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第二部 第3章
472.子供祭4 〜 イザベル視点/ぺーちゃん視点 〜
しおりを挟む「ボール、ばぁん、しゅりゅ!」
「ばぁん? フロちゃん、このボール、あれに、ばぁん、しゅるの?」
「ぁい!」
お祭りが始まって、ノアがお父様と一緒に、わたくしのたこ焼き屋さんに来てくれたのかと思ったら、隣のフロちゃんの露店に行ってしまったのがかなりショックだ。
「お嬢様、落ち込んでいる暇はありませんよ。どんどん焼いてください」
「奥様、チーズが少ないので、取ってまいります」
なぜか行列が出来てしまったたこ焼き屋は、ミランダとわたくしだけでは回せなかった為、急遽サリーに手伝いに入ってもらったのだが、馬車馬のように働かされている。
「ノア、あのオーガのお腹に、ボールを当てたら良いようだよ」
「ばぁん、しゅりゅ!」
「そうだね。フローレンス、ボールを一つお願いできるかな?」
「あーい! ひとちゅ、じょーじょ」
「フロちゃん、ありがと、ごじゃぃましゅ」
二人とも、可愛いですわぁ。お父様の顔があんなに綻んで、わたくしと同じね。
今ここにノアがいるという事は、ヨーヨー釣り屋はカミラが頑張っているのだろう。
「お嬢様、チーズ3、さつまいも3、ソーセージ3、コーン2、トマト2、お願いします」
何でわたくし、たこ焼き屋さんを選んだのかしら……。わたくしも、ノアとフロちゃんの所に行きたいですわ。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
フェリクス(ぺーちゃん)視点
私の折り紙屋さんには、クレオと、ノアとアス、アスの兄姉たち、ウィーヌス枢機卿とルネ、それとテディベアを抱っこした女の子が来てくれて、たくさんの妖精紙幣が手に入った。だからそろそろ、私も色んな露店を回りたくて、マディ(マディソン)にお店を任せ、クレオと、なぜかウィーヌス枢機卿に連れられて、露店巡りをしている所だ。
美味しそうな匂いもしてきて、ぐぅっとお腹が鳴ると、ウィーヌス枢機卿が嬉しそうに、
「フェリクスは何が食べたいですか?」
と聞いてくる。もちろん色々食べてみたい。焼いたコーンや、ソーセージ、焼いた麺まである!
「おおっ、あそこに行列ができておりますなぁ」
「本当ですね。あそこは……」
「にょあ!」
クレオが行列のできた露店を指差したその先に、ノアがいるではないか!
「にょあー!」
「あっ、フェリクス、待ちなさい!」
「おや、ノア公子様を見つけてしまいましたかな」
ウィーヌス枢機卿の手を振りほどき、ノアの元へ走る。しかし、この短い手足ではなかなか前に進めない。クレオを見上げると、「ホホッ、どれ、私が抱っこしましょうかの?」と、抱き上げてくれたのだ。以心伝心とはこの事か、と頷く。
「クレオ大司……クレオ枢機卿、フェリクスは私が抱っこしますよ」
「ホホッ、お前さんは、あの行列に並んで、フェリクスの晩飯を確保せねばならぬだろう?」
「ぐ……っ、わかりました。晩御飯いただく時には、私が膝に乗せて食べさせますからね!」
「ほいほい」
ノアが頭くらいの大きさのボールを持っている。隣にいるのは……あ! エンツォおじいちゃんだ!
「にょあ、じっちゃ、にゃに、ちぃっちぇう?」
「ぺーちゃん、あ、これはクレオ……枢機卿猊下。ご無沙汰しております」
「シモンズ伯爵、ご無沙汰ですなぁ」
「あっ、ぺーちゃん、ボール、ばぁん、しゅるところよ!」
「みゃーん?」
ボールを投げる露店?
「ぃりゃちゃー、まちぇ!」
私と同じくらいか、少し上くらいの女の子が、その露店から元気よく声をかけてくる。
あれ? どこかで見たことがあるような……?
「おおっ、ドニーズの娘さんがやっているお店のようですなぁ」
「じょーじゅ?」
「ほれ、ウィーヌスが誘拐した娘御の父君じゃよ」
あ!!
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