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超番外編
2020年6月
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ご存知の通りの情勢で、お店は休業している。
はじめは、家から出ようとしない僕へ、不審な目を向けながらも、遊びをせがんできた猫たちも、既に慣れたというか、飽きたご様子だ。
お客様が入らないお店は、ガランとしていて、引っ越してきた当初は、ほぼ使っていなかったせいもあって、気にもならなかったのに、なんだか音が響くように感じる。
猫たちも、人がいない空間を怯えたように忍足で歩くくせに、気がつくとお客様が入ってこないドアを見上げていたりする。
遊び相手が僕だけでは、不満なのか、お客様が来ないことに、何かしらの不安を感じているのかは、わからない。
でも、三匹が揃って、動かないドアノブを見上げているのは、物悲しくはある。
アニキとは、しばらく合っていない。
メールでやり取りはしていて、互いの健康は確認している。
カスミちゃんは、高校がオンライン授業になって、実家に帰ってきていた。
アニキは喜んでいるようだが、カスミちゃんからのLINEは、愚痴が増えたように思う。
オヤジには、時々メールすると、忍さんから素っ気なく「生きてる」返信がくる。
行間から滲み出てくる不機嫌さから、オヤジは自分のお店に入り浸って、ボトルやグラスを磨いているのだろう。
猫の保護活動ネットワークの皆さんも元気だ。
ただ、里親募集などは、ネットのみで、譲渡会は自粛している。
逆に、この家にいる期間に、猫と過ごしてみたい、という方は、思っていたより多くて、里子に出す数は、審査を厳しくしたのに、例年とほぼ変わっていない。
Youtube配信は、過去分も合わせて、再生数や登録数が鰻のぼりだ。
百田さんと九十九さんは、ジムの会員向けに各々、宅トレ動画をアップしてるので、元気そうだ。
ジムに猫譲渡会のポスターを貼ってもらったときに、百田さんとは連絡先を交換しているのだけど、こういう情勢で、お互いの店舗が休業中だと、ちょっと連絡しにくい感じだ。
こういう時になると、僕の人としてのコミュニケーション能力が問われてしまう。
いつでも会えるから、と他は、メアドもLINEも交換していなかったのだ。
菊池さんなんて、ポストにカードをもらった。
保育園は感染対策が大変なようで、もしものために、なるべく人に会わないように生活しているようだ。
残念ながら、連絡先が書いてなかったので、お手紙をポストに入れたが、忙しくて、読んでいるかどうか。
つくづく僕って、ダメ人間だな。
とはいえ、非常事態宣言も解除され、少しづつだけど、日常が戻ってきている。
そろそろ僕も、お店をどうするか、考えなければいけない。
オジサンとアニキのお陰で、僕にはこのビルの家賃収入があるので、生活には困っていない。
でも、お店は再開したい。
でも、感染を考えると。
でも、と堂々巡りなのだ。
テイクアウトも考えてみた。
でも、冷えても美味しいようなノウハウはないし、熱々のままになるように急いで持ち帰ってもらう程の料理でもない。
お店で、できたてだからこそ食べてもらえていたんじゃないか、とそれが発覚するのに怯えて、二の足を踏んでいたのだ。
僕は、日課になりつつある、ネットでのテイクアウトのアイディア探しをしていた。
食材だったり、料理レシピだったり、容器だったり、様々だ。
お店が再開したら、お客様に出してみたいなあ、と思う料理はあったけど、それをテイクアウトにしたら、と思うと、できたての方が美味しそうだ。
猫グッズなどを買いに行くホームセンターのウェブサイトを見る。
週に一回は見にきているので、特に変わったものもない。
いや、あった。
カリスマ販売員ポォティトゥ良子さんがお勧めする商品の特設サイトへのリンクだ。
とりあえず、調理雑貨を見る。
僕も持っている、ジャガイモを螺旋に切るスライサーなどがあって。
なんだろうこれ?
ラップ?
