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貢物、まで

電気代

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 今年は、冷夏だというが、嘘だと思う。
 なぜなら、先月の電気代が、ものすごかったからだ。
 雪さんがいるから、少し暑くなってきてから基本、二十四時間エアコンはつけっぱなしだ。
 でも、二十八度設定なのに。
 でも、リビングにあるエアコンは、二百ボルトで割安なのに。
 でも、一階六畳間は、帰ったとき暑いのを我慢して、出かける時は消しているのに。
 ものすごい電気代だ。
 いっそのこと、リビングで寝よう、と一階六畳間のエアコンを止めてリビングでタオルケットに包まるようになってから三日たつと、雪さんが、必ず僕の胸に乗るようになって、苦しくて目が覚める。
 どうやら、一階六畳間のベッドで寝ろ、エアコンをつけろ、自分も僕のベッドで寝たい、という抗議らしい。
 このままでは夏バテになりそうなので、仕方なくエアコンの封印を解き、ベッドで寝ると自分でも驚くほど(雪さんが胸に乗らないのを差し引いても)熟睡できた。
 やっぱり、睡眠は大事だ。
 とはいえ、電気代は大金だ。
 ネットで調べる、とエアコンはつけたり消したりするより、一定温度をキープした方が電気を使わないらしい。
 確かに、熱々の部屋を強風で冷やすのは、効率が悪そうだ。
 更に、買ってきたサーキュレータで、足元に溜まる冷気をかき混ぜた。
 雪さんは、風に当たるとイヤな顔をしたが、床付近が冷えすぎないことに気づいたからか、首を振るサーキュレーターに攻撃をすることはなかった。
 これまた買ってきた、冷凍庫で冷やす冷却枕も使う。
 そして、もっとも重要なミッションに着手した。
 雪さんに、猫ドアを使ってほしい、と懇願したのだ。
 どうしても、雪さんが出入りするためにドアを開けていると、冷房効率が落ちてしまう。
 僕が話しかけたときによくやる、アナタがナニを言っているか分からないわ猫だから、といった顔で聞いていたが、君が鳴いてもドアを開けない、という強い決意で閉めた瞬間に、あっさり猫ドアを使って入ってきた。

 ・・・ありがとう、と言うべきなのだろうか?
 僕は、新潟麦酒エスプレッソの栓を抜いた。
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