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第32話 お風呂でまったりタイム
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俺はなぜかヴァルハラの頭を洗っていた。
まったく、猫とはいえ人間の姿になれば、女の子に変わりはないのだから……目のやり場に困る。
今は小さな背中だけがチラっと見えるだけ。
でも、感触はこの手に伝わってきた。
もちもちの肌だなぁ。
「気持ちいです~、カイリさん」
「それは良かった。でも、俺とお風呂とか良かったのか」
「いいんです! だって主様ですもん。あ、わたしもカイリさんを洗って差し上げますね」
「なぬっ!!」
「そんな緊張しないで。さあ、次はわたしが洗う番です」
椅子に座るよう指示され、俺は逃げ出そうとする。逃げるだろ、ここは!!
「すまん、ヴァルハラ!」
「逃がしませんにゃ!!」
ガッと肩を掴まれて連れ戻されてしまった。……まてまて、ヴァルハラの握力どうなっているんだ。強すぎだろ。
俺は結局、椅子に座るしかなかった。
「……ヴァルハラ、本当にやるのか」
「はい、カイリさんの全身を洗います!」
「ぜ、全身!?」
「全身です」
これはもう逃げられないな。
そうして、ヴァルハラは小さな手を使って俺の背中を洗ってくれた。……これはくすぐったいし、気持ちいな。
「ありがとう、ヴァルハラ」
「まだ全身ではないのでダメです」
「……う」
やっぱり続行かぁ。
今度は前の方を洗ってもらい、俺はだんだんと顔が熱くなってきた。これは、ちょっとどころか……かなり刺激が強い。
「カイリさん、気持ちよさそうです」
「あ、あのな……ヴァルハラ。これ以上は危険だ」
「危険って、なにがです?」
――ダメだ。ヴァルハラは純粋らしい。
分かってくれそうにないな。
「ストップだ。下半身は自分でやるから」
「でも……」
「さ、さすがに恥ずかしいから」
「わたしは構いませんけど」
「ダメダメ。そこはヴァルハラには早すぎる」
「そう言われると気になります!」
ヴァルハラは俺の下半身に手を伸ばそうとした――ので、阻止した。
「ダメったらダメ!」
「ちぇー…。分かりました、主様のご命令ですから言うこと聞きます」
「素直でよろしい」
……ふぅ、危なかった。
それから俺は浴槽へ。
ヴァルハラも入ってきた。
結局、密着するような形になっているんだよなあ。ヴァルハラは体型も小さいし、俺の腕の中にすっぽり入る。
「気持ちいですね、カイリさん」
「ああ、ああ……ヴァルハラって意外と気にしないんだな」
「う~ん? カイリさん、顔が赤いですよ」
「ば、ばか。顔が近いって」
キスできる距離にヴァルハラの顔があった。本当に純粋無垢なんだな。
* * *
お風呂を出て――夕食を食べた。
それから自室へ戻って再び研究を続けていった。
「……ニューポーションを作ろうにも材料がないしな」
「次は何を作るんです?」
「バズさんから聞いたんだが、近々、錬金術師の大会があるらしい。品質の良いポーションと認められて一位が取れれば知名度だけでなく、ポーションの質が保障されるから普通に売るよりも高く売れるようになるし、アルデバラン王国から認められるようになるようだ」
「それは凄いですね! 参加して優勝しましょ!」
「そうだな。宮廷錬金術師の道は無理そうだし、まずは大会で優勝する目標にしようかなと思う」
「それは素晴らしい。わたしも手伝いますよ」
「ありがとう、ヴァルハラ。お前はいい子だな」
頭を撫でるとヴァルハラは嬉しそうにしていた。そんな猫みたいに――いや、猫か。目を細める姿は可愛くて仕方がなかった。
よし、大会で優勝できるようなポーションを開発していきますか!
まったく、猫とはいえ人間の姿になれば、女の子に変わりはないのだから……目のやり場に困る。
今は小さな背中だけがチラっと見えるだけ。
でも、感触はこの手に伝わってきた。
もちもちの肌だなぁ。
「気持ちいです~、カイリさん」
「それは良かった。でも、俺とお風呂とか良かったのか」
「いいんです! だって主様ですもん。あ、わたしもカイリさんを洗って差し上げますね」
「なぬっ!!」
「そんな緊張しないで。さあ、次はわたしが洗う番です」
椅子に座るよう指示され、俺は逃げ出そうとする。逃げるだろ、ここは!!
「すまん、ヴァルハラ!」
「逃がしませんにゃ!!」
ガッと肩を掴まれて連れ戻されてしまった。……まてまて、ヴァルハラの握力どうなっているんだ。強すぎだろ。
俺は結局、椅子に座るしかなかった。
「……ヴァルハラ、本当にやるのか」
「はい、カイリさんの全身を洗います!」
「ぜ、全身!?」
「全身です」
これはもう逃げられないな。
そうして、ヴァルハラは小さな手を使って俺の背中を洗ってくれた。……これはくすぐったいし、気持ちいな。
「ありがとう、ヴァルハラ」
「まだ全身ではないのでダメです」
「……う」
やっぱり続行かぁ。
今度は前の方を洗ってもらい、俺はだんだんと顔が熱くなってきた。これは、ちょっとどころか……かなり刺激が強い。
「カイリさん、気持ちよさそうです」
「あ、あのな……ヴァルハラ。これ以上は危険だ」
「危険って、なにがです?」
――ダメだ。ヴァルハラは純粋らしい。
分かってくれそうにないな。
「ストップだ。下半身は自分でやるから」
「でも……」
「さ、さすがに恥ずかしいから」
「わたしは構いませんけど」
「ダメダメ。そこはヴァルハラには早すぎる」
「そう言われると気になります!」
ヴァルハラは俺の下半身に手を伸ばそうとした――ので、阻止した。
「ダメったらダメ!」
「ちぇー…。分かりました、主様のご命令ですから言うこと聞きます」
「素直でよろしい」
……ふぅ、危なかった。
それから俺は浴槽へ。
ヴァルハラも入ってきた。
結局、密着するような形になっているんだよなあ。ヴァルハラは体型も小さいし、俺の腕の中にすっぽり入る。
「気持ちいですね、カイリさん」
「ああ、ああ……ヴァルハラって意外と気にしないんだな」
「う~ん? カイリさん、顔が赤いですよ」
「ば、ばか。顔が近いって」
キスできる距離にヴァルハラの顔があった。本当に純粋無垢なんだな。
* * *
お風呂を出て――夕食を食べた。
それから自室へ戻って再び研究を続けていった。
「……ニューポーションを作ろうにも材料がないしな」
「次は何を作るんです?」
「バズさんから聞いたんだが、近々、錬金術師の大会があるらしい。品質の良いポーションと認められて一位が取れれば知名度だけでなく、ポーションの質が保障されるから普通に売るよりも高く売れるようになるし、アルデバラン王国から認められるようになるようだ」
「それは凄いですね! 参加して優勝しましょ!」
「そうだな。宮廷錬金術師の道は無理そうだし、まずは大会で優勝する目標にしようかなと思う」
「それは素晴らしい。わたしも手伝いますよ」
「ありがとう、ヴァルハラ。お前はいい子だな」
頭を撫でるとヴァルハラは嬉しそうにしていた。そんな猫みたいに――いや、猫か。目を細める姿は可愛くて仕方がなかった。
よし、大会で優勝できるようなポーションを開発していきますか!
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