僕は、説明を読んで、購入ボタンを押した。
この調理グッズに合う料理を考えて、あっさりとランチのテイクアウトは諦めた。
考えてみれば、うちはビア・バーなのだ。
そこで、ビールを持ち帰れるように、グラウラーという栓ができる瓶を用意した。
ペットボトル製もあるのだけど、使い捨てな分、値段が上がってしまうので、繰り返し使えるガラス瓶にした。
瓶の保険料はサービスなので、割らないでくださいお願いしますお客様。
またラベルもない瓶だけど、そのうちに専用ラベルをつくろう。
いや、ラベルをつくる間もなく、終息した方がいいのか。
バター多めの緩いホワイトソースに、摩り下ろしたニンニクと刻んだパセリを加えて混ぜる。
バットに広げて、荒熱をとったら、冷凍庫へ。
久しぶりにソーセージをつくって、ボイル。
牛タンを茹でて、皮を剥いたら、一口大より少し大きくサイコロ状に切って、フライパンで焼き目をつける。
それとは別に、夏野菜を大量に、そしてドライマンゴーを刻んで炒めて、トマトを入れない塩味のラタトゥイユをつくる。
あとは、バケットを薄めに切って。
『テイクアウト・ディナー始めました。販売開始十七時』
今朝から、そんな紙をお店の入り口脇のボードに貼っておいたけど、どうなることやら。
立食パーティーでも使う折り畳みテーブルを置いて、クーラーボックスに氷と塩水で冷やしたビール瓶。
料理を詰めた箱を置いて。
って時間ぴったりに菊池さんが来た。
というか、大きなマスクで、更に目を感染から守るためらしい花粉症用のような眼鏡をしているので、ほぼ顔が見えないけど、菊池さんなんだろう。
彼女は、そそくさとビールと料理を買って、帰っていく。
やはり、世間話をするような雰囲気ではなかった。
料理の内容とか、食べ方とか、書いた手紙を用意しておいてよかった。
【ご説明書】
お客様へ
当店のテイクアウト・ディナーをご購入いただきまして、ありがとうございました。
本日のお料理は「牛タンと破れそうなソーセージのビール煮」、バケットとクロメスキ添えです。
箱の中には、透明な耐熱クッキングシートで茶巾包みのような形のビール煮、アルミホイルに包んだバケットとクロメスキが入っています。
小さい方のアルミがクロメスキで、潰れやすいので、ご注意ください。
お召し上がり方
・ビール煮を包んでいる透明クッキングシートは耐熱ですので、フライパン、電子レンジで温めることができます。結んでいる紐も耐熱ですので、食べる直前まで、開けないでください。開けると料理の香りがたちこめますが、顔を近づけすぎると火傷しますので、ご注意ください。
・クロメスキは、バケットに乗せて、トースターで焼いてください。その後、二枚のバケットでクロメスキを挟んで潰して、お食べください。中からガーリック風味のソースが溢れますので、お洋服を汚さないように、ご注意ください。
お料理の説明
・ビール煮
当店の破けそうなソーセージ、牛タン、塩味のラタトゥイユを透明な耐熱クッキングシートで一人前づつ包んで、じっくりビール煮にしました。
ビールの苦味と隠し味のマンゴー、たっぷりの野菜の甘味で煮込まれた牛タンとソーセージをご堪能ください。
できたてではございませんが、その分染み込んだ味、最後に加えた屋上で栽培したハーブが密閉された香りをお楽しみください。
・クロメスキ
ガーリック風味のホワイトソースを凍らせて衣を着けて揚げています。温めてバケットで挟んで潰すと、ジューシーなガーリックトーストになります。
そのままで、ビール煮につけて、お楽しみください。
当店が再開しましたら、ご連絡をいれたく、ご登録ください。
またご要望や愚痴なども、よろしかったらお気軽に。
ビア・バーMOONlight Nignt店主
LINE:×××××
その夜、LINEの音が、鳴り止まなかった。
--------------------------------------------------------------------
超番外編の言い訳
どうせ、とお思いでしょうが、完結したハズなのに出戻りです(4回目)。
題の通りに言い訳しますと、このお店を使った新作は用意しているのです。
が、死と執着がテーマに入っているので、このご時勢、ちょっと発表しにくい、訳なのです。
じゃあ、大人しくしていろよ、という話ではあるのですが、逆にこのご時勢に、飲食店に、どんなことができるかを書ければと思い、出戻った次第です。
テイクアウトから、もう少し段階が進んだところまでの予定でしたが、思ったよりも文字数が増えてしまったので、テイクアウトネタのみとなりました。
というか、超番外編なのに、続きそうなこと書いて、そろそろ怒られろって気もしますが。
まあ、こんなとこ読んでるんですから、そういうのお好きでしょ?
