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#37 小さい人
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世の中には妖精は確かに存在すると言ってはばからない人が少なからずいるが私もそのひとりだ。きのうもバスタブの中でご機嫌で「最終の地下鉄に乗って」を口ずさむ小さい人を見た。そう。私は、妖精であるあの人を小さい人と呼んでいる。性別はわからない。たぶん、男のコ。
その後、気になって探してみたけれど、小さい人は、探すと絶対に出て来ない。見て見ぬふり、気づかぬふりをしていると知らない内にそばにいたりする。
この前、アコギを弾いてたらいい感じで風が入り風鈴がちりりんと鳴った。そこまでは覚えているがそれから居眠りしてしまい、ふと目覚めると目の前に小さい人がいて驚いた。
驚いたのは、小さい人が目の前にいたからだけじゃなくて、彼は目をうるうるさせて、今にも泣きだしそうだったからだ。
私の口からは「え⁉︎」としか言葉が出てこなかった。すると、小さい人は、大粒な涙をほろりとこぼしながら、私を指差して
「だって! だって! 鼻毛が出てるもん!」
世の中には妖精は確かに存在すると言ってはばからない人が少なからずいるが私もそのひとりだ。きのうもバスタブの中でご機嫌で「最終の地下鉄に乗って」を口ずさむ小さい人を見た。そう。私は、妖精であるあの人を小さい人と呼んでいる。性別はわからない。たぶん、男のコ。
その後、気になって探してみたけれど、小さい人は、探すと絶対に出て来ない。見て見ぬふり、気づかぬふりをしていると知らない内にそばにいたりする。
この前、アコギを弾いてたらいい感じで風が入り風鈴がちりりんと鳴った。そこまでは覚えているがそれから居眠りしてしまい、ふと目覚めると目の前に小さい人がいて驚いた。
驚いたのは、小さい人が目の前にいたからだけじゃなくて、彼は目をうるうるさせて、今にも泣きだしそうだったからだ。
私の口からは「え⁉︎」としか言葉が出てこなかった。すると、小さい人は、大粒な涙をほろりとこぼしながら、私を指差して
「だって! だって! 鼻毛が出てるもん!」
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