だと? 」

何かを期待するような目を向けているが……私にこれらを強請っているのだろうか??

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