また、機会がありましたら、このお店にお付き合いくださいませ。
まみ夜
はじめは、家から出ようとしない僕へ、不審な目を向けながらも、遊びをせがんできた猫たちも、既に慣れたというか、飽きたご様子だ。
お客様が入らないお店は、ガランとしていて、引っ越してきた当初は、ほぼ使っていなかったせいもあって、気にもならなかったのに、なんだか音が響くように感じる。
猫たちも、人がいない空間を怯えたように忍足で歩くくせに、気がつくとお客様が入ってこないドアを見上げていたりする。
遊び相手が僕だけでは、不満なのか、お客様が来ないことに、何かしらの不安を感じているのかは、わからない。
でも、三匹が揃って、動かないドアノブを見上げているのは、物悲しくはある。
アニキとは、しばらく合っていない。
メールでやり取りはしていて、互いの健康は確認している。
カスミちゃんは、高校がオンライン授業になって、実家に帰ってきていた。
アニキは喜んでいるようだが、カスミちゃんからのLINEは、愚痴が増えたように思う。
オヤジには、時々メールすると、忍さんから素っ気なく「生きてる」返信がくる。
行間から滲み出てくる不機嫌さから、オヤジは自分のお店に入り浸って、ボトルやグラスを磨いているのだろう。
猫の保護活動ネットワークの皆さんも元気だ。
ただ、里親募集などは、ネットのみで、譲渡会は自粛している。
逆に、この家にいる期間に、猫と過ごしてみたい、という方は、思っていたより多くて、里子に出す数は、審査を厳しくしたのに、例年とほぼ変わっていない。
Youtube配信は、過去分も合わせて、再生数や登録数が鰻のぼりだ。
百田さんと九十九さんは、ジムの会員向けに各々、宅トレ動画をアップしてるので、元気そうだ。
ジムに猫譲渡会のポスターを貼ってもらったときに、百田さんとは連絡先を交換しているのだけど、こういう情勢で、お互いの店舗が休業中だと、ちょっと連絡しにくい感じだ。
こういう時になると、僕の人としてのコミュニケーション能力が問われてしまう。
いつでも会えるから、と他は、メアドもLINEも交換していなかったのだ。
菊池さんなんて、ポストにカードをもらった。
保育園は感染対策が大変なようで、もしものために、なるべく人に会わないように生活しているようだ。
残念ながら、連絡先が書いてなかったので、お手紙をポストに入れたが、忙しくて、読んでいるかどうか。
つくづく僕って、ダメ人間だな。
とはいえ、非常事態宣言も解除され、少しづつだけど、日常が戻ってきている。
そろそろ僕も、お店をどうするか、考えなければいけない。
オジサンとアニキのお陰で、僕にはこのビルの家賃収入があるので、生活には困っていない。
でも、お店は再開したい。
でも、感染を考えると。
でも、と堂々巡りなのだ。
テイクアウトも考えてみた。
でも、冷えても美味しいようなノウハウはないし、熱々のままになるように急いで持ち帰ってもらう程の料理でもない。
お店で、できたてだからこそ食べてもらえていたんじゃないか、とそれが発覚するのに怯えて、二の足を踏んでいたのだ。
僕は、日課になりつつある、ネットでのテイクアウトのアイディア探しをしていた。
食材だったり、料理レシピだったり、容器だったり、様々だ。
お店が再開したら、お客様に出してみたいなあ、と思う料理はあったけど、それをテイクアウトにしたら、と思うと、できたての方が美味しそうだ。
猫グッズなどを買いに行くホームセンターのウェブサイトを見る。
週に一回は見にきているので、特に変わったものもない。
いや、あった。
カリスマ販売員ポォティトゥ良子さんがお勧めする商品の特設サイトへのリンクだ。
とりあえず、調理雑貨を見る。
僕も持っている、ジャガイモを螺旋に切るスライサーなどがあって。
なんだろうこれ?
ラップ?
僕は、説明を読んで、購入ボタンを押した。
この調理グッズに合う料理を考えて、あっさりとランチのテイクアウトは諦めた。
考えてみれば、うちはビア・バーなのだ。
そこで、ビールを持ち帰れるように、グラウラーという栓ができる瓶を用意した。
ペットボトル製もあるのだけど、使い捨てな分、値段が上がってしまうので、繰り返し使えるガラス瓶にした。
瓶の保険料はサービスなので、割らないでくださいお願いしますお客様。
またラベルもない瓶だけど、そのうちに専用ラベルをつくろう。
いや、ラベルをつくる間もなく、終息した方がいいのか。
バター多めの緩いホワイトソースに、摩り下ろしたニンニクと刻んだパセリを加えて混ぜる。
バットに広げて、荒熱をとったら、冷凍庫へ。
久しぶりにソーセージをつくって、ボイル。
牛タンを茹でて、皮を剥いたら、一口大より少し大きくサイコロ状に切って、フライパンで焼き目をつける。
それとは別に、夏野菜を大量に、そしてドライマンゴーを刻んで炒めて、トマトを入れない塩味のラタトゥイユをつくる。
あとは、バケットを薄めに切って。
『テイクアウト・ディナー始めました。販売開始十七時』
今朝から、そんな紙をお店の入り口脇のボードに貼っておいたけど、どうなることやら。
立食パーティーでも使う折り畳みテーブルを置いて、クーラーボックスに氷と塩水で冷やしたビール瓶。
