継母の心得

トール

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第二部 第4章

500.もう逃げない 〜 ぺーちゃん視点/テオバルド視点 〜

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ぺーちゃん視点


「にょあ、ぅりょ、かぁちゃ……っ、ぁうにゃー!」

お客様って、絶対あの王女だ! という事は、お母さんはあの王女の所に行ってしまった……、あの怖い人の所に。

「ぺーちゃん、おかぁさま、あぶない、どちて?」
「よーてーたん、ピカッ、しゅりゅ?」

だけど私は、何もできない……だってまだ赤ん坊だし……

「ねぇ、ぺーちゃん、どちて、おかぁさま、あぶにゃい?」
「ふりょ、よーてーたん、みゃもりゅ!」
「フロちゃん、おかぁさま、まもりゅの、わたち!」

どうして……?

「にょあ、ぅりょ、かぁちゃ……みゃにょぅ?」
「しょうよ。まもりゅの。わたち、おかぁさまの、きちなのよ」

ノアはまだ、四歳じゃないか。

「ふりょ、よーてーたん、だいしゅき!」

フローレンスも、私と同じ、赤ん坊だ。

「わたち、おかぁさまのところ、いく!」
「ふりょも!」

なんで……っ

「ええ!? ノア様っ、お待ちください! フローレンス様まで!?」

これじゃあ、あの時と同じじゃないか……、前世の、何もできなかったあの時と……っ

「にょあ……、ぅりょ……」
「ぺーちゃん、だいじょぶよ。ここにいて」
「ぺぇちゃ、よちよち」

また、二人に任せるのか? 自分は逃げて、大切な人たちを見殺しにするのか? そんなの……

「……ぺーちゃん様?」

嫌だ!! 私はもう、逃げたくない……っ、ノアとフローレンスを、失いたくない! お母さんも、失いたくない!!

「にゃー!! かぁちゃ、ちゃちゅっけ、にゅ!」
「ぺーちゃんも、おかぁさま、たしゅけにいくのね」
「にゃ!」
「わかったのよ。わたちといっちょ、いくの」

ノアは、足手まといになるだろう私も、一緒に行こうと言ってくれたんだ。

お母さんは、あの王女の正体にまだ気付いていない。だから、私が教えてあげないと!

あの王女こそが、エンプティのボスだって───



ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー



テオバルド視点


『オージョのジジュー、テオとにた、まほーつかう!』

ディバイン公爵家の当主のみが発現させてきた氷の攻撃魔法。風と水の複合魔法で、それぞれの神からの加護があるからこそ使用できるものだ。それを……

「ディバインの血筋の者か……?」

もし、先祖の中に私生児を作った者がいたとすれば、ディバインの血が分かれた可能性もある。とはいえ、ディバイン公爵家の影が必ず監視しているはずだ。見逃すとは思えないが……

『アカ、わからない。でも、たましーくろい、せーよーせーいってた。テオ、ノア、まったくにてない!』

正妖精の調査では覚束無い上、ノアの神獣たちも使えないとなると、副帝に頼むしかない。そう考え、副帝が居るだろう皇帝陛下の執務室に行くことにする。

『テオ、レーテいま、こーきゅーにいる! アスのところ!』
「そうか。では皇宮に行くぞ」
『アスのところ、いくー!』

赤いキノコは自分の主の元へ行けると喜んでいるが、今は緊急事態だ。もう少し緊張感はないのか。

『アス、リュークのおせわしてる! アカ、ちょっとジェラシー!』

何を言っているんだ、このキノコ。

キノコの話は聞き流しながら、足早に皇宮に向かっていると、一階の中庭に面した廊下で、件の侍従に遭遇したのだ。

偶然か、それとも偶然を装ったものか。

丁度いい。正妖精の調査結果を確認できる好機だ。

『テオ……、アカ、あいつこわい!』

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