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第4章 勇者の剣と剣の巫女
第226話 ※ちょっと特別なエナジー・ドリンクなだけです
しおりを挟む「ニャオハーッ!!」
ドラ猫たちは容赦なく襲いかかってきた。こちらの事情などお構いなしに。アイツらも悪党とはいえ一般人だ。殺すのは抵抗がある。コイツらもある意味人質ともいえた。
「くそっ!戦いにくいな、これは。」
タニシを連れてきたことが仇になったのか?いや……俺が一人でも同じことになっただろう。相手は魔王だ。どんな手でも使ってくる。
「くひいいぃ!タニシ戦法乱れ打ちぃ!」
タニシは無我夢中でフレイルを振り回しながら暴れ回っている。あまりに不規則な攻撃なためか、猫どもはドン引きして攻撃をためらっている。魔族を引かせるってどんだけチートなんだよ。薬(※ちょっと特別なエナジー・ドリンクなだけです)って恐い。
「霽月八刃!」
「ぎょわぁ!?」
今は確実に霽月八刃で猫どもを無力化していくしかない。半分くらいはタニシが引きつけているので、今のうちに数を減らすんだ!
「くらえ!タニシアン・タイフーーーン!!」
タニシはフレイルを持って勢いよく回転していた。猫どもはタニシの周りから退避していく、しかし、逃げ遅れた一人に直撃した。しかも、股間に直撃……。これは痛い。
(ドフッ!!)
「おにゃあぁぁ!?」
命中した猫は悶絶しながら、その場にうずくまった。闇パワーを付与されたとはいえ、股間の防御力は変わらんようだ。タニシは人間の子供くらいの身長、対して猫人は人間と同じくらいなので、振ると丁度股間に当たるのだ。身長差が生み出した悲劇である。
「安心しな。峰打ちでヤス!」
打撃武器のフレイルに峰打ちもクソもあるか。コイツの言う峰打ちとは何なのか?
「急所狙いとは卑劣なあぁぁ!!」
「ヘッショよりはマシでヤス!あっしより背が高いからこんなことになるんでヤス!」
うーん、この。基本的に戦闘能力の低いタニシにとっては、急所狙いでいくしかないので何も文句は言えないが、ヒドい。いやいや、タニシと猫、どっちにも死なれたら困るので、これが最適解なんだ。そういうことにしておこう。
「へっ、犬のくせに多少はやるじゃないか。それとも、捨て猫ちゃん達が間抜けなのかな?」
違います。たまたま大当たりで、ラッキーヒットしただけです。ビギナーズ・ラックとかいうヤツだから、実力に数えないで下さい!
「役立たずはキッチリお仕置きしてやらないとなあ!」
乱戦状態になっている所へ魔王が攻撃をしかけてきた。俺はとっさに隙を見て退避した。しかし、猫たちは避けられない!気付いていないヤツもいる!
(ゴシャァァァァ!!!)
魔王の爪に三人巻き込まれた。手足、鮮血がその場に飛び交った!
「おおっと!手が滑ってついついやりすぎちまったわ!俺様が悪いんじゃないぜ?避けた勇者が全部悪いんだぜ?」
「くっ!?」
俺のせいかよ。手下にしたヤツまでワザと巻き込んで攻撃したクセに。タチの悪いヤツだ。
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