料理を詰めた箱を置いて。
って時間ぴったりに菊池さんが来た。
というか、大きなマスクで、更に目を感染から守るためらしい花粉症用のような眼鏡をしているので、ほぼ顔が見えないけど、菊池さんなんだろう。
彼女は、そそくさとビールと料理を買って、帰っていく。
やはり、世間話をするような雰囲気ではなかった。
料理の内容とか、食べ方とか、書いた手紙を用意しておいてよかった。
【ご説明書】
お客様へ
当店のテイクアウト・ディナーをご購入いただきまして、ありがとうございました。
本日のお料理は「牛タンと破れそうなソーセージのビール煮」、バケットとクロメスキ添えです。
箱の中には、透明な耐熱クッキングシートで茶巾包みのような形のビール煮、アルミホイルに包んだバケットとクロメスキが入っています。
小さい方のアルミがクロメスキで、潰れやすいので、ご注意ください。
お召し上がり方
・ビール煮を包んでいる透明クッキングシートは耐熱ですので、フライパン、電子レンジで温めることができます。結んでいる紐も耐熱ですので、食べる直前まで、開けないでください。開けると料理の香りがたちこめますが、顔を近づけすぎると火傷しますので、ご注意ください。
・クロメスキは、バケットに乗せて、トースターで焼いてください。その後、二枚のバケットでクロメスキを挟んで潰して、お食べください。中からガーリック風味のソースが溢れますので、お洋服を汚さないように、ご注意ください。
お料理の説明
・ビール煮
当店の破けそうなソーセージ、牛タン、塩味のラタトゥイユを透明な耐熱クッキングシートで一人前づつ包んで、じっくりビール煮にしました。
ビールの苦味と隠し味のマンゴー、たっぷりの野菜の甘味で煮込まれた牛タンとソーセージをご堪能ください。
できたてではございませんが、その分染み込んだ味、最後に加えた屋上で栽培したハーブが密閉された香りをお楽しみください。
・クロメスキ
ガーリック風味のホワイトソースを凍らせて衣を着けて揚げています。温めてバケットで挟んで潰すと、ジューシーなガーリックトーストになります。
そのままで、ビール煮につけて、お楽しみください。
当店が再開しましたら、ご連絡をいれたく、ご登録ください。
またご要望や愚痴なども、よろしかったらお気軽に。
ビア・バーMOONlight Nignt店主
LINE:×××××
その夜、LINEの音が、鳴り止まなかった。
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超番外編の言い訳
どうせ、とお思いでしょうが、完結したハズなのに出戻りです(4回目)。
題の通りに言い訳しますと、このお店を使った新作は用意しているのです。
が、死と執着がテーマに入っているので、このご時勢、ちょっと発表しにくい、訳なのです。
じゃあ、大人しくしていろよ、という話ではあるのですが、逆にこのご時勢に、飲食店に、どんなことができるかを書ければと思い、出戻った次第です。
テイクアウトから、もう少し段階が進んだところまでの予定でしたが、思ったよりも文字数が増えてしまったので、テイクアウトネタのみとなりました。
というか、超番外編なのに、続きそうなこと書いて、そろそろ怒られろって気もしますが。
まあ、こんなとこ読んでるんですから、そういうのお好きでしょ?
また、機会がありましたら、このお店にお付き合いくださいませ。
まみ夜
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退会済ユーザのコメントです
ご感想ありがとうございます!
自分の書く中では、(これでも)登場人物が多く、しかも濃いのが多いのですが、自分たちで動いてくれるので、思い描きやすい物語ではあります。
その分、当初の思いつきとは全然違うところに着地するのが多いのですが、、、
そういう人物たちだからこそ、番外編「写真シリーズ」ができたのかな、とか思っています。
お料理は、捻ったモノが好きなので、お店のメニューも、いろいろ情報収集したり、そこから発展させたりした捻ったモノをお届けできたら、と考えています。
(スタンダードなお料理を描いて、美味しそうに伝える描写力の自信がないのは、ナイショです)
長いのに、最後までお読みいただきありがとうございました。
そして、よろしかったら、これからもよろしくお願い申し上げます。
いつも、楽しみに読ませて戴いていますありがとうございます。
猫と麦酒、終わってしまうんですね凄く残念です。
仕事から、帰った時や疲れた時など読むとホッコリする作品なので、もう連載は無いのかっと思うと寂しいです。出来れば、つづけていって戴ければと思うのですが・・・。番外編など、楽しみにしていますこれからも頑張って下さい。
ご感想ありがとうございます!
カスミちゃんの大学問題とか、エピローグに出てきたアレとか、開店した後の物語は、超不定期ではありますが、少しづつ書かせていただこう、と思っております。
ご愛読ありがとうございました。
そして、よろしかったら、これからもよろしくお願い申し上げます。